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本誌PDF - 日本工業出版

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本誌PDF - 日本工業出版
◆平成 16年 12月 1日発行 (毎月 1回 1日発行 )第3巻 第 12号 (通巻26号 )
◆発行所 日本工業出版 http//www nikko pb colp/
無害化技術を推進する専門誌
EnvfrOnmentar sο
′
ut′On Technο
′
οgy
特集 :最新 の膜処 理 技術
駒
‐■ │ ‐
│
i‐
・
│ ‐
‐
‐│ │ │ ‐
│ ││・
Duales System
Deutschland AC)
廃 プラスチックを資源 に変 える多目的洗浄機
従来 の湿式 と違 い 、
水処 理 負荷を大幅 に低減 します。
X版
碁蔽栗 六 鎌 互 F Fc
2004 Vol.3 No.12
C
0
Ⅳ
7
E
〃
7
e―
Water大 容量膜ろ過技術開発の展開
日給水量 10万 m3の 膜ろ過浄水施設をめざして
岐阜大学/湯 浅 晶
12月号
S
CDMと その実施プロセスについて
QA)/山 本 重成
働日本品質保証機構(」
熙 l
海水から飲料水
福岡における日本最大の海水淡水化施設
備大林組/林 秀 郎
連続式伝導伝熱乾燥装置
排ガス量が少なく省エネルギーな乾燥装置による
有機性廃棄物の乾燥
1原製作所/脇 屋 不
い大り
日
紀
浄水用富士膜ろ過システム
富士電機アドバンストテクノロジーm/佐 々木 康成 角 川
富士電機システムズm/本 山 信行
水環境総合研究所/野 中 規正
岡山市水道局/阪 本 博
0 5 明
1 1 功
セラミック膜ろ過装置による用排水処理
シンプル&コ ンパク トな槽浸漬方式の
セラミック膜ろ過装置
mクボタ/ゴЫ I雅 之 吉 崎 健
鰤
1
半導体光触媒 第 7回
光触媒反応のしくみ―その②
20
ス トーカ式こみ焼却炉の歴史を組とく 第 2回
こみ焼却炉の前史を駆け足で
杉島和三郎
環境負荷低減による現像液回収システム
丁MAHオ ンサイ ト回収再利用
オルガノい/菅 原 広
24
かんきょうよもやまばなし⑮
m造水促進センター/後 藤 藤太郎
28
応 詰
硝酸性窒素処理システムによる工業系排水処理
バチルエース1による
硫黄カルシウム材【
生物学的脱窒処理技術
33
最近の膜
旭化成ケミカルズい い クボタ 榊 クラレ
ダイセン メ ンブレン シ ステムズm
常盤い 東 レい 日立プラント建設い
NttWS&PRODUCttS
m日 本産業機械工業会 古 河電気工業l■
l
フランス大使館産業技術広報センター
国立大学法人広島大学 備 島津製作所
サッポロビールい 日 報イベント欄
いガステック 広 和エムテックい
新日鐵化学m/平 戸 靖浩 ・山田 勝弘
38
鰤
廃プラスチ ック乾式洗浄装置について
ドイツDSD社 との技術導入
い栗本鐵工所/田 中 貞夫
63
中年ジェット
│II二■潅盆義藝劣華鐸乙毅S‐
エエ場における排水処理水質改善事例
食品カロ
日特環境開発い/三 宮 政―
58
佐藤 しんり
分離ろ過膜によるダイオキシン含有排水処理
凝集沈殿処理と分離ろ過膜による排水の高度処理
ダイセン メンブレン システムズm/宮 崎 泰光
海外動向 「
最新の膜処理技術」
52
43
74
W0410-03
13479970/03畔
5 0 0 / 論文月C L S
e‐Water大
容量膜ろ過
F開発の
日給水量 10万 m3の 膜ろ過浄水施設をめざして
精密 ろ過膜 (MF膜 )や 限外 ろ過膜 (UF膜 )を
用 い た浄水処理 の実用化研究は欧米やオース トラリ
アで1980年代 か ら行われ、1987年か ら膜ろ過浄水施
設が建設 されは じめた(1ヽ日本 では、浄水 プ ロセス
協会お よび0水 道技術研究セ ンター にお いてMAC21
費補助金 を受 けて産官学 の体制 で進 め られて い る
「
環境影響低減化浄水技術 開発研究 ( e _ w a t e r ) 」
プ
ロジェク トの第 1 研 究 グルー プ ( 課題 「
大容量膜 ろ
過技術の開発」) の 活動 を紹介する。
(1991年∼1994)お よび高度処理MAC21(1994年 ∼
1997)等 の産官学あげての研究開発が行われ、1996
年か ら膜 ろ過浄水施設の実用運転が始 まった。 日本
におけるMF膜 やUF膜 を用 いた膜 ろ過浄水施設 は
計画中 も含めて374件に達 し(平成16年6月1日現在 )、
計画 一 日最大給水量 の総計は約24万m3で ぁる(2t膜
ろ過浄水施設 の大半 は計画 一 日最大給水量2,500m3
未満 の小規模 な水道であるが、5,000m3以上の膜 ろ過
浄水施設 も増 えつつ ある。現在稼働 中の最大規模 は
東京都羽村市 における計画一 日最大給水量27,500m3
であるが、 よ り大規模 な膜ろ過施設 も計画 されて い
る。
e‐
Waterプ ロジェクトでは 「
大容量」 として一 日計
∼
画給水量5万 20万m3、 ぁるい はそれ以上の規模 の
浄水施設 を想定 している。 この ような大規模膜 ろ過
浄水施設が 「
環境影響低減化浄水技術」であるため
には、省資源化、省 エ ネルギ ー化、省電力化、省 ス
ペ ー ス化、低 コス ト化 、環境排出負荷 の低減化 とい
った 目標 を目指す ものでなければ な らない。
この よ うな目標 を実現するには、膜 ろ過流 束 の増
大や膜 モジュー ル充填集積密度 の増大等 によ り、膜
よって認定登
ろ過装 置設置面積 当た り浄水生産量の向上が必要で
ある。 また、省資源化 。環境排 出負荷低減化 を実現
録 されて い る水 道用膜 モ ジ ュ ー ル はMF膜 29件 と
UF膜 23件 にのぼる(3tま た、 これ らの膜 モ ジュ ー
する上で、高回収 率 の浄水 システムの構築、洗浄排
水 ・汚泥量 の削減、薬品洗浄頻度 の低減、薬液 の再
ル を組み込んだ膜 ろ過装 置92件が水道技術研究セ ン
ター (」
WRC)│こ よって水道用膜 ろ過装置 として認
定登録 されている (平成16年3月31日現在)に
ヽ 膜メ
ー カー による膜 モジュー ルの 開発 お よび水処理 エ ン
利用、
廃棄膜 モジュー ルの リサイクルが重 要である。
ジエ アリ ング会社 による膜 ろ過装置の 開発 は今後 も
の破断監視 システムの構築 と膜 モ ジュール破断発 生
増加 し、各地 の水道事業体が導入す る膜 ろ過浄水施
時 の迅速 な対応策の整備 を行 う必要 がある。
e‐
Waterの 第 1研 究グル ー プ参加企業各社 はこの
膜分離技術振興協会 (AMST)に
設 の数 も増加する勢 いである。
大規模 な膜 ろ過 浄水施設では、従来の小規模 な膜
ろ過施設 の膜 モジュー ルや膜 ユニ ッ トの数量 を単に
さらに、大規模 膜 ろ過浄水 システム を安定 して稼働
させ、安全性 を向上 させ るためには、膨大 な数 の膜
モジュー ル ・膜 ユニ ッ トの品質管理、膜 モ ジュー ル
よ うな課題 のい くつ かを検討 目的 として10件の持 ち
増大 した ものではな く、運転 ・管理 を含む新たな設
込み研究 を実施 し、それぞれの課題につい て達成 す
べ き具体的な数値 目標 を設定 して開発実験 。実証実
計理念が求め られる。 ここでは、厚生労働科学研究
験 に取 り組 んでいる。
環境浄化技術 2θ “ .72 y。 ノ3 No.72
故障や事故等 によ り浄水処理機能 の低下が生 じた場
す でに実用化 されて い る多 くの小規模 な膜 ろ過浄
水施設 では、膜 ろ過水量 の2∼10%が 膜 ろ過装置の
物理洗浄 ・逆流洗浄 に使用 され、洗浄排水 として排
合 に重大 な水道水汚染 と健康被害を引 き起 こす こと
につ なが りかねない。
よ り高 い安全性 を追求す る2 1 世紀 の膜 ろ過浄水処
出 されて い る。 一 日計画給水量10万m3の 大規模 な
理では、膜 の物理洗浄排水 を着水井 に返送せず、多
段 の膜 ろ過 シス テ ム を組 むことによって トー タルの
膜 ろ過浄 水場 ともなれば一 日に2千 ∼ 1万m3の 洗浄
排水が発 生す る。大量の洗浄排水の環境へ の排 出は
W a t e r 実験 場 での 6 グ ルー プに
道局川井浄水場 のe ‐
環境影響低減化 や省資源化 の理念 に反す る。大規模
よる持 ち込み研究では、膜 ろ過 の高流束化、低 コス
膜 ろ過浄水施設 の技術 開発 で求 め られるのは、 高回
ト化、設置面積縮小、膜破断検知、オ ンサ イ ト薬品
収率 の膜 ろ過 浄水 システムの構築 で ある。多段 の膜
ろ過 システムはそのための方策の一つ である。
洗浄方法 の確 立 といった目標 と同時に、多段膜 ろ過
による トー タルの浄水 回収率9 9 9 % 以 上 を 目指 した
伏流水 の よ うに原水濁度 が常時低 い水源 の場合
には、排 水 とはい つて も膜 の洗浄排水 の濁質濃度 は
実験 を行 ってい る。
浄水 回収率 と安全性 の 向上 を達成 しうる。横浜市水
まだ まだ低 い。原水濁度が0.1∼0.5度といった低濁
度 の場合 には、回収率90%の 膜 ろ過装置 の洗浄排水
は1∼5度にしかな らず、通常河川 の濁度 レベ ル に過
ぎない。 この よ うな洗浄排水 を 2段 目の膜 ろ過装置
でろ過 し、必要であればその洗浄排水 を 3段 目の膜
ろ過装置でろ過するといった多段 の膜 ろ過 システム
を組 むことによって、ト ー タルの浄水 回収率99.9%
以上 の膜 ろ過 システムを構築す ることは容易 に実現
可能である。 2段 目や 3段 目の膜 ろ過 は排水処理 で
大規模 な膜 ろ過浄水場 では膨 大 な数 の膜 モジュー
ル ・膜ユニ ッ トが導入 。設置 される。ろ過水質 の安
全性 を確実 に し、 安定 した膜 ろ過運 転 を行 うには、
膨大 な数 の膜 モ ジュー ル ・膜 ユニ ッ トの品質管理 を
効率的に行 わなければならない。そのためには、膜
モジュー ルの破断監視 システムを構築 し、膜 モ ジュ
ー ル破断発生時 の迅速 な対応策を整備す る必要があ
はな く、あ くまで も浄水処理 と位置づ け るのであ り、
最終的な排水 。汚泥 の発生量 ・排 出量の低減化 を図
る。即 ち、 どの よ うな監視装置 を用 い、 どの箇所 を
ることが省資源化、環境影響低減化の達成 につ なが
て膜 の破断が生 じてい ると判断す るのかを明確 にす
る。 また、破断 した膜 モジュー ル をいかに して迅速
る。
水源 の種類や原水水 質 に応 じて各段 の 膜 ろ過装
置 ・運転方式 ・運転条件 を選定 し、あるい は新規の
技術 開発 を行 って、高回収率 の膜 ろ過 システム全体
の安定運転 と処理性能 の向上が期待で きる。 もちろ
ん、原水水質 に応 じて膜の物理洗浄排 水 を膜 ろ過以
外 のプ ロセスで処理す ることも選択肢 に入 る。
従来 の急速ろ過 システムの浄水場では、砂 ろ過池
の洗浄排水 を着水井に返送 し、水源か らの原水 と混
合 して再び浄水処理工程 に戻 して再利用す るのが 一
般的 であ り、貴重 な水資源 を有効 に利用 して いる。
膜 ろ過 浄水処理 でこの方法 を踏襲すれ ば、膜の物理
洗浄排水 を着水井 に返送 して再利用す るこ とにな
る。 しか し、浄水処理工程で除去 された不純物 の一
部、特 にクリプ トスポ リジウム等 の病原性微 生物が
浄水処理 工程中に循環 。蓄積す ることは、予期 せぬ
環 境浄 化技術 2θ “ 72
y。 ノ3 No72
どの よ うな頻度で監視 し、 どの ような測定値 をもっ
に特定 し、破断 した膜 モジュー ル を含むユニ ッ トや
系列 の処置方法 (ユニ ッ トの運転停止、系列 の運転
停止な ど)を 定 め、迅速に破断膜モジュー ル を取 り
外 して予備膜モジュー ル を装着す る一連 の交換 シス
テムの手順、搬 出搬入経路、所用時間等 を明確 にす
る必要がある。 この ような課題 についてハ ー ドとソ
フ トの両面か らの検討が必要である。
Water実 験場で
阪神水道企業団猪名川浄水場 のe―
は、外圧式中空糸MF膜 ろ過実験装置 を用 い て膜モ
ジュー ル内の 中空糸 を切断す るなどの破断実験 を行
い、水質監視装置 (高感度濁度計、微粒子 カウンタ
ー)に よる水質応答 を測定 した。膜の破断箇所 。破
断本数 と原水水質に応 じたろ過水質 (濁度、微粒子
個数濃度)の 応答 を測定 した結果はモ デ ルシ ミュ レ
ー シ ョンによる予測値 とほぼ一致 してお り、 モ デ ル
シミュレー シ ョンの活用が破断監視 システ ムの構築
種類 の原水水質条件 を想定 し、 一 日計画取水量 (浄
に資す ることが期待 される。
水量)100,000m3の 膜 ろ過浄水施設 の 設計 を水処理
メー カー に依頼 した ものである。ただ し、膜 ろ過 プ
ロセス は単段 とし、膜の物理洗浄排水 は回収 。再利
用 しないこととした。ケー スス タデ ィの概要 を第 1
大規模膜 ろ過 浄水場 に導入 。設置 される膨大な数
の膜 モジュー ル ・膜ユニ ッ トのろ過性能を維持する
ためには、効率的な薬品洗浄 システムが必要 である。
膨大 な数 の膜 モジュー ル について年間の薬品洗浄 ス
表 に示す。
原水① を想定 した 5件 の膜 ろ過施設 はすべ てケー
シング収納型 の 中空糸有機膜 モジュー ル を採用 して
お り、MF膜
3件
m)と UF膜 2
(膜孔径01∼ 0.25μ
ケジュー ル を策定 し、薬品洗浄作業 の 自動化 と安全
性 の 向上 を推 し進めて、効率的なオ ンサイ ト ・オ ン
件 (分画分子量 15万Dalton)で ある。原水① は非常
ライ ンエ 程 を確立 し、薬品洗浄廃液の処理 ・処分方
流束 で設計 されて いる。 5件 の膜 ろ過施 設 は膜の総
面積 には大 きな差異はないが、設備設置面積 には大
法や薬液再利用法 を確 立す るこ とが 求 め られて い
る。e ―
W a t e r では膜モ ジュー ル型式 ( ケー シング収
納型、槽浸漬型、圧力容器1 又
納型、等) ご とに洗浄
・
。
用薬品の種類 使用濃度 使用量 ・使用方法等 の要
領 を確立 し、オンサイ ト ・オンライ ン薬品洗浄 マニ
ュアルの作成 を目指 して いる。
に清澄 な原水 であ り、3.0∼50m3/m2/日 と高 いろ過
きな隔た りが認 め られる。
原水② を想定 した膜 ろ過施 設はケー シング収納型
1件 と浸漬膜方式 1件 であるが、両方 とも中空糸有
機 MF膜 (膜孔径 01μm)を 採用 して い る。 ろ過流
(浸漬膜方式)と 25m3/m2/日
束 は075m3/m2/日
ー
(ケ シング収納型)と かな り異 なる値で設計 され
て いる。浸漬膜方式 では吸引ろ過 のため膜間差圧 が
小 さいので、ろ過流束 を低 く抑 えて運転 し、広 い膜
W a t e r の 第 1 研 究 グル ー プで は、現 有 の 膜 ろ過
e―
技術 で 建 設す る大規 模 膜 ろ過 浄水 施 設 の概 要 を知 る
ため にケ ー スス タデ ィを実施 した。第 1 表 に示 す 3
面積 を必要 とす る特徴がみ られる。 しか し、設備設
置面積 はケー シング収納型2,380m2に くらべ て浸漬
膜方式が 1,870m2と逆 に小 さなって いる。
原水③ を想定 した 4社 の膜 ろ過施設はすべ てMF
第 1表 大 規模膜ろ過浄水施設のケーススタデ イの概要 (処理水量 100,000m3/日 )
薬品洗浄条件
:譴難施設10群1蕪
系統数
螂
ろ過流束 (m3/m2/日 )
1題
IⅢ
,コ
驚華│ン
数
1年に 1回
1年に1回
針{わち 機鵠抑難市式■│)
5
1∼ 4
奮│∼113
30 - 50
3841稽1綱 │
2∼ 6
2
4111:│●
075∼
25
30
3881∼1:鈍 │
2,400∼ 28,800
mmp:■ │■
1卿
ro6:留
411』
001■│ヨ
2
設備設置面積 (m2)
1,530∼ 5,110
1,870∼ 2.380
鷲
督
警
詈
鵬 tがな
18■│≒1偲麟
髪 ЮI■1団"0
浄水回収率 (%)
41111191
05∼
1921■1811Cl
膜 エ レメン ト数 (セラミック膜)
膜多1総避横│(翻 )
1年に1回
■ユ│(撃│む涯流轟ガ機い)
950∼
993
940∼
950
3印∞│#180m酪
2,260∼ 4,960
■=│ゴ│=1邸Йlrl尋2
941 ∼ 998
※ ※
「
系列」は装置やユニ ットの数量を示す。「
系統」は独立した制御系の数を示す。
「
設備設置面積」は管廊、ポ ンプ室、薬注室、電気室等を含む。
環境浄化技術 2θ “ 72 y。 /3 Nο 72
m)で あるが、2件 がセラ ミック膜
膜 (膜孔径0.lμ
に応 じて適切 な膜 ろ過装 置を選択 して浄水施設 を設
であ り、 もう 2件 が中空糸有機膜 を採用 して い る。
計す るための技術情報が整 えられて い くことが望 ま
その うちセ ラ ミック膜 1件 と中空糸有機膜 1件 は浸
れる。
漬膜方式 であ る。 原水③ は濁度 も有機物濃度 も高 い
原水 であるが、2件 の 中空糸有機膜 のろ過流 束 は原
水② の場合 に比 べ て少 し低 く設計 されてい る。 しか
し、前凝 集処 理 を行 うケー シング収納型 セラ ミック
膜 ろ過装 置 の場合 は、3.Om3/m2/日と高 い ろ過流 束
で設計 されてい る。なお、浸漬膜方式中空糸有機膜
の場合 は膜面積 が最 も大 きいが、設備設置面積 は最
も小 さい。 また、 セラ ミック膜 の場合 は中空糸有機
膜 に比べ て設備設置面積が大 きくなる傾向がある。
<参 考文献 >
"、
(1)湯 浅晶 : “海外 における膜 ろ過型浄水処理 の現状
水環境学
会誌、VoL18,No2,pp ll1 14(1995)
(2)lul水道技術研究 センターのホー ムペ ー ジ/技 術 ・製品情報/膜
装置 に関す る紹 介/膜 施設 の導入状況/膜 ろ過装 置導入状 況
/wwwjwrc‐ netorjp/tec/maku/pdノmaku03 pdfl
(httpノ
(3)膜 分離技術振興協会のホームペー ジ/規 格認定 ・水道用膜 モジ
ュールー覧 (httpノ
/www amstgrjp/ichiran htm)
{4)側 水道技術研究 センターのホームページ/技 術 ・製品情報/膜 装
/www
置に関する紹介/水 道用膜ろ過装置認定登録 一覧 (httpノ
vrc―
n etorjp/tec/index htlnl)
j、
第 1表 に示 した他 に、薬品洗浄条件 を 1年 に3∼4
回 として、 同様 に原水 ①②③ を想定 した処理水量
100,000m3/日の膜 ろ過 浄水施設 を設計す るケー ス
ス タデ ィを行 つた。原水①②③ のいずれの場合 で も、
年間の薬品洗浄回数が増加す ることによ り、膜 ろ過
流束は幾分大 きな値 に設 定 される。そ の分 だけ、膜
モジュー ル数 と膜面積 は減少 し、設備設置面積 も20
∼30%程 度 の減少がみ られる。
膜ろ過浄水施設がますます普及す るにつれて、大
規模な膜ろ過浄水施設 も増加すると考え られる。ま
た、認 定登録 される水道用の膜 モジュールと膜ろ
過装置の数 もますます増えるであろう。水源の水質
展示金
、
′
│
作
cD― ROM制
求人 バ ンフ レ ッ ト
も種 り
ヶ、ヌ
Q″
357Ⅲ
環境浄化技術 2θ “ 72 L/o/3 Nο .72
企業 のひらめ きを実 ′
移 しま す
デrc―
鉄 馴 刊 Ю 阻 馬 H CHUOメ ∪ Ю α O ma380811u 5
W0409‐ 10
13479970/03γ500/論文 7」
cLS
海水から飲料水
福岡 における 日本
福 岡都市圏 は九州経済の中心 として人口や産業が
集中 した都市圏であるが、地域内に 1級 河川 などの
大 きな水系がない ため、増大す る水需要 に対応 す る
ことが難 しくなって いた。 さらに、 昭和53年、平成
6年 の極端 な小雨 によって、ほぼ 1年 に及ぶ給水制
限が続 き、都市機能や市民 生活 に大 きな影響 を与 え
た。そこで福 岡地区水道企業団は、気象 に左右 され
第 1図 施 設建設地
ず、消費地 に近 く、工期が短 く、安定的に水道用水
を供給で きる逆浸透法 海水淡水化施設 を「
海 の 中道」
として知 られる福 岡市東区奈多 に建設す る事 を決定
6 0 % の 高圧R O 膜 」、 「
水質調整用 の低圧 R O 膜 」 の採
用等 々、数 々の新技術 を導入 して い る。本施設の諸
元お よびフロー を第 1 表、第2 図 に示す。
した (第 1図 )。
今 回 の海水淡水化施設 は 「自然 との調和」 「
低コ
ス ト」高信頼性」 を目標 に、淡水 回収率60%で 飲料
水 生産量 を国内最大の50,000m3/日 とし、 さらにお
い しい水 として親 しんで もらうために生産水 の水質
は蒸発残留物200mg/L以 下 を満足す ることとした。
現在建設中の海水淡水化施設 では 「
清浄海水 を得 る
1‐1 取 水施 設
103,000m3/日 の海水 を取 水す る本施設の取 水施
海水 浸透取水」、 「
UF膜 に よる前処理」、 「回収率
設 は直接取水方式 ではな く浸透取水方式 を採用 し
蜃
膜ろ過装置
( U F 膜)
導水
々良)
(多
取水井 取 水ポンプ
浸透取水施設
ルタ
プフィ
ポン
I タ ービン
プ
水槽 ROポン
第二生産水槽 生産水
放流
第2図 シ ステムフロー
環境浄化技術 2θ “.72 y。 ノ
.3 Nο.72
第 1表 施 設諸元
た。直接取水方式 はい くつかの タイプがあるが基 本
・建設場所
福岡県福岡市東区大字奈多
的に海水 中 に開口部 を設 け、直接海水 を取水す る方
:1欄
劉極瀬副贋
蝠
。構造 階 数
鉄骨造 地 上2階建て
法であ り、 もっ とも普及 して い る取 水方法 である。
1施1證
1胤
構
│“
卸Olll'/嗜
この直接取水方式 は取水 口が何 らかの形 で海中にあ
・取水設備
浸透取水方式
るため、漁業 に支障をきたす可能性や波によって被
1駆
│:曖11量
議 J 臨離 れ
集水面積
約20,000m2
災す る可能性がある。 また、海水 を直接吸引するた
1槃氷肢1管
│■
1:出
ポ│,1斉
│ン
1裂 1峯600オ
メla爾義
集水親管
ポ リエチ レン製 φ l,800mm X340m
この施設か ら多 くの汚泥が発生する。 さらに、 フジ
■10嘔にヽ31駆臨
レ│イ│イ
i=│イ
枠1ll■
:卜
響:JII夕
ツボやイガイ等 の付着 生物 も吸引す るため、薬品注
1凱:蔽 確
・プラン ト設備
め、 陸上 に大規模 な前処理 ろ過 施設が必要 であ り、
逆浸透方式
聾菫IJ●││スフヽ
41ラ■1型
1臨
外弱́蠍策lllIF撻
)
1樹
質ⅢⅢ■│さ'ブ1菫
化`掏 ‖
デン膜ltPV脚)
1愕
奉数1111=機 本1滲
1制
│コ嘘 MPa
運転煙│力
型式
高圧逆浸透装置
:中
空 糸型 逆浸 透膜 (高圧 RO膜 )
材質
:三
酢酸セルロース膜
本数
:400本
×5ユ ニ ット
漱 施圭i塵
J
して海底 の砂 層 に染み込んで きた海水 を集める方式
で ある ( 第3 図 ) 。今 回採用 された浸透取水方 式 は
鎌響
① 浸 透取水方式 によって得 られる海水 は、既 に
海底 の砂 によって懸濁物や微生物がろ過 された
│■
│■
材1質
│=│や'ツ1曇
1黎1腹
本1数,,│=螂
高圧ROポ ンプ
猟
今回採用 された浸透取水方式 は海 の緩速 ろ過 シス
テム とも呼べ る方式 であ り、海底下に集水管 を埋 設
次の よ うなメ リッ トを有 して い る。
運転圧 力 :82MPa
■型奎1
饗式││■
入や定期的な管内清掃が必 要 となる。
海水 なので清浄度が非常 に高 くなる。従 って前
│,1卜
0メ bユ│二
Fギ │
違戦湮│力
│●11れ輔 議
上下分割型渦巻ポ ンプ : 8 2 M P a X 2 4 5 0 k w
処理行程 を簡略化で きる。 また、 クラゲの発生
ペル トン水車 ( 動力回収装置)
や濁度が増大 して も取水 された海水 の清浄度は
1螢超鱒 黎ン│プ│
1輸
多1段
│"E□し●饉饉溝
】醸│夕
│■
イン│ボン1弊
ほとん ど変化 しないの で淡水化施設 の安定運転
ポ ンプ類
取水ポ ンプ、導水ポ ンプ、放流ポ ンプ等
が可能になる。
1器槽類
1膜
う1遷
│ぶ
槽│:蠍 1本
備1響
薬注 設備
次亜塩素酸ナ トリウム 硫 酸 苛 性ソーダt
゛
消石灰 ・重亜硫酸ソーダ 等
② フ ジツボや イガイ等 の付着 生物 も浸透取水で
得 られる海水 には含 まれないため管内清掃や薬
推進マシンの引揚げ
集水桝の沈設
レジンコンクリート管
集水管内部
集水親管の沈設
浸透取水層のイメージ
第3図 浸 透取水 イメー ジ及び施工状況
:"● 1げ
116*110■
lllll:││:││││
dil,1゛三
71″
1*1101i
637●1161,1
1ソ
'「
,,,│■
*1lol,
■瓢 漏 ﹃ 斗 難 吐
海底面
第4図 数 値 シミュ レー ション
品注入 も不要になる。
③ 魚 卵や稚魚等 を吸 い込 まないので周辺海域 の
生物環境へ の影響 がない と共 に、海底 に構造物
が露出 しないので完成後 の漁業活動 にも影響が
ない。
浸透取水 にお け る最大 の懸念事項 は取水部 の 目詰
ま りである。本施設 では、 日詰 ま り防止 のために海
域お よび海底砂 の綿密 な事前調査、実験 と数値 シミ
ュレー シ ョンによる安定取水が可能 な浸透速度の確
認お よび コン トロー ル、砂の移動 を防止す る層構造
の構築等 を行 い、 さらに、砂層内の流速分布 を均 一
第5図 取 水部設置位置
にす る管配置等 を数値 シミュ レー ションか ら求めた
( 第4 図 ) 。また、波 によって定期的に海底撹拌が生
じる取水位置 として沖合6 4 0 m 、 水深約 1 2 m の 海域
を選択 した ( 第5 図 ) 。 なお、取水 部 とプラ ン トを
結 ぶ導水管 は経路 上 に鉄道 と道路があるため推進工
素 化 で きる。
② 砂 ろ過の前処理施設で必要となる汚泥処理が
不要 となり環境 に優 しい施設 となる。
U F 膜 は 8 イ ンチ 径 の ス パ イ ラ ル 型 ポ リフ ッ化 ビ
1‐
2 前 処理施 設
ニ ル デ ン膜 でモ ジュー ル ( エ レメ ン ト3 本 入 り) が
8 5 本 / ユ ニ ッ ト設 置 さ れ 、 全 部 で 1 2 ユ ニ ッ ト
本施設 では浸透取水 によ りかな り清浄度 の高 い海
レメ ン ト) で 構 成 され る。
(3,060エ
法に よる トンネルと した。
水が安定的 に供給 されるため、前処理施設 としてス
パ イラル型UF膜 を採用 し無薬注で前処理 を行 うこ
1‐
3 逆 浸 透施 設 (高圧 RO膜 )
である逆浸 透施設 には淡
海水淡水化施設 の心lle部
ととした。今 回 のUF膜 の採用 には次の よ うな メ リ
水 回収率60%の 中空糸型高圧 RO膜 を採用 した。 こ
れによって、使用 エ ネルギーの節約 、施設面積 の縮
ッ トがある。
① 清 浄な無薬注の海水 をRO膜 に供給でき、RO
膜のファウリング防止と薬注管理 ・膜管理が簡
小、維持管理 の簡素化が で き、 コス ト削減 にも繋が
った。 また、 エ ネルギー回収装置 としては回収率 が
環境浄 化技 術 2θ 解 72
VO′ 3 N072
高 く水量 による変動の少 ないペ ル トン水車が採用 さ
れた。
高圧RO膜 は10イ ンチ径 の 中空糸型三酢酸 セルロ
ー ス膜 でモ ジュー ル (エレメ ン ト2本 入 り)が 200
本/ユ ニ ッ ト/系 列、5系 列 で2,000エレメ ン ト設
置 されてい る。
1‐
4 水 質調整施設
(低 圧 RO膜 )
高圧RO膜 だ けではホ ウ素値 を十分 に下 げ ること
が 難 しいため、 高圧 RO膜 の透過水 の一 部 を低圧RO
膜で処理す る。 この 2種 類 の膜で処理する ことで生
写真 1 施 設の外観
産水 の ホ ウ素 濃 度 を1.5mg/L以 下 、 蒸発 残 留 物
200mg/L以 下に した。
低圧RO膜 は 8イ ンチ径 のスパ イラル型ポ リア ミ
ド膜でモジュー ル (エレメン ト5本 入 り)が 45本/
ユ ニ ッ ト/系 列、5系 列 で1,125エレメ ン ト設置 さ
れてい る。
1‐
5 濃 縮海 水 の放 流 と生産水 の送水
海水か ら淡水 を抽出す ると、当然、濃縮海水が出
来る。今 回、 この濃縮海水 は近隣の下水処理水 と混
合 ・希釈 されて海へ 放流 され る。 また、生産 された
写真2 UF膜
ユニ ット
水 は福 岡都市圏 に飲料 水 を供給 して いる多 々良浄水
場 へ 送水 され、 ここで浄水場 の水 と混合する ことで
ホウ素値 を1.Omg/L以下 に して一般家庭 へ 配水 され
る。
今回 の提案は数 々の新技術 を導入 した新 しい海水
淡水化施設 であるため、建設 に先立 ち、近傍 の漁港
で1/500規模 の実証試験 を 1年 半 に渡 り実施 した。
71ジ│ジ
│ボ
付1着
第3図 浸 透取水 イメー ジ及 び施工状況
環境浄化技術 2θ 0472 L/o′ 3 Nο 72
写真3 高 圧ポ ンプ
現在、ほ とん どの工 事が完了 して 5 系 統 の生 産施
設 を系統 ご とに試運 転調整 して い る ところであ る
( 写真 1 ∼ 写真 5 ) 。 試運転 での浸透海水 は実証試験
での水質 よ りも良 い値 を示 してお り、最新 の計測 で
はS D I 値が2 . 8 程度、濁度0 0 0 1 N T U 程 度 を示 して い
た。 また、現地は連続 して記録的な台風 ( 1 6 号、1 8
写真4 高 圧RO膜 ユニ ット
号) の 直撃 を受け、取水海域ではかな りの波が発 生
して茶色 く変色 したが、浸透 海水 は水質、水量 とも
安定 していた。生産水 も予定取 りの水質が得 られて
お い しい水」 で
お り、私見 ではあるが期待通 りに 「
あ った。
完成後、国内最大 の海水淡水化施設 となる本施設
は2 0 0 5 年1 月 か ら連続 フル生産の試験 を開始 し、3
月末に引 き渡 しの予定 である。 この施設 か ら安全で
お い しい水が常 に供給 され、福 岡都市圏の新 しい水
源 として活躍す ることを期待す るものである。
写真5 低 圧RO膜ユニット
そ の 結 果、浸 透取水 の水 量 、水 質 の 安 定性 が確 認 さ
れ た。 また、S D I 値 は 原 海水 が4 . 5 ∼6 . 6 程度 、浸 透
海水 が3 . 0 ∼4 . 5 程度 の 範 囲 で推 移 した。第 6 図 は 実
証試験 の取水 部 断面 と取水 部 に設置 した セ ンサ ー を
示 した図で あ る。 海水 中 にあ ったセ ンサ ー は 3 ヶ 月
ほ どで フジッボ等 が付 着 し計測不 能 に なったが、集
水 管 内 に設 置 され試験 終 了後 に回収 され たセ ンサ ー
判
鱚 馘炉
必
巳
靱輻鰈鼈鱚躙
に付 着物 は見 られ なか った。 これ は フジツボ等 の付
着 生 物 が 砂 層 を通 過 出来 なか っ た事 の 証 明 で あ る。
従 って、 浸 透取 水 で は管路 の清掃 や塩 素 の注 入 な ど
が不 要 にな る。 プ ラ ン ト施設 につ い て も当初 予 定 し
て い た通 りの性 能 を発揮 す る こ とが確 認 され た。
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環境浄化技術 2θ “.72 1/oノ3 No.72
VV0409‐07
1 3 4 7 9 9 7 0 Ю3 洋5 0 0 / 論文ガC L S
最 新
b J
「
¬
ハ
の
膜 処 理 ダ 術
セラミック膜ろ週装置による
用排水処理
シンプル &コ ンパ ク トな槽浸漬方式のセラミ ック膜 ろ過装置
いクボタ Jり ‖雅之 ・吉崎 健
膜 ろ過 法 は、高度な固液分離性能 を容易 にかつ安
定 して得 ることがで きる水処理技術であ り、超純水
製造や食品 。医療分野、上下水処理、各種 工場用排
粉末活性炭 凝 集剤 ・酸化剤等
( オプ ション) ( オ プション)
水処理等 に幅広 く採用 されてい る。
弊社 では、セラミック製の精密 ろ過膜 を用 い た槽
浸漬方式 の膜 ろ過装置 ( 商標名 : フ ィルセラ) を 開
膜ろ過ポ ンプ
セラミック
膜 モジュール
発 し、主に浄水処理分野 を中心 に各種用排水処 理分
野 で既 に4 0 件以上納入 して きて い る。
本製品の主な特長 は以下の通 りである。
・耐薬性、耐研磨性 に優れた長寿命 なセラミック膜
→維持管理費 ( 膜交換費) の 低減
・高濃度原水 で も前処理不要 な膜 モジュー ル
→処理 工程 の簡素化, 高 回収率運転 も可能
・多彩 な処理性能 を発揮する槽浸漬方式
→鉄 ・マ ンガ ン除去、遊離炭酸除去 も可能
→ ア ンモニ ア性窒素除去 も可能
膜ろ過ユニ ット
排水
第 1図 槽 浸漬型 セラミック膜ろ過装置 の標準 フロー
また、 セラミック膜 モジュー ルは流路閉塞が起 こ
りに くい構造 としてい るため、本装置で はSS濃 度
の高 い原水 で も、除濁用 の前処理装置 を必要 とせ ず、
→粉末活性炭添加 による色度、有機物除去も可能
0 逆 洗 と気泡流 の効率的な膜洗浄による安定運転
直接膜浸漬槽 に流入 させ ることがで きる。
1‐
2 セ ラミ ック膜 モ ジ ュー ル
以下に本装置 の概要 と適用 事例 を紹介す る。
膜素材は、耐薬品性、耐 オゾ ン性、耐微 生物侵食
性、機械的強度、耐研磨性 な ど様 々 な点にお いて優
れてい るアル ミナ系 セ ラミックである。
1¨1 装 置 の構 成
本装置 は、膜 ろ過ユ ニ ッ トと膜 ろ過ポ ンプ 。逆洗
ポ ンプ 。洗浄 ブ ロ ワ等 の補機、制御盤で構成 され、
必要 に応 じて薬品注入設備が付属する。標準的な装
置 フロー を第 1図 に示す。
膜 ろ過 ユニ ッ トは、膜浸漬槽 内にセ ラ ミック膜 モ
ジュー ル を積み重ねて水 中に浸漬設置 した もので、
槽内を常時散気 しなが ら吸引膜 ろ過 を行 う。
2 y。 /3 Nο 72
環境浄化技術 2θ “ ′
写真 1 セ ラ ミック膜モジュー ル及び膜 エ レメン ト
・水道用膜 モジュール規格認定取得 ( 膜モ認第1 5 3 号)
。水道用膜 ろ過装置認定取得 ( 第0 0 2 〈
1 ) 号)
第 1表 槽 浸漬型 セラミック膜ろ過装置の概要
圧水洗浄 (逆洗)を 併用 して行 う。標準的な逆洗問
隔は1時間、逆洗時間 は10秒/回 程度であ る。
また、槽内濁質濃度 を一定に保持す るため、槽内
全量ろ過 気 泡流洗浄方式
ぶ輝151膜
φ塾鯛褥ヽ
身101槻
‖覆カ
か ら定期 的に排水 を行 う。本装置 では、逆洗水 を逆
洗 の都度排 出す る必要が無 い ため、99%以 上の高回
収率運転 も可能 で、排 水量 の削減 と高濃度化 も図る
MF膜
ことがで きる。
(公称孔径01μm)
薬品洗浄工程 は、膜 に蓄積する汚れによって膜差
イ阜三tお
係彙ジミ││フ
│タ
圧が所定値 まで上昇 した時点に行 うもので、槽内 に
膜 を設置 したまま薬品に浸漬 させて、膜 の 目詰 ま り
231112/モジュール
を分解除去するものである。薬品洗浄頻度は対象原
水水質 によ り異 なるが、通常 の浄水処理 では 1回 /
膜 エ レメ ン トは、外 径 13mm、 内径9mm(肉
厚
年程度 で ある。 また、 セラミック膜 は耐薬品性 に も
2mm)、 長 さ約800mmの 管状 で、管外面 に10∼20μ
m
の厚 みで0.lμ
mの 膜孔径 を有す る非 対称 二層構造 の
優 れて い るため、汚れに応 じて最適 な薬品や洗浄条
件 を選定で き、高 い 回復効果が期待で きる。
精密 ろ過膜 (MF膜 )で ある。
膜 モ ジュー ル (写真 1)は 、膜 エ レメ ン ト77本を
次に適用事例 を通 じて紹介す る。
ヘ ッダで まとめてモジュー ル化 した もので、膜面積
は2.3m2/モ ジュー ルで ある。
1‐
3 装 置 の 運転概要
本装置 の運転では、大 きく分 け る と膜 ろ過 工程 と
薬品洗浄工程が行われる。
膜 ろ過工程では、槽 内の水圧 と膜 ろ過ポ ンプの吸
引によって、原水 を膜 の外面 か ら内面へ 吸引ろ過 し、
本装 置 の適用 は、平 成元年 以 降、合併 浄化槽 (膜
分 離活性 汚泥法)や 下水 の 高 度処 理設備 (散水 用水
や修 景用水 へ の 再利用 用 途)等 か ら始 ま り、 そ の 後
は浄水 設備 や最終 処分場浸 出水 処 理 で急激 に実績 を
伸 ば し、 最近 で は無機系 の 産業用排 水 処理 に も適用
濁質が除去 された膜 ろ過水 を取出す (第2図 )。
本装置 では、膜の 目詰 まり 。閉塞 を防止す る目的
範 囲 が広 が って きて い る。
で、膜 モジュー ル下部か らの散気 によ り、常 時膜面
浄水処理分野 での膜ろ過法の導入 は、凝 集沈澱 ・
急速 ろ過 に替わる技術 として、平成6年以降Ⅲ
Jヽ規模
洗浄 を行 う とともに、 定期的 に膜 ろ過水 を用 いた逆
2¨1 浄 水処 理
浄水場 か ら始 ま り、最近では主にクリプ トスポ リジ
ウム対策 として急速に進め られるとともに、中 。大
規模浄水場 へ も適用が広が りつつ ある。
本装置 は1999年に 1号 機 を導入 して以来、表流水
や湖沼水 曖
k伏 流水、井戸水 など幅広 い原水 に適用
されてお り、既 に現在21件の導入実績 (建設中9件)
に至っている。 中 で も、現在建設中の長幌上水道企
業 団長幌新 第 一 浄水場 (北海道)は 、処理能力が
5,960m3/日 とセ ラ ミック膜 では国内最大規模 で あ
る。 また、浄水場排水処理 (濃縮)0と しての適用 も
検討 されつつ あ り、今後 の展 開が期待 される。
第2図 槽 浸漬型セラミック膜ろ過の原理
ここでは、吉永町三 国東部簡易水道施設 (岡山県)
へ の適用事夕1・
を紹介す る。施 設 の仕様 を第2表 に、
ー
処理 フロ を第3図 に示す。
環境浄化技術 2θ θ4 72 Voノ 3 Nο 72
第2表 吉 永町三国東部簡易水道施設の仕様
人塔寺川表流水
水源
1401え
螂
計画浄水量
441m3//日
謝水力機│
靱
系列数
2系 列
1型
│11澪数 J
1濠,葛iン
:螢=ジ 面JJシ 傑 期│
青
ξ
菖
i
』
11111鷹
昇す る。本施設では、快適水質項 目を処理水質 目標
とされているため、原水に粉末活性炭を添加するフ
ローが採用されている。
供用開始当初は、第4図 に示す ように、原水濁度
が大 きく変動 し、100度をしば しば超過 したが、前
処理を行 うことなく、膜差圧は10kPa程度で安定 し
た運転が可能であった。
流量制御方法
定流量ろ過方式
1撃
襦1総
1樫
燿果
1現
躍オ1師ライ│シ1洵継│=1市│●│=│
回収率
9969ろ
その後、第5図 に示すように、膜差圧は運転 開始
直後 の約10kPaから1年後には50kPaまで増加 した
が、その上昇 は原水濁度の変動に よらず緩やかで、
薬品洗浄を行 うことな く1年以上の連続運転が可能
原水 となる八 塔寺川表流水 の水 質 は、 濁度 ・色
度 。過 マ ンガン酸 カリウム消費量 ・臭気 の変動が比
較的大 きく、 また、降雨時には濁度が数百度 まで上
であった。
次に、水質分析結果 (平均値)を 第 3表 に示す。
膜分離によって、浄水 の濁度は全期間を通 じてo.05
八塔寺川 より
第3図 吉 永町三国東部簡易水道施設フロー図
口 帥
働
際
0
2
水濁度(日平均値)
0
8
[
鶴]燃囀くЦ
∞ 0 0 0 0
雌
0
4
。
0
5
10
15
20
0
25
運転日数 [ 日]
第4図 原 水濁度の経 日変化 と膜差圧
環境浄化技術 2θ “.72 b/o/3N072
Hll.415
共用開始当初)
60
120
運
180 240
転日数 [ 日]
300 360 420
H125H
の経 日変化
第5 図 年 間を通 じた膜差F ■
﹃﹄当 日瀾盤
0
0
0 6
―― 原水濁度 ( 3 0 分平均値)
差圧 ( 日平均値)
_膜
第3表 水 質分析結果 (年平均)
凝集沈澱 ・砂 ろ過 よ り簡素 で、
要性があ ることか ら、
しか も確実な凝集膜 ろ過法の採用が増 えてい る。
本装置 は、豊 島廃棄物等対策事業高度排水処 理施
は じめ、約10件で導入 され、紫外
設 (65m3/d)(5)を
。
線 オゾ ン併用 の光化学的分解法 によるダイオキシ
ン分解装置や脱塩装置 の 前処理 に も適用 されて い
大腸菌群数
MPN/100mL
る。
塁堤ツ夢躙 1励五濶謙1量
E260(50mmセ
2‐3 産 業用排水処 理
ル)
産業用途 の固液分離用膜 ろ過 (精密膜 ろ過や限外
膜 ろ過 )は 、従来、超純水製造や食品 。医療分野 で
度未満 で あ り、大腸菌群数 も確実 に除去で きていた。
鉄や マ ンガンについ ては、槽内の常時散気 による空
気酸化作用や高 く保持 された槽内濁質へ の吸着作用
等 によ り、それぞれ0.28、0023mg/Lの 原水濃度が、
処理水 では0.03mg/L未 満、0.005mg/L未 満 と、定
量限界以下にまで除去す ることがで きた。
さらに色度や臭気、過 マ ンガン酸 カリウム消費量
につい て も、粉末活性炭の少量添加 (3mg dry/L)
によって、それぞれ、1.7度、lTON、 2.9mg/Lに ま
で低減 させ ることがで き、効率的な高度処理が達成
された。
主に用 い られて きたが、最近 では、工場内用水 の要
求水質 の高度化や、排水 の リサイクル利用 (コス ト
低減)を 目的 とした膜 ろ過装置の採用が増えて い る。
本装置 は、従来複雑 な設備構成であった処理 シス
テ ム をシ ンプル化 で きるため、 省 スペ ース ・省 エ ネ
ルギ ー を実現 で き、 さらにセ ラ ミック膜 の特長 を活
か して、下記の ような用排水処理 に対 して高 い効果
を発揮する。
① 研 磨 ・研削排水処理
② 無 機系排水 の再利用 。濃縮 ・固形有価物回収
③ 地 下水処理 (除濁 ・除鉄 ・除マ ンガン)
これ らの ように、本装置 では除菌 ・除濁だけでは
④ 純 水 。超純水製造 の前処理
な く、本来膜単独 では除去が困難な上記の よ うな溶
次 に実際の導入例 を紹介す る。
解性 の物質 も、安定 して除去が期待で きる ことが大
きな特長である。
なお、膜浸漬槽 には濁質分や粉末活性炭が約250
倍 に濃縮 された状態で保持 されて い る。槽内水 は定
期的に排水槽 に引抜かれ、濁質分 を沈降させ た後に
上澄みを放流 して い るが、引抜 水 の沈降性 は良好 で
2時 間静置後 の上澄水質 も排水基準 を満た して いた。
2‐2 最 終処 分場浸 出水処理
最終処分場浸出水処理 の分野では、ダイオキ シン
類対 策 として、従 来法 よ り高度 にSSを 除去す る必
某社 A工 場 では、研磨や洗浄工程で大量の水 を使
用 して い るため、従来 か らJF水のクローズ ド化処理
を、第7図 に示す よ うな複数 の工 程か らなるシステ
ム により行 って きた。しか し、維持管理が煩雑 な上、
多額 の運転 コス トがかか り、 さらに、生産形態の変
革 に よ り要求水 質 レベ ルが 高 くなって きた ことか
ら、2001年に本装置 を導入 した。 なお、現在 も膜 を
交換す ることな く稼動 を継続 して い る。
それにより、従来 と同等以上の水質 レベ ルを確保
しなが ら、 システ ムの簡素化 を実現す るとともに、
コス トダウ ンやC02排 出量削減 を達成 して い る。
ダイオキシン類分解処理設備
キレート
吸着処理設備
第6図 最 終処分場浸出水処理における凝集膜ろ過設備例
セラミック
膜ろ過装置
( 粉炭添加)
第7図 研 磨排水処理におけ る工程 の簡素化
環境浄化技術 2θ θイ.72 Vο ′3 Nο .72
以上で紹介 して きた槽浸漬型セラミック膜 ろ過装
置 は、長寿命 な膜 を、幅広 い原水 に対 して適用可能
で、水処理 システムの省 スペ ー ス ・省エ ネルギー化
を実現で きる装置である。今後 も様 々 な用途へ展 開
し、環境負荷低減型社会 の実現 に役 立てて い きたい
と考 える。
< 参 考文献 >
"、
{ 1 ) ③ 水道技術研 究 セ ンター : “水道用膜 ろ過法入 門
p67
(2002)
203
池田ら : 第5 4 回全国水道研究発表会講演集、p 2 0 2 ‐
北川 ら : 第5 3 回全国水道研究発表会講演集、p 2 9 4 - 2 9 5
"、
工業用水
西本 ら : “
第5 1 1 号、p 2 4 _ 2 6 ( 2 0 0 1 )
ボタ : “
KUBOTA GLOBAL INDEX環
lTllク
境修復 のロー ドマ
"、
ップ p7(2003)
建設機械 と機械化施 工の専 門誌
本誌 は、建設機械 と建設の機械化施工を中心 と し
て工法 、環境、公害、安全、保守等 の関連技術 との
接点 をわか りやす く体系づ け、施工者、機械 メ ーカ
ー、現場管理者か らオ ペ レータ ー に至る迄相互の理
解 に役立つよ う編集 に取 り組んで い ます。
●創刊年月日 :1965年 (昭和40年)8月日 日
●発 行 日 :毎月1日発行
●発 行 部 数 :12,000部
88頁
●判型 ・総頁 :B5判 ・
:2,000円
●定
価
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) FAX 03(3906826
htt,7/― nkko‐
pb∞ ipr e mJ「hfO@nkko pb coip
.3N072
環境浄化技術 2θ θイ72 y。 ノ
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大 阪 営 業 所 〒541-0“6大 阪市中央区平野町1-6-8705
TEL“ (6202)8218 FAX 0616202)8287
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ム
テ
ス
シ
過
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膜
士
由
里
目
用
水
富士電機アドバンストテクノロジーい 佐 々木 康成
角川 功明
富士電機システムズい 本 山 信行/水 環境総合研究所 野中 規正
岡山市水道局
欧米 にお いて浄水 プ ロセス に膜分離技術が導入 さ
阪本
博
示す( l t
れ、 固液分離性 に優れ て処理水質に対する信頼性 が
富士電機 システムズ は浄水場 の電気お よび計測制
高 い、 自動運転 による省力化 が可能、設置面積が小
御設備 を幅広 く納入 し顧客 の信頼 を得 て きたが、 上
記動 向 を踏 まえて膜処理分野 へ の進 出を図 って い
さい などの利点が明 らか となった。 日本で も導入の
機運が高 ま り、1991年か らナショナルプ ロ ジェク ト
「
膜利用型新浄水 システム開発研究 (MAC21計 画)」
る。 具体的に は、第 1 表 に示す よ うに世界 トップ レ
ベ ルの納入実績 を有す るオラ ンダN O R I T / X ―F l o w
が実施 された。 この成果 を受けて、1995年にガイ ド
社か ら膜技術 を導入 し、当社 のプ ラ ン トエ ンジエ ア
ライン、技術認定な どの水道膜 ろ過設備導入へ の体
リ ング技術 と融合 させて浄水用富士膜 ろ過 システム
市Jが整 え られ、それ以降、簡易水道 を主 として浄水
用 の膜 ろ過設備が 導入 され、2003年 6月 には328か
テムについて、概要お よび河川水の膜 ろ過実験結果
所 に達 した。
を紹介す る。
を提供す る。 ここでは、 この浄水用富士膜 ろ過 シス
当初 は簡易水道 を中心 とした小規模浄水 場 での導
入が主であ ったが 、次第に中 。大規模浄水場へ も導
入 され始め た。 欧米にお いてはす でに処理水量10万
m3/日 規模 の膜 ろ過設備が稼動 して いる。第 1表 に
1 - 1 膜 エ レメ ン トお よびモ ジ ュー ル
世界 のMF/UF膜 処理設備 の処理水量上位 リス トを
富士膜 ろ過 システムは、X _ F 1 0 w 社製 の膜 エ レメ
第 1表 世 界のMF/UF膜
1
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3
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5
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処理設備 の処理水量上位 リス ト
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UF
アクア ソ ー ス
環境浄化技術 2θ 0472 y。 ′3 Nο 72
原水質に応 じて使 い分 ける ことが可能である。
この膜 エ レメ ン トを 2∼ 4個 充填 して、第 2図 に
示す膜 モジュー ル を構成する。原水 は膜モジュー ル
原水中空
原水流路
ヘ)
(次エレメント
0一
〇
膜ろ過水流
詭討俗
端部 に設けられた原水入口よ り流入 し、中空糸膜で
ろ過 される。ろ過水は集水板 に沿 って膜エ レメン ト
中央 に集め られ、膜 モジュー ルの両端 よ り流出す る。
本 モジュールの特徴 として、
① 膜 材質が有機性 のポ リエ ー テ ルスルホ ンとポ
リビニルピロリドンの混合系 であり、親水性、耐
ろ過水集水板
薬品性、耐熱性お よび機械的強度 に優 れてい る、
一
② モ ジュー ル内に均 に原水お よび逆洗水が分
配 されるようになってお り、ろ過 お よび膜 洗浄
第 1図 膜 エ レメント外観写真
効率 が高 い
ことカツトげ られる。
第2表 膜 エ レメン ト基本仕様
1‐
2 富 士膜 ろ過 シス テム
第 3図 に富士膜 ろ過 システムの構成例 を示 した。
また写真 1に 実機 イメー ジとしX―Flow社 の納入例
1鷹
網貶,C曜卜
■溝
ポリエーテルスルホン/ポリビニルピロリドン混合膜
を示 した。
動
場200m燕籠1曼
1墨
1煮
輛a魚
供給 され、中空糸膜でろ過 された後、集水板 を経て
膜 モ ジ ュー ルの 両端 よ り処理水 タ ンクヘ と流 入す
る。原 水 中 の 爽雑物 はあ らか じめ プ レフ ィル ター
第 3図 におい て、 原水 は膜 モ ジュー ルの両端か ら
m、 図示 せず)で 除去 される。本 シ
(孔径 100∼200μ
ン トを用 い て い る。 外 観 を第 1 図 に、基本仕様 を第
ステムは全量ろ過方式 を採用 してお り、原水ポ ンプ
の動力 は膜ろ過のみに使用 されるためエ ネルギー効
2 表 に示す 。
率が高 い。
で、 内圧 式全量 ろ過 方式 を採 用
して い る。 膜材 料 はポ リエ ー テ ルス ルホ ンとポ リ ビ
膜 は 中空 糸 M F 膜
ニ ル ピ ロ リ ド ンの 混 合 系 で 、 公 称 孔 径 は0 . 0 2 5 ∼
0.030μ
m で あ る。膜 には内径0 . 8 m m ( エ レメ ン ト膜
面積 3 5 m 2 ) 、内径 1 . 5 m m ( 同 2 0 m 2 ) の 2 種 類 が あ り、
膜 の洗浄 には、
① 処 理水 を逆 に流す逆洗 と、
② 薬 品を使用する薬品添加逆洗
がある。
① 逆 洗 は膜差圧 の上 昇 を指標 に 1∼ 2時 間毎 に
ポッティング(膜集束部)
R O 標 準ベッセル
圧
力
容
器)
//く
シ
膜ろ過水
コネクター
原 水 バ イパ ス流 路
第2図 膜 モ ジュール構造
環境浄化技術 2θ “.72 y。 ′3 Nο .72
ヽ
鯰
薫 ミ 壼 ミ ミ 撻 § さ
監視設備
現場
ヽ 変 … …
第3図 富 士膜ろ過 システムの構成例
こ うした薬品添加逆洗 を採用することにより、富
士膜 ろ過 システムでは、従来 の多 くの膜処理にお い
て3ケ月∼ 1年間隔で行 われる薬品洗 浄 を行わず、長
期安定運転 を実現 し、併せて維持管理 コス トの低減
を図ってい る。
1‐
3 本 シス テムの特徴
以下 に富士膜 ろ過 システムの特徴 を示 した。
写真l X‐Flow社の膜ろ過ユニット
行 い 、 逆 洗 ポ ンプ に よ り処 理 水 タ ンクの 水 を膜
の外側か ら内側 に逆流 させ て、膜 表面 に付着、
堆積 した汚 濁物質 を洗 い流 し、膜 モジュー ル端
部 の排水口を経て除去す る。
② 薬 品添加逆洗 (CEB:Chemical Enhanced
Backwash)は 現場 で 自動的に行 われる。 これ
は、薬品を逆洗水 に添加 して膜 モ ジュー ルヘ と
供給 し、膜モジュー ル内を所定 の薬品濃度にす
る薬品添加工程、所定の薬品濃度にて所定時間
保持す る体止 工程お よび体止後に膜 ろ過 水 を二
次側 (ろ過水狽1)か ら一次側 (原水側)へ と流
し、膜 モジュー ル内の薬品濃度が所 定濃度未満
となるようにす るリンスエ程 よ り構成 される。
薬品 としては、次亜塩素酸ナ トリウム、硫酸等
が原水質や膜 目詰まり物質の種類に応 じて濃度
を調節 して使用 される。
① 豊 富な実績 :欧 米各地 で多数 の実績 を有す る
オラ ンダNORIT/X― Flow社 の先進技術 と当社
のプラン トエ ンジニ ア リ ング技術 を融合 させ、
実績 と信頼性 を高めてい る。
② 薬 品添加逆洗 の採用 :従 来 の薬品洗浄 を不要
とし、安定運転 と維持管理 コス トの低減 を図っ
てい る。
③ 省 スペ ー ス :使 用す る膜 モ ジュー ルは、逆浸
透 な どで用 い られる水平設置式の標準規格8イ
ンチベ ッセルに膜 エ レメン トを充填す る構造 と
なってお り、集積度 の 向上 とメンテナ ンスゾー
ンの省 スペ ース化 を実現 して いる。
④ 建 設工期の短縮 :膜 ろ過 システムはユニ ッ ト
化 されてい るため現地での据付 ・配管工事が低
減 され、建設工期の短縮 を図ることがで きる。
⑤ 完 全 自動運転 :オ ラ ンダNORIT/X― Flow社
の膜技術 と富士電機 システムズの制御技術 を融
合 させた完全 自動運転 となっている。
⑥ 省 電力 :全 量 ろ過方式 を採用 していることで
エ ネルギー消費量 が少ない。
環境浄イ
辟支術 2θ“ 72
y。“ No 72
第3表 膜 ろ過実験装置仕様および運転条件
80m2[20m2x4本
15m3/[m2 日
]
]
デイスク
フィルター
* 1 : 次 亜塩素酸ナ トリウム添加逆洗
* 2 : 硫 酸添加逆洗
水温計
デ ィスクフ ィル ター で前処理 して膜供給水 とした。
通常 の逆洗は薬品を添加せずに実施 し、一 日に 1 回
第4図 膜 ろ過実験装置フロー
の頻度 で次亜塩素酸ナ トリウム添加逆洗 を、 一週間
に 1 回 の頻度 で硫酸添加逆洗 を実施 した。
欧州で実績のある技術 を、わが国の水質に、 よ り
原水お よび処理 水 をそれぞれS l ( デ ィス クフィ
ル ター 前) お よびS 2 ( 処 理水 タンク前) よ り採水
し、週 に一 回の頻度 で水質分析 ( 定期水質分析) を
高度 に適合 させ るため実証実験 を行ってい る。 ここ
では河川表流水 を処理 した場合の運転特性 につい て
行 った。 また、原水水温、原水濁度お よび処理水濁
述べ る。
度に関 しては、定期水質分析 に加 えて実験装置に設
2‐1 実 験 方法
置 したそれぞれの計器 によ り連続で も測定 ( 自動演1
膜 ろ過装 置 の処理性能お よび処理水質につい て検
定)を 行 った。
討す るため、 岡 山市水道局三野浄水場内にて、平成
2‐2 結 果 と考 察
15年 1月 か ら7月 にかけて実験 を行 った。処理水量
第 5図 に連続運転結果 を示 した。 自動測定 におけ
は約100m3/日 である。
る運転期 間中の原水水温 は、最低3.2℃、最高25.0℃
、
本膜 ろ過装 置 に使用 した膜 エ レメ ン トの仕様 は第
2表 に示す通 りであ る。採用 した膜 モ ジュー ルは、
平均135℃ であった。 また原水濁度 は、最低0.8度、
膜 エ レメン ト4本 を連結 し、圧力容器 に充填 した構
造 となっている。膜 の洗浄はすでに述 べ た方法 で行
最 高 165度 、平均 5.4度で あ った。膜 ろ過流 束 1.5
m3/[m2.日 ]、回収率92%の 運転条件 にお いて、 一
時的な膜差圧 の上昇 は見 られたが、次亜塩 素酸ナ ト
った。
リウムお よび硫酸添加逆洗 を実施す ることによ り、
第 3表 に膜 ろ過装置の仕様お よび運転条件 を、第
4図 にフ ロー を示 した。沈砂池か ら取水 した原水 を、
膜差圧 はほとん ど上昇す ることな く運転する ことが
で きた。
第4表 定 期水質分析結果
濁 度 [度]
一脚
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│
pH値
燎
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]
01鎖撃量埋堪g/L3
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│%│:
総 マ ンガ ン [mg/L]
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一般細 菌 [個/mL]
14,000
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0
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0
2
80
100
120
第5 図 連 続運転結果
質分析 結 果 を示 した。
︶
9◎
第 4 表 に運 転 期 間中 の 原水 お よび処 理水 の 定期水
鰤
魃
運転日数 [ 日]
岬
祗
嵯
予
不
辟
蒻
原水水 質 は変動 す るに も関 わ らず 、処理水 質 は常
に良好 で あ った。 濁 質、細 菌 に関 して は1 0 0 % 除 去
で き、 総 鉄 も検 出 下 限 未 満 と な っ た 。 一 方 、
KMn04消 費量 、 色 度 成 分 お よび総 マ ンガ ンの 除去
率 は、 それ ぞれ31%、 64%お よび78%で あ った。
なお、本 実験 結 果 に基 づ き② 水 道技術研 究 セ ン タ
ー にお い て装置認 定 を取得 した。
欧州で広 く実績 の あるオラ ンダNORIT/X― Flow
社の膜技術 をベ ース と した富士膜 ろ過 システムの概
要 を紹介 し、我が国に適用す るための実証実験結果
を示 した。河川水 を対 象 とした結果 は良好 であ り、
さらに地 下水等向けの実証実験 を進めてい る。本膜
ろ過技術が浄水技術 のいっそ うの 向上 と、安定 。安
心の水道に寄与 で きれば幸 いである。
< 参 考文献 >
"、
( 1 ) 永 井康敏 : “
膜ろ過装置の調査結果報告
水道技術 ジャーナ
,レ
、No 23(2002).
"、
( 2 ) 角 川他 : “岡山市における膜ろ過装置の運転報告
第5 5 回全
国水道研究発表会、p 2 2 0 - 2 2 1 ( 2 K l l 1 4 ) .
環境浄化技術 2θ “ .72 y。 ′3 Nο 72
VV0408‐17
134799707o3膨 500/論文/」
CLS
分離ろ過膜による
ダイオキシン含有排水処理
凝集沈殿処理 と分離 ろ過 膜 による排水の高度処理
ダイセン メ ンブレン シ ステムズ欄 宮 崎
泰光
ダイオキシ ン類対策法が平成12年 1月 よ り施行 さ
ためろ過処理 が難 しい。 ダイキシ ン類 の分画分子量
れ、 これに対応す るためのガス化溶融炉 の建設 ラッ
はM W 5 0 0 前 後 と言 われてお り、水処理 を行 う場合
シュが続 い てい る。又、平成14年12月か らダイオキ
シン類の排 出規制が強化 され、対応で きない焼却炉
の休 ・廃止が急増 して いる。環境省 の調査 では、全
は活性炭 で吸着 させ るか逆浸透膜 を使用する ことが
考え られる。排水 に含 まれるダイオキシ ン類 は、有
国には一般廃棄物 の焼却炉が5,437ケ所 あ り、前記
規制強化後 に体 ・廃止 した焼却炉 は約900ケ所 を越
機物 と強 く結合す るため、水中では懸濁物 に結合 し
い
た形で存在 してい るい
。そ こで考 え られた処理方法
として、凝集沈殿処理 + 砂 ろ過 十活性炭 の システム
え、今後市町村 の合併 などによる既設 の解体 も更に
があ り、焼却炉解体 工事排水 には国の処理 マ ニ ュア
増 えると予想 される。
ル にも記載 されてい る。多量 の有機物 を含む排水 を
焼却場 の建屋 内には、煙道及 び煙 突内 に蓄積 また
は付着 してい る飛灰 ・粉塵が多 くあ リダイオキシ ン
用 い凝集沈殿処理 を行った実験結果を第 1 表 に示九
類が多 く含 まれてい る。解体 工事 では、粉塵 などが
外部へ 拡散す ることを防 ぐために、 高圧 ジェッ ト水
第 1表 ダ イオキシン類 (DXN)の 凝集沈殿処理
で汚染物 を除染 し湿潤状態で解体 を行 うことが指針
で定め られて い る。解体 工 事 で発生 した排水 には、
単位 :pg‐TEQ/L
ダイオキ シ ン類 が 多量 に含 まれてお り、1日 数十
m3以 上 ・工 事全体 で1,000m3以上の大量 の排水 とな
る場合 もあ る。 この排水 は、高濃度の ダイオキシ ン
類が含 まれ てお り、産廃処理費が高額 となる。 (10
∼20万円/m3)ェ 事費用削減 と環境負荷低減 のため、
上 記 の結 果 は、 ダイオキ シ ン類 が有機物 に結合 し
易 い こ と を示 して い る。 しか し、 国 の 環 境 基 準 値
TEQ/Lで
(放流 )は 10pg―
あ り、 上 記 処 理 水 濃 度 で
は不 十分 であ る。 そ の ため、 後段 で砂 ろ過処 理 を行
この排水 を現場 で処理 し再利用す ることが望 まれて
い る。こ こでは、焼却炉解体工事 で発生す る排水 を、
い、最終 的 に活性 炭 に吸 着 させ て い る。 この 方法 で
凝集沈殿処理 と分離 ろ過膜 で処理す るシステムに関
は砂 や活性 炭 が 2次 汚染 され て しまい 、大量 の 汚染
して紹介す る。
物 が発 生す る。
工事排水 は、 ごみホ ッパ ーか ら灰 コンベ アー まで
ダイオキシ ン類が有機物 に結合 し易 い ため、懸濁
の 固形物 を高圧 ジェッ ト水 で洗浄するため、飛灰 は
物質を除去する ことによ リダイオキ シン類 も大部分
もちろんのこと、腐敗 した ごみ など有機物 も多 くあ
る。腐敗 した有機物 は、フ ミン質 を多 く含 んでい る
が除去で きる ことを確認 した。更に分離膜 を使用 し
20
貯支術 2θ“ 72
環境浄イ
Voノ3 Nο 72
高度処理実験 をお こなった。実験方法は、原水 をそ
の ままU F 膜
( 分画1 5 万、孔径0 . 0 1 mμ) で ろ過処理
した。結果 を第2 表 に示す。 また、有機物がほ とん
ど含 まれない ダイオキシン含有 プ ロセス排水 も試み
た。その結果を第3 表 に示す。
どをダイナ ミックろ過で処理する。 ダイナ ミック膜
ろ過 とは、排水 に含 まれてい る濁質分 をメッシュ膜
(孔径5伽m前 後)表 面に堆積 させ、その堆積層 (ダ
イナ ミック層)を ろ過体 として水 と濁質分 とを分離
させ るろ過法である。 この種 の ろ過 方法 では、ろ過
第2表 解 体工事排 水 ダイオキ シン(DXN)処 理
圧力が高 い場合瞬時に 目詰 ま りを起 こして しま う。
そ のため、本 システムではろ過圧力 を水頭差 数cm
に抑 える ことによ り、長時間安定 した運転が可能 と
単位 :pま TEQ/L
なる。長時間ろ過 を続 けると堆 積層が級密 にな りろ
過性能が低下す る。そのため定期的に超音波洗浄 を
行 い堆積層 を剥離 す る。本 シス テ ム では、60分 ろ
第 3表 有 機物 の ない ダイオキシン(DXN)排 水処理
過/2分 洗浄 の運転工程で、透 過FLUX10∼ 20m/d
で処理 している。
2‐3 UFろ
単位 :pg TEQ/L
過処理
ダイナ ミックろ過で処理 された処理水 は、微小 な
粒子 の 除去がで きない ため、UFろ 過膜 によ りろ過
上記デー タにお い て原水濃度 の差があるが、有機
処理 を行 う。 UF膜 は、中空糸の微細 な孔 で物理的
除去 を行 うもので あ り、最小 の孔径 で0.001μ
m(分
物 の多 い排水 の方が ダイォキシ ン類 の除去率が大 き
画分子量6,000)程 度 である。 そのため、半導体産
いこ とか ら、 ダイオキシン類が有機物 に結合 して い
業 などの高度な水処理 に使用 された り、逆浸透膜 の
ることが判断で きる。但 し、上記解体 工事か ら発生
前処理 として懸濁物質 の除去や、食品業界 の酵素濃
す る排水 は、SS分 が 多 く存在す るためその ままの
状態 ではUF膜 の処理 はで きない。工事 に使用 す る
縮処理 など多 くの分野 で活用 されてい る。近年では、
環境 の悪化か ら菌 ・ウイルスの完全除去 を目的に上
装置は、
小型で無人運転可能なものが望 まれてお り、
水処理 にも適用 されることが多 く、国内で も大型浄
除洗で使用する高圧 ポ ンプに再利 用 で きる処理水質
が必 要 である。 そのため、SS分 が多 い原水 の前処
水場 の建設 もは じまった。本 シス テ ムに使用 してい
るUFろ 過膜 の孔径 は0.01μ
mで 、排水 の濁質分 ・菌
理 を小型 なシス テムで行 うことがポイ ン トとなる。
類 は もちろんウイルス まで除去で きる。ろ過方法は
中空糸 の内側か らタト
側 にろ過 す る内圧 クロス フロー
以下、本 システムの詳細 を記す (第2図 にシステム
フロー を示す)。
方式で、膜内側 の汚れを定期的に自動逆流洗浄す る
2‐1 凝 集沈 殿処理
ことによ り、安定 した高度 な処理水質を得 ることが
フミン質が多 く含 まれる排水 は、粒子径が小 さい
可能である。
た め ろ過工 程 で 目詰 ま りを起 こ し易 い。 また、ダイ
オキ シ ン類 が有機 物 に結合 し易 い特徴 を活か す た
め、前処理 として凝集沈殿処理 を行 い粒子径 を大 き
くす る。 一 般 に使 用 す る凝 集剤 はPACが 多 い が、
PAC自 体 に粘性 が あ り後段 のろ過処理 に性 能低 下
を起 こし易 い。本 システムでは、新規 に開発 した無
機系 の特殊凝集剤 を使用 してい る。
2‐2 ダ イナ ミ ックろ過処 理
工事排水処理 は、毎時 2ト ンの処理量 を必要 とす
るため前処理 の沈殿槽が大型化 となる。本装置では
沈殿槽 を小 さくし、1沈殿 しきれないい微 フロ ックな
第 1 図 U F 膜 断面図
VO/3 N072
0こ
環境浄化技術 2 θ“ 7 2
粉体フイーダ
原水タンク
』厠
凝集処理水槽
立方体の両面にメッシュ膜を貼り付けた
UFろ 過膜
し
m
子
径 :0.01μ
外から中へろ過される
簡易フィルタプレス
処理水
第2図 シ ステムフロー概要
に残 こる排水量 が少 な く産廃処理費用の削減がで き
る。既 に2 0 ケ所以上の工事 に使用 されてい る。 いず
本 システ ムは、凝 集沈殿処理 された沈殿物 をフィ
ルター プ レス処理 してい るため、排水 の循環再利用
れの工事 も、安定 した運転 を行 ってお り処理水質 も
第 5 表 及 び第 6 表 に示す ように良好 な値 である。
に適 して い る。濃縮倍率 を高 くで きるため、最終的
第4表
副言1所
│ミ
1テ
1鷹蒲鷹
シ ス テム仕様
計蒸ヨ│コ
│シ
蒲蒲IИ
,コ
駒 識厠層聯
150,000分画/0 01μ
m
2,000
携
驚現
き夕
L理
里 900 X l.500×
第5表 処 理水質のダイオキ シン類濃度
写真 1 シ ステム全景
環境浄化技術 2θ“.72 y。′3/V072
単位 :p,TEQ/L
透膜 を利用するシス テム を考 えるが、濃縮排水が大
第6表 重 金属類処理水質
量 に排 出されるため実用的ではない。本 システムは、
凝集沈殿処理 された沈殿物 をフイル ター プレス処理
カ ドム ミニ ウ ム
0039
0069
す るため濃縮汚泥が少 な く、最終 の産廃費用が少な
シ槽│ンlft合朝│
I
1期回
“鎖Ol
有機 リン
l
く01
く01
く005
くなる。 また小型で設置工事が簡便 である装置 は、
│ (1」
2 1
01“
●mi
実工事 に適用 し易 い。今後は、濃縮 された排水 のダ
イオキシ ン類 を分解する開発 も進めてお り、今後 こ
1鍮
│
六価 ク ロム
購薫
10■
5
30聯
160
COD
a盤 5
│“
く005
く005
く002
く002
空04
く鋭Ol
noll
くalx15
一勤
亜鉛
1槃
)025
のシス テ ム を上壌浄化処理や化学工場 の排水処理 に
適用で きる よ う研究開発 を進めてい る。
220
単位 :mノ L
凝 集 処 理 を行 い 、 UF膜 ろ過 を行 う こ とに よ り、
<参 考文献 >
"、
(1)桜 井健朗 : “水環境 におけるダイオキシン類の動態
水環境
学会誌、Vo121、No7(1988).
"、
(2)酒 井伸 一 : “ダイオキシン類 による水環境汚染
水環境学会
誌、Vd 21、No7(1988).
ダイオキ シ ン類 が ほぼ完全 に除去 で きる。重 金属 の
カ ドミユ ウ ム も、排 水 中 で溶解 性 が あ るが 同様 に除
去 で きる。
非常 に毒性 が 強 い ダイオキ シ ン類 を、簡 易 な シス
テ ムで処 理 で きる こ とを確 認 で きた。 ダイオキ シ ン
類 が非常 に小 さい分 画分子量 の ため、 一 般 的 に逆浸
あな施の 騒意見をお聞かせくだきい
ふ だん思 っているこ と、感 じているこ と、 または情報交換等 あ なたの ご意 見 なんでも結構 ですの で当社 ヘ
お寄 せ くだ さい。
◎ 内容
0 本 誌 へ の意見
●情報 の呼掛 け、困 っている こ と
0 経 験者 か ら若 い人 へ の 注文 、逆 に上 司へ の提言
●売 りたい、 買 い たい 、譲 る、貸 して下 さい
●テ クノ俳句 テ クノ川柳 短 歌 、写真 ( 特に技術 に関 わ りな くとも結構 です )
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パ ソ コ ン、 ワー プ ロ等 で作成 し、 テキス トフ ァイル にてお送 り下 さい。
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●毎 月末 日です。順次掲載 を致 します。
は、F A X ・ 郵送 で本誌編集部宛 お寄せ下 さい 。
◎住所 、T E L な どご記 入 の上 、e _ m a i l 又
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〒H 3 - 8 6 1 0 東 京都文京 区本駒込 6 3 - 2 6 T E L : 0 3 - 3 9 4 4 1 1 8 1 F A X : 0 3 - 3 9 4 4 - 6 8 2 6
c―
mail:infЮ
nikkO―pb co」p
環境浄化技術
VY0407‐03
13479970/03解500/論文ガCLS
負液
境像
荷低減による
回収システム
丁MAHオ
ンサイ ト回収再利用
オルガノい 菅 原
広
資源 の枯渇や地球環境問題 の観点 か ら排水 の高回
収化や廃液 ・廃材 の 回収再利用技術が強 く求め られ
てい る。 しか し、産業 の発展 によってエ ネルギ ー投
入量や、純水、薬品、ガスなどの材使用量 は増加 し、
排水、廃液、排 ガスな どの廃棄物発生量が増加す る
傾向にある。特 に、半 導体 デバ イス、液晶デ ィスプ
1‐1 概 要
回収再利用 システムの概要 を第 1図 に示す。 「回
収ユニ ット」、「
精製ユニ ッ ト」お よび 「
混合 ユニ ッ
ト」の 3ユ ニ ッ トが基本構成 である。
レイをは じめ とす る電子産業の発展 は 目覚 しく、電
現像装置か ら排 出された現像廃液 を原液 として、
子部品製造 工場 にお い て環境負荷低減 が重要 な課題
「回収 ユ ニ ッ ト」 では現像廃液か らフォ トレジス ト
となっている。
成分 を分 離 し、有価物 であるTMAHを
TMAHと
は水 酸化 テ トラメチ ル ア ンモ ニ ウ ム
濃縮 回収す
る。「回収 ユニ ッ ト」 は電気透析装置 を中心 に構成
(TetramethylammOnium hydroxide)の
略称 で、
・
その水溶液が半導体 液晶の フォ トリソグラフイー
TMAHを
エ程 の現像液 として広 く使用 されて い る。 この排
水 ・廃液 (現像廃液)は 有機性 のアルカ リであるた
この濃縮 回収液 には、 フォ トレジス ト残澄、Na
な どの金属 イオ ン不純物、そ して微粒子な どの不純
め環境負荷が高 く適切 な処理が必要 である。
物が少量含 まれて い るため、 イオ ン交換樹脂 とマイ
クロ フィルターか ら構成 される 「
精製■ ニ ッ ト」 に
従来 は、 蒸発や逆浸透膜 (RO膜 )に よる濃縮 や
生物処理が行われて いたが、前者は濃縮液の処理や
されてお り、後述す る原理 に よって現像廃液 中 の
選択的に分離回収する。
よって電子産業用 に適 した純度 まで精製 を行 う。
処分が必要 とい う点 で致命的な欠点があ り、回収 を
ユニ ッ ト」 と 「
さらに 「回1叉
精製 ユニ ッ ト」で処理
考えない処理技術 としては生物処理 が比較的望 まし
い(ltし か し、環境負荷低減 を強力 に推 し進めるた
され得 られ た 回収精 製 液 (TMAH)は
、後段 の
めには、
使 い捨 てを前提 とした無害化技術ではな く、
積極的な資源循環活用技術 の確 立が求め られる。
資源循環活用 には、ある工程で発生 した廃 棄物 の
一
処理 をして同一工 程 (同 目的)で 再利用する場合
混合ユニ ット
回収ユニ ット
と、他工程 (他目的、他 の場所)で 再利用す る場合
がある。また、処理場所がオ ンサイ トで ある場合 と、
オフサイ トである場合があ る。
ここで紹介す る現像液回収 システムは、現像廃液
か ら有用 なTMAHを オ ンサイト回収 し、現像液 とし
て 同一工程 で再 利用す るものである。環境負荷 を大
幅 に削減できるだけでなく経済 メリットも期待できる。
フォトレジスト
第 1図 回 収再利用 システム概要
環境浄化技術
「
混合 ユ ニ ッ ト」 で濃厚 なTMAH新
液や純水 によ り
I
適切 な濃度 (例えば2.38wt%水溶液)に 調整 された
後、現像装置に送 られ現像液 として再使用 される。
1‐
2 回 収ユニ ッ ト
嚇
第2図 に、電気透析 式 「回収 ユニ ッ ト」 の構成 の
一例 を示す。
現像廃液 を脱塩液 タンクに、純水 を回収液 タ ンク
にそれぞれ供給 し、両液 を循環 させ なが ら電気透析
槽 に直流電圧 を加 える と、TMAHは 選択的 に回収
液へ 移動 し、回収液のTMAH濃 度が増加す る。所
定濃度に達 した濃縮回収液は濃縮液 タンクに一 時貯
蔵 され、後段 の 「
精製ユニ ッ ト」へ 送 られる。
一 方、脱塩液 のTMAH濃 度 は減少す る。所定濃
A 膜 : 陰 イオン交換膜、C 膜 : 陽 イオ ン交換膜
R : フ オ トレジス ト、T M A H = T M A + O H
第3 図 電 気透析 によるT M A H 回 収原理
理 由 はT M A H が
TMA陽
イオ ンとO H 陰 イオ ンに
度 を現像廃液 (原液)
解離 してい るためである。T M A 陽 イオ ン ( T M A + )
は陰極 に引かれて陽イオ ン交換膜 を通過する ことが
の10分の1程度 まで下げ られるので、環境負荷 を大
で きるが、電気的な反発 に遭 うため陰イオ ン交換膜
幅 に削減す ることがで きる。 また、TMAH濃
低 いので生物処理 が容 易 である。
度が
を通過で きない。逆 にO H 陰 イオ ン ( O H ) は 陽極
に引かれて陰イオ ン交換膜 を通過す るが、陽イオ ン
第 3図 に 「回収 ユニ ッ ト」 の主要 となる電気透析
の原理 を示す。電気透析槽 は陰イオ ン交換膜 (A膜)
交 換 膜 を通 過 す る こ とが で きな い 。 そ の 結 果
度に低下 した脱塩液は脱塩廃液 として系外 に排出さ
れて処理 され る。TMAH濃
と陽イオ ン交換膜 (C膜)を 交互 に配列 したス タッ
クとその両端 の電極か ら構成 されて い る。陰極側が
陽イオ ン交換膜、陽極側が陰イオ ン交換膜 で構成 さ
れる脱塩 セルに原液 となる脱塩液 (現像廃液)を 、
陰極側が陰イオ ン交換膜、陽極側が陽イオ ン交換膜
TMAHは 濃縮 セル 中を流 れる回収液 に濃縮 回収 さ
れる。一 方、廃液中の主な不純物 であるフォ トレジ
ス トは、低電荷 な高分子物質であ るためイオ ン交換
膜 (陽イオ ン交換膜お よび陰イオ ン交換膜)を 容易
には通過で きず脱塩液 (脱塩セ ル)中 に留 まる。 こ
の よ うにフ オ トレジス トの移動 が ほ とん ど無 いの
濃縮回収が可能 となる。
で構成 される濃縮 セルに純水 などの 回収液 をそれぞ
で、 選択的なTMAHの
れ供給 して両電極 間に直流電圧 を加 えると、脱塩液
中のTMAHは 脱塩 セルか ら濃縮 セルヘ と移動 し回
電気透析以外の回収方法 として、ナノフィル トレ
ーション膜 (NF膜)に よる回収がある16t第4図 に、
NF膜 式 「
回収ユニット」の構成の一例を示す。NF
収液 のTMAH濃
度が増加す る。
膜 は現像廃液中のフォ トレジス トなどの不純物 を効
率的 に濃縮液側 に排 除 し、有用 なTMAHの ほ とん
どを透過す る性 質 を もつ 。現像廃液 をNF膜 処理す
現像廃液タンク
脱塩液タンク
回収液タンク
第2図 電 気透析式回収ユニ ット構成の一例
一
第4 図 N F 膜 式回収ユニ ッ ト構成 の 例
環境浄化技術 2 0 0 4 7 2 y 。 ′3 N ο 7 2
る とフ ォ トレジス トの大半が除去 されTMAHを
多
く含 んだ透過液が得 られる。透過液 を回収 し再利用
す る。 一 方、濃縮液 には高濃度のTMAHが 含 まれ
てい るので再処理 または処分が必要である。
NF透 過液 の フォ トレジス ト濃度 は電気透析 の濃
縮 回収液 に比べ て高 い。 しか し、NF膜 式装置 の構
成 は電 気透析 式装置 に比 べ て非常 に シ ンプル なの
で、 回収 コス トメ リ ッ トが大 きい 。 したが って、
TMAH回
収液 の要求純度が厳 しくない場合 は、NF
膜方式 による回収の方が有利である。
第 1表に、現像廃液および処理後の再生液の分析
結果を、新品現像液 の規格値の一例 とともに示す。
現像廃液 はリンス水が混入 してTMAH濃 度が低 く、
フォトレジス トをはじめとする不純物が検出されて
い るが、再生液はTMAH濃 度、不純物 ともに新液
と同等である。これらの結果か ら、再生現像液 はフ
ォ トレジス ト現像液 として再利用可能である。
運転デー タをもとに、電気透析式回収再利用 シス
l¨
3 精 製ユニ ッ ト
精製 ユニ ッ ト」 の構成要素 となるイオ ン交換樹
「
テムと従来 システムの年間ランニングコス トの比較
を行った。結果 を第2表 に示す。
脂 はフォ トレジス ト残澄やNaな どの金 属 イオ ンを
除去 し、 また、 マ イクロ フイル ター は微粒子 を除去
なお、現像液の使用量をTMAH濃 度2.4wt%で1
ェ場 の稼働 日数を年間350日として検討 し
日1.Om3、
し濃縮回収液を精製す る。 フォ トレジス トは分子内
た。 また、 コス ト試算条件を次の① から⑦ とした。
に陰イオ ン性 の官能基 を有す るため、陰イオ ン交換
① 新 品現像液購入費用 をTMAH濃 度2.4wt%あ
た り50円/L
樹脂 を使 って吸着除去する ことが可能である。陽イ
オ ン交換樹 脂 はTMA形 に、 陰 イオ ン交換樹 脂 は
OH形 に し、十分洗浄 してか ら非再生型 のカー トリ
ッジポ リッシャとして使用する。 なお、高純度が要
求 されない場合、 イオ ン交換樹脂 は省略で きる。
/m3
② 産 業廃棄物引取 り費用を30,000円
③ イ オ ン交換膜寿命を1年
④ イ オン交換樹脂は非再生型のカー トリッジポ
リ ッシャ
⑤ 稼 動日数を350日/年
1‐
4 混 合 ユニ ッ ト
混合ユニ ット」 は回収精製液のTMAH濃 度を現
「
像液 として最適な濃度に精度良く調整する。そして
第 1表 分 析結果
濃度調整 された現像液は現像装置へ供給 され再使用
される。既 に、製造 ライ ンに新液希釈用 「
濃度調整
装置」が設置 されて い る場合 は、それ をその まま
「
混合 ユニ ッ ト」 として利用する ことが可能であ る。
液晶製造工場か ら排 出された現像廃液 ( T M A H =
1 . O w t % 、フォ トレジス ト= 1 4 0 m g ―
C / L ) を 原液 とし
TMA‐ OH[wt%]
レジス ト [mg‐C/L]
第2表 試 算結果
て、 上 述 の 電気 透析 方式 の 回収 シス テ ム に よる
TMAHの
濃縮 回収、精製試験 を行 った。電 気透析
の運 転条件 は、脱塩液のT M A H 濃
度が0 . l w t % 、回
収液 のT M A H 濃 度 が2 4 w t % に なる よ うに設定 した。
得 られた濃縮 回収液 をT M A 形 の陽 イオ ン交換樹脂
とO H 形 の 陰イオ ン交換樹脂か らなる混床 イオ ン交
換塔 に通液 して精製処理 を行 った。 マ イクロ フイル
ター は7 し
m の ものを使用 した。
径0 . 2 μ
環境浄化技術
yoノ3N072
¥2,700,000
( 蒸発濃縮+
産廃引取 り処分)
< 検 討条件 >
:24m3/日
現像廃液
回収液 ( 再生液) : 0 9 m 3 / 日
脱塩廃液 ( 排水) : 2 4 m 3 / 日
、T M A H 1 0 w t %
、T M A H 2 4 w t %
、T M A H 0 1 w t %
⑥ 回 収 システ ムの 脱塩廃液 は生 物処 理 を適用
(TMAH濃 度が低 いので適用が容易)
⑦ 従 来 システ ムの廃液 は減圧濃縮後 に産業廃棄
物引取 り
本試算結果 によれば、液晶製造 工場 にお いて90%
のTMAHが 回収再利用 され、従来 システ ム と比 べ
などが考え られる。 しか し、先に記 したように、本
システムによる回収液は十分要求 レベルを満足 し得
るので、今後は半導体製造工場 における回収の普及
に期待 したい。
第29回 優 秀環境装置」の
なお、本回収装置 は 「
表彰 において、産業技術環境局長賞 を受賞 した。
て72.3%のラ ンニ ング コス ト削減 メ リッ トが見込 ま
れる。なお、 コス トメ リッ トの大半が新品現像液 の
購入費用削減 によることか ら、現像液 の使用量 が多
い大規模 工場 ほどコス トメリッ トが大 きくな る。
以上紹介 したように、現像液回収 システ ムの 開発
と実用化 に成功 した。環境負荷低減 に貢献す るため
回収 システムの更なる普及が必要であるが、課題 が
い くつ かある。特 に、装置 の簡素化、効率化 による
一
写真 1 に、電気透析式回収ユニ ッ トの 例 を示す。
また第3 表 に、電気透析方式 の 回収装置 の実績例 を
示す。実績 は現状 いずれ も液晶製造工場向けである。
この理 由は、液晶製造工場 は半導体製造工場 に比べ
コス トの低減 と、回収液 の高純度化 による信頼性 の
向上が重要である。
コス トについては、新品現像液 の単価 が下落傾向
て処理基板が大型で現像液 の使用量が多 く回収 メ リ
にある中で、回1 又による コス トメリッ トを維持 して
い く必要 がある。そ の手段 の一 つ にN F 膜 処理 の適
ッ トが出やす いこと、回収液 ( 再生現像液) の 要求
純度が厳 しくな く再使用 に対する抵抗が小 さいこ と
用が上げ られる。上述 したようにN F 膜 処理装置 の
構成 は非常 にシ ンプルなため回収 コス トの低減に有
効 である。 また、N F 膜 処理装置 を電気透析装置 や
イオ ン交換装置 な どと組 み合 わせ て使用す る こ と
で、回1 又
液 の高純度化 と信頼性 向上が期待 で きる。
<参 考文献 >
(1)川 端雅博 :特殊排水処理 と水回収技術 について、月間地球環境、
Vo129、 No5、 p22(1998).
(2)H Sugawara and H Hemmi:Proc 18th Scrniconductor Pure
icals Conl,pp 295 308,Santa Clara,(1999).
vrater and chen■
( 3 ) 菅 原広、田嶋義宣、大見忠弘 : 電気透析法 を用いた使用済み現
像液 の再 生 。再利用技 術 、電子情報 通信 学会技術研 究報 告 、
V o L 1 0 1 、N o 3 5 0 、シリコン材料 ・デバ イス、論文番号S D M 2 0 0 1 ‐
159‐
173、p39(2001).
オルガノい、川端雅博 : 特 許- 3 1 6 4 9 6 8
190907
オルガノい、菅原広 ・逸見ひろみ : 特 開平 1 1 ‐
オルガノ蜘、菅原広 ・逸見ひろみ : 特 開平1 1 - 1 9 2 4 8 1
写真 1 電 気透析式回収ユニ ッ ト
第3表 電 気透析式回収装置の実績例
││::
環境浄化技術 2θ “ 72 y。 ノ3N072
VV0408-10
1347・
9970/03解500/論文/」
CLS
最新の膜処理技術」
衛外動向 「
0造 水促進センター
後藤 藤太郎
ほんの10年ほど前 までは、膜技術 は水処理分野 で
な らメー カー は膜 と一緒に関連機器 も同時に販売す
脇役的存在 であった。すなわち、かん水や海水 の淡
る場合が多 いか らである。 しか し推定によると2 0 0 3
水化 を目的に した逆浸透法 (RO)が 米国 で 開発 さ
れて以来、ROが 膜処理 の 中心 であ った。 しか し、
硬水 の軟化 とい う米国特有 の事情か らNF(ナ
ノろ
過)膜 が発達 し、 さらにMF(精
密 ろ過)/UF(限
ー
外 ろ過)膜 が排水処理 お よび逆浸透 の前処理 のニ
ズに応 える形で登場 した。
1993年春、 ミルウォー キー市で発生 したクリプ ト
年 の膜全体 の販売量 はM S ( M i n 1 0 n u s $ ) 4 0 1 で
、
工業用 がM $ 1 3 1 、 上 水用 がM $ 1 1 0 、 排水再利用が
M S 5 の 規模 と考 えられる。そ の内訳 を瞑メー カー 別
に示 したのが第 1 表である。
この表 にあるとお り、U S F n t e r M e m c o r 社が最大
シェ アー を握 り、特 にM F 膜 大規模 プラ ン トに強み
を発揮 してい る。Z e n o n 社は浸漬型 を導入 した最初
スポ リジウム による死亡事故は、改めて飲料水 の安
の企 業で排水処理 と再 利用 で業績 をあげて い るが、
全対策 を根本的 に見直 す契機 となった。それ以来、
飲料水処理分野 にも進出 してい る。
MF/UF膜
の上 水 処理 にお ける使用 は急 速 に増大
第 1表 主 な膜 メー カーの販売量 と市場占有率
し、不可欠 の存在 となった。今や膜技術 は、水処 理
で主役 を演 じるよ うになった と言って も過言ではな
“
いの2003年2月、 シンガポ ー ルで行われ た Water
USFilter
Z8n●ミ
Pall
一御
Reuse and Desdinadon Conference"では、飲 料水
の安全性が真剣 に討議 され、参加者 の一人が 「
膜技
々の
い
術 な くして我
水 の安全性 は確保 されな 」 と言
鵬
断面曖動崚輌
蜘
轟bll戯
装li
32
Koch
Norit
47'
Kubota
12
端
¨
酔
Others
わ しめるほど膜技術 の重要性 は世界 の共通認識 とな
りつつ ある。
IT技 術が世界 を大 きく変 えてい るのは事実である。
しか し、地味で はあるが水 という人類の生存 にとって
不可 欠 な分野 で、膜技術 も世界 を支 えていることを
忘れてはならないと思われる。この小 文 では、膜技術
の海外動向を概説し、
諸賢 の参考 に供したいと考え る。
日本企業では、三菱 レイヨ ン ・エ ンジエ アリ ング
とクボ タ、 さらに 日東電工 /Hydranauticsが 名 を
連ねてお り、膜技術 に強 い とい う日本企業 の イメー
ジを裏付 けてい る。
別 の 報告 に よる と、 ヨー ロ ッパ のMF/UF膜 は
2003年に約 2,000,000m3/日
に達 した とい われ る。L
これはクリプ ト、 ジアルジアな ど殺菌 されに くい微
生物対策が原因である。膜の形状 は、直径が通常 よ
まず、世界における膜市場について触れたい。
1 ¨l M F / U F I 口 1 )
M F / U F 膜 の販売量を推測するのは難 しい。なぜ
28
環境浄化技術 2θ ン 72 y。 ノ3 Nο 72
り大 きい 中空糸が殆 どである。
1‐
2 NF/RO(l)
RO/NF膜 の販売量 は、2002年にM$320、 2003年
にM $ 3 3 7 と 推定 されて い る。M F / U F 膜 に比較 し、
2 0 0 3 年の伸 びが低 いが、一 時的現象 と見 られて い る。
2 0 0 3 年の地域別の販売量 は、第 2 表 の とお りであ
る。
用膜 の使用法につい て概要 を述べ ることにす る。
第 4 表 は、M F / U F 膜 の使用法 を分野 別 に示 した
もので ある。
第4表 MF UF膜
第2表 地 域別NF/RO膜
の使用割合[%]
の販売量お よび割合
ヨ
ヒアメリカ (NAFTA ReJon)
ヨ│■1聾1鮨“f
太平洋沿岸お よび中国
ラ1情
│ン
│=ソタ1靖
1熟
この表 によれば、飲料用が6 3 % で 最 も多 く、次 は
排水 再利用 、 工 業用 と続 く。逆浸 透前処 理用 は、
2 0 0 1 ∼2 0 0 2 年当時 は少ないが、数年後には急速 に成
第 2表 でNAFTA Regionと
あるのは、 米国、 カ
ナダお よびメキシヨである。
この表 にあるとお り、北 アメリカの消費が最 も多
く、次 に ヨー ロ ッパ で 日本 は 4位 である。今後、 中
国お よび中東地域の消費拡大が予想 されてい る。
また、主な膜 メー カーの販売量お よび市場 占有率
は、次 の第 3表 の とお りである。
長す ると予想 された。予想通 り、前処理用 は急速 に
需要が拡大 して い る。 また、 M F と U F は 、 コス ト
的に殆 ど差がな くなっている。排水再利用 は浸漬型
に注 目が集 まっている。
第 5 表 は地域別 の膜適用分野 の割合 を示す。
第5表 地 域,V適用分野割合[%]
第 3表 主 要膜 メー カーの販売量 と市場 占有率
第 5表 によれば、北 アメリカと ヨー ロ ッパ は飲料
水、排水再利用お よび逆浸透前処理が多 いが、太平
洋沿岸 (2001∼2002年は日本が主 と推定)は 工業用
が多 く、飲料水が少 なかった。 しか し、最近は 日本
で も浄水場 に比較的大 きな容量 の膜処 理 を入れる場
前述 したようにM F / U F 膜 が殆 ど太めの中空糸 で
あるのに対 し、N F / R O 膜 の うち、9 1 % は スパ イラ
ル型、5 % が 中空糸型、4 % が 平膜 である。
合が増加 し、中国 も急激 に膜市場が拡大 している。
2¨2 NF/R0
NF膜 は、硫酸 イオ ンの 除去率が90%以 上で簡単
に除去 され、 カルシウム、 マ グネシウム など硬度成
分 も除去 される ことか ら硬水 の軟化 に使用 される。
2-l MF/UF膜
変化 の激 しい水処理用膜 に対 しては、 い ささか旧
聞に属す るが、纏 まった適当な資料が見 つ か らない
ので、2 0 0 2 年1 0 月に発行 された刊行物( 3 ) か
ら水処理
米国 で は、硬水が多 く存在す るのでNF膜 による軟
化技術 は、 まず米国で確立 され、最近 ヨー ロ ッパ で
も市場が形成 され始めてい るに
ヽ
RO膜 は、海水 あるい はかん水 の淡水化 な らびに
純水、超純水 の精製に使用 される。 いずれ も水中の
環境浄化技術 2θ θイ72 Vo′ 3 Nο 72
29
溶存物質、
特 にイオ ン性無機物 の 除去 に有効 である。
膜 の適用 は海水淡水化が最 も多 く、かん水、河川水、
排水 の順 である(5t
Microilter(MF)
を比 較 し、次 表 の よ うな比 較 表 を出 しMF膜 処 理 の
優 位性 を強調 して い る。
残念 なが ら、膜技術の使用法 については米国お よ
びヨー ロ ッパ に一 日の長がある ことは否めない。 し
か し、 日本企業 の努力 により膜の製造技術 は一流で
あ り、 これを ビジネスに反映 させたい もので あ る。
M F / U F に つい ては、市場 占有率 の高 いU S F n t e r
社およびZ e n o n 社、N F / R O 膜 についてはD o w / F i l m t e c
社 の最新技術 の概要 を紹介す る。
3…l USFilterll(0
同社 は、加圧型のMF膜 を中心 に事業 を展 開 して
きたが、最近浸漬型 を開発 し両者 の特長 を活か しな
が ら多様 なニー ズに応 えようとしてい る。以下、代
表的事例 を紹介する。
( 2 ) 浸 漬型。)
材質がポ リプ ロピ レンとP V D F の 二つ があ り、下
水 二次処理 の再利用 には前者 を、飲 料水 には後者 を
推奨 してい る。同社が浸漬型 を開発 した理由につい
日上のプラ ン トでは設備費が安 く
て、1 0 0 , 0 0 0 m 3 / 以
なる こと、バ ルブお よびシー ル部分が8 0 ∼8 2 % 節 約
された ことを挙げて いる。
シンガポ ー ルK r a n j i の
N E W a t e r プ ロ ジェク トに
浸漬型が採用 されたことを強調 してい る。
(0
3‐2 Zenon社
① 浸 漬型を主にしており、飲料水、下水の再利
用、工業用水および工業排水の処理に威力を発
揮す るとしてい る。
② 北 アメリカでは、既 に50箇所以上の飲料水処
理プラントがあ り、処理容量 は、1,200,000m3/日
に達 してい る。
の浸漬型装置
写真l USFiter社
(1)ROの
前処 理
Clariner
① Lime Clariication→Flocculation→
→ Filtration
② Ferric Clarification→ Flocculation→ Clarifica_
tion→Filtration
③ Mirofiltration→C12 0r NH2CI Addition→
環境浄化技術 2θ “.72 bノ 3 Nο .72
写真2 典 型的なZ e n O n 社の膜処理装置 ( 縦型)
Veed 500 Cassette)
(Zeeヽ
③ 主 な飲料水処理プラントは、次のとおりである。
に して、 現在 、膜 の 汚 れ を予 測 す るプ ロ グ ラ ム は な
・01ivenhain,CA:100,000m3/日
い 。T O C 、 A O C 、 硫 酸 還 元 菌 、鉄 関連 菌 、スライ ム
・Anthony Henday,AB:55,000m3/日
生成菌などが重要 な分析項 目 となるとい う。しか し、
包括的パ イロット・プラント試験が最善 の策 である。
O Kamloops,BC,Canada:140,000m3/日
・Scottsdale,AZ:114,000m3/日
・Chestnutヽ VTP,Singapore:275,000m3//日
② 実 績 のある膜 を選択
種 々の膜が導入 されているが、実績 の あるものを
3…3 Dow/Filmtec社
選択すべ きであ り、自らが実験台になる必要 はない。
昨年、 バハ マ で行 われ たIDA(International
で きれば条件が似て いる給水 と運転条件 を探 し、そ
Desalinadon Association)国際会議 では、ホウ素
除去率 の高 い海水淡水化用逆浸透膜 を発 表 して注 目
された(9)(今年、東 レが さらに高 い ホウ素除去率 の
の膜 の性能 を調査すべ きである。
③ 設 計 は用心深 く
膜 をモロ ッコ ・マ ラケシ市 の ヨー ロ ッパ淡水化 国際
汚れ防止 のための重要 な考慮点 の一つ は、流 束 に
ついて慎重 にす ることである。 一般 に流束が高 い と
会議 で発表)。さらにマ ラケシ市の同国際会議では、
汚れ速度 は速 くなる。高流束 ではバ ックウォシング
海水淡水化 の電力消費量 を2kWh/m3に す るシステ
0。
ム を発 表 した。
と化学洗浄回数が多 くなる。 これ らが多 くなれば、
資本費 は安 くなるが、運転管理費が高 くなる。
バ イオファウリ ングは低流束あ るい はプラ ン トを
休止 させ ると早 まる ことが経験 されてい る。
④ 2,000時間のパ イ ロ ッ トテス トを実施
よく設計 したパ イ ロ ッ ト ・プラ ン トで、少 な くて
も2,000時間 の試験 をす べ きである (最近、逆浸透
法海水淡水化で、四季 を通 じた 1年 間の試験が必要
とい う傾向が強 い 一著者加筆)。
⑤ 批 判的にパ イ ロ ッ トデー タを評価
得 られた試験 デ ー タを批 判 的 に評価す べ きであ
写真3 N t t t 社 の標準 スタックX I C A ( 横 型)
る。
⑥ 経 験豊富な設計者 と契約者を選択
つ
3‐4 膜 処理 の秘 訣 。
10年有余 の欧米 の経験 を纏めた論文やエ ッセイが
最近、散見 されるので、そ の一例 を紹介す る。著者
は米国人なので米国特有 の問題 を含んでい ることに
留意 されたい。
(1)著 者 は、まず膜使用水処理が従 来 の水処理 と
異 なることを強調 している。
(2)次 に膜利用水処理 ビジネスの参入者 が留意す
べ き秘訣 を提案 している。
① 膜 の汚れ とスケー ル防止 の観点か ら給水 を分
⑦ 職員をよく訓練
③ 連 続運転 の準備ができるまで膜を濡 らさない
こと
プラントの連続運転 の体制が整ってから運転に入
るべ きである。
⑨ ス ター ト時点から完全なデー タを取得
⑩ パ ー フォーマンスの監視
プラントの性能をよく測定 し、傾向を常に把握す
べ き。特に膜特性の劣化は早期発見が重要である。
る。膜 に対す るスケ ー ル析 出は、MF/UF膜 では起
3¨5 欠 陥膜 による病原菌危 険度 を最 小 にす
る②
① プ ラン ト関係者 は、単一で信頼性 のあるオ ン
ライ ン ・モニ ター を望んでい る。
現在の濁度計、
ー
微粒子 カウンタ 型 のオ ンライ ン機器 はLog
こらない。 しか し、NF/ROで は季 節や環境変化 を
考慮 し最悪の事態 を想定 してお くべ きである。不幸
Reduction Valueで
要求され るレベ ルを満 たす
には感度の点で不十分である。
析す ること
膜処理 の最 も重要 な問題 の一つ は、顧客が十分 な
供給水 の分析デー タを持 ち合わせて い ないこ とであ
環境浄化技術 2θ “ 72 yoA3 rv0 72
③ Batcillus Spore Challenge 、煩雑で
Testは ル
ーチ ンとしては実際的ではない。
収率 は1 5 % で ある としてい る。
以上 を纏めると、本格的海水淡水化用逆浸透 モジ
ュ
④ 結 論 として加圧空気試験 (Bubble_point tests) ー ルの 開発 には至 ってお らず、塩除去率 も若千低
は、 もっとも感度がよく簡単で信頼性があ り、 いが、一応基礎技術 はあるもの と推察 される。
世界中で使用 されている。
⑤ ビ ールスの除去 を証明す るのは簡 単 ではな
く、オ ンサイ トで運転中のプラン トに対 して行
うのは実際的でない。適 当な方法が開発 される
文字通 り膜技 術 の 進歩 は 日進 月歩 であ り、片 時 も
まで実験室にテス ト用膜を持ち込んで確認す る
目を離 す こ とが で きな い。 この小 文が い さ さか で も
必要がある。
諸 賢 の 参考 に なれ ば、著者 の望外 の喜 びで あ る。
ゆ
3‐6 中 国の膜技術 。
‐
< 参 考 文献 >
(1)中 国における膜技術
1995年以降、急速な発展を遂げた。外国との格差
(1) Water Dcsalination Report:Feb 19,(211k14)
(2) B Birkenhead:“ ヽlinirnising the Pathogen Risk flom Failed
Drinking Water Membranes", Desalination & Mrater Reuse
は
、
Quarterly,Feb/Mar,p26(2004)
(3) D Furukawa:“ Global Status of Micr。■ltration and Ultra■lt
ration Membrane Technology", ヽ Vatermark, Issue17, October,
① 膜 の性能が劣 る
② 膜 の種類が少ない
(2004)
“) 造 水促 進 セ ンター 内部 資料 、 ( 2 ∞4 )
(5)Desalination Market Analysis 2003:Aqua Resources
lnternational,p3-8,September,(2003)
③ 膜 部品の性能が高 くない
④ 運 転 中の問題 が未解決
な どである。なお筆者 が、今年 の 4月 中旬 に天津淡
水 化 国際 会議 に出席 し、 天津 海水 総合研 究所 の
1,000m3/日 逆浸透海水淡水化試験 プラン トを見学
した時、既 に中国製 のUFお
よびMF膜 を前処理 に
試験 していた。しか し、逆浸透膜は 日本製であった。
Wastewater Desaina■ on",September,(21X13)
(7)J Kiernan:“ IntrOduction to USFilter Submerged 1/1embrane
Technology",Ibid
(8)UpOn Bharwada:“ Introducion to ZENON and the ZEEヽVeed
Technology",Ibid
(2)適 用例
最近、 ミネラル ・ウォー ター など高品質の飲料水
を製造す るため、原水 をイオ ン交換 した後、中国製
UF膜 で処理す る方法が開始 された。 タンク詰め供
給 はかな り普及 し、品質別パ イプ供給 も既 に応用が
始 まっている。 しか し、都市給水処理 など広 い分野
での利用 は実用化 に時間がかかる。
3‐7 韓 国 0
① ま だ海水淡 水化用 逆浸透膜 はない。 しか し、
かん水用 スパ イラル型 モジュー ル (8および4イ
ンチ)は 開発 され、純水お よび超純水 ならびに
食 品 や 重 金 属 回収 に使 用 可 能 と して い る。
N a C 1 2 , 0 0 0 m g / L 9で9 . 5 % の塩除去 率 である。
② 低 汚染膜 も開発 され、7 0 日程度 のデー タでは
汚染が見 られない としてい る。
③ 高 塩 分濃 度用 モ ジュ ー ル は、3 2 , 0 0 0 m g / L
99.6%
N a C l 溶液のデー タで、塩除去率 は9 9 . 2 ∼
である。
④ N F 膜 もある。2 , 0 0 0 m g / L のM g S 0 4 溶 液 で回
環境浄化技術 2θ “ 72 Vo/3 Nο
(6) J Kiernan:“ Integratedヽ 4embrane Systems for Water Reuse
Applications", AMTA/1DA Pre‐
Conference Workshop,
..Integrated Ⅳ
Iembrane SyStems for Brackish, Sea、 vater and
72
(9)M Busch et al,:“Boron Removal in Sea Water Desalinatlon",
Abstract Book of IDA Mrorld congress on Desalination and
Water Reuse,September 230ctober 3,pp 306307(2003)
Reducing Energy Consumption in
OOI M Bush,ヽ V A/1ickols:“
Sea、ァ
ater Desalination'', Desalination Strategies in SOuth
Medlterranean Countries,Vo1 1,p299,(2004)(Desalination Vol
165)
0" D Paul:“ Valtlable Tips for Entry intO the Membrane Water
Treatmentヽ Iarket", Water Conditioning & Purillcation, Ⅳ Iay,
p60,(2003)
0 ′ 精 華 大 学 環境 科 学 与 工程 系 執 筆 ・編 集 : “中 国 にお け る水 質
環境 ビジネス2 0 0 4 " 、神 鋼 リサ ー チ仰 監修 ・発 行
cの
ンフ レッ ト、 ( 2 0 0 4 )
に3 1 S a e h a n l n d u s t r i e s l nパ
JO図
1347‐9970/03解 500/論 文/」
CLS
じ
め
に
場は
てお り、今後 の第 6次 規制 では更なる規制の強化 が
見込 まれてい る。
近年、地下水、湖沼、河川水では、硝酸性窒素及
この規制対象 となる硝酸性窒素及 び亜硝酸性窒素
び亜硝酸性窒素汚染が顕在化 してお り問題視 されて
の汚染 の主 な原因 としては、工場 な どか らの工業排
い る。 この硝酸性窒素及 び亜硝酸性窒素 は、メ トヘ
水、家庭か らの生活排 水、農用地への施肥か らの農
モ グ ロビン血症の原因物質であることに加 え、流産
業排水、家畜 か らの畜産排水 などが挙げ られる。
や癌 の原因になるとも言われてお り、人体 に対す る
健康被害が大 きいこ とが知 られてい る。飲 料水 の多
これ まで弊社では、小規模分散型浄化 システム と
して、農業 ・地下水 ・畜産 。工業排水 などの分野 で、
くを地下水 に依存 している欧米では、 この硝酸性窒
素汚染 による乳幼児 のメ トヘモグロビン血症 の発症
バ チルエ ース1を 用 い た生物学
硫黄 カルシウム材 【
的脱窒処理 システム に取 り組 んで きた。本年は第 5
例が、2000件以上 も報告 され、その うち死亡例が約
10%を 占めて い る・
tま た、WHO(世 界保健機構)
次水質総量規制が本格的 に施工実施に伴 い、特 に工
業系排水 に関す る問 い合 わせが多 いこ とか ら、本報
では亜硝酸性窒素 による動物実験の結果、副腎球状
ではこれまでに取 り組 んで きた工業系排水 の処理技
帯 の過形成や心臓お よび肺 の奇形お よび組織学的変
術 を紹介する。
化 など、新たな毒性が判明 した ことで、1998年1月、
飲料水質 ガイ ドライ ンとして新 たに亜硝酸性窒素 に
つい て、慢性毒性基準 として006mg/L、 急性毒性
基準 として0.9mg/Lを制定 した。
瘍
ノヾ
チル エー スの概要
バ チルエ ース とは、硫黄 と炭酸 カルシウムを均 一
この よ うに硝酸性窒素汚染 は世界的に社会問題 と
に固 めた材料 で、写真 1 0 こ
見 られるよ うに、標 準 タ
なってお り、そ の規制 はます ます厳 しくなるのが現
イプと高性能 タイプの 2 種 があ り、用途 によって適
状である。わが国にお いて も、1993年3月 に水質汚
正 な材料 を選定 して使用 して い る。標 準 タイプは、
硫黄 を溶融 して炭酸 カル シウム と一体化 した もの
濁防止法が改正 され要監視項 目に指定 され、1997年
3月 に地下水質環境基 準 が制定、1999年2月 には硝
酸性窒素お よび亜硝酸性窒素が、公共用水域お よび
地下水 の人 の健康 の保護 に関す る水質環境基準 に追
加 された。加 えて、第 5次 水質総量規制 の実施 に伴
い、
2001年7月 に水質汚濁防止法施行令が改正 され、
指定項 目に、化学的酸素要求量CODの 他 に新 たに
窒素及び りんが追加 された。そ して、 一部 の分野 で
は暫定基準 の延長 も認め られてい るが、2004年7月
よ り第 5次 水質総量規制が本格的に施工 実施 となっ
写真 1 バ チ ルエース
環境浄化技術 2 θ0 4 7 2 y o A 3 N o 7 2
で、微生物 は材料 の表面に生息 し、硫黄 を体内に取
り込 んで脱窒 を行 うものである。 このため、処理能
力 は低 いが、材料 の消耗量 が少 な く、材料補給 など
メ ンテナ ンス頻度 を少 な くで きる こ とが 特徴 であ
る。 このことか ら、 これ まで標準 タイプは、メ ンテ
ナ ンスがあまりかけ られない、農業、地下水、畜産
などの排水処理 として検討 して きた。
これに対 し高性能 タイプは、硫黄 と炭酸 カルシウ
ム を点接着する ことで、空 隙部分 を増加 させ た もの
で、微生物 は、材料 の表面 に加 えて、内部 の空隙部
にも生息す る。 このため、標準 タイプ と比 較 し脱窒
性能が高 いため、設備 を コンパ ク トにする ことが可
)
写真2 硫 黄酸化細菌電子顕微鏡写真 ( ×5 , 0 0 0 倍
能 であ り、初期 のイニ シャル コス トを抑 える ことが
で きる。 この材料 を用 いることで、 これまで標準 タ
イプでは処理が困難であ った、高濃度 ・大容量 の工
この硫酸 イオ ンと結合 して硫酸 カルシウム (いわゆ
止する。 また残 った炭酸 カルシウム中の重炭酸 イオ
業排水 などの処理が可能 となった。
ン (HC03)は
の
理
窒
原
(励脱
る石 膏 (Caso4))を 形成 し、処理水 の酸性化 を防
、硫黄酸化脱窒細菌 の炭素源 とし
て取 り込 まれる。 この よ うに、バ チルエ ースは、硝
酸性窒素 を脱窒処理す る過程 にお いて、無駄 な く使
バ チルエ ースを用 い た生物学的脱窒処理技術の脱
窒 のメカニズムを第 1 図 に示す。
排水がバ チルエ ース と接触する間に、排水 中の硝
酸 イオ ン ( N 0 3 ) は 、 バ チ ルエ ー スに付着 した硫
ns:写
黄酸化脱窒細菌 ( T h i o b a c i l l u s d e n i t r i i c a 真
2 ) に よって と り込 まれ、硫黄酸化脱窒細菌が硝酸
イオ ン中 の酸素 で呼吸 を し、不要 な窒素 ( N 0 3 - N )
用 され消耗 してい くもので あ り、処理 した硝酸性窒
°
素 に見合 った量が消費 される t
現在使用 してい るバ チルエ ースを用いた硫黄酸化
反応式 は、
脱窒細菌 (Thiobacillus denitriicans)の
KOENIG&LIUの 式
1.06N03 +1 1lS+0.3C02+0785H20 ⇒
0.5N2+1.1lS042-+1.16H++0.06C5H702N
とよ く一 致す る。第 2 図 にN 0 3 - N 処理量 とS 0 4 2 発
を窒素 ガス ( N 2 ) と して排気す る。 これが本生物
処理におけ る硝酸性窒素処理 の基本 メカニズム とな
響崎藩 反応式
―
地下水実証データ
響
工業排水実証データ
る。その際、硫黄酸化脱窒細菌 は硫黄 ( S ) を 取 り
込 んで硫酸 イオ ン ( S 0 4 2 ) を 排 出す るが、 この時
に硫 黄 と一緒 にバ チ ルエー ス内に配合 されて い る炭
バ チ ルエ ー ス
微生物反応
硫黄酸化細菌
s
7物めι
ασ
づ
JJ″
α答
滋Z″わCο
〆
冒ヽ 日]醐期線 ﹂o∽
酸 カルシウム ( C a C 0 3 ) 中 の カルシウム ( C a ) が 、
夕
予
CaS04
lllCl
:ぃ│べ^が
N 0 3 - N 処理量 [ m ノL ]
菌の炭素源
第 1図 脱 窒のメカニズム
環境浄化技術 2θ θ4 72 y。 ノ3 Nο 72
第2 図 N 0 3 N 処
理量 とS 0 4 2 発 生量の関係
閻
生 量 の 関係 を示 す。第 2 図 か らわか る よ うに、 地 下
水 及 び 工 業 排 水 の 実 排 水 で の 実 証 デ ー タ で も、
KOENIG&LIUの
め る こ とが重 要 であ る。
式 か ら求 め た反応 式 とほぼ 一 致 す
各種 工業排水処理
る。
この反応式か らわかるように、窒素1 0 6 m o l に
対
して、硫黄1 . 1 l m o l消
が費される計算 となる。
ー
エ
ス
チ
の
ル
徴
特
“
魃バ
工 場 な どでは硝酸性 窒素 は幅広 く用 い られてお
り、 メッキ業、鉄鋼業、顔料製造業、食料品製造業
な どの排水 には高濃度の硝酸 ・亜硝酸性窒素が含有
してい ることが多 い。バ チルエ ースによる生物学的
脱窒処理 は、有機体窒素 やア ンモニ ア性窒素は処理
バ チルエ ースを用 い た生物学的脱窒処理 は、一般
的に知 られてい る生物学的処理法 ( メタノー ル を栄
N)の 内 の大部分 を硝
で きな い が、全 窒素分 (T―
・
は、全窒素 の低下 に
亜硝酸性窒
が占める場合
酸
素
養源 とする従属栄養細菌を用 いた処理法) と 比較す
大 きく貢献 で きる。
以下に、 い くつ かの工業排水 を用 いて、 パ イ ロ ッ
ト装置 を設置 し、バ チ ルエ ー スによる生物学的脱窒
ると、下記 の特徴 を有す る。
① 装 置が簡便 ・安価…バチルエースが微生物の
栄養源 であるため、 メタノー ル等 の添加剤や複
雑 な コン トロー ル装置が不要 で、簡便 な単 一槽
での処理が可能 である。
② メ ンテナ ンスが容易 …バ チ ルエ ースに用 い る
処理 を行 った実験結果 を示す。
5‐1 酸 洗 処理排 水
ここで用 いたり「
水 は、 ステ ンレス な どの表面処理
硫黄酸化脱窒細菌 は独 立栄養細菌であるため、
を行 う際 の酸洗処理JF水で、その工場内 にバ チルエ
ー ス80kg(高 性能 タイプ)を 充填 した内容量175L
汚泥 の発生量が少 な く、汚泥処理頻度 を大幅に
の 円筒状 パ イ ロ ッ ト装置 を設置 し実証試験 を行 っ
低減で きる。
た。処理方法 は、装置内に排水 を充填 し (120L)、
一 定時間後 に排 出す るバ ッチ方式 を用 いた。第3図
に代 表的 な傾 向が見 られた、硝酸 ・亜硝酸 性 窒素
③ 低 濃度排水処理が可能 …硝酸性窒素濃度が
10mg/L以 下 の低濃度 の排水 にお い て も、脱窒
が可能で、処理水濃度 はほぼOmg/Lま で処理
す ることが可能である。
④ 優 れた耐性 …独立栄養細菌は耐薬品性 に強 い
(以下NOx―Nと 称す)濃 度 の異 なる排水 の処理時間
とNOx―N濃 度 の 関係 を示す。図か らわかるように、
排水濃度が変化 して も、硝酸性窒素濃度 の脱窒状況
ため、pH4∼ 9の排 水 で脱窒処理す ることが可
は変わ らず、NOx―N濃 度370mg/Lの 場合 12時間で(
能である。 また、阻害物質 の影響 で、従属栄養
NOx―N濃 度185mg/Lで は 8時 間で処理が完了 した。
細菌では処理 し難 い排水 にお いて も処理で きる
場合 もある (海水で も脱窒可能)。
上記① ∼④ の特徴 の 中で、④ の項 目は工業系排水
0
0
2
0
5
1
0
0
︲
や7it度
が様 々であるため、実排水 を用 い た事前 の評
価 によ り、バ チルエ ー スの脱窒処理 の可能性 を見極
0
5
2
しか しなが ら、工業排水 は、合有す る物 質 の種類
0
0
3
の ある物質を除け ば、その他の重金属 などの物質に
ついては、一定濃度以下 であればほ とん ど問題 ない
と考え られる°
し
Z I図o Z
た評価 を行 って きた結果、微生物 に対 して殺菌効果
日 ]盤 誕
種重金属 やそ の他 の微 量成分が含 まれるこ とが 多
い。 これ まで各種排水 に対 してバ チルエ ース を用 い
冒 ヽ
処理 を行 う上で特 に重要 な項 目となる。
工業系排水 では、硝酸 。亜硝酸性窒素以外 にも各
5
10
処理時 間 [hr]
処 理 時 間 とN O x ‐N 濃 度 の 関係 ( 酸洗排 水 )
環境 浄化 技術 2θ θ4 72
Voノ .3 No72
陶 鱚 置
バ チ ルエ ー スlkgが 1日 に処理す る硝酸性 窒素量
N/kg・d程 度 であった。
(処理能力)は 、1000mg―
5¨2 食 品工場排 水
ここでは、事前 にBODや 窒素 な どの排水処理 を
行 った低濃度 のNOx―Nを 含有す る食品工 場排水 を
処理す るために、内容量15Lのパ イ ロ ッ ト装置 を設
置 した。装置にはバ チルエ ー ス60kg(標 準 タイプ)
を充填 し、装置下部か ら排水 を流入 させ、上部か ら
オーバ ー フロー させ る上方流かけ流 し方式で、通水
量 は1日に454Lか ら2268Lまで変化 させ た。 第 4図
に排水原 水 とバ チ ルエ ー ス に よる処理 水 のNOx‐N
濃度変化 を示す。図か らわか るように原水 濃度 は1
∼9mg/L程 度 と大 き く変化す るが、通水量 を増加
5‐3 そ の他 の排 水
前述以外 にい くつ かの工場排水 につい て、バ チル
エ ー ス を用 い たパ イ ロ ッ ト装置 による評価試験 を実
施 して きた結果 を第2表 に示す。 ここでは、内容量
70Lの装 置 に50kgの バ チルエ ー ス (高性能 タイプ)
を充填 した上方流 かけ流 し方式のパ イ ロ ッ ト装置 を
用 い て処理 を実施 した。表中 の原水 と処理水の濃度
は実施期 間中の平均的な値 を示 してい る。
表 か らわかるように、原水濃度 の違 い によ り滞留
時間 は異 なるが、バ チルエ ー スの脱窒処理効 果 は明
確 であ り、排水 中 のNOx_Nを 実用 的 に処理 す る方
法 として有効的である こ とがわかる。
第2表 各 種JF水評価結果
させ て も、処理水 のNOx_N濃 度 はほぼOmg/Lま で
処理 される結果であ った。
713
pH
通水 量
454
907
1361
2268
el
1籠
m4,
眩
│ :│“
11,″
冒ヽ 日]饉駆ZFxoZ
NOx‐N
2108
025
100
P04
111J
│
1111■
90
S04
67818
80
1曇
永量
70
滞留時間
93765
97903
=留 :癬
8813
1閣磐
ヨ
継
24401
1起OLイ│ヨ
:
808.93
51硲L/BI
2 08hr
60
5.0
40
30
20
本技術 は、 日本 よりも 1年 早 く硝酸性窒素規制が
10
法施行 された大韓民国では工 業排水処理 で もすでに
00
3/29
4/18
5/8
5/28
6 17
7/7
第4 図 原 水 と処理水 の濃度変化
実用化 されて い る。写真3は JEON―TECH社
(当社
バチルエ ース技術 のライセ ンス先)が 、2003年 8月
第 1表 に評価期 間中の平均的な排水 の分析結果 を
示す。表か らわかるように、その他の窒素分が残存
Nの 除去率 は86%程 度 で あるが、NOx―N
す るためT―
は100%除 去 で きてお り数 ヶ月間安定 して処理が継
続す る結果で、 この 間に汚泥の引 き抜 きなどのメ ン
テナ ンス は一切行 って い ない。
第 1表 排 水分析結果
写真3 メ ッキ排水浄化装置
yoノ3 Nο .72
蠅聰
に大韓民 国水原市 に設置 した工業排水 の1 号機であ
る。 ここでは、 日量1 5 m 3 のメ ッキエ業排水 ( N O x ―
N 濃 度6 0 ∼7 0 m g / L ) を 、4 t のバ チ ルエ ー ス ( 標準
水 には追従で きず、生態系へ の悪影響 をもた らして
い る。その解決方法 のひとつ として、今回バ チルエ
ー スを用 いた生物学的脱窒処理技術 を紹介 した。
タイプ) を 充填 した内容量6 m 3 の装置 に、上方流方
式 で通水 させ、連続処理 を実施 して い る。
また、 昨年末 には写真 4 に 示す3 0 m 3 処理装 置が、
第 5 次 水質総量規制が本格的 に施 工実施 され、今
後 の対応が急務である工 業排水 の処理 に、本技術が
貢献 で きる こ とを期待 してい る。
産業廃棄物処分場 の湧水処理 にも採用 されて いる。
< 参 考文献 >
"、
( 1 ) 有 賀亮造 : “硝酸性窒素 による地下水汚染対策の手引 き p 3 5 、
ー
セ
ン
公害研究対策
タ 、東京 ( 2 0 0 2 )
( 2 ) 新 日鐵化学的技術開発本部開発規格部編 : “硫黄 カルシゥム剤
"、
による脱窒法 p 3 5 ∼6 5 、化学工業 日報社
鼈
写真4 産 業廃棄物処分場湧水処理装置
隋 二おわりに
窒素 はタ ンパ ク質 を構成す る主要 な元素であ り、
生物 には不可欠な元素 である。 自然界では、微生物
の働 きによ り腐敗、硝化、脱窒反応 によ り窒素 は循
環 されて いたが、近年 の工業 ・農業 ・畜産な どのツト
日本工業出版 l■
lインターネ ッ トホー ムペー ジのお知 らせ
ー
当社 で は 、 イ ン タ ネ ッ トの ホ ー ム ペ ー ジ を運 営 して お ります 。
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月刊技術 誌 に加 え更 に広 く情 報受発信 を行 い 、明 日の技 術 に貢献 して まい りた い と存 じます ので 、是
非 一 度 アクセス して いた だ きます様 お願 い 申 し上 げ ます。
また、合 わせ てe _ m d l による、 当社刊行物 へ の ご意見 ご要望 もお待 ち してお ります。
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本橋事務所)
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日本 工 業 出 版 閉
イ ンターネット係
TEL 03(3944)1181
FAX 03(3944)6826
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某食品加 工工場の排水量が設計処理能力3 5 0 t / d に
を加工する際にでる動植物油脂 によるノルマルヘ キ
対 し4 0 0 t / d 程
度 まで上昇 し、排 水水質基準 を上回る
サ ン値 につい ては、
水質基準 を大幅 に上回ってお り、
よ うになった。特 に春先か ら製造 される夏向け商品
この対策にかかる経費 を最小限に抑 えかつ早期改善
第 1表 バ イオマンシステム導入前の水質状況
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環 境浄 化技術
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を目指すため、バ イオマ ンマシンシステム を導入 し、
改善 を試みた。
は檄
の 問題点
現1 犬
平成 1 3 年 4 月 よ リバ イオ マ ンシス テム設置当 日
( 7 月 9 日 ) ま での 3 ケ 月 の水質検査記録 ではノル
マ ンヘ キ サ ン抽 出物 質含 有量 の 水 質基 準 で あ る
3 0 m g / L 以 下 を一 度 もクリア してお らず、5 月 後半
のデー タでは9 0 m g / L に達 していた ( 第1 表) 。
排水処理装置 の処理能力 を超 えた排 水量 であるた
め、通常装置 自体 の改修 工事 が必要 と判断 されるが、
現実問題 としては、大幅な設備改修工事や一時的な
生産 ライ ンの停止な どか ら困難であること。
R祓
・
排 水処理 装 置 ( 第1 図 写真 1 )
現在の排水処理装置 としては、まずそれぞれの食
品製造ラインから①粗 ロスクリー ンを経て②原水ポ
ンプ槽に入 り、そこから③スクリー ンを通 り④油水
分分離槽で油脂分を浮上分離させ、油脂は⑤油脂貯
留槽に送 られる。一方油脂分離槽からの分離水 は⑥
調整槽を経て、微生物分解を行う⑦バイオフイルタ
ーに送られ、更に③曝気槽 (1∼3)で 好気的処理を
行う。その後、⑨沈殿槽、⑩放流槽を経て放流され
る。また、沈殿槽から①汚泥濃縮貯留槽に汚泥を送
り定期的にバキューム搬出 (産廃処理)を 行う。
イオマン導ス、
a)ねらい
R祓 バ
① ノ ルマルヘキサン抽出物質含有量の水質基準
ク リア ー
② 汚 泥量の減少による産廃処理費用の削減
瞑琲
測 定の場所 と方法 ( 第1 図
)_ _
バ イオマ ンシステムよ リバ イオ製剤約1 0 p p m の
投入をお こなったのは図中番号② の原水ポ ンプ槽 か
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第3曝気槽
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環境浄化技術
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某食品加 工工 場 排 水処理施設
バ イオマ シンシステム設置前調査
2001611
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写真 1
環境 浄化 技術 2θ “ 72
y。 /3 Nο 72
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③の曝気槽で検査項目は 「
出口」
第 3曝
③の爆気槽 (3槽 目)で 検査項目は 「
ら。
水質検査 サ ンプ リ ング場所 として下記 5 点 とし、
平均水質測定 を測 るため3 0 分間隔で 3 回 サ ンプリン
グ した ものをブ レン ドし検査 した。
図中②の原水ポ ンプ槽で検査項目名は 「
原水」
バ
ルター
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調整槽で検査項目は
「
⑥
気槽」
放流水」
①の放流槽で検査項目名は 「
入口」
第2表 計 量結果
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第2図
環境浄化技術 2θ “ 72 y。 ノ3 Nο .72
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食品加工工場における排水処理水質改善事例
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第4図
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7月 9日
測定 日
第3 図
果
は
利結
ノルマルヘ キサ ン抽 出物質含有量 の放流基準値
をクリアー、S V ( 沈 殿量) に よる、 汚泥発生量 の
減少 ( 予測値 として約 1 / 3 に減少) を 達成 した。
また、水質検査 とは別に⑨ の沈殿槽 へ の流入水 を
サ ンプ リ ング し30分間放置後のSV(ス ラ ッジポ リ
ュー ム)で 沈殿槽 を計測。採水及 び検査 は、水質分
析会社 である株式会社 ダイワ様 にて実施。
Hex、 SS、SV(SVに つい
検査項 目は、BOD、 n―
ては毎回測 定立会 い確認)。
環 境浄 化技術 2θ 04.72
yοノ3 ′
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CLS
1 3 4 7 9‐9 7 0 / 0 3 5″0 0 / 論
文/ 」
棄物 ・
サイクル
廃プラスチック乾式
先浄装置について
ドイ ツ DSD社
地球温暖化防止、環境保全、 エ ネルギー問題等 の
との技 術 導入
ω栗本鐵工所 田 中 貞夫
たので、概要 と事例 を紹介する。
地球規模的課題 を背景 として、各種 の リサイクル法、
エ ネ ルギ ー法等 の 関連法規制 の整備が進 んでいる。
この様 な環境対策強化 を受けて、民間 リサ イクルビ
ジネスの創造、拡大が求め られて いる。
中 でも、産廃系廃 プラスチックの固形燃料 (RPF:
Refuse Paper&Plastic Fuel)に
熱 い視線が注がれ、
・
燃料 コス ト削減 地球温暖化 ガス (C02)低 減 を目
本装置 は ドイツ全域 で容器包装 リサイクル事業 を
展 開す る企業体 であるD S D 社 の1 0 0 % 子 会社 システ
的 として、従来の石炭や コー クス などの化石燃料 の
代替燃料 として転換す る動 きが産業界 で進 んで い
る。特 に製紙大手が 自社 工場 の発電 ボイラー用 の燃
料 に積極導入す る方針が出され、利用拡大が活発化
して いる。
一方、 一廃系廃 プラスチ ックでは、容器包装 リサ
イクル法が施行 され、プラスチ ック製造容器包装 を
製造、 または販売使用す るメー カには費用負担、消
費者 には分別排 出、 自治体 には分別収集が義務付 け
られた。プラステ ック系包装材の再商品化 として材
料 リサ イクル、高炉 ・コース炉 の原料、 ガス化、油
写真 1 乾 式洗浄装置 の外観
化 と廃 プラスチ ックは使 い捨 て文化 の象徴 か ら、循
環素材へ の転換、再資源化 としての有効利用が積極
的にされ ている。
当社 では、従来地方 自治体向けのごみ処理分野 を
主体事業 としていたが、今後拡大 が予想 される民間
リサイクル事業強化 の一環 として、プラスチ ック系
容器包装廃棄物、産廃 ・建廃系や農業用廃 プラスチ
ック等の種 々雑多 な廃 プラスチ ックの リサイクルエ
ンジエ アリ ング ・装置 の事業拡大 を図るため、同分
野 で豊 富 な技 術 と事 業 運営 実績 を有 す るDSD社
(Dual System Deutschland)と乾式 とい う全 く新
しい考 えに基づい た乾式洗浄装置 の技術提携 を行 っ
第 1図 乾 式洗浄装置内部構造
13/Vο.72
環境浄化技術 2θθイ72 し4ο
ム テクノ ロ ジー社 (略称 SYS TEC社 :本 社 ケ ル ン
市)が 開発 した もので、全 く水 を使わず にプラスチ
ック系容器包装廃棄物や、土砂が付着 した農業用廃
シー ト、油分 が付着 したプラスチ ック等 の汚れ分 の
除去がで きる画期的な装 置 で、従来埋め立 てや、単
④ 削 り取 られた汚れ分 は、遠心力 とスクリー ン
の内側から外側へ流れる気流によリスクリー ン
を通過 し、スクリー ン外部へ と排出される。
⑤ 一 方、汚れが除去 された製品はスクリ‐ン内
の軸方向に流れる気流によ り排出される。
純焼却 されてい る汚れ た廃 プラスチ ックの、 固形燃
料化 (RPF)化 や再生 プラスチ ックペ レッ ト原料化
が容易 になる。
特 に、資源 リサ イクル循環型社会 を構築す る上で、
① 容 器包装廃 プラスチ ックの前処理 として、水
人間生活 にとって最 も重要な ことはマ テリアル リサ
を全 く使 わず に乾式 で 汚 れや臭 気 を除去洗浄
イクルである。廃 プラスチ ックの付着汚れはリサイ
し、後工程の湿式比重選別機 の水処理負荷低減
クル製品 の品質面 に大 きく影響す ることか ら、再商
となる。
品化 リサイクル を行 う上 では前処理 工程 での事前除
れ除去 とい う課題 をかかえてお り、本装置の導入に
よる効果が期待 で きる。
また、紙 とプラスチ ック、紙 とアル ミ箔等 の複合
材 を素材分離す ることもで き、多用途 で有効 な乾式
洗浄、素材分離装置である。
DSD社 は独本 国で廃 プラの処理 再生企業 な ど約
30ケ所 に採用 され、 日本国内では富山県某企業 に当
社納入 の 2基 が稼 動中である。
② 産 廃や建廃のサーマルリサイクルとして固形
燃料 (RPF)化 が脚光を浴びているが、この前
処理工程 に乾式洗浄を組み込む ことによ り、汚
れを除去 し、製品の品質向上が期待で きる。
③ 土 砂が付着 した農業用 プラスチ ックの汚れ除
去
・農ポ リ : 乾 式洗浄に よ り固形燃料 ( R P F ) の
原料 に有効活用
・農 ポ リ ・農 ビ : 乾 式洗浄 の応用展 開 として、
本装置で湿式洗浄 と脱水 の 2 機 能が 1 台 で可
能な ことか ら、す ぐに梱包出荷、輸出対応 も
で き、造粒機 ライ ンに接続 す ることによ リペ
本装置 のタト
観写真 ならびに内部構造、乾式洗浄 フ
ー
ロ をそれぞれ写 真 1、 第 1図 、第 2図 に示す。本
装置は遠心分離の原理 を応用 した もので、高速回転、
高速送風 などによる摩擦 。衝撃 ・気流 ・遠心力 の組
レッ ト原料化が容易。
④ 廃 フレコンバ ック、肥 料袋等 の付着内容物 の
除去
合せで、廃 プラ類の汚れを除去、洗浄で きる。
本体 は原料 を流す ドラム状 のスク リー ンならびに
ス クリー ン内部 を流れ方向に一列 に設置 された多数
の十字型 を したブ レー ドによ り構成 され、次の工程
によ り順次洗浄 を行 う。
① 投 入 された原料 は、スクリー ン内部 のブ レー
ドによる送 りと装置内部 の気流 によって排 出側
へ 移動する。
② 原 料 は移動 して い く過程 で、 高速回転す るブ
レー ドの遠心力によってス クリー ン側へ押 し広
がる。
③ こ の時に原料 の表面 に附着 してい る汚れ分
は、高速回転するブ レー ドにより摩擦 ・衝撃作
用を受け原料 よ り削 りとられる。
環境浄化技術
汚れ分写真
第2 図 乾 式洗浄フロー
⑤ 最 終処分場廃 プラスチツクの汚れ除去によ り
固形燃料 (RPF)に 活用
3図 に容器包装 プラスチ ツクの再商品化 リサイクル
エ場処理 フロー、第4図 に標 準的な平面配置 を示す。
(1)処 理 フ ロー
⑥ 油 、食品で汚れたポリ容器の洗浄
⑦ 家 電 リサイクルにおける外装プラの汚れ除去
と内装プラとウレタンフォームの分離
① 自 治体 により分別収集 した容器包装廃 プラス
チ ックを梱包 ベ ー ル にて受け入れ、解砕 ・破砕
③ ペ ットボ トルのフレー ク原料化 の前処理 とし
て汚れ除去洗浄 による後工程の水処理負荷低減
⑨ 食 品残澄 とプラスチック容器の分離
⑩ ラ ミネー ト紙 の紙 とプラスチ ック、紙 とアル
ミ箔の分離
工程で約20mmサ イズに破 砕 される。
② 定 量供給装置により切 り出された廃プラは風
力選別機により異物除去後、乾式洗浄装置に供
給 される。
③ 乾 式洗浄装置 により汚れを分離 し、空気輸送
硬質廃プラスチッ
⑪ 水 洗浄後の脱水機 ( 軟質、
クに対応)
⑫ 廃 車 シュレッダダス トの汚れ分離
当社 では富山県 の某廃棄物処理企業に乾式洗浄装
置 を組み込み、容器包装プラスチ ックの前処理 とし
て、水 を全 く使 わずに乾式 で汚れや臭気 を除去洗浄
し、後工程の湿式比重選別機の水処理負荷低減 に効
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第4図 平 面配置 (乾式洗浄→ ダク
果があるプラン トを納入、順調 に稼動中である。第
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サイクロン1 3 1
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排水処理設備
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[ ダクト乾燥装置]
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受入原料
第3 図
[梱包保管施調
容器包装 プラスチ ックの再商品化 リサイクルエ場処理 フロー
環境浄 化技 術 2θ “ .72
yO′3N072
によ り湿式比重選別機 に送 られ、比重 によ リポ
リオ レフィン系 プラ ( P E 、P P ) と 塩化 ビニ ル
験 ノウハ ウとプラ ン トエ ンジエ アリ ングカ によ り、
( P V C ) 他 に湿式分離 される。
組ふ合 せ、複合 システム化 した固形燃料 (RPF)製
造プラ ン トを開発 した。
4種 の要素技術 (破砕、選別、乾式洗浄、造粒)を
④ 回 収廃 プラ ( P E 、P P ) │ ま、後段 の脱水機 と
特 に、ド イツDSD社 よ り技術導入 し、新 しい機
して納入 された本装置によ り脱水 され、空気輸
送 によリダク ト乾燥後サ イロに貯留 される。
能 を付加 した乾式洗浄装置 を前処理工程 に組み込む
8)後 、成形 ライ ン
⑤ ペ レッ トミルで造粒 (φ
パ
ル
にてリサイク 樹脂 レットに製品化 される。
ことによ り、原料 の汚れを除去 し、固形燃料製品の
品質向上 となる。
また、本 システムは産廃系廃 プラスチ ックに加 え
(2)成 果
① 乾 式洗浄により、後工程の水処理負荷及び臭
気低減
② 湿 式比重選別機での水 の汚れが少ないため選
別精度が向上
③ 再 生ペ レットの品質向上によるマテリアル製
て、土砂が付着 した埋立処分場廃 プラや農業用 フイ
ルム等 の汚れ を除去することによ り、従来 リサ イク
ル されず に焼却、埋立処分 されてい た原料 の有効活
用がで きると同時に、良品質 の原料確保 につ なが る
ことが期待で きる。
品の品質安定化
④ ト ー タル処理ランニ ングコス トの低減
(2)固 形 燃料 (RPF)製
フ ロー
造 プラ ン トシス テ ム
第5図 に当社乾式洗浄組込の図形燃料 (RPF)製
造 プラ ン トフロー、第6図 に独時の システム提案 を
示す。
(1)乾 式洗浄装置の応用展開と狙 い
当社では長年培 って きた破砕機 メー カとしての経
当社 は地方 自治体向けのいわゆる官需 にお い て大
サイクロン
バグフィルタ
― 大気
バグフイルタ
残直l フI ナ
鍮
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フライトコンベヤ
第5図 固 形燃料装置設備 フロー
環境 浄 化技術 2θ “ 72
VOノ 3 Nο 72
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木屑
・農業用フイルム
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クリモトー軸破砕機
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乾式洗浄機
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饉 璽 饉 饉 饉 饉 饉
・ペ レット化
(クリモ トベ レットミル )
爾
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・圧縮減容化
(クリモトエコロパック)
4鉱 山会社
5給 湯 ・
地域 暖房
6発 電 エ ネルギー
第6図 独 自のシステム提案
きな実績 を持 つ が、今回の技術提携 をはずみに、環
境 リサ イクル分野 での民 間企業 へ 提案型 の営業P R
を進 め、 また、D S D 社 との提携 は、 第 1 ス テ ップ
であ り、今後D S D 社 の保有す る優 れたエ ンジニ ア
リ ング技術、操業 ・事業 ノウハ ウの 日本国内市場へ
躙
の展 開 に向けた協力体制の構築、 国内市場 での多角
化 も視野に入れて い る。
乾式洗浄装置 の用途展 開に取 り組み、環境分野 で
の資源循環型 リサイクル社会 に貢献 してゆ きたい。
―一一 ● 優 良技術 図書 案 内
●初歩と実用のノツレブ講座 新 ・
改訂版 新 5版
バル ブ講座編纂委員会編 A5判
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リ ハ
ッ
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一般高圧ガス編
ガス協 会編 B 5 判 1 5 0 頁 定 価 : 2 , 5 0 0 円( 本体 2 , 3 8 1 円)
l l l l奈川県高圧
神
●次世代 プラン ト配管用材料
配管技術 ム ック誌 B5判 150頁 定 価 :3,000円(税込)
お問合 せは日本工業出版l l l l売課
販 まで 販 売直通 0 3 ( 3 9 4 4 ) 8 0 0 1 F A X 0 3 ( 3 9 4 4 ) 0 3 8 9
環境浄化技術 2θ “ .72 y。 ノ3 Nο .72
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1347、
99707o3伴
500/論文んCLS
DMと その実施プロセスについて
QA)山
0 日 本品質保証機構 ( 」
の 目標達成 のために まとめ られた地球温暖化対策推
進大綱 は、今年度が見直 しの年にあた り、大綱改訂
に向け精力的に検討が進め られてい る。地球温暖化
対策推進大綱 にお い ては、60%の 削減 目標 の うち、
4.4%を 国内対策などで削減 し、残 り1.6%に はCDM
I(共 同実施)及 び排
(クリー ン開発 メカニ ズム)、」
出権取引などの京都 メカニズムの活用が必要 とされ
て い る。
一方、今 日の状況 を見 ると、199o年か ら2002年の
0 0
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0 0
0 別 0
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スに対 し6%削 減す る とい う約束 を負 っている。そ
(IPCC第 3次評価報告書)
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一∽つ]
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〇〇ヽ
駅肛爆 最蛛座 s叔く ヽ ‘δ o
日本 は、京都議定書 にお いて、2008年か ら2012年
までの期間に、温室効果 ガス排 出量 を、1990年ベ ー
本 重成
EU
日本
米
国
( 注) 矢 印線は、複数の試算による幅を示 したもの。
また、4 0 0 、3 0 0 、2 0 0 とい う数字は各種試算 を平均 した値。
第2 図 C 0 2 ト ンあた りの限界削減費用
12年 間 で、温 室効果 ガスは76%も 増加 してお り、
費用対効果に優れている温室効果ガス削減手段
この ままでは京都議定書の公約 である6%を 達成す
るには、136%も の削減が必要 な状況 にある (第 1
図)。
日本においては、すでに世界最高水準 の省 エネルギ
ー技術などが全国に普及していることから、更なる温室
効果 ガス排 出削減を行なうための設備投 資には、非常 に
高 い費用が必要 となる。IPCC(Intergovernmental
珈職
ク
ト
[lラ
豊
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]lli現
≫
「聾
夢
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た
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謳
莉
C,鉤
第3 図 C D M ( ク リーン開発メカニズム)
H16年 5月 18日
0
0
3
0
0
0 0
1
2
︵
嶽郵、
ooヽ 一ヽ口︶
咽 ヨホ緩 К粂味ミ側蝠
魃
Panel on Climate Change:気 候 変動 に関す る政 府
間 パ ネ ル)に よれ ば、 日本 国 内 で のC02削 減 に甚レ ヽ
輻
る コス トは、C021ト
ンあ た り数万 円が必 要 だ とい
われ て い る (第2図 )。
しか しなが ら、京都 メ カニ ズ ム を活用 す れ ば、 費
用対効 果 に優 れ た方法 で、温 室効 果 ガ ス排 出削減 の
1,000
基準年
2002年
度
2 0 1 0 年 目標
第 1 図 温 室効果ガス総排出量 の 目標 と現状
2θθイ.72
1/oA3 ,Vο72
実施 が可 能 となる。 京都 メカニ ズ ムの なか で も、 と
りわ けCDM(第
3図 )は 、 環 境 配慮 に優 れ た先 進
CDMと その実施プロセスについて一(2)
︲
国 の 進 んだ技術 を途上 国 に移転 す る こ とに よ り、 途
︱
上 国 の 産業技術 と民生基 盤 へ の 貢献 を通 して持 続 的
プロジェクト
参加者PrOlect Participants
指定運営機関
Designated
w i n メ カ ニ ズ ム と もい わ れ、環
資す る こ とか らw i n ―
境 ( E c o l o g y )エ
。ネルギ ー ( E n e r g y ) 。
経済 (EcOnomy)
CDM理 事会Executive Board
︲
を束 ね た3 E プ ロ ジェ ク トとも評 され て い る。
ional Entit
︲
発展 に寄与 し、併せ て先 進 国 の 国際 的約 束 の遵 守 に
︲
DOE(指 定運営機関)の
信任 プロセス
第4図 CDM Pr●
eCt Act市ity Cycle
C D M プ ロジェク ト活動 は、C D M プ ロジェク トを
実施す る 「プ ロ ジェク ト参加者」、C D M プ ロジェク
トの有効化審査並 びに排 出削減量の検証/ 認 証 を行
な う第 三 者機 関であ る 「D O E ( 指 定運営機 関) 」、
C D M プ ロ ジェク ト活動 の登録 。C E R ( 排 出削減 ク
行 され、先進国の国際的約束 の遵守等 に活用 される
ことになる。
① プ ロ ジェク ト参加者 によるP D D ( プ
レジ ッ ト) の 発行 を行 なう国連 のC D M 理 事会及 び
プ ロジェク トの承認 を行 なう 「
投資国 ( 先進国) ・
ク ト設計書) の 作成
on(有 効化審査)
② DOEに よるV」ida●
③ 投 資国、ホス ト国またはCDM理 事会の委員
3名 以上からのレビュー要請があれば、 レビュ
ホス ト国 ( 途上国) の 各政府 ( D N A ) 」 の 4 者 によ
り進 め られ る。 現在、D O E に 申請 して い る機 関は
2 4 機関あ るが、D O E に 信任 され るには、以 下の審
査 プ ロセス を踏む必要がある。 尚、① ∼④ は国連 の
ー を実 施
④ CDM理 事会に よるCDMプ ロジェク ト活動 の
C D M 理 事会 の認定パ ネルが審査 を実施する。
ew)
① 文 書審査 ( D e s k R e 宙
② 事 務所審査 ( O n _ s i t e A s s e s s m e n t ) :格す
合
“
ると I n d i c a t i v e l e t t e 発行
r " がされる。現 在、
I n d i c a t i v e l e t t e、
r TはE C O 、 J C I 、B V Q I 、
TUVrhein(DOEを 除 く)に 発行 されてい る。
③ 立 会 い審査 (Witnessing):実 際 にCDMプ
ロジェク ト活動 の審査 を行 なって い る状 況が審
査 される。
④ 認 定パ ネルがCDM理 事会 に対 して推 薦
⑤ CDM理
事会がDOEと して信任
現在、」QA、 DNV、 TUVsued、 SGSの 日本勢1
ロ ジェ
登録
⑤ プ ロジェク ト参加者によるプロジェク ト活動
の実施 と、排出削減量のモニ タリング
⑥ DOEに よる排出削減量のVeriicauon(検証)
とCertification(認
証)
⑦ CDM理 事会によるCERの 発行
CDMの サイクルには、上記の一連 のプロセスが
含 まれ、最初 に挙げたPDDの 作成がプ ロジェタ ト
参加者にとってまず最 も大事な作業であることは言
うまで もないが、 ここか らはPDDが 作成 されてい
ることを前提 として、② の有効化審査 プロセスを中
心に説明する。
機関、欧州勢 3機 関がDOEに 信任。
Validationc)渭嗣n o事 5区D
CDMに おけるCER(排 出削減 ク レ
ジット)発行 までのプ ロセス (第4図 )
日
D O E と して行 なうV a l i d a t i O n、
はまずプ ロジェク
C D M プ ロ ジェク ト活動 は、 まず プ ロ ジェク ト事
ト参加者が規定 の様式 に従 って作成す るP D D を も
業者が プ ロ ジェク トの設 計書 であるP D D を 作成す
ることか ら始 まるが、大 きく分ければ次 の プ ロセス
とに、 プ ロ ジェク ト参加者 に選定 されたD O E と の
間 での 契約締結か ら開始 され る。D O E サ イ ドの 審
を経 て最 終的 にC E R ( 排
査手順 は以下の ようになる。
出削減 ク レジ ッ ト) が 発
環境浄イ
辟支術 2θ04.72
y。“ N。 72
プロジェク ト参加者
申請書類作成、提出(申
請書 Dral PDD)
CDM理事会へNew Methodology申
請
C D M 理 事会の承認
判
PDD公開 (Web上で311日
間 )、
パブリックコメン
⑤ プ ロ ジェク ト活動 に関連 した政治 。経済的、
技術的、環境面等 々の背景調査。
⑥ プ ロ ジェク ト参加者 との面談、ホス ト国の現
地調査、 ス テー クホルダー (利害関係者)と の
イ ンタビュー を通 じた検証。
⑦ ③ ∼⑥ の結果 を踏 まえたValidation(有効化
審査)レ ポ ー ト案 (Preliminary Validation
Report)の 作成 と、 プ ロ ジェク ト参加者 へ の
PDD(承認済みMethodologyを
踏まえた)提出
Desk Re宙 ew Report作
提 出。
③ レ ポー ト案 (Preliminary Validation Report)
に示 したCAR(是
正措 置要求事項)な どにつ
い て、プ ロジェク ト参加者 の対応 を踏 まえた最
終 レポ ー ト (Validation Report)を 作 成 し、
CDM理 事会 へ提 出 してCDMプ ロ ジェク ト活動
の登録 を要請。
※ ※
AfforestatiOn and Refforestationの
PDD公 開は45日間。
V』 datbn Reportの
Smal scale CDMの場合、
公開は4週間。
第5図 Valdation(有 効化審査)手 順
尚、Validationは
、上記 の③ にお い て、 プ ロ ジェ
ク ト活動が適正かつ妥当であるとす る最終 レポー ト
(ValidatiOn RepOrt)に
対す るCDM理 事会 の登録 を
もって終了 となる。
C D M プ ロジ ェク ト, 舌
動 の実施 例
①エネルギー産業
②エネルギー輸送
⑨金属工業
③エネルギー需要
①HFC等 の漏洩
④製造業
⑫溶剤使用
⑤化学工業
⑬廃棄物処理 処 分
⑥建設
⑭新規植林 再 植林
⑦運輸
⑮農業
■
⑩燃料からの漏洩
③鉱業
第6図 業 種分野 (Sectoral scope)
① プ ロジェク トのセク トラルスコープ ( 業種分
野) ( 第 6 図 ) に 応 じた審査チームの編成。
② ベ ースライ ン ・モニ タリング方法論のチェッ
C D M プ ロ ジェク ト活動 として、 前述③ のプロセ
ス を完了 して、C D M 理 事会 に登 録 された もの は、
現在 の ところ世界 にまだ 1 つ もない状況 で あるが、
最 も進 んでいるC D M プ ロ ジェク ト活動 は、J Q A が
“
審査 を担当 して い るイネオスケ ミカル的 の 韓国ウ
"
で
ルサ ン市 におけるH F C 2 3 の 破壊事業
、現在 ③
の段 階 にある。本 誌が発行 されるころには、C D M
プ ロ ジェク ト活動 として登録 されてい ることが期 待
されている。本プ ロジェク ト活動 は、既 に日本政府
による承認 を受けた 9 件 のプ ロジェクト活動 の うち、
第 4 番 目の もので あ り、投資国( 日本) のイネオスケ
ミカル的、ホス ト国 ( 韓国) のウルサ ンケ ミカル的 ほ
ク。それがC D M 理 事会 によって既に承認済み
の ものであれば次のプロセスに進むが、新 しい
である。尚、ホス ト国である韓 国におけるD N A ( 指
方法論 ( N e w M e t h o d o l o g y ) で
あればC D M 理
事会事務局へ送付 し、承認を求める。
定国家機関 : C D M の 担 当政府機 関) は 5 月 に決 定
し、7 月 1 日 付 で韓 国政府に よる承認 を受けてい る。
③ P D D の ウェブ上での公 開 ( 3 0 日間) に よる
パ ブリックコメントの募集。
④ 提 出されたP D D を もとにした文書 レビュー。
本C D M プ ロジェ ク ト活動 の概要 を述 べ る と、 韓
国 はモ ン トリオー ル議定書 にお い て未 だH C F C 2 2 の
2004.72
Vo13 ブ Vο.ブ
2
か 3 社 との 間 で契約が交わ されたプ ロジェク ト活動
規制 を受 けてお らず、副生す るH F C 2 3 を 大気 中に
CDMと その実施プロセスについて ¨14)
放出 していた。 一方、 日本では、使用済み のフロン
類 は もとよ り、副 生す るH F C 2 3 に つ い て も完全 に
分解する技術が確 立 し普及 してお り、 この技術 を韓
国 に初 めて移 転 す ることにより、年 間約 1 2 0 トンの
儡
なって きた。地球温暖化対策は、 グ ローバ ル な視点
に立 った対応 が求め られているが、 日本 には世界 に
冠 たる省 エ ネルギー ・環境対策技術 があ り、 これ ら
H F C 2 3 を 分解する。なお、H F C 2 3 の G W P ( 温 暖化係
の技術 を開発途上国に移転する ことによ り、国際貢
献 を行 ない なが ら、地球温暖化防止 に大 きく寄与 で
あるため、排 出削減量 はC 0 2 換算で年
数) は 1 1 , 7 0 0 で
きる。
間1 4 0 万トンに達する。韓 国 でのH F C 2 3 の 分解 プラ
CDM等 の京都 メカニ ズムを推進す ることによ り、
費用対効果 に優 れた手段 で、地球温暖化防止へ 貢献
ントは今年 の 3 月に完成、盛大 に竣 工 式が催 された。
また、イ ン ドで も同様 のプ ロ ジェク ト活動が、 イ
して い くことが大切であると考える。
ネオスの英国本社 と住友商事的 によって計画 されて
い る。 このプロジェク ト活動 は年 間3 3 8 万 トン もの
C 0 2 を 削減す る計画であ り、C D M と
しては最大規
模 の もの とい える。
一
排 出削減 目標が課 されてい る京都議定書 の第 約
2 0 1 2 ) ま で、残す ところ 3 年 余 りと
束期 間 ( 2 0 0 8 ∼
ー
環境 と産業 。経済 の共生 を追求す るテ クノロジ
:1992年 (平成 4年 )9月 1日
:毎 月 1日 発 行
:18,000部
96頁
:35判 ・
:1,900円
(本体 1,810円 送 料 別 )
・
● 年 間購 読 料 :12冊 19,000円 (税 送 料 込 )
● 創 刊年 月 日
●発 行 日
●発 行 部 数
● 判 型 ・総 頁
●定
価
のお申 し込みは
0日■工業出版
本 社 〒113-8610東京都文京区本駒込6-3-26日本工業出版ビル
TEL 03(3944)1181(t)FAX 03(3944p6826
e mJ:mfo@nkkO pb co,p
http:71www nkkO‐
pb coip′
と特色
無限と思われた地球資源 と環境に対 し、SOSが 発せ られよう
としています。そ こで、今まで通 りの経済成長を維持 し、より
ー
豊かな文明生活を支えるためにはその基盤となるエネルギ 源、
ー
ー
ー
エ
のため、
ネルギ の開
とりわけクリ ンなエネルギ 源確保
発 と有効利用が火急の課題 となって参 りました。
ー
本誌は、 このような情勢のもと、エネルギ 問題をなるべ く
・
・
から、システム
技術課題
広い視野 にたち、経済性 環境保全
導入 ・メンテナンス 。関連法規の解説 に至るまで幅広 い内容を
編集するよう心がけ、興味ある話題の提供 と見やす い、分か り
やすい本づくりに適進致 します。
0339448001
ベ
量
籍
EIilyナ
鼈
』
]』
鷲
低
菖
II]:::蘇
]警
:││:l:,:!
i
大 阪 営 業 所 〒541-0046大 阪市中央区平野町 1-6-8-705
TEL 06(6202)8218 FAX 06(6202)8287
環境浄化技術 2θ 04.72 yoA3 N072
W0408‐05
134799707037Y50α
CLS
論文7」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
. . .
: ・
摯 轟
糠 鶯
連続式伝導伝熱
乾燥装置
ー
排ガス量が少なく省エネルギ な乾燥装置による有機性廃棄物の乾燥
│1原
ω大サ
製作所 脇屋 和紀
に
じ
め
饉は
下、 当社 で新 し く商品化 した連続式伝導伝熱乾燥機
( 愛称 : イ ンナ ーチ ュー ブ ロー タリー) に つい てご
伝導伝熱型乾燥機 は古 くか ら各種方式があ るが熱
風乾燥 に比 べ て排 ガス量が少 ない こ とが特徴 であ
紹介す る。
うに排 ガスの臭気 が 問題 となる場合 は乾燥排 ガスの
脱臭にかかる コス トが少な くて済む。 また、伝導伝
また、 イ ンナーチュー ブ ロー タリー に水蒸気圧縮
式 ヒー トポ ンプシステム を組合せ ることによ り、乾
燥時のエ ネルギー消費量 を大 幅に削減 した新 システ
ム ( 愛称 : ヒ ー ポ ンI T R ド ライヤー) に つい て もあ
熱型乾燥機 は真 空乾燥機 と して も対応が可能 で あ
わせてご紹介する。
る。特 に汚泥 をは じめ とした有機性廃棄物乾燥の よ
り、近年汚泥 の乾燥や、食品廃棄物 の乾燥 などにも
用 い られるようになって きて い る。真空乾燥 は低温
で乾燥で きる ことが特徴 であるが、密閉系で運転 を
行 い排 ガス量が極めて少 ないこ とが大 きな特徴 と言
お
造
よ
び
特
徴
1構
罠
熙
本体 の模式図を第 1図 に、 断面 の模式図 を第2図
える。
に示す。円筒横型の本体 シェル内に設けた多管式加
環境保全の観点か ら乾燥操作 を考 えると、環境 汚
染 防止、co2JF出量削減、省 エ ネルギ ー な どのキー
熱管内に蒸気 を流 して、 これを回転 させ、材料 と加
ワー ドが挙げ られ る。近年 コー ジェネ レー シ ョン設
備 の普及によって排熱の有効利用の 目的や、乾燥排
ガスの排 出量削減 の 目的などか ら従来熱風乾燥で乾
燥 していた被乾燥物 を、蒸気 を熱 源 とした伝導伝熱
型乾燥機で乾燥す る方式が見直 されて きてい る。以
熱管束の接触 によ り乾燥 を行 う。加熱管束 にはバ ッ
フル板が設け られてお り、材料の シヨー トパ ス を防
ぐ構造 となっている。加熱 管束 の最外周部には リフ
ターが設け られてお り、両端 は材料 の掻 き揚 げ と送
り、 または戻 しの機能 を持 つ傾斜形が、中間部は平
板形で加熱管束の回転方向に対 して螺旋状 に配 置 さ
れてい る。材料 を本体の一端か ら
供給 し、材料 は加熱管束 の周囲に
固定 された リフター によ り掻 き揚
当僑 脂
げ られて は落下 しなが ら加 熱管束
と接触 を繰 り返 し、順次他端 へ移
送 される。製品排 出部には堰が設
け られてお り、オーバ‐ フロー方
式で排 出される。堰の高 さにより
ホー ル ドア ップの調 節が可能であ
第 1図 本 体構造模式図
環境,争化技 術 2θ θイ72 し 4ο
43 1Vo″
り、通常30%∼ 50%程 度 で運転 を
行 う。ホー ル ドアップが大 きく取
・少量 のキャ リアガスを流す ことで効率良 く乾燥
嘲
蟄熙愈躙師帥帥輻靱
で きる
・排 ガス量が少 な く排気熱損失が少ないため省 エ
ネルギー
・小型で伝熱面積 を大 きくで き、設置スペ ースが
小 さい
・真空乾燥 へ も対応可能
と
種
主
仕
様
1機
頷
礼
機種 はI T R - 5 型か らI T R - 2 0 0 型までが ライ ンア ッ
プされてお り、型式 の数字が伝熱面積 を示 してい る。
ス量 は循環方
機種 と主 な仕様 を第 1 表に示す。l J F ガ
第2 図 断 面模式図
式 とす ることで更に削減可能 である。
第 1表 イ ンナーチュープロー タリー基本仕様表
れることか ら本体内 の滞留量が多 く、脱水汚泥など
の高水分材料 も投入部付近の材料 と混合 される こと
給 され、他端か ら同様 に駆 動軸内 に設 けた ドレ ン回
収用 パ イプを通 して ドレンとして回収 される。加熱
管束 の 回転 はインバ ー ター駆動で可変で きるように
なってお り、回転数は機種毎 に標準 回転数が決め ら
5
動力
1110
750
謝鋤
11
軟熱藤回転数 モ
1'銀iE]
キャリヤガス量
20t l l
[kw]
一
L
加熱用 の蒸気 は駆 動軸 の中を通 って加熱管束 に供
[だ]
一爾
抑 えた運転がで きる。
伝熱面積
│: Ekylll
纂晏籠1灯
厠一
で平均水分が下が り、付着性 の強 い材料で も付着 を
赫
:ス
31
│●
4
即 11
1個 │
爵摩
麟81: 11婢
[kg(DA)/h
inl
II出̀轟
071
1型 1:
1纂 I
ツトガス量 [m3/min]
*1:加 熱温度158[℃](蒸気圧力 048[MPaG])、 大気圧乾燥、材料水●8r。
%wB
れている。
蒸気 を加熱源 としていることか ら、 コー ジェネレ
ー シ ョン設備 の廃蒸気 などの使用 も可能である。加
熱管束 を 2種 圧力容器 とする ことで高温 での加 熱ヘ
対応で き、通常 は130℃∼ 160℃程度 の加熱温度 を使
用
例
橿
鶉適
赳
排水処理汚泥 の乾燥用 として稼働 してい る伝熱面
積 3 5 ぶのI T R - 3 5 型の外観写真 を写真 1 に 示す。 こ
用 している。大気圧乾燥 の場合 は蒸発 した蒸気 を排
気す るため のキ ャリアガスを少量通気す る。 また、
コンデ ンサ ー を設 けて蒸発蒸気 を凝縮す ることで、
キャリアガス を循 環す ることがで き、系外へ の排 ガ
ス量 を少な くする ことが可能である。有機性廃棄物
などの乾燥 の場合 は、
排 ガスの脱臭が問題 となるが、
排 ガス量が きわめて少 ないこ とか ら、小規模 の脱臭
装置で済み、運転経費が少 ないこと、 さらに、C02
の削減に も大 きく寄与する。 また、24時間での運転
が可能であ り、高温熱風 を使用 して昼間の運転 を行
っている方式 と比べ て装置が小型化で き、バ ーナー
等 の燃焼設備 を使用 しないこ とか ら安全性 も高 い。
主な特徴 を以下に列記す る。
写真 l ITR‐35型 [3511i]外
観写真
環境浄化技術 2θθ4 72 y。′3 Nο 72
れ まで焼却処理 してい たが、乾燥す ることで肥料 と
しての リサイクル を目的 としている。汚泥 の水分 は
8 2 % W . B 程 度 で安定 してお り、大気圧 でキ ャリア
ガスを通気 して乾燥 を行 い、本体 内 は負圧 に して、
蒸発 した蒸気や臭気、 ダス トが系外へ 洩れない よ う
に して い る。乾燥後 の水分 は6 ∼8 % W . B 。で、粒状
の乾燥品が得 られる。運転は2 4 時間連続 で月曜 日の
朝起動 し、金曜 日の夕方停止、あるい は汚泥量 によ
って土 曜 日に自動停止するようになってい る。運転
はほぼ無人で、製品温度 を管理 しておけば製品水分
は安定する。汚泥 の供給 は汚泥 ホ ッパ ーか らスクリ
ュー コンベ ヤで定量的に供給 している。ホー ル ドア
ップを多 くで きる ことか ら滞留時間が長 く、材料 の
水分変動 や、汚泥ホ ッパ ーか らの切 り出 し量の変動
] 外 観写真
写真2 1 T R ‐1 7 0 型 [ 1 7 0 ポ
に も対応可能で安定 した運転がで きる。排気 はバ グ
フィルターで除塵 した後 コンデ ンサ ーで蒸発蒸気 を
イクル しているケ ース もある。比較的粒状で微粉 の
凝縮 し、凝縮液は原水槽 へ戻 して いる。排気 は風量
が少ないこ とか らブ ロアーで曝気槽 へ 吹 き込む こと
少ない乾燥品が得 られてい る。Jトガスはサイクロン
にて除塵後スクラバ ーで処理 し、上記 と同様曝気槽
で脱臭 を行 ってお り特別 な脱臭設備 は設 け て い な
い。運転 デー タを第 3 図 に示 す。装置内の滞留時間
へ 吹 き込む ことで処理 を行 っている。ITR-170型 の
が長 い ため、投入量の変動 に対 して乾燥品水分 の変
その他食品工場 では排水処理汚泥 に一部食品残澄
を混合 して処理す るケー ス な ど、いず れ も24時間連
動 は小 さ く、安定 した運転が行 えて い る。
外観写真 を写真2に 示す。
続運転 を行 うことで装置 の小型化 をはかる事がで き
る。脱臭設備が小型化、あるい は曝気槽 で処理 す る
...。
8。
ことで不要にな り、従来の熱風乾燥 と比べ て設置 ス
ペ ースが少な くて済むなどの利点が挙 げ られる。
..・
︹ 〓ゞ]点 K
[
汚泥、浄水汚泥、卵殻、 コー ンフ イー ドの乾燥品
の写真 を写真3に 示す。乾燥 品は汚泥等 の場合粒状
で微粉 が少 な く、滞留時間が長 いこ とと装 置内での
展動作用 によ り比較的球形 で見かけ密度が大 きくな
]晏
最 晏 l桑
晏 慾 lS籠
。脱水汚泥供給量 Ekg/11]
豪乾燥汚泥排出量 EIKy鯛
■凝縮液量 膿y■ ]
●脱水汚泥水分 [%W」
文乾燥汚泥水分 [%W』
35型運転データ
第3図 ITR‐
る傾向がある。
瘍 鰊 鰊鰈
汚泥
浄水汚泥
卵
殻
コ
ーンフィード
写真3 乾 燥品性状
また、従来熱風乾燥で排水処理汚泥 を乾燥 してい
170
たが伝導伝熱型乾燥機へ の入替 えを行 い、I T R ‐
排 ガスの処 理 はバ グ フ イル ター と コ ンデ ンサ ー の
組合 せ 以外 に も、サ イ ク ロ ン、 ス クラバ ー な どで も
型 で2 4 時間連続運転 し、乾燥汚泥は肥料 として リサ
対応 で き、必要 に応 じて選定可 能 で あ る。大 気圧 乾
54
環境浄化技術 2004 12 Vo′ .3 No72
卜■,つ
,ス
チーム
ドレィ)Ⅲ
西 レ
第4図 大 気圧乾燥 フロー シー ト
集塵装置
卜か ,
ドレン ン
`ステーム
第5図 真 空乾燥 フロー シー ト
燥 の フロー シー トの参考例 を第4 図 に、真空乾燥 の
フ ロー シー トを第5 図 に示す。
邊封
ヒー トボ ンプ式伝導伝熱乾燥機
ー
装 置 と して開発 した。 これ まで圧 縮機 と して タ ボ
ブ ロ ア ー な どが濃 縮装 置 に使用 され て い るケ ー スが
あ っ たが温 度 差 が5℃程 度 と小 さい こ とか ら本 体 が
大型化 し特殊 な例 で しか採 用 され てい な い 。特 に乾
燥 機 で は伝 熱 面積 が大 き くな りす ぎ、装 置 が大型化
当社 では既 に廃 液濃縮用 として、高圧縮比 のヒー
して コス トが高 くな る こ とか らほ とん ど実用化 され
トポ ンプ を組合せ ることで装置の小型化 をはか リシ
ンプルでエ ネル ギ ー消費量が従来装置 の1/7以 下、
て い な い 。 温 度 差 が 5℃ 程 度 の 場 合 を例 に とる と、
圧 縮機 動力 は小 さ くなるが温 度差 が小 さい と伝 熱面
C02発 生量 も1/5以 下 と、大 幅 に省 エ ネルギ ー な ヒ
ー トポ ンプ式濃縮機 (愛称 :ヒ ー ポ ンフラッシユエ
バ ポ)を 実用化 して いる。 ヒー トポ ンプシステムは
積 を大 き くす る必 要 が あ る。 温 度 差 が5℃ で は20℃
の 場 合 と比 べ て伝 熱面積 が4倍 必 要 とな り設 置 面積
水蒸気圧縮式 で ある。
ヒーポ ンフラッシュエバ ポで採用 してい る ヒー ト
テ ムで は圧縮 比 と動力 の 関係 か ら最 適 な圧 縮 方式 を
が大 き くな り装 置価 格 も高 くな る こ とか ら、本 シス
ポ ンプシステムは圧縮比 を大 きくする ことで温度差
選定 し採用 して い る。
イ ンナ ー チ ュ ー ブ ロー タ リー に この ヒー トポ ンプ
を15∼20℃として装置 の小型化 をはか り、実用的な
シス テ ム を組 込 む こ とに よ り、従 来 と比 較 して大 幅
環境浄化技術 2004.12 Vo′
3 Nο .72
集塵装置
雉ガ
供給ポ
真空ポンプ
駆動モーター
第6図 ヒ ーポ ンITRド ライヤー フロー シー ト
にエ ネルギー消費量 の削減 を図る ことがで きる ヒー
トポ ンプ式伝導伝熱乾燥機 ( 愛称 : ヒ ーポ ンI T R ド
に少 ないので高効率
・エ ネル ギ ー消費効率 は) が高 いので、 ラ ンニ ン
グ コス トを大幅 に低減
ライヤー) を 新 たに商品化 した。 フロー シー トを第
6 図 に示す。
( 2 ) C 0 2 排 出量 も従来機 の 約 1 / 2 と 大幅 に少 な
また、今 回 ヒー ポ ンI T R ド ライヤー に採用 したシ
ステムは、温度差 を2 5 ∼3 0 ℃と更に大 きくとること
がで き、通常 のイ ンナーチ ュー ブ ロー タリー に比べ
( 3 ) 省 スペ ース化 とイニ シャル コス トの低減
・高圧縮比 の圧縮機 を採用 し、加熱温度 と蒸発温
て も 2 倍 程度 の伝熱面積 で同 じ処理能力 となる。
度 の差が3 0 ℃と大 きいので装 置 が大幅に小型化
し、省スペ ー ス化 とイニ シャル コス トの低減が
運転 は連続運転 で、材料か ら蒸発 した蒸気 を ヒー
トポ ンプで圧縮 し、加熱用 の蒸気 として再利用する
ことでエ ネルギー効率 を高 くして い る。連続運転す
ることで蒸発量が常 に一 定 となることか ら、 ヒー ト
ポ ンプシステムの安定 した運転が可能で、極 めて省
エ ネルギ ー なシステム とな り、 ラ ンニ ング コス トの
可能
以上 によ りこれ まで ヒー トポ ンプの適用が難 しか
った中∼大型 の乾燥装置で も省 エ ネルギー運転 のメ
リットが生か されるよ うになった。
大幅な低減が図れる。
蒸発温度 は8 0 ∼8 5 ℃程度で蒸発蒸気を圧縮して1 1 0
∼ 1 1 5 ℃まで昇温 して加熱源 とす る。起 動時 と運転
中に少量 の補助蒸気 を使用す る。材料か ら蒸発 した
蒸気 はバ グフィルターで 除塵後圧縮 されて加熱管内
で凝縮 して ドレ ンとして排出され、排 ガスは洩れ こ
み空気 などの真空 ポ ンプか らの排気のみ と極 めて少
量 となる。主な特徴 を以下に列記する。
( 1 ) エ ネル ギー消費量 は従来機 の約 1 / 3
0 乾 燥材料か ら蒸発する蒸気 を圧縮 して加熱源 と
して使用 し、 また、J F ガス量が従来機 よ りさら
56
環境浄化技術 2θ “ 72 yor.3N。
72
鯰
おわ りに
バ イオマス ・ニ ッポ ン総合戦略が平成1 4 年末に閣
議決定 され、有 機性廃棄物 のバ イオマス としての
利 。活用が今後 ます ます重要 になる。その際に乾燥
操作 はこれ まで以上 に重要な要素 を占めると考 えら
れ、 さらにC O t t U 減、省 エ ネルギ ー技術 を開発 して
( 注) エ ネ ル ギ ー 消 費効 率 = ( 水 分 蒸 発 に必 要 な エ ネ ル ギ
ー) ■ ( 乾燥装置全体の消費エ ネルギー)
い くことが求め られる。有機性廃棄物 を処理す る場
合 に、処理す ることでかえって地球環境 に悪 影響 を
む と期待 して い る。
本稿が読者 の皆様 の参考 になれば幸 いである。
与 えないか どうかの評価 をしっか り行 うことが重要
で あ り、L C A の 手法 に さらに、経済性 を含 めて検
討する ことも必要である。
イ ンナ ーチ ュー ブ ロー タリー は昨年 1 号機 を納入
して以来非常 に多 くのお引合 い をい ただ き、有機性
廃棄物の乾燥用 として現在5 台がすでに順 調 に稼働
し、 今後 も順次稼働予定 で ある。 また、 ヒー ポ ン
I T R ド ライヤ ー は従来 にない画期的な省 エ ネルギー
乾燥装置 として今後環境保全 の観点 か ら実用化が進
や さ しい計測 システ ムの専 門誌
と
本誌は、工業計測の各分野について、 1.基礎計測
―物理 ・化学量等基礎的諸量の計測と分析。 2.計 測
要素一回路、装置、精密機器。3.プ ロセス 計装―計
画、管理、プロセス制御。4.自動化機器― サーボ技
●創刊年月日 :1973年 (昭和48年)4月5日
●発 行 日 :毎月5日発行
●発 行 部 数 :18,000都
124頁
●判型 ・総頁 :B5判 ・
:2,000円
●定
価
(本体 1,905円送料別)
●年間購読料 :13冊 (増刊号1冊含)
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◎ 日■工業出版
本 社 〒113-8610東京都文京区本駒込6-3-26日本工業出版ビル
TEL 03(3944)1181《
t) FAX.031394416826
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ど実務応用面に至る諸問題をとりあげてお ります。
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i富]髪
環境浄化技術
W0409‐15
13479970/03畔
500/論
文月CLS
光触媒反応のしくみ―その②
光酸化反応、光分解反応
酸化チ タ ン光触媒 は、 強い酸化力 が特長 の一 つ で
あ る。その 強 い酸化力 の源が活性酸素 にあること、
とくに原子状酸素 はもっとも酸化力が強 いこ とを前
回書 いた。活性酸素 の使 われ方 は反応 によって異な
る。 一般 に有機物 の光酸化反応ではい ろい ろな活性
酸素が使われ、 ときには活性化 されて い ない酸素分
酸化チ タ ンに光吸着 した酸 素 が脱離す る ときに、
活性酸素 の一種 である一重項酸素 (酸素分子の電子
励起状態)が で きる。 これはおそ らく、表面 の原子
状酸素が再結合 して分子 になる時 のエ ネルギー によ
って励起状態 になるため と考え られる。
子が使われる こと もある。今 回は活性酸素が実際に
光が当たっている酸化チ タンか ら離れ た場所 で酸
化反応が起 こるとい う現象があ り、 リモ ー ト酸化 と
どの ように使 われるかを解説す る。酸化 チ タンの光
か非接触光酸化 と呼ばれている。 ヒ ドロキシラジカ
酸化反応 は光 の利用効率 ( 量子収率) が 悪 い。 これ
が どうしてなのかについて考 えてみたい。
ルが光触媒か ら飛 び出す ことによって起 こると説明
その他、光分解反応、光還元反応 について も簡単
されてい るよ うだが、吸着 して いるヒ ドロキシラジ
カルが脱離 してフリー な ヒ ドロキシラジカル になる
ことは ない。む しろ一重項酸素 による酸化 によるも
に解説す る。
の と考え られる。
□榊 彙 赫
光触媒に よる光酸化反応は活性酸素がで きること
によって起 こるが、光触媒上の活性酸素は寿命があ
る。 したがって、光を当てるのを止めてもわずかの
時間、光酸化反応が持続する。
回1勲 ■嘩お″″
酸化 とは反応物 に酸素がつ くことと一般 には考え
られているが、 反応物か ら水素や電子 を奪 うこと も
酸化 とい う。一般 に無機物の酸化 では酸素がつ くだ
酸 素 が 通 常 の 触 媒 上 に 吸 着 して で きた活 性 酸 素
けの反応がほ とん どだ。た とえば、 一酸化炭素 の酸
は、酸 素 の圧 力 を変 えた り温 度 を変 えた りしな い か
化 では原子状酸素がついて二酸化炭素 になる反応だ
ぎ りな くな る こ とは な い。 これ は酸素 と吸 着 酸素 は
化 学平衡 になって い るか らだ。 一 方 、光吸 着 に よっ
てで きた活性 酸 素 は、光 エ ネ ルギ ー で作 られた もの
けが起 こる。
一方、有機物 の酸化反応 は一 に複 で
般
雑 あ り、 い
ろいろなタイプの酸化反応 ( 素反応) を 含 んでいる。
だか ら、酸 素 と熱力学 的 な平衡 に なって い な い。 そ
た とえば、天然 ガスの主成分であるメタンの酸化反
の ため、 光 を当て るの を止 め る と元 の 酸素 に戻 って
応 ( 燃焼反応) は 次 の ように始 まる と考え られる。
しま うの だ。
CH4+・
0° →
。CH3+・
筆者 らは、表面 にのみ高感度である特殊な赤外分
光法を使 って、酸化 チタンの上の活性酸素の寿命 を
測定 した。その結果、活性酸素 の寿命 は三分以内で
CH4+・
OH →
。CH3+H20
CH4+02 →
あることがわかった。
°CH3+02 →
yoノ3 NO.72
CH4+・
°CH3+・
02H →
CH3+2・
CH300
OH
・
。
・
(1)
・
・
・
(2)
・
。
・
(3)
02H
OH
・
・
。
(4)
・
・
・
(5)
CH300 →
°CH2+・
02H
・
・
。
(6)
メタンと酸素 (空気)を 混ぜ ただけでは反応は起
飽和炭化水素 の酸化過程 と反応 中に脱離す る可能性
の ある中間生成物 を示 した。
こらないが、最初 に電気火花 を飛ばすなどして酸素
か ら原子'大
酸素 をつ くる と、原子状酸素の水素引 き
抜 きによって まず メチ ル ラジ カル と 。OHラ ジカル
□
02H(ペ ルヒ ドロキシラジカル)、
がで きる。その後 ・
CH300(オ キシダ ン ト)な どの活性酸素が次 々 と
有機物 の 中には酸化 チ タ ンによって光分解す るも
のが ある。 もっとも顕著 に光分解す るのはカルボ ン
生成 し、その反応熱 によ り温度 も急激 に上 昇す る。
酸 であ り、なかで もギ酸 の光分解 は最 も速 い。炭素
数 の多 いカル ボ ン酸 ほど光分解 は遅 くなる。ギ酸 の
その結果、反応 は加速度的 に速 くなる。 この ような
反応 を連鎖反応 とい う。
触媒 による有機物の酸化反応では よ り低温 で 同様
の酸化反応が起 こるが、前回にも書 い たよ うに、活
性酸素 は吸着 してい るのでフリー な状態 よ り反応性
光分解 といって も完全 に分解するのでは な く、
場合、
生成物 は二酸化炭素 のみである。
ギ酸 の光分解 は次の ように起 こると考えられ る。
HC00H →
H+(a)十 HC00(a)
が低 い。酸化チ タンによる有機物 の光酸化反応 で も、
HC00(a)+h+→
燃焼反応 と同様 にい ろいろな活性酸素が使 われると
ともに、電子 と正子Lが関与 しない活性酸素生成 も起
H 〈a ) + e ― → H ( a )
C02+H(a)
・
・
。
(7)
・
・
・
(8)
こっているはず だ。
ここで(a)は
光触媒 に吸着 して いることを示す。酸
化 チ タンにギ酸 は一 部HC00 と H+に 電離 して吸着
酸化 チ タンに よるエ タ ン (C2H6)の 光酸化反応
は、一酸化炭素 の光酸化反応 に比べ て酸素 の消費速
正 孔 に引 きつ け られ て反応 し、
C02と 吸着水素原子H(a)になる。C02は 吸着 しない
酸素で しか酸
度が約 7倍 速 い。 一酸化炭素 は原子'大
エ
化 されないか ら、 タ ンの酸化 には原子状酸素以外
ので脱 離す るが、H(a)は表面 に残 る。 これは、酸化
H2にす る触媒機能がないためだ。H十
チ タ ンがH(a)を
の活性酸素が た くさん使 われて い る こ とになる。
が電子 と反応 してで きたH(a)も同様 に表面 に残 る。
これ らのH(a)は、酸化チ タンを構成す る格子酸素 と
脚
癬肇申 韓翅
炭素数 の少ない有機物 は、酸化チ タ ンによる光酸
化 によって、二酸化炭素 と水 にまで完全 に酸化 され
る。 しか し、炭素数 の大 きい有機物 で量が多 い場合
には中間生成物 がで きる ことが ある。中間生成物 と
なるのは、 ケ トンの よ うに酸化 されに くく、触媒ヘ
の吸着力 の弱 い化合物 だ。酸素が十分 に供給 されて
いれば、アル コー ルや カルボ ン酸 など酸化 されやす
い化合物が表面 にで きて も、脱離す る前 に酸化 され
るので、気相 に出ることはほ とん どない。第 1図 に
す る。HC00は
反応 して水 になる。 この よ うにギ酸の光分解 では、
酸化 チ タンが還元 される ことに なる。 これは酸化チ
タ ンの格子酸素 による酸化が起 こったことに他 な ら
ない。
酸化 チ タンが還元 され る と青 み を帯 びた色 にな
る。 これはチ タンの3価 イオ ンTi3+がで きた こ とを
示 して い る。有機物の光分解、す なわち有機物 によ
る酸化チ タンの光還元 は、 カルボ ン酸が最 も速 く、
次 いで アルコー ル、アルデヒ ドと続 く。 いずれ も炭
素数が少ない ほ ど速 い。 また、酸化 チ タンの粒径 が
有機物 の光分解反応 では、
小 さいほ ど顕著 に起 こる。
反応が進 むに したが つて酸化 チ タ ンが変質 してゆ く
飽和炭化水素 →
ー
(アルコ ル)引 >
→C°
→{Ψ
第 1 図 飽 和炭化水素 の酸化過程 と中間生成物
光触媒 による気相光酸化反応では( ) 内 の生成物 は通常で きな
い。大字の化合物は一般に酸化 されに くい。
酸化 チ タンによるカルボ ン酸 の光酸化反応、 とく
にギ酸 の光酸化反応 は非常 に速 い。酸化チ タンを光
還元す るカルボ ン酸、 アルコー ル などの有機物 はも
環境浄化技術 2θ θ472 Vo13 NO.72
っとも光酸化 されやす い物質だ。そ の理由は、活性
酸素が で きな くて も光酸化反応が起 こるため だ と考
な らな いの だ。酸 素 の溶解度が低 い ( 室温で0 . 0 3 )
こと も、境膜 における拡散による通過速度 を遅 くす
え られる。
る。
上 に書 い たように、酸化チ タン上でギ酸は光分解
化 されて い ない酸素分子 と反応 す るこ とがで きる。
光触媒上の酸素が不足 している状態で有機物 の光
酸化反応を行 うと光触媒の光還元が起 こる。 レーザ
ーのような強い光源を使 うとなおさらである。その
したがって、光 によってで きた正孔 と電子は もっぱ
結果、気相の光酸化反応 とは異なる結果になること
らギ酸 を分解す るのに使 われ、酸素 は分解生成物 の
もあ り得る。
して、 二 酸化炭素 とH ( a ) になる。 このH ( a ) は
、活性
H ( a ) を酸化す るの に使 われ る ( 第2 図 ) 。ギ酸 は酸
化 チ タン表面 にた くさん吸着す るか ら、その分解 は
正孔 と電子 の利用効率が よ く、光酸化反応 は非常 に
速 く起 こることになる。
酸化チ タン光触媒 による光酸化 は、有機物 のみ な
らず無機化合物 にも有効 である。窒素酸化物、 アン
モ ニ ア、硫 黄 酸化 物 、硫 化 水 素 、 シア ン イ オ ン
光
ど窒 素や イオウを含 む化合物 は、 最終的
に硝酸 と硫 酸にまで酸化 される。なお、 この場合 に
′
0
0
C
H
リ
(CN )な
O
C
02
H 0 O ,
′′
′′
C
・ ν 7 H
H20
口,響韓│IⅢI11
は酸素 のほかに水が必要だ。
無機物 は有機物 に比 べ て一 般 に酸 化 され に くい
が、ア ンモニ アや硫化水素 の よ うに水素 を含む化合
物 は酸化 されやす い。 一酸化炭素、窒素酸化物、硫
黄酸化物 などは原子状酸素によって しか酸化 されな
いか ら光の利用効率が悪 い。
第2図 ギ 酸の光酸化反応では活性化 されていない酸素 も使 われる
回
二
I=
酸化チ タン粉末 の光酸化活性 は含 まれてい る不純
回1権趾
=羹
薫│
物 と比 表面積 (単位重量当た りの表面積)に よって
実用化 されてい る光触媒は空気中で使われる こと
てで きた電子 と正孔 を再結合 させ る。そのため、微
がほとん どだが、光触媒反応 の研究は水溶液中で行
量であって も反応 の効率 を下 げ る。 光触媒活性 へ の
不純物 の影響 は、その種類 と量 によって異 なるので
一概 に言 えない。
著 しく違 う。光触媒中の不純物 は、す般 に光 によっ
われることが多 い。 しか しなが ら、水溶液中の光酸
化反応 では注意 しなければな らないことがある。
触媒 による液相酸化反応では、 まず酸素が水 にと
流境界層)を 拡散 によって通 り抜 けなけれ ばな らな
い。化学工学で しば しば問題 になるのは、 この境膜
酸化チ タン粉末 の光酸化活性 は、比 表面積が大 き
い (粒径が小 さい)ほ ど高 くなる (第3図 )。通常
の触媒ではすべ ての表面で反応が起 こるか ら、比 表
面積 に比例 して触媒活性 は一般 に高 くなる。そのた
における物質や熱の拡 散速度が遅 いことだ。
め 同様 の ことが光触媒に も当てはまると考え られが
け込 み、 とけ込んだ酸素が触媒表面 にある境膜 (乱
拡散 を速 くす るため には境膜 を薄 くす る しか な
ちである。 しか し、光触媒では光の当たっている表
く、境膜 を薄 くするには固体表面における液体の流
面で しか反応が起 こ らないか ら、光触 媒活性 は比 表
速 を大 きくしなければならない。 ところが粉体 の場
面積 に比例 しない はず である し、実測 される光触 媒
合 には、攪拌 を して も粉体が液体 とともに動 くため
活性 も比表面積 に比例 しない。 また、 まった く比表
粉体表面 の流体速度が上が らず、境膜があま り薄 く
面積 に依存 しない場合 もある。
環境浄化技術 2θ θイ72 VoA3 Nο
72
い光触媒 の粉体 は、当然、粒径が小 さい。そ のため、
格子欠陥や配位不飽和 なサイ トなど、吸着の活性 点
となるものが増 加す る。
酸化 チ タ ンに酸素が光吸着す る量 は非常 に少 な
い。吸着酸素量が少 なければ、電子 と正7Lと反応 し
翠鸞ギ継求
てで きる活性酸素の量 も少な くな り光酸化活性 は低
くなる。そこで光触媒 の粒径 を小 さくすれば吸着活
性点が増 え、酸素の吸着量が増 えて光酸化活性が高
くな ると考え られる。
回黎嚇Ⅲ姜熱率
酸化チ タンによる光酸化反応 は光の利用効率 ( 量
子収率) が 悪 い。市販 の酸化 チ タン粉末を使 った実
験 では、一酸化炭素 の光酸化反応 の量子収率 はたい
比表面積 [m2/g]
てい1 % 以 下、飽和炭化水素 の光酸化反応 で 数% で
第3図 酸 化チタン粉末の比表面積 と光酸化活性の関係
ある。 なお、量子収率については連 載第 2 回 の 「
光
化学反応」 の項 で書 いたので見てい ただ きたい。
後 に詳 しく書 くが、光電気化学型 ( 金属付 き) の
光触媒 では水 による光酸化反応が起 こ り、酸化 チ タ
ンを単独で用 い る場合 と比べ て量子収率は1 0 倍以上
高 くなる。なぜ この ような違 いがあるのだろうか。
酸素 による光酸化反応の量子収率が低 い原因の一
つ は、上に書いたよ うに、酸素 の吸着量が少 ないこ
とだ。粒径 を小 さくすれば吸着量は増 えるが、それ
で も十分 とは言えない。 もう一つ の原因は、活性酸
素 の作 られる仕組み にあると考え られる。前回書 い
たよ うに、原子状酸素がつ くられるとき、電子 と正
孔 は相前後 して吸着酸素分子 に作 用 して解離 させ
る。 この ような仕組み では電子 と正孔 はご く近 くに
いるので再結合 しやす いことになる。 一方、光電気
第4図 固 体表面の原子 の性質
化学型光触媒 では電子 と正孔 は分離 されて、それぞ
れ別 の場所 で還元反応 と酸化反応 を起 こす。 したが
って電子 と正孔 の再結合 は少な く、量子収率が高 く
固体結晶 の表面 には、結晶内部 ( バル クとい う)
なる。 これについては後 に詳 しく解説す る。
と違 って、 結合 の 手が飽和 して い な い原子が ある
( 第4 図 ) 。 この よ うな不飽和結合 をダ ングリ ングボ
ン ドとい う。表面 の不飽和結合 の割合は、粒子が小
さ くなるほ ど増加す る。 さらに、結晶の角の原子 は
不飽和結合が多 い ために特 に反応性が高 い。 また、
角 の原子は不安定であるために、抜 けて格子欠陥に
なった りして触媒 の活性点にな る。比 表面積 の大 き
匝レIⅢⅢIII■IⅢIⅢⅢ
光触媒反応 はすべ て酸化 と還元が 同時に起 こって
い るが、酸化チ タ ンの光励起電子 は還元力 ( 還元電
位) が 低 いの で、光酸化反応 に比べ て光還元反応が
顕著 に起 こることは少 ない。唯一、 日に見えて還元
環境 浄 化技 術 20"72
7oお
No.72
\
″
Ag+、 Pd2+、 Cu2・
植物 の光合成 を真似て、あるいは地球温暖化 の原
因物質 であるC02の 削減 をめざ して、酸化チ タン光
触媒 によるC02の 光還元 の研究が行 われて きた。 し
か し、酸化チ タン光触媒 では、光励起電子 の電位が
C02の 還元電位 よ り低 い か ら、水 によってC02を 還
元す る ことは原理的に不可能 だ。 実験 によってなに
か生成物がで きた場合で も酸素が発生 しない、すな
Br03、IOfな ど
わち物質収支が合わないのが通例である。光触媒か
二酸化炭素中の不純物が影響 してい るのであろう。
光酸化反応 中に還元反応が起 こることがある。た
とえば、ア ンモ ニ アを空気で光酸化 してい るところ
第5 図 酸 化チ タンによる光還元反応の例
の還元 と水の酸化 による酸素発生
―還元 されやす い イオ ン
反応が起 こるのは銀 イオ ンの還元である。 この反応
では酸化チ タ ン表面 に銀が析 出す るとともに、水が
酸化 されて酸素が発生す る。その他、Cu2+、Pd2+、
Fe3+などの金属 イオ ン、 ハ ログ ン酸 イオ ン (103、
Br03な
ど)、 金属 錯 イオ ンな どの還元 が起 こる
(第5図 )。
に窒素酸化物 (NOx)を 加 えるとNに まで還元 され
る。 これは工場排煙 のNO蛸 1減技術であるア ンモ ニ
ア脱硝法 と同 じことが起 こっているか らだ。ア ンモ
ニ ア脱硝法ではア ンモ ニ アの触媒酸化 の過程 で生 じ
る反応中間体の還元力でNOxを 還元 してい る。
酸化 チ タ ンを金属 に接触 させ ると、光励起電子 は
金属 に移行す るので、水蒸気 があると金属上で還元
反応が起 こる。 この原理 を応用す ると金属 の錆 を防
止で きるとい われている。
酸化 チ タンの光励起電子 は水素 イオ ンH+を 還元
で きる電位 を持 つが、水素分子 にまで還元す ること
はで きない。それは酸化チ タンが水素原子 を結合 し
て水素分子 にす る触媒機能がない ためである。金属
硫化物光触媒 も同様である。ただ し、 白金 な どの水
素発 生触媒 をつ ける と、H+を 水素 にまで還元で き
るようになる。
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環境浄化技術 2004.72 Vο
′3 No12
VV0409‐09
13479970/03/7500/論文 7」
CLS
ごみ焼却炉の前史を駆け足で
回,ⅢⅢ 肇準 華│
1‐
4 焼 却炉 の 欧州 へ の上 陸
有す るセル と称す る火房 を、処理量 に応 じて複数設
置す る形式 であ り、焼却効果 を上昇 させ るための押
込送風機が設置 されて い るものであった。
前号 に駆 け足でイギ リスにおける焼却炉 の発展過
程 を述べ たが、 ごみ処理問題 は コ レラやチブスなど
しか し ドイツでは、 イギリスの焼却炉 を根本的に
改造 しな くてはならなか ったが、それはイギ リス と
の発生 と絡んで、人口の集中す る都市部で深刻 な問
ドイツのごみ性状 の相異 であった。溝入茂氏 の文献
は ドイツの ごみは可燃物が少 な く、特 に冬
調査(1)で
題 として取 り上 げ られて いったのは世界共通 であっ
た。そ のためイギ リスにおける焼却炉 の稼動実績 は、
欧州各国に知 られ ところとなったが、欧州へ の上 陸
はイギ リスの最初 の建設か ら遅 れ ること20年後 の
1900年前後 であった。
因み に日本 を見てみると、明治維新 を契機 に文明
季に は燃焼 に石炭の助燃 を必要 とした と言 う。
当時 の イギ リスで発達 した焼却炉 は、火格子上の
ごみ層 を一般的に薄 く引 き詰めて燃焼 させ る考え方
か ら、燃焼用空気 の送風圧 は低 めにす ることがで き
た。 これ に対 し ドイツでは、 ごみ 質が低 いために、
開化 を取 り入れる ことが急がれ、衛生制度 も1871年
ごみ層 を厚 くして時間をかけて燃焼 させ る考 え方 を
(明治 4)に 岩倉具視 の使節 団 に同行 した長興専齋
とったのである。当然、燃焼用空気 の送風圧力 は、
によって調査 された。帰国後 の1875年 (明治 8)に
は内務省 に衛生局 を発足 させ初代局長に就任 してい
ごみ層での圧 力損失 が高 くなるので上 げざるを得 な
かった。
る。その後、伝 染病予防法、下水道法 と共 に1900年
そのような経過か ら、イギ リス型の炉が薄焚 となる
(明治33)に は汚物掃 除法が公布 され、 ごみ をなる
べ く焼却す る方向が打 ち出されて い る。
ことか ら平型炉 (flat furnace)と
呼 び、ド イツ型
イギ リスでの焼却炉 の 出現以前がそ うであ ったよ
の炉が厚焚 となることか ら立型炉 (shaft fumace)と
一
区別す るようにな って いった。第 1図 はその 例(3)
で、立型炉の火格子上 に ごみ層 を厚 く引 き詰めて燃
うに、世界 の どこで もごみ処理は肥料化 して売却 し
た り埋 め立てをしてい たが、衛生対策 の革新的方法
焼 させて いる状況が よくわかる。 しか しこの ような
は、病原菌 を死滅 させ る焼却法がイギ リスで 開発 さ
れ一気 に発展 して いったのである。
小型炉で も水缶式 ボイラを設置 して熱回収 を図って
いるが、熱回収 についての動 きは後 に触れる。
話 を元 に戻 す と、焼 却炉 が欧州へ 最初 に上 陸 した
の は ドイツのハ ンブル グであって、 イギ リスのホー
スホイル炉やホイリー炉 で実験がお こなわれた。 ま
時代 は飛 ぶが、1945年 (昭和 20)年 の第二次世界
大戦終了時におけ る ドイツの焼却炉形式は、 この立
型炉 と、 前述 のイギ リスをルー ツとす るセル型炉、
たベ ル リ ンで も同 じくホースホイル炉 とワー ナー炉
そ して生産プ ロセスで利用 されていたキル ンを用 い
て燃焼の連続化 を狙 つたともの となっている。
第 2図 ("はセル型 炉 の運転要領 を示す もので、 ご
で実験が お こなわれた と言 う。
既 に繰 り返 し述べ た ように、当時 の焼却炉 はス ト
ー カの採用が見 られず、バ ッチ式の固定火格子炉 を
みを炉内に投入す る充填扉 と配量 弁 を操作 し、灰 だ
環境浄化技術 2θ “ 72 Vo′ .3N072
み 気
ご 空
1配 量弁
2充 填トビラ
3燃 焼火格子
4燃 滓火格子
5スクレーバ
6通 風ダクト
7燃 滓溝
8燃 焼室
9燃 滓排出チェーン
ビラ駆動装置
10充填ト
11燃焼火格子駆動装置
第3 図 セ ル型炉の断面図
煙道ガス ←
灰
燃
ンブルグ焼却場 を視察 した報 告が記載 されてお り、
そ の 断面図 を第4 図 。) に示す。先 に述 べ た如 くセル
滓
第 1図 立 型炉の断面図
しを してい る間は送風 を止めてバ ッチ式 の運転 をす
る状況 を示 して い る。そ してかつ、立炉的な思考 も
織 り込 んでい る様 子が うかが われ る。 第 3 図 { " は、
その施設の断面図で、セルを多数並べ て発生 したガ
スを燃焼室 に導入 し、燃焼 させ る構造が理解 で きる
であろ う。
ところで、わが 国の三 島通良 は、1 9 0 3 年 ( 明治3 6 )
にハ ンブル グや ロン ドンの焼却施設 を訪ねて い る。
1 9 0 6 年 ( 明治3 9 ) の 大 日本私立衛生会の雑 誌 にはハ
第4図 大 日本私立衛生会雑誌 (明治39年)に掲載されたハンブルグ
プラント
配量弁は開いており、
充填トビラは閉じてい
る。ごみは燃焼火格子 の上で燃焼、
燃滓火
格子上の燃津は燃焼 ガスを加熱する。
配量弁 は開放、
充填トビラは閉じている。ス
クレーバが運転され燃滓火格子上の燃 津
は落下。通風は停止され、
燃津は燃滓溝 に
運ばれる。
配量弁は閉じられ、
充填トビラが開けられ通
風は停止されている。
( a l 正常運転状態 のセル型炉
ω 燃 焼 燃津火格子か ら燃津 を落 として
いるセル型炉
に)ご み充填時のセル型炉
第2 図 セ ル型炉の運転要領図
型炉であるが、 クレー ンを使 ってごみを投入 ステー
ジに搬送す るシステム を採用 してお り、ハ ン ドリ ン
グの機械化が されて い る。
なお、大 日本私立衛生会 とは、一般人に対す る衛
生思想 を普及するために1883年 (明治16)に 長興専
齋に よって設立 された もので、衛生面で関係が深 い
と考え られたごみ処理 につい て も活躍 をして い る。
ところで現在 のEUも そ うであるが 、それぞれの
お国柄があった とは言 え、文化 の交流 は速いス ピー
ドで伝播 をして い る。 ごみ処理 も例外 ではな く、 フ
ラ ンス を例 に取 れば ドイツか ら若干遅 れた1896年
(明治29)に 、パ リでイギ リス のフ ライヤ ー炉 での
焼却実験がお こなわれてい る。 しか し、その実験 も
次 の理 由で中断を したと言 う。
立地が少 ないこ と もあ って減容化が大 きい焼却炉 の
建設が促進 され、技術的改良 もお こなわれた。その
結果、次世代焼却炉 の 開発 も活発で世界 をリー ドし
て い るとも言える。イギ リスで ルー ツとしての種が
まかれた焼却炉 は、欧州で近代的焼却炉へ発展 をし、
見事 に花が開いたのである。
1¨
5 ア メ リカでの焼却炉 の発 展経過
アメリカは国土が広 いが、国の発展 ともに都市ヘ
の人口の集中が進み、 ごみ処理が社会問題 として取
り上 げ られた ことには変わ りはない。結果的には焼
却方法が考え出され、 ボイラメー カで あるライ レー
社 など多 くの企業で開発 が進め られた。
最初 に建設 されたのは1885年 (明治 18)と 言われ
てい るが、 固定火格子 のロス トル を置 い た簡 単 な小
すなわち溝入茂氏 の調査 によると、そ もそ もパ リ
型炉形式の もので あ った。その後、種 々の工 夫を加
ではごみか ら缶や鉄 を回収 し、 また肥料 として農家
えた ものが建設 されたが、 いずれ も寿命は短 い もの
に売却す ることが民間企業 でお こなわれ、市内にそ
の収集分別施設が設置 されていた。肥料の ニー ズが
高か ったのは、砂糖 の ビー ト糖農家 の需要が旺盛で
であったよ うである。
あったか らで、焼却の必要性が低かったことによる
介 を焼却す る方法 を取 ったが、 当然 のことなが ら燃
焼が しに くく、技術的対応 も遅れをとっていたよ う
である。そのためか溝入茂 の調査(2)に
よる と、1902
としている。
しか し1906年 (明治39)の 砂糖価格 の暴落に よっ
て肥 料 の需要が減退 し、 ごみ処理 の他 の方法へ の転
地方によって相異 はあるが、アメリカの ごみ処理
は一般的に雑介 を埋立処分 とし、水分 の多 い ちゅう
年 (明治 35)の MIT報 告 で、人 口25,000人以上 の
換 が必要 となった。 そ の結果、急速翌年 の1907年
161都市 の焼却率 は14.1%で、対象範囲に相違があ
工 場が
(明治40)に 、今 まで の収集分別 工 場 に焼去口
るが、奇 しくも現在 のアメリカのごみ焼却率 とほぼ
建設 されたわけである。その中にはその後施設が近
同 じである。
ところで ニ ュー ヨー クなどの大都市では、 ごみの
代化 され更新 された新鋭工場があ り、 日本か らも視
察が多 い イッシーがあるのは感慨深 い。
埋立処理が ご多分 にもれず困難 とな り、
分別収集後、
フラ ンス を例 に取 ったが、各国 ごとに背景は異 な
る ものの欧州一 円に逐次焼却炉 の建設が されていっ
ちゅう介は還元処理、雑介 は焼 却処理、未燃物 の灰
たのは当然か もしれない。
に、 日本で もリサイクルプ ラザなどで採用 されてい
は埋立す る方法が取 られたと言 う。 また焼却す る前
話が近現代 に飛ぶが、第二次世界大戦 の終結 を契
る選別 コンベ ヤ上で故紙、 ビン、缶 などの有価物 を
機 として、それ までの セル型焼却炉の形式が、次第
にス トー カを用 いて連続燃焼式に変化 して いって い
回収 し、残澄 を焼 却す る方法が取 られた。
1905年 (明治38)に は第 5図 (2)に
示す ごみ発電付
る。それは ドイツをは じめ欧州各国のボイラメー カ
やプラ ン トメー カーの 開発 による もので、大都市の
焼却 プラン トがデラ ンシー ス リップに完成 したが、
大型炉 に対応 し、 ごみを燃料 として捉 えて高温高圧
馬車 によるごみ搬入 を除けば、外観 は既 に近代化の
姿 を映 し出 していると言えよう。ただ しイギ リスで
もそ うであった ように、悪臭や黒煙問題につい ては
のボ イラを設置 し、負荷変動が少 ない蒸気発 生 をす
るための連続燃焼のニ ーズか らであった と考えてい
完全 ではな く、 また経済性 にも問題があったようで
る。
ある。
そ の発展 した技術 は、 日本 をは じめアメリカなど
いずれ も各社 によって特色ある形式 の ものがアメ
が技術提携 をして い る。特 に 日本では国土が狭 く埋
リカ全土 に建設 されていったが、技術 上の理由など
環境浄化技術 2θ ン 72 Vor.3N。
72
基盤の安定、優秀 な技術 者 の確保がで き、 ごみ処理
施設 の建設計画 も活発 となって きてい る。それ らを
背景 にわが国のプラン トメー カー も、国内で磨 いた
大型 ごみ焼却炉 プラン ト建設 の経験 を生か し、東南
アジアを中心 に各国に輸出をして、安定 した運転 を
続行中であ り隔世 の感がある。
以上、明治3 0 年前後 のごみ焼却炉の概況 を述 べ た
が、その後 も焼却炉本体 はセル炉方式が長 く続 き、
大容量にはセル を増加 させ ることでの対処が約6 0 年
第5 図 デ ラ ンシースリッププラント
Modern Destructor Practice 1912
で寿命 は短 く廃却 され る運命 の もの も多か った 言
間、1 9 6 0 年代前後 まで続 い た。周辺機器 の機械化が
進 む中、本体 のス トー カの採用が遅れた理由が今 ひ
とつ 明 らかではないが、衛生的に単 に燃やせば良 い
との考 えか ら、第一次、第二 次世界大戦 と続 く社会
環境 の 中で、 イ ンフ ラ設備 として低位 に位置付 け ら
たか らではないか と考えて い る。
う。そ んな背景 もあってか、その頃同時にイギ リス
しか しなが ら第二次大戦後 の経済 の進展 は、大型
の焼却炉が北米に上陸 し始めてい る。
最初 はカナダのモ ン トリオー ル近郊で1906年 (明
治39)に 建設 された50t/dのプラ ン トで、 引 き続 き
バ ンクバ ー に建 設 されてい る。アメリカではシア ト
化、連続燃焼化、燃焼 による二次公害 の高度処理化
へ と発展 し、主題のス トー カ式焼却炉へ の進歩 して
ル、 ニュー ヨー ク、 ミルウオー キー などに逐次建設
< 参 考文献 >
"、
( 1 ) 溝 入茂 : “ごみの百年史 学芸書林、( 1 9 8 8 ) .
"、
( 2 ) 溝 入茂 : “
センター、
近代 ごみ処理の風景 l l l l本環境衛生
日
されて い るが、 イギ リスの 開発成果 を反映 してご投
入や灰 出 しなどの機械化 は勿 論、ボイラでの余熱回
収、燃焼用空気 の強制通風化 を織 り込んだ ものであ
った。
1¨
6 こ み 焼 却炉 の誕生 を整理 す る と
欧米 を除 く発展途上国では、財政基盤 の問題 など
か らごみ処理 は埋立処分が中心であった。 しか しイ
ギ リスなどの植民地が形成 されると、衛生問題の見
地か ら大都 市 を中心 に ごみ焼却炉の建設が されて い
る。
それはアフリカのダーバ ンであ り、 イ ン ドのカル
カッタ、マ ドラス、 カラチで ある。 また南 アメリカ
や、オース トラリアのメルボル ン、 シンガポー ル な
どがその例である。またアメリカのオ
直民地 も同様で、
ー
バ
フイリピンの マニ ラやキ ユ
のハバ ナにその跡 を
見 ることがで きる。
しか し、 ごみ焼却のハ ー ドを建設 して も、その運
転技術者 の不足、技術 の伝承や修理部品の供給 の 困
難性 などが長期間運転 の阻害原因 とな り、廃上に追
い込 まれてい る例が多 い。
現在 は発展途上 国で も経済が発展 した国は、財政
2θ“ .72
V013 ソ Vο.72
い くのである。
(1995).
(3) Richard Tannaer i“
Swiss COnstruction Newspaper"、(1965).
"、
( 4 ) 杉 島和 三郎 : “ごみ焼却炉におけるストーカ式焼却炉 の考証
N o 6 37‐
7 、環境施設、工業出版社、( 1 9 9 6 ) .
( 5 ) ご み文化研究部会、2 0 0 3 年度記録 ・資料集、廃棄物学会、( 2 1 X 1 4 ) .
VV0409-17
1 3 4 7 9 9 7 0 / 0 35洋
」C L S
00/論
文′
0‖
§10
010‖ヨ‖≡
かんきょう
よもや まばなし
0‖iO‖●‖
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●10権●│●‖│‖旦‖
│
中年 ジ エ ツ ト
ミン、 ホ ルモ ン な ど) 、 そ して発 酵 微 生 物 が作 る タ
今回は私たちの身近 にあ りなが ら改めて意識 す る
ことの少 ない 「
発酵」 について考えてみたい。先 日
ンパ ク質 で あ る酵 素 ( 洗剤 、歯磨 き粉 、血 液 や尿検
納豆は小粒 と大粒 と
親 しい友人 と食事 をしなが ら 「
どち らが美 味 いか」 などと他愛の無 い話 をして いた
査 に用 い られ る酵 素 診 断 な ど) 、 さ らに発 酵 の 環境
浄化作 用 に至 る まで トー タル に教 えて くれ て い る。
ところ 「そ う言えば最近す ご く面 白い本 を見つ けた
か ら是 非読 んでみた ら」 と薦 め られて、ある一冊 の
私 の よ うな食 い しん坊 に とっては、「ど うや って
世界 一硬 い食品 といわれる鰹 節が作 られ、 どうして
本 と出合 った。私 は幼少の頃か ら結構 よ く本 を読む
油 の多 い鰹か ら作 られた鰹節 には油分が無 いのだろ
が、その流儀 はとにか くでた らめで漫画 (時には少
うか ? 」 とか、「なんで時代劇 にはあんなに甘酒屋
韓国 で食べ
が多 く登場す るのだろうか ? 」 とか、「
女漫画 も含 む)か ら時代小説、 ノ ンフ ィクシ ョン、
エ ッセイ、経済、 とにか くその時 々の気分で手当た
り次第である。本 は多分 に読み手の嗜好によるもの
であるか ら、 自分が好 きだか らといって周囲の人に
広 く薦める一冊 とい うのには中 々お 目にかか らない
が、友人に薦め られたそ の本 はとにか く会 う人、会
是非読むべ きだよ │」 と声 を大 にして言 っ
う人 に 「
て しまう一冊であった。 とい う訳 で、 この場 を借 り
て、皆 さんにもお薦め しよう。
日本放送 出版協会 (NHK出 版)発 行 の 「
発酵 は
∼
い
力 な り 食 と人類の知恵」 と う文庫本 で、著者 は
るとあんなに美味 しい キムチに何故 日本では中 々お
目にかかれないのか ? 」 とか、 日頃感 じて いた疑問
に完全 に答えて くれる本 であったことに満足 したの
であるが、それ以上 にこの本が読者 に真剣 に伝 えよ
う としてい るメッセー ジに強 く共感 したのが、今回
皆 さんに一読 をお薦めす る一番 の理由である。
それは、 この本 の筆者 の小泉氏 が発酵 こそが人類
が直面 してい る 4 つ の大 きな問題 を解決す る現 象 で
あ り技術 であるとい う視点 である。小泉氏が指摘す
食糧危機」
る 4 大 課題 とは 「
健康問題」「
環境 問題」「
農学博 士 で 東京 農業大学教授 の小泉武夫氏 で あ る
そ して 「エ ネルギ ー 問題」である。そ して、これ らの
( I S B N 4 1‐4 - 0 8 4 1 8 3 - 4 C 1 3 4 5 ) 。
発酵 は肉眼では見 えない微生物が もた らす現象 で
課題 を解決するのはF T ( F e r m e n t a t i o n T e c h n o l o g y
= 発 酵技術) で あ り、 これは発酵技術革命 と呼 ぶに
あ り、人間 は数 多 くの微 生物 を自分 たちの都合で、
相応 しい もので ある と断 じて い る。
善玉菌 と称す る発 酵菌 と、悪玉菌 と称す る腐敗菌や
病原菌 とに分類 してい る。 この本 では、発酵 とい う
詳 しくは是非本書 を購入 して読んで いただ きたい
が、要点だけを ビックアップ して ご紹介 しよう。
言葉か ら誰 もが思 い浮かべ る発 酵食品 (味噌、醤油、
酒、チ ー ズ、納豆、 ヨー グル ト、酢 など)に つい て
分 りやす く解説す るだけでな く、発酵菌が作 る薬品
(ペニ シリンに代表 される抗生物質、抗癌剤、抗 エ
まず は環境 問題 に対す る発酵技術 の応用 である。
高度経済成長 の副産物 として全 国の河川が深刻 な汚
染 にみ まわれた。では河川 の汚染 とは何か ? 有 機物
イズ剤、抗 ウイルス剤 な ど)、薬用や食用 な どあ ら
の多 い排水 を川に流す と、その有機物 を好んで食べ
る微生物が大量 に増加 し、その微生物 が水 中の酸素
ゆるものに使 われて いる化学製品 (アミノ酸、 ビタ
をどん どん消費す るために酸欠で魚が窒息 して死ん
環境浄化技術 2θ “ 72 VoA3 Nο
72
熙 癬1覇1攀1圏
:0
目団鋏隋漑誦鸞滑1難鐸1雖1罰
で しまう。 つ ま り、汚染 とは微生物が もた らす現象
を含んで い るもの も多 い。大豆や牛肉の タンパ ク質
で もあるわけである。そ こで 目には目を とい うわけ
て分解 し、 きれ い な水 にしてか ら川に流せば汚染 は
含有量 で さえ20%以 下であ るか ら、 まさに微生物 は
タンパ ク質 の塊 りと言 って もよい存在 なので ある。
タンパ ク質豊富 で安全 な微生物 を大量 に培養 して、
防げ るので ある。 これが有機性産業排水処理 の基 本
それを飼料 にして牛や豚、魚 を育てて人間が食す る
的考 え方であ り、 これによって多摩川 にまで鮭が戻
ので ある。 さらに小泉氏 は重要 な指摘 を して い る。
って きたので ある。 もう 1つ 、環境問題で必ず出て
それは地球上 に毎年約 1兆 トンも降 り注 いでいるの
くるのが生 ゴ ミ問題 である。以前 にこの コラムで も
北海道、富良野市 の取組 みをご紹介 したが、生 ゴ ミ
に有効活用 されて い ない落葉 の活用 で ある。落葉 は
で、川に流す前 の排水 の有機物 を微生物 に食べ させ
は埋めた り焼却す るのではな く、発酵 させ ることに
よ り堆肥 と して素晴 らしい土 に変化 させ ることがで
きるのである。 しっか り発酵 させた土 を使 って作 っ
た農作物 に除草斉1や殺虫剤が不要 だ とい うこと も是
非知 ってお くべ きであろ う。栄養豊富 な土は、病虫
害や 自然災害にも強 いので ある。 さらにしっか り発
酵 させた土にはマ ンガン、マ グネシウム、ニ ッケル、
銅、亜鉛、 カリウム といった微量元祖が豊富 なため
ミネラルに富 んだ体 に良 い農作物が作 られるので あ
る。
次 に健 康 と発酵 の 関係 を見てみ よ う。人間 は微生
物 によ り多 くの抗生物質や癌、エ イズ といった難病
に対す る特効薬 を作 り出 して きた。 い わゆるバ イオ
テクノロ ジーの世界 である。 さらに私たちが注 目し
なければならないのは発酵食品に よる病気 にならな
い体作 りである。 このテーマ については最近色 々な
テ レビ番組 で も取 り上げ られて い るし、本書で もか
な りのペ ー ジ数を割 いて解説 してい るので ここでは
あえて突っ込む ことはやめよ う。
三番 目は食糧問題 で ある。や は りこの コラムで以
前取 り上げたが、 日本 の食糧 自給率 は40%に まで落
ち込んで しまった。 日本だけの問題 でな く、食糧危
機 はいつ か必ず私たちが直面する問題 である。小 泉
氏 はここでキノ コに注 目している。微生物 は 日で見
えないが、固ま りになって 目に見 える状態 になった
微生物がキ ノ コである。微生物 の タンパ ク質含有量
は非常 に豊かで、酵母 の 中に は70%も のタンパ ク質
68
環境浄化技術 2θ “ 72 Vo/.3 NO.72
繊維であ り、そ の繊維 を分解する ことので きる発酵
微 生物 で分解す るとブ トウ ト糖 になる。それを飼料
にす るとい う合理的なアイデ アである。
最後 にエ ネルギー 問題 は どうか。 メタン菌 とい う
微生物 を糞尿 に入れることで燃料 となるメタンガス
を作 ることがで きる。 さらに今後 のエ ネルギー源 と
して期待 されるのが微生物 による炭化水素の発酵生
産、そ して光合成細菌や ラ ン藻菌類 の 中の水素細菌
と呼ばれる微生物が有機物や水 を分解 して排 出す る
水素 によって巨大 エ ネルギ ーが無公害 エ ネルギー と
して得 られる ことになるのである。
約200ベー ジの本 の概要 を僅か 2ペ ー ジで紹介す
るのは乱暴であるが、それで もこの本 を紹介 したか
ったのは発酵 とい う技術 が もってい る・
ib在能力 をも
っと色 々 な分野 の人が再認識 し、 これを人類が与 え
られた最高の 自然 の恵み として活用 してい く意識 を
もつべ きと考えるか らである。友人か ら教 えられて
買 い求 めたこの一冊 の本 は、人間が微生物 と共存 し、
自然 と共生する知恵に満 ちている。
そろそろ 日本 も工業立国 とい う古 い考え方か ら脱
却 して、世界最高 の発酵立国 としての地位 を築 くと
い う意識変換が必要なのではないだろ うか。 どんな
に文明が発達 しようと一 人 の例外 もな く私 たちは死
んだ ら微生物 によって土に戻 るのである。死んだ ら
土 に戻 るとい う原理原則 の 中に、私 た ち人類 の生存
のキー ワー ドが隠れていた と考え るのは考 えす ぎだ
ろ うか ?
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……、, ■
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蜀
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11):│llitl,1,(1:`,111,11:1,:│:1,111●
│=,t:1,41111:III,`:│:れ
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常盤帥
東 レ閉
日立 プラン ト建設l■
l
※本製品ガイ ドは編集部のアンケー トにより
解答を得 られた機器、システムを掲載 して
います。
環境浄化技術 編 集部
。優れた31度、伸度物性
■特長
①高い透水能力
高頻度での エ アーバ ブ リング洗浄が
・高透水MF膜
可能。
子し径0 1μmの MF膜 によ り、非常に高
③0 1 μm の シャー プな孔径分布
・シヤー プな孔径分布 と0 1 μm の 孔径
い透水量とろ過安定性を実現 した。
で除去性能に優れている。
(特に前処理済みの原水に対 しては5∼
6m3/m2日 の設定炉過水量が可能 と
↓
ク リプ トスポ リジウム除去にも安心
なる。)
→ 省スペ ー スと高いコス トパ フォーマ
して採用できる。
ンス。
↓
。大型膜モジュール
R O の 前処理でもR O の 洗浄期間や寿
ー
大型膜モジュ ルのため、膜面積が
命の延期が期待できる。
広 く (50m2)、 高い透水能力を有す
る。
■用途
・浄水プロセス ( 上水道、R O 前 処理)
② P∨DF膜 の優れた物性
・優れた耐薬品性
。上水道クリプ トスポ リジウム除去
高濃度薬品でも洗浄が可能。
下水再利用
・
次亜塩素酸 ソー ダの連続前添加によ 。 海水淡水化 ( 前処理)
F e 、M n 除 去
り、F e やM n の 除去が可能。
。
→長期間の寿命が期待できる。
ポイラー復水
・
襴徊飩蜃饉◇
詈
層
m の セラ ミック膜モジユール
│ 『 フ ィルセラ』は、クボタが独 自に開発 した子し径0 1 μ
1 を 用いた槽浸漬型の精密膜ろ過装置である。膜の高度な固液分離性能に加えて、鉄や
: マ ンガンの除去など多彩な処理性能を発揮するため、多種多様な水に適用でき、水処
ー
: 理 システムの省スペ ス 省 エ ネ化を低い運転費用で実現可能である。
: ■ 特長
: ・ 耐薬性、耐研磨性に優れた長寿命なセラ ミック膜
, → 維持管理費 ( 膜交換費) の 低減
ー
│ ・ 高濃度原水でも前処理不要な膜モジユ ル構造
│ → 処理工程の簡素化、高回収率運転も可能
膜浸漬槽 散気管洗浄プロワ 農モジュール
。研磨 研 肖J 排水処理
・無機系排水の再利用 除 濁 濃 縮 固 形有価物回収
。地下水処理 ( 除鉄 除 濁マ ンガン)
・純水 超 純水製造の前処理
・浄水処理 浄 水場排水処理
。最終処分場浸出水処理
現在 、当社 の精密 ろ過膜 や 限外 ろ過膜 が、半導体 な ど先端 産業 の生 産
プロセスに不可欠な超純水の製造、飲料水の製造、醸造食品の除菌 精
製、排水 リサ イクルなど多 くの用途で採用されている。今回は、当社の
膜の中でも世界に先がけて開発 した大孔径膜 ( 分離性能 1 数μm ) に つ
いて、その特長を紹介する。
先ず中空糸膜とは、外径が 1 ∼2 m m 程 度のス トロー状の形状を した分
離膜である。 ス トロー全体がスポ ンジ構造 となつてお り、その表面には
無数 の ミクロな穴が空 いている。 この度開発 した大孔径膜は、通常の
m ) よ りも 1 オー ダー大 きな ( 2 の m 程 度) 孔 径であ
MF膜 (01∼ 0 3μ
るため、通常のM F 膜 と比較 して高い透水性を有 して いる。そのため、
原水供給 に際 して加圧するための原水供給ポンプを必要 とせず、水位差
のみでのろ過も可能である。また、ポ ンプを使用する場合は、非常に高
い透過流束が得 られる。
現在、大孔径膜は水道用途に使用されてお り、ク リプ トスポ リジウム
等の耐塩素性の病原性微生物を除去対象としている。その性能は従来の
M F 膜 に比べ て、省エネルギ ー、低設備 コス トが実現可能であ り、優れ
たろ過 システムである。
環境浄化技術
当社 は、従来の凝集処理 とは全 く違 つた排水の 固液分離方法 、 ダイナ
ミック膜 ろ過 システム を確立 した。 この システム によ り、ガ1 水空の S S 分
( 懸濁物 質) を 効率 的 に除去で きる。又 、 この システ ム は、排 水 に含 ま
れて いる濁質分 を金属製 メ ッシュ膜 の表面 に堆積 させ 、その堆積層 ( ダ
イナ ミック層) を ろ過体 と して分離 させ るろ過法である。
■用途
・焼却炉解体 工事 除染排水処理
・土木濁水、汚染土壌濁水 などの処理
0 排 水 プ ロセ ス中の粉末活性炭除去 回 収な ど
・高圧 ウ オー タ ー ジエツ トによる洗浄排水な どの処理
・その他、排水な どのS S 分 除去、固液分離
■特 長
・低圧力処理の ため省 エ ネルギ ー
・ろ過面積あた りの処理量 が大 きい
・ろ過体 ( メッシユ膜) が 長時間使用可能 、低 ラ ンニ ングコス ト
播響91副酎暑呈95
罰靭鼈 揉
チユー ブラー膜モジユールは、高濃度原水の固液分離に最適なモジユ
ールである。
・
サ曇 ユ ブラー型モジュ司 Иよ 内径 1 0 m m 以 上のパ イプの内側に膜
があ り、高濃度の混濁水、浮遊固形物 の多い水をそのままろ過処理
できる ( S S 除去などの前処理が不要にできる場 がある)
・粘性の高い液体の処理も可能
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・処理原水 に応 じて膜孔径 、膜素材 が選 べ る
・膜交換 が容易
■用途
・< 中 水 し 尿処理 >
生物活性汚泥水固液分離、凝集処理水 固液分離
・< 医 薬 ・食品等の プ ロセ ス処理 >
混濁水 固液分離、酵 素 た んぱ く濃縮、有価物 回収、脱塩処 理
・< 廃 液処理 > 含 油排水濃縮、廃液濃縮
瘍鰈 椰 聰 錮
キャラクター●Jシ リー ズは小型純水製造装置や無菌水製造装
小型UFモ ジュール 「
置の主要フイルター として販売を開始以来、改良を重ねながら、高性能と使 いやすさ
を追求 し、20年 が経過 した。工業分野、医療分野に限らず、幅広 い領域での精製濾過
のニ ーズに対応する。
■仕様
レメン ト、ハ ウジングー体型)
S-40-GR(エ
。膜面積
=2m2
・分離特性 (90%除 去)=MW13,000
。初期透水速度 =1,000L/hr/1 00kPa
キャラクター'S
キャラクター' C
(ヘル ール)
レメン ト)
C-40-HR(エ
☆
・膜面積
=4m2
・分離特性 (90%除 去)=MW13,000
。初期透水速度 =1,800L/hf/1 00kPa
レメン ト)
C-02-HR(エ
☆
・膜面積
=4m2
・分離特性 (90%除 去)=MW5000
。初期透水速度 =900L/h「/1 00kPa
☆ 「
キヤラクター●CJシ リー ズのハウジングにはポ リスルホ ン製とSUS316製 があ
ります。
環境 浄化 技術
黎
鰺麗己
已
吻
水の循環、再利用の観点から下廃水再利用の逆浸透 (RO)膜 プラン トが 主目されてい
る。特に、下廃水再利用用途では膜面の汚れ (フアウリング)を 低減する ことがプラ
ン ト安定運転のために必要である。
TMLシ リー ズJは 有機物や微生物の付着によるフアウリングを低減 した高性能逆
「
浸透膜エ レメン トである。
これまでにシンガポール、スペ イン、クウェー トの中大型廃水再利用プラ ン トヘの
納入実績をもつ。
■特長
・高除去率 高 透水1士
の逆浸透膜エ レメン ト
・有機物や微生物による汚れを低減
。世界標準形式のスパ イラル型膜エレメン ト
■仕様
。脱塩率 : 9 9 7 %
・造水量 1 8 3 m 3 / d ( T M L 1 0 ) ,
36m3/d(TM L20-370),
39m3/d(TML20-400)
( 評価条件 : 2 , 0 0 0 m 9 4 N a C , 1 6 M P a , R e c 1 5 % )
。大きさ : T M L 1 0 直 径 1 0 c m ( 4 インチ) ×長 さl m ( 4 0 イ ンチ)
T M L 2 0 直径2 0 c m ( 8 イ ンチ) ×長 さl m ( 4 0 イ ンチ)
番勲袂1巫
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躙
靱量
蒻鶉
P ∨D F 中 空糸M 剛 莫モ ジュー ルは、水 中か らの濁質等 を除濁 して、清澄
化 した水 をつ くるための膜モ ジュー ルである。
水道用 、工業用の各種浄水処理用途 に最適で あ り、従来の砂 ろ過方式
を上 回る良好 な水質の ろ過水 を得 る ことが出来る。
■特長
・高透水性 と大 きな容量 ( モジ ュー ル 内膜面積 ) を 有 してお り、従来
の膜 モ ジユー ル に比 べ て大容量処理 が可能 なため、 コ ンパ ク トな設
置面積 になる。
・化学 的 ・機械 的 に優 れた P ∨D F 膜 を採 用 して お り、浄 水処 理 に必 要
な逆洗等物理洗浄、薬品洗浄 に対 する高 い耐久性 がある。
0 0 1 μm の 分離孔径 を有 してお り、微粒子等の高 い除去性 がある。
■仕様
・公称孔径 : 0 1 μ
m
・大きさ : φ2 2 c m ×全長2 1 6 c m
・純水での初期透過水量 1 2 0 m 3 / 時
用 祓尿糧
鋏盪
M BRはASMに 対 し、次のような特徴をもつている。
・高MLSSで 運転でき、高効率でコンパク トな設備
。SSの ない処理水で高度処理との組み合わせも容易
・処理水を中水としての再利用や、ROと 組み合わせで飲料水 レベルの処理水が得ら
れる。
これ らにより水環境の保全や処理水再利用が必要な地域で順次適用が開始 拡 大さ
れている。
■特長
・低い圧力で安定 して運転できる平膜タイプを採用
・膜はPVDF製 で化学的、物理的に優れる
。均 ― な径で数多 くの子しとなる膜面設 計で詰 ま りにくく高フラ ックス運転 が可能
(公称口径0 08μm)
。大型の膜 エ レメン トで設置面積当た りのろ過量が多い
■仕様
平膜エ レメン ト
・サイズ [mm]巾 515× 高 1,608× 厚 135
。膜面積 [m2] 14
膜ハ ウジング (100枚 入 リタイプ)
・サイズ [mm]巾 790× 高2,100× 奥 1,720
・膜面積 [m2] 140
。重量 [ k g ]
800
72
環 境浄 化技 術 2θ “ 72
y。 ノ3 Nο 72
lml鼎1器蜃158iお
艦19101315
平成3 年 度 ∼平成6 年 度の M A C 2 1 で 自社 開発 した、材質 にポ リアク リ
ルニ トリル (PAN)を 用 いた∪F膜である。PANは 適用pH範 囲が広 く薬
品洗浄を容易 に行える材質である。孔径 の小さい∪F膜 を採用 している
ので除濁性能に優れ、降雨時に濁 りが発生する場合や高濁度原水 に適 し
ている。
処理水量に柔軟 に対応できるように、膜面積の異なる大小 2種 類の膜
モジュールを製品化 している。
■特長
・PAC等 の凝集斉Jは不要
・薬品洗浄はオフライ ンで現地に中和 排 液装置不要
・遠方監視 システム搭載
■仕様
①形 状 1外圧式中空糸
②材 質 │ポ リアクリルニ トリル (PAN)
③子し 径 :分画分子量 10万 (∪F膜)
ー
④膜面積 :84m2/モ ジユール、 12m2/モ ジュ ル
:外
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圧式全量ろ過
過
⑤
引
謂鶉翡
楊 1攣橿IE釧
強度 が比較 的強 く耐薬品性 、特 に耐塩素性 に優れたポ リフ ッ化 ビニ リ
デ ン (P∨DF)を 素材 に用 いた中空糸形状の精密 ろ過膜 (M日 莫)で ある。
ー
中空糸膜 を高 い集積密度で膜 モ ジユ ル化 して お り、更 に従来の有機膜
べ
いるため
、単位 当た りの処理能力 が大 き く、 よ
に比 透水性能 に優 れて
り省 スペ ー スな設備 が構築で きる。
m)で 均 ― に分布 してお り、凝集剤 を添加 しな
膜の孔 径 が微細 (0 1μ
くて も良好 なろ過水質 が得 られる。
■特長
0高 強度、高 い耐薬品性 で長寿命
・省 スペ ー ス
・凝集斉Jは不要
■仕様
①形 状 : 外圧式中空糸
DF)
②材 質 : ポリフツ化 ビニリデン ( P ∨
m ( M 剛 莫)
③孔 径 : 0 1 μ
④膜面積 : 5 0 m 2 / モ ジュール
ー
⑤ろ 過 : 外圧式全量ろ過、外圧式クロスフロ ろ過
鰊 巨
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ヅ
憬
膜の 材質 にセ ラ ミックを採用 した精 密 ろ過膜 ( M F 膜 ) で あ る。機 械
的強度 が高 く、耐食性や耐溶剤性 に優 れてお り長寿命で 、膜の破損や不
純物 の溶 出の心配 がない信頼性の 高 い膜である。膜 は長寿 命の ため、膜
の交換頻度 が少 な く、 ラ ンニ ング コス トの低減が図れる。
高強度 を活 か し強力 な逆洗 を行 えるため 、捕捉物の排 出性 がよ く高濁
度原水 にも適用で きる。
で き環境 にや さ しい膜である。
使用済みの膜 は、窯業原料 と して再 / T l 用
■特長
・高強度、高 い耐食性で長寿命
・高圧逆洗が可能 で高濁度原水 にも対応
・使用済み膜 は リサ イクルで低環境負荷
内圧式 モ ノ リス
セラ ミック
0 1μm (MF月 莫)
1 5 m 2 / モ ジユー ル
内圧式全量 ろ過
環境浄化技術
平成 16年 7月 環 境装置需要部 門別 受注額
集 じん装置
2
4
ll
排 ガス 処 理装 置
0
0
0
0
0
0
小計
3
■
ll
汚泥処理装置
ll
関連機器
4
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19
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騒音防止装置
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関連機器
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一
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1置
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計
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140
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下水汚水処理装置
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排煙脱硫装置
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本産業機械工業会
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[単位 :100万 円]
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48,865
/問 い合せ先 TEL
環境浄化技術 2鍬
72 1/oムθ ノ
VO.72
環境装置受注状況 (平成 16年7月 )
/1111日
本産業機械工業会
[単位 :100万 円]
平成1 4 年度
73,621
437,905
334,062
2,102
847,690
74,163
49,253
( 構成比% )
(87)
617)
(394)
(02)
(1000)
(88)
(58)
前年度比%
632
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1004
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76.1
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平成1 5 年
88,191
347,654
2,204
816,511
88,185
( 構成比% )
(108)
(463)
(426)
⑩の
(1000)
(108)
1094
830
1151
712
970
1250
前年比%
平成1 5 年1 0 ∼1 2 月
15,039
前年同期比%
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平成1 6 年4 ∼6 月
12,004
前年同期比%
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平成1 6 年6 月
4,026
22,679
31,542
763
767
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5,395
110,361
13,007
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321
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3,886
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48,683
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平 成1 6 年1 月∼平成1 6 年7 月
前年同期比
平成1 6 年4 月∼平成1 6 年7 月
前年同期比
7,517
167,813
1968
78.9
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143,466
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894
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4 2 9 , 5 5 1 百 万円
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1 9 2 , 3 3 1 百 万円
888%
/問 い合 せ 先 TEL:03-3434‐
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受注金額合計
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(1000)
1579
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847,690
(75)
3,674
894
3382
791
63,806
1293
143,466
1500
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18,839
789
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660,468
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光 フ ァイバ を用いた越 流水検知 システムの開発 に成功
/古
■背景
従 来 の越 流検知 シス テ ムで は主 に電気式 セ ンサ な どが 用
い られて い るため、電 源設備 やデ ー タ伝 送装置 (光電変換)
の必 要性 が あ るこ と、 落雷 な どに よる影響 を受 けやす い こ
とな ど、 い くつ かの課題が あ った。 このたび古河電 工 で 開
発 した、光 フ ァイバ の性 質 を利用 した検知 システムは、 こ
れ らの課題 を解決 し、 さ らに、セ ンサ設置、 デ ー タ収集 な
どの省力化 を実現 した。約6ヶ月間実 フイー ル ドにて適用 した
結果、劣悪 な環境 下 において も問題 な く正常 に動作 す る事
を実証 した。
② ③④⑤⑥⑦
古河電工 は、 この たび、東京都 下水道サ ー ビス的 と共 同
で、河川の水質悪化 の一 因である越流水由の発生 を検知で き
る システム を開発 した。本 システムは、光 フ ァイバ を利用
し、合流式 下水道 の越流水 の発生有無 を遠 隔地 にて監視 で
きる もので あ り、実 フ ィー ル ドに適用 し、光 フ ァイバ を用
いた もの と しては国内で初 めて有効性 が実証 された。現在
東京都 下水道局 な どで 進 めてい る合流改 善事業 に対 し、越
流水発生状 況 の把握 、合流 改善工 事施 工後 の 改善効果 の検
証 な どを、低 コス トで、確実 にデー タ収集で きるものとして提
案 してい く。
質量
河 電 気 工 業 lal
:約 15kg(ケーカ レ質量は含まず)※防護 カバ
ー質量含む
材質
適用光ファイバ i S M 型 光 ファイバ
耐水圧特性 :98kPa
検知水位 :浸 水 が ない状態か ら6cm以 上※l
最大光損失 :15dB以 下/1セ ンサあた り
※1:検 知水位 につ いてはセ ンサ取付 方法 によ り動作 設
定位置 を調整 し目標 とす る水位 を検知す ることが
F「
育
ヒ
(センタ装置仕様〉
① 電 源電圧 :AC100V± 10%(消 費電力lkW以 下)
② 使 用波長 :15レ m帯
③ サ ンプリングタイム :約30秒/心
■光 ファイバ を用 いた越流水検知 システムの特長
・既存 の下水道光 ファイバ網 を有効 に利用で きる
・落雷 の影響や誘導障害な く遠隔地 か らの監視が可能
・セ ンサは給電 を不 要 とす る防爆型
0低 コス トで多点検 知が可能
■仕様
セ ンサ仕様)
〈
① 外 観寸法 :φ 140mm×高さ約314mm(突 起物含まず)
<仏 ヴ ィケ ム社 > 環
センサ構造
センサ本体外観
合せ先 TEL:03‐ 3286-3048
//Fn3い
境 に配慮 した廃 棄物処理 の エ キ スパ ー ト
フラ ンスの ヴ イケム社 は50年 来、廃棄物処理の ター ンキ
ー ・ユ ニ ッ トの設計、設置、運営 を専 門 と して きた。粉末
“
ル ヴェイパ リゼ ー
化 と気化 を表す造語 pulvapolizatiOn(パ
シ ョン)"と 呼 ばれ る画期 的 な熱酸化 システムによ り、 ヴ ィ
ケ ム社 は、 ダイオキ シ ンや窒素酸化物 の含有 レベ ル を非常
に低 く抑 えた ままで行 うガス状 及 び高粘度液状廃棄物 の処
理 を提供 す る。 この 先端技 術 に よ り、 同社 は今 日、 固形 、
液状 、 ガス状 産業廃 棄物 の処理分野 では最 も多 くの信頼 を
集 め る会 社 とな った。 顧 客 企業 に は、 ア トフ ィナ、 ロ ー
ヌ =プ ー ラ ン、 ソルヴェ、 ローデ ィアな どが挙 げ られる。
ヴィケム社 が 開発 したオキ シダイザ ー の 革命的 アイデア
“
パ ル ヴェ イパ リゼ ー シ ョン"は 、液状廃棄物 の微粒子化 と
気化 を同時 に一 つ の工 程 で行 う。元 来、蒸気 を生成 して エ
ネ ルギ ー の 回収 を図 りつつ 、様 々 な濃 度 の ハ ログ ン化合物
/フ ランス大使館産業技術広報センター
クエ ンチ ・ユ ニ ッ トを装備 し、塩 素含有物 は塩化水 素酸溶
液 と して、 フ ッ素 含有物 は フ ッ化水素酸溶液 として回収 さ
れる。
現場 で 行 われた第三 者機関 による試験 で は、 このユ ニ ー
クな熱酸化 システムに よ り、DRE(焼 却破壊 除去率)レ ベ
ルは999999%以 上、 ダク ト内の廃棄物 は環境基準 を大 き く
下 回って い るこ とが証 明 された。卓越 した高い信頼 性 を有
する この システム は、 年間8,500時間 まで運転可能である。
ヴ ィケム社 は、廃 棄物処
理 システムの 日本市場進 出
を 目指 してお り、11月23日
∼26日 に 開催 され る ウェス
テ ック2004廃棄物処理 ・再
資源化展 に出展す る。
(超低 レベ ルか ら超高 レベ ル まで)を 含 む塩素/フ ッ素系廃
葉物 を破壊 す るために50年前 に開発 された。 バ ー ナ ー、炉、
/ 問 い合 せ先 U B ! F R A N C E 国 際広 報部 東京事務所
TEL:03‐ 3435‐
7455
環境浄化技術 2θ “ 72 Vo/3 Nο
72
77
世 界 初 、廃 棄 す る パ ン か ら水 素 の 生 成 に 成 功 ∼燃料電池に有害な成分を含まなし味 素発酵技術を開発∼
/国 立大学法人広島大学 ・l■
l島津製作所 ・サ ッポロビールlal
サ ッポ ロ ビー ル仰 、開 島津 製作 所 、 国 立大学 法 人広
島大学 大学 院先端 物 質科 学研 究科 ・代 謝 変換 制御 学研
究 室 は、m農 業 生物 資源研 究所 か らの委 託研 究 の 下 、
世界 で初 め て製 パ ン廃 棄物等 か ら水 素 を高効 率 で生 成
する 「
水 素 ・メ タ ンニ 段 発 酵技 術 」 を確 立 し、 ベ ンチ
パ イ ロ ッ トス ケ ー ルで6ケ月の連続運 転 に成功 した。 こ
れ まで、 バ イオガスの燃 料 電池利 用 に際 して は これ を
劣化 させ る有害物 質 の硫 黄分 の 除去 が大 きな課題 で し
たが 、本技術 で は発 酵 を適切 に コ ン トロー ルす る こ と
で、 硫 黄 分 を含 まないバ イオ水素 とメ タ ンとを別 々 に
生成 させ るこ とに成功 した。
この技 術 は固形 分 の 分解 に適 して い るため処 理 時 間
が 短 縮 され、 そ れ に伴 う装 置 の 小 型 化 も可 能 とな る。
一 例 と して、製 パ ン
廃 棄物 を用 い た試験 で は、 処 理 時
る
間 を1/4に短縮す 操作 方法 に よって供給量 の約80%が
分解 し可 溶化 した。 さ らに生成 す るバ イオ ガス (バイ
オ水 素 十メ タ ン)は 、 回収 ガス 量 を基 に算 出 した発 熱
量 で 、 メ タ ン発酵単独 と比 較 して10%以 上増加 した。 /問
い合せ先 い 島津製作所 社 長室広報IRグループ
丁EL:03-3219-5535
2005 NEW環 境 展 (N…EXP02005)
人と地球の未来を守 る環境革命への挑戦 !
/日 報イベ ン トlal
■ 目的
深刻化 す る廃 棄物 問題 を含 め、 社 会 ・経 済活動 に関
す る環境 負荷低 減 を図 るため、 これ に対応 す る処 理 ・
浄化技 術 、 施設、再 資源化技術 の 情 報、 エ コ製 品、機
器 、 システ ム を展 示 す る こ とに よ り、環境 浄化 お よび
廃 棄 物 の 減 量 化 、 無 害 化 、 再 資 源 化 、 また大 気 ・水
質 ・土壌 の改 善化 を進 め、更 に省 。新 エ ネ ル ギ ー の啓
発 を行 い 、 国民 生 活 の 安 定 と環境 ・廃 棄物 関連 産業 の
発展 を 目的 とす る。
■主催
日報 イベ ン トm
■特別協 力
的 日報 ア イ ・ビ ー ( 週刊 循 環 経 済 新 聞 ・月刊 廃 棄
物 ・月刊 ア ー ス ・ガ ー デ イア ン ・隔 月刊 イー コ ンテ ク
■後援 (申請予定、lllE不
同)
環境 省 、 農林水 産省 、経 済産業 省 、 国土交通 省 、文
部科 学省 、東京都 、 日本経 済 団体 連合 会、 日本 商工 会
議所 、東京商工 会議所 、廃棄物学会
■会期
東 京 :平 成17年 5月24日的 ∼ 5月27日0 4日 間
大 阪 :平 成17年 9月 7日Q∼ 9月10日■1 4日 間
1 3日 間
名古屋 :平 成 17年11月10日困 ∼ 11月12日l■
■開場時間
午前1 0 時∼午後5 時 ( 最終 日は4 時まで)
■会場
東京 ・有 明 ( 東京 ビ ッグサ イ ト)
東ホ ー ル1 、2 、3 、4 、5 、6 、屋外会場
大 阪 会 場 : イ ンテ ックス大 阪
名古屋会場 : ポ ー トメ ッセなごや
■展示規 模 ( 1 小間3 m × 3 m )
屋内 :2,000小
間 屋 外 : 1 0 0 小間
東京
■ 出品料
屋 内 : 1 小 問 3 6 7 , 5 0 0 円。 組 合 団 体 の 出 品 は 1 小 間
315,000円
。 ( 但し9 0 m 2 以上 はl m 2 3 4 , 6 5 0 円
)
ス ペ ー ス渡 し。 l m 2 に つ き2 6 , 2 5 0 円 ( 但し9 m 2
以上)
■入場料
1,000円
■併催 行事
記念講演会
ナー
/問 い合せ先 丁EL:03-3262‐3562
環境浄化技術
作業環境測定用 (TPシ リーズ)
連続吸引式 塩 素検知管 No.8TP
/1alガステック
作業環境測定用 の連続 吸引式 の塩 素検知管 であ る。
定期 の作 業環境 測 定 に、 また、 日常 的 な作 業環 境 管
理 に便利 である。
■仕様
│噸
│:0即■●lij五変│■1魚■1桃鷲│■
灘│だ
範1閣
冒1色
通気速度 :100mL/min
測定時間 :10分
.0。pp・
l
使用温度 :0∼40℃
※塩 素の管理濃度 は05ppmと なっている。
自動ガス採取装置 GSP-300FT
本検知管 は電動吸引ポ ンプを使用 してサンプ
リングする連続吸引式の検知管である。
79‐
3911
/ 問 い合 せ先 丁E L : 0 4 6 7 ‐
浮上物分離の決定版
泡 ブン リキ 消 泡 ・切粉分離
/広 和 エムテ ックlal
■特長
・高性 能Qポ ッ トで浮上油 を効率 良 く回収
・液面 自動追従式サ クシ ヨンポ ッ トで調整不要
・固体 ・液体 ・沈殿物 を問わず 回収分離 ・排 出
・泡立 ちの あ る液 に浮上 した油 も回収
■用途
・アル ミ ・鋳物加工機械 の浮上油 ・切粉 回収
・研磨仕 上 げ機 の 浮上油 ・浮上 ス ラ ッジ回収
・洗浄機 の浮上 油 ・浮上 ス ラ ッジ回収
・その他、工作機械 ・加 工 機等
名称 型 式
泡 ブ ンリキ SL3(仮
夕
際
1動│“
1印臼粁,1lH雌車1職
1‐
鐵
称)
油水分離槽
260X170× 450hmnl 15L
1離
1管
1饉径
:麟
薔
£
器啄隧郷量
な
材質
SPCC塗 装仕上 マ ンセル5Y7/1
QI下
│シ
│ト
1日
│
1径薦10け出●1ll101nl藤
材質
ニ トリル ゴム (NBR)
1量
揚1織/職 1彗
ポ ンプ電動機
分=(職1蒸
持)
,諭
鵡SOしイ
50/60hz
電源 単 相AC100v‐
出力 100w2P
水中型ポ ンプユニ ット
外形寸法306X121× 241hmm
/問 い合 せ先 TEL:084-943‐ 7734
環境 浄化 技術 2θ θイ72
Vο ノ
.3
月刊 「
環境浄化技術」
2005年1月号予定目次
■ 本 誌編 集 委 員
富士 電機 シス テ ムズ的
オ ル ガ ノ帥
lkl島
津 製作 所
鹿 島建 設卸
い 荏 原製作 所
J F E エ ンジニ ア リ ン グ帥
新 日本 製 鐵榊
的 クボ タ
■特集 :21世 紀COEプ ログラムに見る今後の環境技術
021世 紀COEプ ログラムの位置付けと成果
○流域圏の持続可能な水 ・廃棄物代謝 システム
○ グリーンエ ネルギ ー革命による環境再生
○都市空間の持続再生学の創出
○新エ ネルギー ・物質代謝 と生存科学 の構築
○循環型社会へ の戦略的廃棄物 マ ネジメ ン ト
赤松
江日
大瀬
川端
北川
坪井
営間
小林
浅田
財 日本 品質保 証機 構
■ 本誌 企 画委 員
日本 電子卸
西華 産業的
地盤技 術m
■大気分野
エ コセー フ」
○ディーゼル黒煙除去 システム 「
■水処理分野
○ コンプレッサ ドレン用油水分離浄化装置
和 彦
正 浩
潤 三
淳 一
政
晴
久
康
正
美
人
夫
男
三
熱田 雅 信
豊岡 正 志
土弘 道 夫
久代 勝
○光触媒 を使用 した水処理 システム
●本誌 に掲 載 す る著 作物 の 複製権 ・翻 訳権 上 映権 ・譲 渡権 公 衆送信
○薄膜式蒸発濃縮粉末化装置による廃液処理
○ ドリコバ イオリアクター システム
権 (送信可能化権 を含 む)は 日本工業 出版株 式会社 が保有 します。
。 匝□ <鞠 日本著作 出版権 管理 システム委託 出版物 >
■廃棄物 ・リサイクル分野
本誌 の無 断複写 は 著作 権 法 上 で の 例外 を除 き禁 じられ てい ます。 複写
○バ イプロダク ト乾燥装置 システム
され る場 合 は、 そ のつ ど事 前 にい 日本 著 作 出版 権 管 理 シス テ ム (電話
■解説
0338175670、 FAX o3‐38158199)の 許諾 を得 て くだ さい 。
OHINOPILE式 熱交換器について
●本 誌投 稿 規程
■製品技術
本稿 で は関連報 文 の投 稿 を歓 迎 い た します 。 詳 し くは編 集部 まで ご連
○浄水用MF、 UF「 マ イクローザ剛
○光 ファイバ ー を用 いた越流水検知 システム
絡 くだ さい。 尚、投 稿 され た原稿 は編 集 会議 、編 集 委員 会に て採 否 を決
め させ て戴 きます。
●広 告掲 載 につ いて
■講座
本 誌 は広告 も読 者 に とって、本 文記事 と同様 に、 身近 な技 術 情 報 で あ
○入門講座 半 導体光触媒③
る との認 識 の もとに広告 スベ ー ス を設 け てお ります 。 詳 し くは編 集部 ま
■連載
で ご相談 くだ さい 。
○ ス トー カ式 ごみ焼却炉 の歴 史を紐 とく③
乱丁 、 落丁本 は、 ご面倒 です が小社 まで ご送 付 くだ さ い。 送料小社 負担 に
■ コラム
てお 取 替 え いた します。
○か んきょうよもやまばなし④
に 電肇萎
/ . 再生 I E を使 用 してい ます
古 紙 配合 率 1 0 0 ・
東京本社付近図〉
〈
編 集
六
釦 □]
発行所
発行人
]
本
都営 三 田線
社
艤
嘲
鐵
鞣
嬢
爾
爆
鶴
纏
凸編集委員会
日本 工 業 出版株式会社
〒H38610 東 京都文京区本駒込6326
TEL 03(3944)H810 FAX 03(3944)6826
h t t pヽヽw w n i k kpob‐ c O j p /
‐
e mailinfO@nikkο
pbcOjp
大 阪営 業所 TEL 06(6202)8218 FAX 06(6202)8287
日本橋事務所 TEL 03(3808)1021
FAX 03(3808)1023
中 国 事 務 所 T E L ・F A X ( 0 5 9 1 ) 7 8 5 5 6 2 2
│
販 売 専 用 TEL 03(3944)8001
長
ウ
FAX 03(3944)0389
を
蓼 oollo_6-14874
定価1,600円 (本体1,524円)
年間購読料 。年12冊18,000円(税込)
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