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一般・特別・企業会計

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一般・特別・企業会計
監査公表第5号
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第4項の規定により行った平成16年度に係る監
査の結果を次のとおり公表する。
(「 次のとおり」は省略し、その関係書類は、監査委員事務局総務課に備え置いて一般の
縦覧に供する。)
平成17年9月6日
北海道監査委員
髙 橋 由 紀 雄
北海道監査委員
加 藤 唯 勝
北海道監査委員
徳 永 光 孝
北海道監査委員
宮 間 利 一
平成16年度に係る定期監査の結果
Ⅰ
一般会計及び特別会計に係る定期監査結果
第1
1
監査の概要
監査の実施部局及び実施期間
監査は、一般会計及び特別会計に係る全502部局について、平成16年 9 月から平成17
年 8 月までの間に実施した。
2
監査の主眼
監査は、平成16年度に係る財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理につい
て、合規性の視点や経済性、効率性及び有効性の視点から次の事項に重点を置いて実施
した。
ア
予算の執行について
イ
各種債権(道税、貸付金、使用料等)の収入確保について
ウ
報酬及び職員手当等の支給について
エ
旅費の執行について
オ
業務委託・物品借上げ・物品購入に係る契約の執行について
カ
公共工事に係る入札・契約手続について
キ
行政財産の管理について
ク
工事(技術)の執行について
ケ
補助金の執行について
コ
捜査用報償費の執行について
3
監査の実施方法
監査は、次の方法により実施した。
(1)
全502部局のうち、246部局については実地監査を実施し、256部局については書面
監査を実施した。
部
庁
出先機関等
局
9
90
各種委員会等事務局
5
教
庁
部
知
警
局
事
名
部
育
察
本
計
本
計
実地監査
書面監査
99
79
20
−
5
5
−
1
322
323
124
199
1
74
75
38
37
16
486
502
246
256
(2)
実地監査については、監査実施部局から監査資料の提出を求め、抽出の方法により
事務事業を選定し、決定書、支出(支払)証拠書類、その他関係書類について、その
内容を確認するとともに、関係職員から聞き取るなどの方法により実施した。
(3)
書面監査については、監査実施部局から監査資料、支出(支払)証拠書類等の提出
を求め、その内容を確認するなどの方法により実施した。
4
監査結果の区分
監査の結果については、是正又は改善を求めることとした事項を次により指摘事項、
指導事項及び検討事項に区分した。
なお、指摘事項については、部局名を記載することとした。
《指摘事項》
ア 法令、条例、規則又は通達に違反しているもの
イ 収入確保に適切な措置を要するもの
ウ 予算を目的外に支出しているもの
エ 予定価格の算定に誤りがあり、契約金額が正当な積算金額を上回っているもの
オ 経済性、効率性、有効性の見地から改善を要するもの
カ 経営の健全化を図る必要があるもの又は事業の管理運営に改善を要するもの
キ 火災事故等が発生しているもの
《指導事項》
上記のうち軽易と認められるもの
《検討事項》
改善を求める事項の発生が制度に起因していると認められるものなどで、その改善に
ついて検討を要するもの
5
指摘事項等の件数
監査の結果、全502部局のうち、財務に関する事務の執行が総体として適正であると
認められた部局は410部局、是正又は改善を求めた部局は92部局であり、指摘事項、指
導事項及び検討事項としたものの件数は、次のとおりである。
区
分
1
指導事項
検討事項
計
予
算
6
3
−
9
収
入
8
7
−
15
支
出
23
76
5
104
契
約
19
19
10
48
財
産
1
14
1
16
工 事 ( 技 術)
−
71
−
71
経営管理
1
−
−
1
そ
8
40
−
48
66
230
16
312
の
他
計
第2
指摘事項
監査の結果
予算に係る事項
《指摘事項》
ア
警察署協議会委員に対する報酬において、支払を失念したため、翌年度予算で支
払っているものが 5 名分、 5 万円あった。
イ
パソコン等の賃貸借契約において、予算配当がない年度開始前に契約を締結して
いた。
ウ
(浦河警察署)
(渡島支庁渡島東部森づくりセンター)
新年度以降の土地の賃借料の変更契約において、予算配当がない年度開始前に契
約を締結していた。
エ
エアコンの設置において、備品購入費で執行すべきところを工事請負費で執行し
ていた。
オ
(旭川方面本部)
蒸気消毒槽の購入において、備品購入費で執行すべきところを需用費で執行して
いた。
カ
(総務部)
(北見農業試験場)
下水道整備工事に係る工事請負費の支出において、校舎分(学校管理費)及び公
宅分(財産管理費)を一括設計積算しているが、設計金額を按分し、契約額に応じ
て算出した金額で科目仕訳を行うべきところを予算配当額で按分したことにより、
支出科目を誤って執行していた。
(宗谷教育局)
《指導事項》
ア
自家用電気工作物保安管理業務委託契約において、予算配当がない年度開始前に
契約締結に係る決定を行っているものがあった。
イ
乳幼児医療給付事業補助金において、配当された歳出予算を超える額で交付決定
をしているものがあった。
ウ
一時保護児童の理容料金の執行において、役務費で執行すべきところを扶助費で
執行しているものがあった。
2
収入に係る事項
(1)
収入未済額が多額となっているもの
《指摘事項》
道税、貸付金などの次の収入については、滞納整理のための種々の努力が認められ
るが、収入未済額がそれぞれ 1 億円以上となっていた。
(単位:千円)
収
道
入
項
税
目
収入未済額
所 管 部 等
15,878,531 総
務
部
母子福祉資金貸付金等
2,434,013 保 健 福 祉 部
中小企業高度化資金貸付金等
6,961,040 経
済
部
林業・木材産業改善資金貸付金
292,581 水 産 林 務 部
道営住宅使用料等
694,426 建
附属病院診療料
253,106 札幌医科大学
設
部
《指導事項》
農業改良資金貸付金、河川に係る堤塘使用料、高等学校授業料及び公立高等学校生
徒学資金貸付金等については、収入未済額がそれぞれ1,000万円以上となっていた。
(2)
収入事務の取扱いが適切でないもの
《指摘事項》
ア
入館者から受け取った観覧料については、収入取扱員が指定金融機関等へ払込み
を行わなければならないが、収入取扱員に発令されていない運転技術員が当該払込
みを恒常的に行っていた。
イ
(開拓記念館)
授業料収入及び寄宿舎使用料について、当該年度の当初において、上期分及び下
期分として年度間分を取りまとめて調定しているが、下期分として再度調定してい
るものが191件、214万5,480円あった。
(江差高等看護学院)
《指導事項》
ア
北海道競馬の勝馬投票券の発売額と現金収入額との間に過不足を生じているもの
があった。
イ
収入取扱員が現金を収納したときは、納入者に現金領収証書を交付し、検査員は
日常検査を行わなければならないが、現金領収証書の交付が収納したときから相当
期間経過後に行われ、これらの日常検査を行っていないものがあり、また、検査員
の不在の日に検査員が日常検査を行ったとする書類を作成しているものがあった。
ウ
児童保護措置費徴収金及び生活保護費返還金収入の債権管理において、消滅時効
が完成したときは不納欠損の整理をしなければならないが、この整理が行われてい
なかった。
また、納入期限経過後、収入未済の歳入金について、債権者からの一部納入、延
滞金等の発生その他収納管理上必要な事実発生があったときは、滞納整理票を作成
しなければならないが、作成されていないものがあった。
3
支出に係る事項
3-1
諸手当
(1)
扶養手当の支給を誤っているもの
《指導事項》
ア
扶養手当等の支給において、被扶養者が雇用保険の受給により、扶養親族として
の要件を欠くこととなったが、届出を怠ったため、過払いとなっているものがあっ
た。
イ
扶養手当の支給において、支給開始月のデータ入力を誤ったことにより、過払い
となっているものがあった。
ウ
扶養手当の支給において、支給開始の始期を誤ったことや、育児休業の期間延長
に伴う事実発生日の認定を誤ったことにより、未支給となっているものがあった。
(2)
住居手当の支給を誤っているもの
《指導事項》
住居手当の支給において、支給の始期を誤ったことから、過払いとなっているもの
があった。
(3)
通勤手当の支給を誤っているもの
《指摘事項》
自動車使用者の通勤手当の支給において、通勤距離を誤って認定したため、過払い
となっていた。
(部局名)
(件数)
(過払い額)
小児総合保健センター
1件
9 万7,200円
中央乳児院
1件
7 万7,700円
砂川北高等学校
1件
5 万2,000円
《指導事項》
ア
通勤手当の支給において、運賃等相当額の算出に当たっては、最も経済的かつ合
理的と認められる通常の経路及び方法によらなければならないが、実際に利用して
いない交通機関を含めて認定したことにより、過払いとなっているものがあった。
イ
通勤手当の額の認定において、プリペイドカードの運賃等相当額の計算方法を誤
ったことから、支給額が過少となっているものがあった。
(4)
時間外勤務手当等の支給を誤っているもの
《指摘事項》
ア
時間外勤務手当等の支給において、電算入力処理を誤ったことなどから、過
払いとなっているものが 8 件、 3 万1,871円、未支給となっているものが22件、12
万5,448円あった。
イ
(農政部)
時間外勤務手当の支給において、勤務した時間の集計を誤ったことなどから、過
払いとなっているものが 2 名分、2 万8,186円、未支給となっているものが 3 名分、3
万6,849円あったほか、休日勤務手当で支給すべきところを時間外勤務手当で支給
したため、過払いとなっているものが 2 名分、 1 万1,840円、未支給となっている
ものが 2 名分、 3 万5,072円あった。
ウ
(企画振興部)
時間外勤務手当の支給において、週休日に正規の勤務時間が割り振られた日の支
給率を誤ったことや、一日の勤務時間を超える週休日の振替等を行ったことから、
20名分、 2 万2,258円が過払い、 3 名分、 3 万5,232円が未支給となっていた。
(経済部)
《指導事項》
ア
時間外勤務手当等の支給において、勤務時間数の整理や、電算入力処理を誤った
ことなどから、支給額に過不足を生じているものがあった。
イ
週休日の振替に伴う時間外勤務手当の支給において、 1 週間の勤務時間が40時間
を超えた場合には、当該手当を支給することとされているが、未支給となっている
ものや支給率を誤ったことから、過払いとなっているものがあった。
ウ
週休日における勤務において、 4 時間以上勤務したが、週休日の振替を避けるた
め、 1 回の時間外勤務命令簿を 2 回に分けて書き換えているものがあった。
エ
休日勤務を行った場合は、休日勤務手当を支給することとされているが、誤って
時間外勤務手当を支給しているものや、休日勤務に係る代休を指定したのに時間外
勤務手当を支給しているものなどがあった。
オ
休日勤務手当の支給において、給与期間内の合計の勤務時間数に30分以上の端数
が生じた場合は 1 時間とすべきところを誤って切り捨てしたため、未支給となって
いるものがあった。
《検討事項》
用務員に係る時間外勤務手当の支給において、正規の勤務時間が始まる前の時間外
勤務が常態化しているので、勤務時間の変更の可否について、検討する必要がある。
(5)
その他
《指導事項》
教員特殊業務手当(週休日等に行う部活動指導業務)の支給において、支給対象と
ならない開校記念日に手当を支給しているものがあった。
《検討事項》
ア
実習船実習指導手当の支給において、教育財産である実習船の使用許可に当たっ
て生じた使用料を実習収入と解し、その10分の 1 を超えない範囲内の額を手当とし
て支給しているが、実習船の使用料を「実習収入」と解することの適否について検
討する必要がある。
イ
居所を指定された者に対する単身赴任手当の認定において、居所が指定された事
実等が明らかとなっていないので、確認方法等について検討する必要がある。
3-2
報
酬
《指摘事項》
特別職非常勤職員である学校医等の報酬は、勤務実績に基づき支給することとされ
ているが、勤務実績のない月についても報酬を支払っているものが延べ9か月分、
16万4,700円あった。
(函館中部高等学校)
《指導事項》
特別職非常勤職員である学校医等の報酬の執行において、全日制課程及び定時制課
程の学校医等として同一の医師を委嘱し、それぞれ報酬を支給しているが、同校の定
時制は昼間定時制であり、両課程の相談業務等を同時に行っていることから、それぞ
れを区別して報酬を支給する合理的な理由が認められなかった。
《検討事項》
特別職非常勤職員である留置場嘱託医の報酬は、勤務実績に基づき支給することと
されているが、勤務実績のない月についても報酬が支払われていることから、勤務実
績簿の作成などにより、勤務の実績を確認の上、支給するよう検討する必要がある。
3-3
賃
金
《指摘事項》
賃金の支給において、臨時職員が引き続き6月を超えて勤務して退職した場合
は、退職手当を支給することとされているが、未支給となっているものが、9名分、
60万4,800円あった。
(畜産試験場)
《指導事項》
賃金の支給において、計算誤りのため、未支給となっているものがあった。
3-4
旅
費
《指摘事項》
ア
赴任旅費の支給において、一時的に随伴した者を正当な理由もなく扶養親族移転
料等の支給対象としたため、過払いとなっているものが 1 名分、 9 万1,572円あっ
た。
イ
(留萌教育局)
赴任旅費の支給において、扶養親族でない者を扶養親族移転料等の支給対象とし
たため、過払いとなっているものが 1 名分、 8 万7,616円あった。
ウ
(胆振支庁)
赴任旅費の支給において、職員である同居の夫及び妻が共に赴任を命ぜられ同時
に移転した場合であって、夫婦のうちいずれか扶養親族を有する者に移転料定額を
支給したときは、扶養親族を有しない者については、移転料を支給しないこととさ
れているが、これを支給したため、 1 名分、 5 万3,500円が過払いとなっていた。
(胆振教育局)
エ
赴任旅費の支給において、職員である同居の夫及び妻が共に赴任を命ぜられ、
同時に移転した場合であって、共に移転すべき扶養親族を有しないときには、それ
ぞれに移転料定額の 2 分の 1 を支給しなければならないが、妻に対する移転料 7 万
6,000円が未支給となっていた。
オ
(後志教育局)
航空機を利用する旅行において、旅費請求書に添付すべき必要書類である搭乗券
の半券又は搭乗証明書が添付されていないにもかかわらず、航空機を利用した事実
の確認が所定の手続どおり行われていなかった。
(根室支庁、監査委員事務局)
《指導事項》
ア
旅費の支給において、特段の理由もなく、日帰りの行程とすべきところを 1 泊 2
日の旅行としたため、不経済な支出となっているものがあった。
イ
旅費の支給において、公共交通機関を利用する旅行命令に違反し、自家用車で用
務地を往復したことから、過払いとなっているものがあった。
ウ
旅行命令簿の作成及び旅費の請求を失念していたことから、旅費が未支給となっ
ているものがあった。
エ
旅費の支給において、旅行者が変更になっているにもかかわらず、旅行命令の取
消し及び新たな旅行命令を行わなかったため、返納されていないものや未支給とな
っているものがあった。
オ
旅費の支給において、旅費の計算を誤ったことなどにより、旅費の支給額に過不
足を生じているものがあった。
カ
旅費の執行において、会議等の主催者等から宿泊施設を指定され、当該施設の宿
泊料金等の額が、旅費として支給される宿泊料の額を下回ることが明らかな場合は、
宿泊料の額を減額調整することとされているが、この調整を行わないまま旅費を支
給したため、過払いとなっているものや減額調整に該当しないのに宿泊料を減額し
たため、未支給となっているものがあった。
キ
旅費の支給において、一時保護児童の移送のため、職員が付添人として被救護者
割引普通乗車券により鉄道を利用する場合、旅費として支給される鉄道賃の額を下
回ることが明らかなときは、鉄道賃の額を減額して支給することとされているが、
この減額を行わないまま支給しているものがあった。
ク
赴任旅費の支給において、移転料の区分や移転距離等を誤ったため、支給額に過
不足を生じているものがあった。
ケ
赴任旅費の支給において、着後手当を 2 日 2 夜のところ 3 日 3 夜で支給したため、
過払いとなっているものがあった。
コ
研修に伴う旅費の支給において、日額旅費を支給すべきところを普通旅費を支給
したものや、普通旅費を支給すべきところを日額旅費を支給したものなどがあった
ため、旅費の支給額に過不足を生じているものがあった。
サ
在勤地内の宿泊を伴う旅費の支給において、日当の支給額を誤ったものや、25㎞
未満の日帰り旅行に日当を支給したため、過払いとなっているものがあった。
シ
外国旅行の旅費の精算において、旅費請求書には、航空運賃等の支払を証明する
書類を添付することとされているが、この書類が添付されていないものがあった。
ス
航空機を利用する旅行において、旅費請求書に航空機の搭乗券の半券等を添付で
きない場合には、旅行命令権者は、旅行者に理由書と用務先の対応証明等を提出さ
せ、航空機を利用した事実を確認しなければならないが、半券を添付していない行
程について申立書が提出されているのみで、旅行命令権者の事実確認が十分に行わ
れていないものがあった。
3-5
需用費
《指導事項》
ア
需用費の執行において、執務の参考とするなどのために、北海道職員録を購入し、
関係部等に配付しているが、購入部数の中に配付基準が明確となっていないものな
どがあった。
イ
パソコン用ソフトの購入において、インターネットで取得できる情報について、
ソフトを購入したため、不経済な支出となっているものがあった。
ウ
パソコン用ソフトの購入において、北海道行政情報コミュニケーションシステム
にパソコンを接続する場合は、ウィルスバスターのライセンスを購入することとさ
れているが、誤ってソフトを購入したため、不経済な支出となっているものがあっ
た。
エ
貸与する被服の購入において、個々の希望に応じて素材や仕様等の規格の異なる
ものを購入したため、不経済な支出となっているものがあった。
3-6
使用料及び賃借料
《指摘事項》
ア
平成12年度以前に借り入れているパソコン等の賃貸借契約において、リースの終
期限を超えて借上げを行っていたが、再リース契約としなかったことから、 2 件、
77万803円が過払いとなっていた。
また、契約の相手方に、決定内容と異なる契約書を交付し、契約以外のプリンタ
ー等の周辺機器等を納品させていた。
イ
(十勝農業試験場)
共通乗車券の使用は、通常の交通機関を利用することができない早朝・深夜の出
退庁の場合等に限られているが、公共交通機関を利用して通勤が可能な時間帯にタ
クシーを使用しているものが5,439件、1,201万8,420円あった。
ウ
(札幌医科大学)
ネットワークシステムLAN機器賃借料の執行において、後年度に支出すべき保
守点検料の一部を初年度に支出していたものが339万9,546円あった。
(札幌医科大学)
エ
行政情報ネットワーク機器等賃借料の執行において、後年度に支出すべき保守点
検料の一部を初年度に支出していたものなどが249万2,990円あった。
オ
(警察本部)
捜査本部設置に伴う寝具の借上げにおいて、当初の契約期間を延長して借上げす
る場合には、契約書の更新条項に基づいた継続契約の決定を行わなければならない
が、この決定を行わないで借上料を106日分、18万7,740円支払っていた。
(新得警察署)
《指導事項》
ア
レンタカーの借上げにおいて、車両を使用しない日についても借上げを行ったた
め、不経済な支出となっているものがあった。
イ
有料道路使用料の支出において、公務終了後緊急を要するなど特段の用務等がな
いにもかかわらず、高速道路を利用したため、不経済な支出となっているものがあ
った。
ウ
英語指導助手の住宅に係る賃借料において、当月分の賃借料を翌月末までに支払
う契約となっているが、支払の遅延しているものがあった。
エ
複写サービスに係る賃借料において、債権者からの請求が遅くなっているにもか
かわらず督促を行っておらず、支払の遅延しているものがあった。
3-7
負担金、補助及び交付金
《指摘事項》
海外長期語学研修負担金の執行において、旅行代理店 2 者による見積合わせを行っ
ているが、語学学校の授業料を把握せず、また、予定価格の算定内訳書を作成してい
なかったため、定額である授業料を超える金額で契約したことにより、不経済な支出
となっているものがあった。
(部局名)
(件数)
(不経済な支出額)
釧路警察署
1件
13万円程度
函館中央警察署
1件
13万円程度
《指導事項》
ア
会議終了後の懇親会に係る負担金において、執行の対象とすべきでない出席者の
経費を支出しているものがあった。
イ
団体補助金の執行において、補助対象経費の配分を変更するときは、知事の承認
を受けなければならないが、変更承認申請を行わせないまま額の確定を行っている
ものがあった。
ウ
下水道事業受益者負担金の執行において、支払事務を失念したため、支払の遅延
しているものがあった。
《検討事項》
地域政策総合補助金の執行において、過年度を含む複数年の事業費を補助の対象と
して補助金を交付しているが、原則は単年度毎に補助するものであることなどから、
過年度事業に係る補助のあり方について検討を行う必要がある。
3-8
その他の支出
《指摘事項》
ア
不動産取得税の還付において、課税誤りによる還付加算金を支出しているものが
153件、254万9,500円あった。
イ
(札幌中央道税事務所)
自家用電気工作物保安管理業務委託等の契約において、前月分の委託料に係る適
法な請求を受けたときは、その日から起算して30日以内に支払う旨の契約となって
いたが、適法な請求書の提出があった都度、支払を行わず、数ヶ月分まとめて支払
っていた。
また、契約書等において支払の時期の定めがないものについては、相手方が支払
請求をした日から15日以内に支払わなければならないが、数ヶ月分まとめて支払っ
ていた。
(江差高等看護学院)
《指導事項》
ア
研修会講師に対する謝金の支払において、時間当たりの適用単価を誤ったため、
過大な支出となっているものがあった。
イ
庁舎敷地除排雪業務委託において、稼働時間に 1 時間未満の端数が生じたときは、
翌月の稼働時間に加算するなどの契約内容となっていたが、加算することを失念し
たことから、委託料の一部が未払となっているものがあった。
ウ
清掃業務委託契約において、清掃対象床面積が変更となったことに伴う契約変更
を行わなかったことから、過大な支出となっているものがあった。
エ
北海道広報誌の運送等に係る委託料の執行において、委託料のうちの町内会等住
民組織に対する配布手数料については、北海道広報誌の全ての配布が完了した時点
で支払うこととしているが、その一部を配布した時点で支出しているものがあった。
オ
道営競馬に係る場外発売所の前渡資金について、数ヶ月分の所要経費をまとめて
資金前渡しているものがあった。
カ
前渡資金の精算に伴う使用残額については、出納整理期間内に精算手続を行うこ
ととされているが、年度更正の手続をしなかったため、翌年度に返納を行っている
ものがあった。
4
4-1
契約に係る事項
工事契約
《指摘事項》
高等学校グラウンドフェンス等改修工事において、設計ではグラウンド表土に黒土
ふせつ
を敷設することとしていたが、施工協議により山砂を敷設しており、必要な設計変更
が行われていなかった。
(根室教育局)
《指導事項》
ア
公宅の水洗化工事の発注において、特段の理由もなく、競争入札とすべきものを 2
件に分割し、それぞれ随意契約として見積合わせを行っているものがあった。
イ
建設工事に係る入札の執行において、入札をしようとする者は入札書を封書の上、
提出することとされているが、封書としないまま入札を執行しているものがあった。
ウ
一般競争入札における予定価格の事前公表については、予定価格の事前公表実施
要領に基づき、財務規則に定める公告により公表することとされているが、入札参
加資格審査委員会審査後の資格認定通知文に記載して入札参加者に通知しているも
のがあった。
《検討事項》
職員公宅解体工事の執行において、解体材運搬費、処分費を概数として取り扱って
いるが、解体費については、概数として取り扱うこととしていないことから、建物解
体工事における概数発注の取扱い方法等について検討を行う必要がある。
4-2
委託契約
《指摘事項》
ア
駐車場管理業務委託料の執行において、総務部長等が定める基準によらず、
高率な最低制限価格を設定し、最低価格の入札者を失格としたため、契約額が
332万7,324円割高となっていた。
イ
(札幌医科大学)
庁舎等清掃委託業務において、ワックス仕上げの二重計上により予定価格が過大
に算定され、結果として最低制限価格を高く算定し、最低価格の入札者を失格とし
たため、契約額が192万5,700円割高となっていた。
ウ
(衛生研究所)
痴呆性高齢者グループホーム開設予定者等研修事業委託の予定価格の算定におい
て、業務処理要領では研修の実施回数を 2 回としているが、 3 回で積算したことか
ら、契約額が37万5,450円割高となっていた。
エ
(保健福祉部)
独身寮賄い業務委託料の執行において、朝食の準備及び給仕片付に補助者 2 名を
要することとして積算し契約しているが、実際は補助者 1 名により委託業務が行わ
れており、契約額が20万5,277円割高となっていた。
オ
(旭川中央警察署)
空調自動制御機器設備点検業務等に係る競争入札の執行において、提出された委
任状の内容を確認しなかったため、無権代理人を入札に参加させていたものが 3 件
あり、このうち 1 件については契約の相手方となっていた。
カ
(総務部)
感染性廃棄物収集運搬業務等に係る単価契約の指名競争入札の執行において、提
出された委任状の内容を確認しなかったため、無権代理人を入札に参加させていた。
(小児総合保健センター)
キ
庁舎清掃等委託業務に係る指名競争入札の執行において、提出された委任状の内
容を確認しなかったため、無権代理人を入札に参加させていた。
(上川支庁、上川支庁上川保健福祉事務所名寄地域保健部)
ク
道税広報テレビスポット放送製作放送業務委託において、プロポーザル方式によ
って業者を選定しているが、契約を締結する前に業務を発注していた。
ケ
(総務部)
家畜取引改善指導事業委託業務において、実績報告書の提出を受けた際には、現
地調査等必要な確認を行うことになっているが、十分な履行確認が行われていなか
ったため、平成11年度から15年度までの委託業務の一部が未実施であるにもかかわ
らず、これに係る経費を支払っていた。
(農政部)
《指導事項》
ア
委託契約の執行において、競争入札によることが可能である庁内電話の夜間交換
業務を防災無線設備の保守業務に含めて、代替性がないとの理由で特命随意契約に
より契約を締結していたことから、庁内電話の夜間交換業務については競争性が働
いていなかった。
イ
、
痴呆介護指導者養成研修事業委託において、契約締結年月日をそ及させる取扱い
をしていた。
ウ
清掃業務委託の検査において、作業結果を記載した作業日誌又は報告書を提出さ
せ、履行の確認を行うこととなっているが、庁舎清掃のうち年 4 回行う定期清掃に
ついて、受託者から作業日誌等が提出されておらず、履行の確認が行われていない
ものがあった。
《検討事項》
ア
庁舎等暖房業務の委託において、ボイラーの運転業務は、年間を通して実施され
ているが、施設が実際に使用されている日数と大きく乖離している状況にあること
から、適切な委託期間等の設定について検討する必要がある。
イ
庁舎暖房業務の委託において、ボイラーの運転等に必要な技師の人数等が明らか
となっていないことから、適切な積算方法等について検討を行う必要がある。
ウ
庁舎空調機器保守点検業務の委託において、積算上、点検業務に必要な人工を
150人工としているが、業務完了報告書では18人工で点検業務を完了しており、実
績の人工が積算の人工を大きく下回っているので、適切な積算方法等について検討
を行う必要がある。
エ
団体に対する委託料の執行において、当該団体では一般会計、委託事業会計及び
収益事業会計に係る共通経費を委託事業会計のみで支出しているものがあるので、
委託の対象とする経費について適切な区分経理の方法や按分方法等を明確にするよ
う検討する必要がある。
オ
免許の更新時講習等委託業務の執行において、委託業務に用いるパソコン等機器
の保守点検料を含めて委託料を算定しているが、保守点検の内容は機器が故障した
際に無償で修理を行うものであり、また、初年度は機器の故障等に係るメーカー保
証があるため、委託料計604万9,423円が不経済な支出と認められるので、保守点検
の必要性の有無について検討を行う必要がある。
カ
独身寮賄い業務委託料の執行において、契約書上、入札執行や契約締結の前に委
託業務が行われることとなっているので、契約の方法等について、検討を行う必要
がある。
また、同委託業務の積算において、手待ち受付時間を補助者に行わせることとし
ている署と、より高額な単価の主務者に行わせることとしている署とがあり、まち
まちとなっているので、積算方法について検討を行う必要がある。
キ
交通信号機等の保守点検業務の委託において、事前に業務量の把握が困難な緊急
修繕業務と除雪業務を委託料総額に含めて契約を行っているが、業務量確定後に精
算する委託内容となっていないことから、適正な委託の方法等について検討を行う
必要がある。
4-3
その他の契約
《指摘事項》
ア
燃料の単価契約に係る指名競争入札の執行において、提出された委任状の内容を
確認しなかったため、無権代理人を入札に参加させていた。
(札幌医科大学、中央農業試験場、釧路方面本部)
イ
複写機・ファクシミリ賃貸借契約等に係る指名競争入札の執行において、提出さ
れた委任状の内容を確認しなかったため、無権代理人を入札に参加させていた。
(江差高等看護学院)
ウ
予定価格調書については、作成後、直ちに封筒に入れ、厳封の上、作成者が割印
をする等慎重な取扱いをしなければならないが、封書にしないで保管するなど、そ
の取扱いを適切に行っていなかった。
エ
(函館方面本部、北見農業試験場)
複写機の消耗品供給契約の見積合わせにおいて、見積条件と相違する見積書によ
り決定し、契約を行っていた。
オ
(網走支庁網走保健福祉事務所北見地域保健部)
建物の賃貸借契約の執行において、予定価格調書を差し替えていた。
(総務部)
《指導事項》
ア
少額工事の執行において、特段の理由もなく、一括して発注可能な公宅修繕を 1
件当たり30万円未満の契約となる公宅毎の 5 件に分割し、それぞれ同一の者と随意
契約を行っているものがあった。
イ
温室用品及びパソコンの購入において、一括して契約することが可能であったが、
特段の理由もないのに 1 件当たり30万円未満の契約に分割しているものがあった。
ウ
自動車の車検整備において、予定価格が30万円以上の随意契約については、二人
以上の者から見積書を徴さなければならないが、特段の理由もなく一者と随意契約
を行っているものがあった。
エ
印刷の契約や燃料の購入に係る単価契約において、 1 件の予定価格が100万円以
上の場合は、予定価格調書を作成しなければならないが、これを作成していないも
のがあった。
オ
自動車やパソコンの賃貸借契約において、落札者の決定後 7 日以内に契約を締結
しなければならないが、これを超えて契約しているものがあった。
カ
パソコンの購入に係る予定価格の算定において、標準価格が一番安価な機器を除
外したため、積算額が過大となっているものがあった。
キ
中古自動車の借上契約に係る予定価格の算定において、付属品を更新するための
費用を積算しているが、車両本体価格にも付属品価格を加えていたことから、契約
額が割高となっているものがあった。
ク
入札参加者の指名業者選考調書の内容の確認において、指定された者以外の者が
確認を行い記名押印しているものがあった。
《検討事項》
公立学校職員永年勤務者表彰の報償品である腕時計の購入契約事務は、各教育局単
位で行われているが、腕時計の規格等は全道的にほぼ同一であるため、経済性等の観
点から本庁において一括購入を行うよう検討する必要がある。
5
財産に係る事項
5-1
公有財産
《指摘事項》
苫小牧東部大規模工業基地の住宅団地用地として昭和48年から昭和53年までに先行
取得した早来地区及び鵡川地区の道有地は、平成16年度から一部を農地として暫定的
に貸し付けているが、大部分が未利用のまま長期保有となっており、有効活用が図ら
れていない。
(経済部)
《指導事項》
ア
庁舎や公宅の跡地などの未利用地のうち、利用見込みのない土地については、売
却等の処分に向けて、道内市町村や各金融機関、不動産協会を通じた各業者へのパ
ンフレットの配布やホームページの活用及び宅地建物取引業者による仲介制度の活
用等による周知に努めていることは認められるが、さらに処分の促進を図る必要が
ある。
イ
電柱の設置に係る公宅敷地の使用承認において、土地貸付料が徴収されていない
ものがあった。
ウ
行政財産の使用許可において、電気料等の加算料金が徴収されていないものがあ
った。
《検討事項》
実習船を資源調査に用いるための許可申請に対し、教育財産の使用許可を行ってい
るが、道が決めるべき使用料を相手側の申し出によっていること、また、資源調査と
同時に道の実習も行われていることなどから、委託契約の可否や教育財産の使用許可
の可否について検討する必要がある。
5-2
物
品
《指導事項》
ア
委託契約に基づき供与している物品について、その更新に係る経費を委託料で支
出しているが、物品の損耗度合い等の確認など、更新の必要性を検討しないまま購
入しているものがあった。
イ
購入及び借入れ等により取得した備品については、受入決定後、備品記録票の記
録を行うこととされているが、パソコン等について、この記録が行われていないも
のがあった。
ウ
物品供用員は、その所掌する物品のうち備品については、備品供用管理票により
供用の記録を行わなければならないが、この備品供用管理票が作成されていないも
のがあった。
エ
被服の貸付において、被服貸付規程では、貸付すべき被服の種類や時期を定めて
いるが、予算の配当があった後、特段の理由もなく、これを購入せず、貸付を行っ
ていないものがあった。
オ
郵便切手の翌年度への繰越数量については、物品購入等事務取扱要領において繰
越可能数量が定められているが、計画的な購入を行わなかったことなどから、同要
領で規定する数量を超えた繰越しが行われているものがあった。
カ
委託契約において、受託者から引渡しを受けた成果品は、生産品として受入の決
定を行い、物品として管理しなければならないが、この手続を行っていないものが
あった。
キ
実習用車両である大型特殊自動車について、使用頻度が極めて少なく有効に活用
されていないものがあった。
6
工事(技術)に係る事項
6-1
設
計
(1)
経済的な設計が可能であるもの
《指導事項》
河川災害復旧工事において、仮設道路の施工に当たり、敷鉄板とすべきところを盛
土としたため、設計金額が過大となっているものがあった。
(2)
経費の積算を誤っているもの
《指導事項》
防雪工事において、スノーシェルター基礎の施工に当たり、防寒囲いをする場合の
コンクリート打設用足場は、防寒囲い工で計上することとされているが、防寒囲い工
とコンクリート打設工の両方で計上したため、設計金額が過大となっているものがあ
った。
6-2
積
算
(1)
歩掛りの適用を誤っているもの
《指導事項》
ア
河川改修工事において、仮設矢板土留の施工に当たり、矢板の一部については、6
m以下の打込み歩掛とすべきところを全て10m以下としたため、設計金額が過大と
なっているものがあった。
イ
農道工事において、既設横断管の取壊しに当たり、コンクリート取壊しを無筋コ
ンクリートで積算すべきところを鉄筋コンクリートとしたため、設計金額が過大と
なっているものがあった。
ウ
砂防工事において、すき取り土を法面に覆土しているが、すき取り土法覆の歩掛
りを適用すべきところを盛土敷均しの歩掛りで積算したため、設計金額が過少とな
っているものがあった。
(2)
単価を誤っているもの
《指導事項》
ア
道路改良工事において、既設路盤材の運搬に当たり、地山状態の土量で単価を作
成すべきところをほぐれた状態の割増しした単価で積算したため、設計金額が過大
となっているものがあった。
イ
道路改良工事において、張芝の施工に当たり、 1 ㎡当たり単価の適用を誤ったた
め、設計金額が過大となっているものがあった。
ウ
住宅建築工事において、残土処理の単価作成に当たり、消費税相当額を控除しな
かったため、消費税が二重に積算され、設計金額が過大となっているものがあった。
エ
堆肥舎整備工事において、基礎地盤の強度確認のために平板載荷試験を行ってい
るが、単価の適用を誤ったため、設計金額が過大となっているものがあった。
オ
道路改良工事において、すき取り土を法面に覆土しているが、施工単価の作成に
当たり、使用する機械の運転経費を誤って積算したため、設計金額が過少となって
いるものがあった。
カ
堆肥製造施設工事において、堆肥貯蔵庫のシャッターの単価を見積りにより作成
しているが、査定率を誤ったため、設計金額が過少となっているものがあった。
(3)
数量を誤っているもの
《指導事項》
ア
道路改良工事において、伐根物の処理に当たり、盛土高が 1 m以上の場合は伐根
を行わないこととしているが、 1 m以上の部分を含めて処理数量を算定したため、
設計金額が過大となっているものがあった。
イ
農業高校設備工事において、屋外給水管の施工に当たり、既設アスファルトを一
部取り壊しているが、舗装厚を誤ったため、設計金額が過大となっているものがあ
った。
ウ
農道工事において、すき取り物を廃棄物処理するに当たり、すき取り土を土砂と
すき取り物に選別して処理数量を算定すべきところを選別せずに算定したため、設
計金額が過大となっているものがあった。
エ
農地整備工事において、用水管の施工に当たり、仮設土留工の面積を誤って積算
したため、設計金額が過大となっているものがあった。
オ
地すべり対策工事において、鋼管杭の打込みに当たり、打込み場所が傾斜地の場
合に必要な仮設足場の数量を、足場を必要としない平坦な場所も含めて積算したた
め、設計金額が過大となっているものがあった。
カ
運転免許試験場コース路面改修工事において、舗装補修面積を誤って積算したた
め、設計金額が過大となっているものがあった。
キ
魚道整備工事において、河川の締切りに伴う水替ポンプの据付撤去箇所数等を誤
って積算したため、設計金額が過少となっているものがあった。
ク
農道工事において、路盤の施工に当たり、路盤材(購入材)の数量を誤って積算
したため、設計金額が過少となっているものがあった。
ケ
河川改修工事において、魚道の施工に当たり、仮締切用鋼矢板の使用日数を誤っ
て積算したため、設計金額が過少となっているものがあった。
(4)
重建設機械の分解組立運搬費の算定が適切でないもの
《指導事項》
ア
道路改良工事において、橋桁の架設に当たり、100トン吊りトラッククレーンを
使用することとしているが、重建設機械に必要な運搬費を積算しなかったため、設
計金額が過少となっているものがあった。
イ
道路改良工事において、橋台基礎の掘削に当たり、油圧クラムシェルを使用する
こととしているが、重建設機械に必要な分解組立運搬費は、往復分として積算すべ
きところを、片道分としたため、設計金額が過少となっているものがあった。
ウ
河川改修工事において、護岸の施工に当たり、鋼矢板での仮締切を現場内で 3 回
転用して施工することとしているが、矢板打込み機械の分解組立運搬費は 、「打込
み」作業時 1 回 、「引抜き・打込み」作業時 2 回 、「引抜き」作業時 1 回の計 4 回
分積算すべきところを、 1 回分しか積算しなかったため、設計金額が過少となって
いるものがあった。
エ
道路改良工事において、橋台の施工に当たり、 2 箇所で鋼管杭打ちを行うことと
しているが、対岸へ移動する際の重建設機械に必要な分解組立運搬費を積算しなか
ったため、設計金額が過少となっているものがあった。
オ
道路改良工事において、鋼矢板による仮設土留の施工に当たり、矢板打込み機械
の分解組立運搬費は 、「打込み 」「引抜き」作業時の 2 回分積算すべきところを、
1回分しか積算しなかったため、設計金額が過少となっているものがあった。
カ
道路改良工事等において、50トン吊りクローラー式杭打機等の重建設機械を使用
することとしているが、これに必要な分解組立運搬費を積算していなかったため、
設計金額が過少となっているものがあった。
キ
学校改修工事等において、体育館等の解体に当たり、35トン吊りクローラクレー
ンを使用することとしているが、必要な分解組立運搬費を積算しなかったため、設
計金額が過少となっているものがあった。
(5)
必要な経費を積算していないもの
《指導事項》
ア
河川改修工事等において、仮設道路の施工に当たり、仮橋の設置や敷鉄板の敷設
を行っているが、必要な運搬費及び積卸費を積算しなかったため、設計金額が過少
となっているものがあった。
イ
農地整備工事において、仮設道路の施工に当たり、敷鉄板を現場内で転用してい
るが、これに伴う現場内運搬費を積算しなかったため、設計金額が過少となってい
るものがあった。
ウ
河川改修工事において、掘削土の捨土に当たり、土捨て場の容量を決定するため
に、地形調査や図面作成などを行わせているが、これらの費用を積算しなかったた
め、設計金額が過少となっているものがあった。
エ
用水路工事において、用水管の敷設に当たり、道路法面のすき取りを行っている
が、これに伴う選別、運搬及び処理に要する経費を積算しなかったため、設計金額
が過少となっているものがあった。
オ
治山工事において、山腹工の施工に当たり、伐開及び伐根を行っているが、これ
らの費用を積算しなかったため、設計金額が過少となっているものがあった。
カ
農地整備工事において、耕作道路の施工に当たり、不陸均しが必要であるにもか
かわらず、この経費を積算しなかったため、設計金額が過少となっているものがあ
った。
キ
農道工事において、すき取り土を法面に覆土しているが、施工に当たり、すき取
り土の仮置場所から施工場所までの運搬費を積算しなかったため、設計金額が過少
となっているものがあった。
ク
農道工事において、軟弱地盤箇所の暫定盛土の施工に当たり、沈下板を設置し施
工中の沈下量を測定しているが、沈下板の設置費のみで、測定費を積算しなかった
ため、設計金額が過少となっているものがあった。
ケ
庁舎解体工事において、コンクリート躯体の取壊しに当たり、バックホーを使用
することとしているが、この運搬費を積算しなかったため、設計金額が過少となっ
ているものがあった。
コ
道路改良工事において、橋台及び橋脚の施工に当たり、支障となる既設大型ブロ
ックを保管場所にトラック運搬しているが、荷卸し費を積算しなかったため、設計
金額が過少となっているものがあった。
(6)
諸経費等の補正が不適切なものなど
《指導事項》
ア
河川改修工事において 、「施工場所による補正」を行う必要のない条件下で共通
仮設費率、現場管理費率をそれぞれ補正して積算したため、設計金額が過大となっ
ているものがあった。
イ
治山工事等において、共通仮設費率、現場管理費率に「施工場所による補正」を
行わなかったため、設計金額が過少となっているものがあった。
(7)
機械の据付撤去の回数を誤っているもの
《指導事項》
ア
道路改修工事において、アンカー付き法枠の施工に当たり、アンカー打込み用機
械の据付撤去回数は、12回分とすべきところを、 6 回分しか積算しなかったため、
設計金額が過少となっているものがあった。
イ
地すべり防止工事において、集水井内での上下 2 段の横ボーリングの施工に当た
り、必要となる機械の据付撤去を 2 回分とすべきところを 1 回分としたため、設計
金額が過少となっているものがあった。
(8)
その他
《指導事項》
ア
農道工事において、道路土工の施工に当たり、すき取りを行い、土砂とすき取り
物にふるい分けして減量化した後、処分場に搬出することとされているが、これを
行わなかったため、設計金額が過大となっていた。また、当工事においては、取付
道路や排水工など必要な経費を積算していなかったため、設計金額が過少となって
いた。
イ
治山工事において、コンクリート法枠の施工に当たり、伐開や除根を行っている
が、これらの処理方法について特記仕様書に明示しておらず、また処理費も積算し
ていないため、設計金額が過少となっているものがあった。
ウ
用排水路工事において、排水路の施工に当たり、村道を使用し、片側交互通行規
制を行って施工しているが、交通誘導員を積算していなかったため、設計金額が過
少となっているものがあった。
6-3
その他
《指導事項》
ア
治山工事等において、コンクリート塊を処分する場合は、建設リサイクル法に規
定されている特定建設資材として、再資源化等に要する費用などを記載した「協議
書等」を落札者に提出させ、工事契約書に添付しなければならないが、これを行っ
ていないものがあった。
イ
海岸保全工事等において、コンクリートブロック等、工事に必要な資材を一部支
給材料としているが、工事契約書にはこの支給材料の取扱いについての条項が欠落
しているものがあった。
ウ
学校改築工事において、建設リサイクル法に規定されている特定建設資材である
木材の処分に当たり、当初協議書で定めていた施設では再資源化できないことが判
明したことから、施設を変更して処分しているが、必要な協議を行っていないもの
があった。
エ
公衆トイレ建築工事において、建築物がコンクリートブロック造で床面積が30㎡
を超える場合は、一級又は二級建築士である工事監理者を定めること、また、建築
物の床面積が10㎡を超える場合は、知事に建築する旨を届け出なければならないこ
ととされているが、これらを工事着手前に行っていないものがあった。
オ
肥料等保管施設建築工事において、最低制限価格の設定に当たり、現場管理費相
当額に係る算出方法を誤ったため、最低制限価格を高く設定しているものがあった。
7
経営管理に係る事項
《指摘事項》
北海道競馬の経営は 、「魅力ある番組編成づくり」や「広域場間場外発売」等、売
上げの拡大、収入の確保に努めた結果、発売額は当初計画を若干上回る達成率となっ
たが、依然として厳しい経営状況になっている。
8
(農政部)
その他の事項
8-1
公用車の交通事故
《指摘事項》
公用車による交通事故が発生し、賠償金や修繕費用の支出等があった。
(部局等名)
(件数)
檜山支庁
2
184万6,650円
留萌支庁留萌土木現業所
1
115万6,365円
網走支庁
3
307万2,696円
胆振支庁室蘭土木現業所
2
140万3,587円
62
3,429万8,659円
警察本部
(修繕費用等の額)
《指導事項》
上記部局の他、14部局において交通事故が発生し、賠償金や修繕費用の支出等をし
ているものがあった。
8-2
火災、盗難、行政事故等
《指摘事項》
ア
公宅で火災が発生し、 1 棟 2 戸のうち 1 戸の内部を全焼して、修繕費用として 1
件、58万1,250円の支出があった。
イ
(十勝支庁十勝森づくりセンター)
本庁舎一般駐車場横に設置していた仮設休憩所が、強風により駐車場内を移動し
たため、駐車車両14台を損傷させる事故が発生し、賠償金として14件、708万108円
の支出があった。
ウ
(総務部)
高等学校入学者選抜試験の事務処理において、試験合格者とすべき者を不合格者
とし、相手側に不要な支出をさせたため、その賠償金として、 1 件、30万9,480円
の支出があった。
(石狩教育局)
《指導事項》
ア
学校内の施設で火災が発生し、修繕費用を支出しているものがあった。
イ
学校内で盗難事故が発生し、道有物品に被害を生じているものがあった。
ウ
附属病院の駐車場受付小屋が強風により倒壊したため、駐車車両 2 台を損傷させ
る事故が発生し、賠償金を支出しているものがあった。
エ
歩道橋に設置していた啓発用横断幕の落下により、車両を損傷させる事故が発生
し、賠償金を支出しているものがあった。
オ
物品の損傷事故が発生し、修繕費用を支出しているものがあった。
カ
教師の生徒に対する生活指導の方法をめぐり、生徒から訴訟の提起があり、賠償
金を支出しているものがあった。
キ
船舶が着岸する際の係留綱により、駐車中の車両を損傷させ、賠償金を支出して
いるものがあった。
ク
道路交通法の照会に対する誤教示などにより、賠償金を支出しているものがあっ
た。
ケ
交通信号機等からの氷雪落下により、走行車両を損傷させるなどの事故が発生し、
賠償金を支出しているものがあった。
8-3
その他
《指導事項》
ア
職員が出張する際に、自家用車の公用使用承認を得ないで自家用車により旅行を
行っているものがあった。
イ
資金前渡員及び収入取扱員の所掌する現金等について、 3 月31日現在における部
内検査を行っていないものや、部局長への部内検査の結果を報告していないものが
あった。
Ⅱ 公営企業会計に係る定期監査結果
第1 監査の概要
1
監査の実施部局及び実施期間
監査は、公営企業会計に係る11部局について、平成17年1月から6月までの間に実施
した。
2
監査の主眼
監査は、平成16年度に係る財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理につい
て、合規性の視点や経済性、効率性及び有効性の視点から次の事項に重点を置いて実施
した。
3
ア
予算の執行について
イ
各種債権の収入確保について
ウ
報酬及び職員手当等の支給について
エ
旅費の執行について
オ
業務委託・物品借上げ・物品購入に係る契約の執行について
カ
公共工事に係る入札・契約手続について
キ
財産の管理について
ク
工事(技術)の執行について
ケ
補助金の執行について
コ
経営の健全化について
監査の実施方法
(1)
監査は、監査実施部局すべてについて、実地監査により実施した。
会
計
区
分
病 院 事 業 会 計
監
査
実
施
部
局
保健福祉部(道立病院管理室)
道立病院
江差病院、寿都病院、紋別病院、北見病院
羽幌病院、緑ヶ丘病院、向陽ヶ丘病院
釧路病院、苫小牧病院
電気事業会計及び
企業局
工業用水道事業会計
(2)
実地監査については、監査実施部局から監査資料の提出を求め、抽出の方法により
事務事業を選定し、決定書、支出(支払)証拠書類、その他関係書類について、その
内容を確認するとともに、関係職員から聞き取るなどの方法により実施した。
4
監査結果の区分
監査の結果については、是正又は改善を求めることとした事項を、次により指摘事項、
指導事項及び検討事項に区分した。
なお、指摘事項については、部局名を記載することとした。
《指摘事項》
ア
法令、条例、規則又は通達に違反しているもの
イ
収入確保に適切な措置を要するもの
ウ
予算を目的外に支出しているもの
エ
予定価格の算定に誤りがあり、契約金額が正当な積算金額を上回っているもの
オ
経済性、効率性、有効性の見地から改善を要するもの
カ
経営の健全化を図る必要があるもの又は事業の管理運営に改善を要するもの
キ
火災事故等が発生しているもの
《指導事項》
上記のうち軽易と認められるもの
《検討事項》
改善を求める事項の発生が制度に起因していると認められるものなどで、その改善に
ついて検討を要するもの
5
指摘事項等の件数
監査の結果、指摘事項及び指導事項としたものの件数は、次のとおりである。
第2
1
区
分
指摘事項
総
則
1
予
算
1
収
入
1
支
出
1
6
7
契
約
3
7
10
財
産
4
4
事業の経営
2
計
9
指導事項
検討事項
計
1
5
6
1
2
22
31
監査の結果
総則に係る事項
《指摘事項》
窓口等における収納現金の出納機関への払込みは、現金取扱員(企業出納員を含
む 。)が行わなければならないが、各病院において、当該払込みを恒常的に現金取
扱員以外の者に行わせていた。
2
(道立病院管理室)
予算に係る事項
《指摘事項》
エレベーター等保守管理業務等において、予算配当がない年度開始前に契約を締
結していた。
(寿都病院)
《指導事項》
ア
業務委託等契約に係る予定価格調書の作成は、予算執行行為であるが、予算配
当がない年度開始前に予定価格調書の作成を行っているものがあった。
イ
立木の処分において、除却として会計処理をしなければならないが、これを行
っていないものがあった。
3
収入に係る事項
《指摘事項》
医業未収金において、納期限までに収入金が完納されていないにもかかわらず、
督促状を発付していなかった。
4
(北見病院)
支出に係る事項
4-1 諸手当
《指導事項》
夜間看護業務手当の支給において、支給要件等を誤ったため、支給額に過不足を
生じているものがあった。
4-2
旅費
《指導事項》
ア
委嘱医が旅行したときに支給される費用弁償において、旅行命令簿を作成して
おらず、未支給となっているものがあった。
イ
委嘱医の旅費の執行において、委嘱した道立病院に到着した日に宿直勤務を行
った場合、宿泊料は、食卓料相当額を支給することとされているが、この額と異
なる額を支給したため、過払いとなっているものがあった。
ウ
外国旅行の旅行命令において、旅費を概算請求するときは旅行業者の見積書
及び航空会社の運賃等級区分等が判別できる書類を添付することとされているが、
これらの書類を添付していないものがあった。
4-3
使用料及び賃借料
《指導事項》
タクシー、土地及び建物の借上げにおいて、支出負担行為の決定をしないまま、
支出を行っているものがあった。
4-4
その他の支出
《指摘事項》
使用料や負担金の執行において、支出負担行為の決定をしないまま、支出を行っ
ていた。
5
5-1
(寿都病院)
契約に係る事項
工事契約
《指摘事項》
院内改修工事の請負契約の締結において、契約の相手方が契約保証金の免除規定
に該当しないにもかかわらず、契約保証金を納付させていなかった。
(北見病院)
《指導事項》
ア
庁舎の蒸気ボイラー設備取替工事において、共通仮設費及び現場管理費等の諸
経費の率を誤って適用したため、設計金額が過大となっているものがあった。
イ
建設工事等において、予定価格が500万円を超える工事の請負の契約に係る競争
入札を行おうとするときは、最低制限価格制度等を適用して行うこととされてい
るが、これを行っていないものがあった。
5-2
委託契約
《指摘事項》
廃棄物処理業務に係る委託契約において、収集・運搬の業務と処分業務を別々に
契約することとして、指名選考を行っているにもかかわらず、これらを一つの業務
として入札を行っていた。
(向陽ヶ丘病院、北見病院)
《指導事項》
ア
厨房清掃等業務委託契約において、予定価格の積算金額を特段の理由もなく切
り上げた金額を予定価格としたため、契約額が割高となっているものがあった。
イ
医事業務委託契約における窓口用の釣銭について、受託者の用意した現金を釣
銭や釣銭用の両替金として使用しているものがあった。
5-3
その他の契約
《指導事項》
ア
電子計算機器の賃貸借契約において、本来、競争入札に付すべきものを一者と
の随意契約により行う場合は、入札参加者指名選考委員会の審議を経ることとさ
れているが、この審議が行われていないものがあった。
イ
委託契約等において、落札者の決定後 7 日以内に契約を締結しなければならな
いが、これを超えて契約しているものがあった。
ウ
被服の購入契約において、入札は仕様書で示した数量で行っていたが、契約は
これと異なる数量で行っているものがあった。
6
財産に係る事項
6-1
固定資産
《指導事項》
立木の移植において、仮植の用地として土地を長期間借り受けているが、書面に
よる手続を行っていないものがあった。
6-2
物
品
《指導事項》
ア
業務委託契約において物品を受託者に供与する場合は、物品の払出しの決定を
し、物品受領書を徴して相手方に引き渡さなければならないが、これらを行って
いないものがあった。
また、期間満了に伴い物品の返納を受けた場合は、物品の受入れの決定をし、
物品受領書を相手方に返還しなければならないが、これらを行っていないものが
あった。
イ
物品を廃棄する場合は、不用の決定をし、物品払出決議書により廃棄の決定を
することとされているが、これらを行っていないものがあった。
7
事業の経営に係る事項
《指摘事項》
ア
病院事業の経営は、当年度の純損失が前年度より1,133万2,337円増加の14億4,273万
8,451円となり、この結果、累積欠損金も561億2,454万2,334円となっており、依
然として厳しい経営状況にあるため、引き続き経営の改善を図る必要がある。
(道立病院管理室)
イ
工業用水道事業の経営は、当年度の純損失が前年度より3,111万3,728円減少の
2億8,130万8,612円となったものの、累積欠損金は21億4,967万3,732円となってお
り、依然として厳しい経営状況にあるため、引き続き経営の改善を図る必要があ
る。
(企業局)
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