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保税研修(役員対象)資料3
平成28年4月 (名古屋税関保税会役員対象研修会) 名古屋税関 監視部 保税検査第1部門 1 本日の説明 保税業務検査 非違の概要 非違への対応策 内部監査・教育訓練 の重要性と監査事項 2 保税業務検査 ―検査の目的― 法令の義務規定、許可条件の遵守状況の確認 貨物管理に関する適正な手続きの履行状況の確認 貨物の亡失等の防止策等の保全対策の確認 上記について将来的に確保し得る体制があるか否かを確認す ることにより、保税行政上の秩序の維持及び保税地域の健全な 運営を確保し、国際物流のサプライチェーンの一翼を担う保税 地域において厳格な貨物管理を実現することで、国際物流の安 全確保と円滑化の両立に寄与することを目的とする。 3 保税業務検査 ―検査の権限― 関税法第105条 税関職員は、この法律又は関税定率法その・・・職務を遂行するた め必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に 掲げる行為をすることができる。 1. 外国貿易船等、外国貿易船等以外の・・・保税地域にあり、若しくは 保税地域に出し入れされる貨物又はこれらの貨物以外の外国貨 物について、所有者、占有者、管理者・・・その他関係者に質問し、 若しくは検査し・・・関係書類を提示させ、若しくは提出させること。 2. 前号に掲げる貨物についての帳簿書類を検査し、又は当該貨物若 しくはそのある場所に封かんを施すこと。 4 保税業務検査 ―検査方法(1)― 検査蔵置場等の事前に把握する事項 過去の検査状況提出済みの書類の確認(各種許可・ 承認・届出等) 同様の貨物を扱う蔵置場等との比較(見本の一時持 出・貨物取扱い状況等) 提出済のCP等の確認 5 保税業務検査 ―検査方法(2)― 蔵置場等の現場検査で把握する事項 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 貨物管理責任者・担当者等からの聞き取り調査 保税台帳の記載事項等の確認 長期在庫貨物等の在庫確認 貨物管理状況の確認(区分蔵置・さし札等) 蔵置場等の範囲の現場確認 保全措置の現場確認 工事箇所等の現場確認 従業員等に対する管理能力の把握 その他 6 保税業務検査 ―具体的確認事項(1)― 社内管理責任体制の状況確認 貨物管理手続等の確認 搬入・搬出の管理状況 蔵置管理状況 貨物取扱等の状況 記帳・記録等の保管状況 その他(顧客管理等) 貨物保全のための体制の確認 税関への通報体制の確認 7 保税業務検査 ―具体的確認事項(2)― 教育訓練についての状況確認 実施状況保税業務検査 実施対象者(役員・従業員及び委託先役員・従業員) 評価・監査制度の実態及び実施状況確認 実施状況(毎年1回以上) 結果報告(税関への報告) 結果についての改善策等の確認 その他留意事項の確認 懲戒規定の確認 その他必要事項 8 保税業務検査 ―検査結果の取扱― 各蔵置場等に対し、保税業務検査結果を次回検査の参 考資料にするため、評定を作成し管理している。 過去の検査結果をもとに状況分析を行い、研修等の内 容及び資料作成の参考としている。 蔵置場等の保税業務検査の着眼点等の参考としている。 9 非違の概要 ―検査第1部門における検査結果― 非違発生 1% 指摘・指導 事項あり 23% 指摘・指導 事項なし 76% 2015.1~2015.12 10 非違概要 ―全国の税関における非違の発見端緒― その他 14% 業務検査 37% 申し出 49% 2016.1~2015.12 11 非違概要 ―全国税関における非違の態様― 未許可他所蔵置 1% 未承認滅却 蔵入延長申請 1% 3% 未承認保税運送 1% 収容能力未届 8% 記帳義務違反 86% 2015.1~2015.12 12 非違の概要 ―全国の税関における主な非違の態様― 輸出 誤搬出~記帳義務違反 輸入 見本持出の搬出確認漏れ 許可未済貨物の搬出 保税台帳未作成(電磁記録の未取得) その他 収容能力の届出(工事届未提出、保税地域の貸借) 13 非違の概要 ―指導事項― 社内管理規定(CP)を理解していない 社内監査の未実施、未提出及び監査内容が不十分 教育訓練が未実施、実施記録がない。 見本持出許可貨物の搬出日記帳漏れ 電磁記録台帳とするNACCS管理資料の取り忘れ、未保存 保税エリアの認識不十分 必要書類の保存漏れ 貨物と関係書類との対査確認が不十分 許可条件を把握していない 蔵置貨物の内国貨物と外国貨物の区別・確認がされていない 法定記載事項を把握していない 外国貨物に対する取扱について、許可を要する行為を把握していな い 14 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 保税業務検査において、長期蔵置貨物情報と長期蔵 置貨物報告書を対査確認したところ、バンニング情報登 録漏れであったため、未記帳となっていた。 15 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 蔵置場の保税担当者は、輸入混載貨物が到着したこと から、当該貨物のデバン作業を行い、貨物を倉庫内に蔵 置したが、デバン作業後すぐに、輸出許可済貨物のバン ニング作業も行った。 この際、担当者は輸出許可書と貨物との対査確認を 怠ったため、当該輸出許可済貨物の近くに蔵置された先 ほど搬入した輸入混載貨物のうちの1PPについて、誤っ て輸出許可済貨物とともにバンニングして搬出した。 16 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 保税部門窓口に滅却承認申請があったが、その際、窓 口に滅却貨物である消火器 1個を持参していたため、 承認を受ける前に外国貨物を蔵置場から搬出したことが 判明した。 17 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 一つの貨物に2件の見本持出許可。 同日、見本持出し 搬出確認を行ったが、この時保税担当者は2件分の確認 を実施したが、NACCSの登録担当者に確認内容の報告 をしていなかったため、数量、金額、荷主等が同じである 2件の見本持出について、1件分の搬出登録(MHO(見 本持出確認登録))しか行わなかった。 18 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 保税運送の貨物について、担当者は輸入許可済貨物と思い込 んだことから、NACCSの搬入確認登録をおこなっていなかった。 当蔵置場から、1か月以上経過してNACCSの搬入確認登録を 行ったとの連絡が税関にあったことから税関が蔵置確認を行った ところ、輸入許可未済貨物をすでに搬出していた。 19 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 民間管理資料取得を怠ったことによる保税帳簿未作 成10,134件。新規担当者が民間管理資料の取得は、 「1年後に行えば良い」との引継ぎを受け、8か月間に おいて当該資料の取得がおこなわれず また、責任者 による確認もされていなかった。 (搬入停止20日) 20 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) 保税業務検査時にマニュアル保税台帳の記載内 容に疑問があったため当該保税台帳の写し及び記 載内容に係る書類の提示を求めたところ検査に立 ち会っていた所長(貨物管理責任者)が自ら別室に おいて当該保税台帳を書換えた後複写し、当該写 しを検査官へ保税台帳原本として提示し、原本を廃 棄した。 (搬入停止2日) 21 非違の概要 ―全国の非違から― (記帳義務違反) A社E保税蔵置場あてに保税運送承認された貨物 が、A社S保税蔵置場に到着した。 保税担当課長(貨 物管理責任者)は、当該貨物の到着地が保税運送承 認書の到着地と違っていることを認識しながら、そのま ま同社S保税蔵置場において入庫票を作成のうえ搬 入し、NACCSの搬入登録はE保税蔵置場に搬入した ものとして虚偽の入力(記帳)を行った。 輸入者から 同社に対し、輸入申告書の蔵置場所が違っているの で、税関に行くように言われ、保税担当課長(貨物管 理責任者)が税関に申し出、非違が発覚した。 (搬入停止12日) 22 非違の概要 ―全国の非違から― (収容能力未届) 保税蔵置場の一部について、同社営業担当者とA社 で、平成24年9月1日から1年間の賃貸借契約が結ば れ、その後、同契約は更新され現在に至っている。当該 賃貸部分には内国貨物のみを保管する目的であり、保 税蔵置場許可部分の一部を他社に貸し出すことについ て、当時の総合責任者に外国貨物を置きさえしなければ 何ら税関手続きは不要であるという認識があったため、 関税法第44条第1項に規定する「貨物収容能力増減等 の届」の届出を怠っていたものである。 23 非違への対応 発生原因を追究する。 発生原因を排除する実行性のある改善策を立てる。 改善策等について、職員に教育訓練での周知徹底を 図る。 社内監査等で改善策の実行性を確認し、更なる改善 に取り組む。 24 内部監査・教育訓練の重要性と監査事 項 内部監査とは 社内管理規定の諸手続が厳格に遵守され、かつ、実施されて いることを確認するため、内部監査人による定期的評価・監査 制度を制定し、社内管理規定の実行性の評価改善のための 勧告を行う。 教育訓練とは 倉主等が法人である場合は、当該法人におけるすべての役員 及び従業員に対して、社内管理規定の方針及び手続きを理解 させ、関係法令の遵守、税関周知事項の徹底、社内管理規定 における各人職務を明確に把握させる。 25 ご清聴ありがとう御座いました。 26