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MPLS トラフィックに対する QoS の 設定

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MPLS トラフィックに対する QoS の 設定
C H A P T E R
20
MPLS トラフィックに対する QoS の
設定
Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)は、レイヤ 2(デー
タ リンク レイヤ)スイッチングのパフォーマンスおよび機能と、実績のあるレイヤ 3(ネットワー
ク レイヤ)ルーティングのスケーラビリティを兼ね備えています。サービス プロバイダーは MPLS
を使用することにより、ネットワーク利用率を大幅に高めるという課題を解決すると同時に、既存
のネットワーク インフラストラクチャを犠牲にすることなくサービスの差別化を実現できます。柔
軟性に優れた MPLS アーキテクチャは、さまざまなレイヤ 2 テクノロジーと組み合わせて利用でき
ます。
Cisco 10000 シリーズ ルータは、すべてのレイヤ 3 プロトコルで MPLS をサポートしています。
この章では、MPLS 対応ネットワークの QoS(Quality of Service)について説明します。この章の内
容は、次のとおりです。
•
MPLS QoS(p.20-2)
•
MPLS CoS マルチ VC モード(p.20-13)
•
MPLS DS-TE(p.20-19)
•
VRF 単位の AAA(p.20-32)
•
関連資料(p.20-33)
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-1
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
MPLS QoS
MPLS QoS を利用すると、サービス プロバイダーは MPLS ネットワーク内のさまざまなタイプのト
ラフィックに対して、さまざまなレベルの QoS サービスを提供できます。MPLS を使用すると、パ
ケットの QoS を「トンネリング」できます。サービス プロバイダーは、パケットの IP precedence
または Differentiated Service Code Point(DSCP)フィールド値を変更することなく、パケットのタイ
プ、入力インターフェイス、およびその他の要素に基づいてパケットを分類できます。
IP precedence および DSCP フィールドを使用すると、IP パケットの QoS を指定できます。MPLS
Experimental(EXP)フィールド(IP ヘッダー内の 3 ビットで構成される)を使用すると、MPLS パ
ケットの QoS を指定できます。EXP フィールドは差別化サービスのサポートに使用されます。EXP
フィールドでは、IP precedence または DSCP フィールドにエンコードされるすべての情報を伝送で
きます。EXP ビットは、トラフィック クラス内で廃棄優先順位をエンコードするためだけに使用
される場合もあります。
ルータはパケットの Class of Service(CoS; サービス クラス)設定に基づいて QoS サービスを適用
します。IP precedence フィールドで CoS が指定されている場合、ルータは IP precedence マーキング
に基づいてパケットを処理します。MPLS ネットワークの場合、ルータはネットワーク エッジで IP
precedence ビットを MPLS EXP フィールドにコピーします。ただし、提供するサービスによっては、
MPLS EXP フィールドを IP precedence 値と異なる値に設定する必要が生じる場合があります。この
場合、MPLS QoS では、パケットがプロバイダー ネットワークを通過する際に、パケットの IP
precedence や DSCP の設定を変更せずにそのまま維持することが可能です。輻輳が発生した場合、
パケットは MPLS EXP の設定に基づいて適切なプライオリティを受け取ります。
EXP ビットは、Per-Hop Behavior(PHB)と無関係にマーキングできます。IP precedence フィールド
値を上書きすることなく、MPLS EXP フィールドを設定できるため、さまざまな基準(IP PHB に基
づく基準を含む)の中から、パケットを分類するための基準や、MPLS EXP フィールドを設定する
ための基準を選択できます。たとえば、サービス プロバイダーがパケットを分類する場合は、PE1
が受信するパケットのレートを考慮したり、無視したりすることができます。レートを考慮する場
合、サービス プロバイダーは適合パケットと不適合パケットにそれぞれ異なるマーキングを設定で
きます。
パケットが MPLS ネットワークを通過する際に、IP パケットのマーキング値は変化しないため、IP
ヘッダーは引き続き利用できます。場合によっては、MPLS PHB を Provider Edge(PE; プロバイダー
エッジ)ルータと Customer Edge(CE; カスタマー エッジ)ルータの間の出力インターフェイスに
拡張する必要があります。このようにすると、MPLS QoS トンネルを延長した場合と同じ効果が発
生し、MPLS ネットワークの所有者は、この最終インターフェイスでスケジューリング動作および
廃棄動作を分類することができます。
MPLS QoS の機能履歴
Cisco IOS リリース
Release 12.0(19)SL
説明
Release 12.0(22)S
この機能が拡張されて、MPLS EXP フィールドに基づく分 PRE1
類およびマーキングが可能になりました。
PRE2
この機能が PRE2 に導入されました。
Release 12.2(16)BX
Release 12.2(28)SB
MPLS QoS 機能が PRE1 に導入されました。
必要な PRE
PRE1
この機能が、PRE2 の Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合さ PRE2
れました。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-2
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
MPLS QoS サービス
MPLS EXP フィールドを使用すると、MPLS パケットの QoS を指定でき、IP precedence および DSCP
フィールドを使用すると、IP パケットの QoS を指定できます。MPLS EXP フィールドを設定する
と、ルータは IP パケットがネットワークを通過する際に、IP パケットの IP precedence または DSCP
フィールドを変更しません。
MPLS QoS は次の QoS サービスをサポートします。
•
ポリシング ― 入出力伝送レートに従ってパケットを分類します。MPLS EXP、IP precedence、
または DSCP ビット(いずれか該当するもの)を設定することができます。ポリシングの詳細
は、第 6 章「トラフィック ポリシング」を参照してください。
•
Weighted Random Early Detection(WRED; 重み付きランダム早期検出)― ネットワーク トラ
フィックをモニタし、IP precedence 値、DSCP 値、MPLS EXP 値、または廃棄クラス値に基づ
いてパケットをドロップします。WRED の詳細は、第 11 章「パケット キューの輻輳管理」を
参照してください。
•
Class-Based Weighted Fair Queuing(CBWFQ; クラス ベース均等化キューイング)― キューイン
グ アルゴリズムを使用して、ネットワーク トラフィックのさまざまなクラスに帯域幅を割り
当てる自動スケジューリング システム。CBWFQ の詳細は、第 12 章「輻輳時の帯域幅の均等
分配」を参照してください。
MPLS トンネリング モード
MPLS QoS は、次のトンネル モードを使用して MPLS パケットに QoS を提供します。
•
均一 ― ネットワーク全体で PHB の均一性を確保します。このモードでは、MPLS ネットワー
クのすべてのカスタマーは、同じ優先設定を使用します。
•
ショート パイプ ― (デフォルト)MPLS ネットワーク全体に(IP PHB レイヤの上に)別の
MPLS PHB レイヤを提供します。このモードでは、カスタマーは独自の IP PHB マーキング方
式を実行します。
•
パイプ ― ショート パイプ モードと似ています。相違点は、PE ルータの出力側にある出力イン
ターフェイスで、ドロップ動作およびスケジューリング動作に関してパケットを分類するとき
に、MPLS PHB レイヤが使用されることです。このモードでは、サービス プロバイダーはカス
タマー設定を認識することなく、パケットのスケジューリングやドロップを行います。
図 20-1 に、カスタマー ネットワークの 2 つのサイトを接続する、サービス プロバイダーの MPLS
ネットワークを示します。ネットワークでこれらの機能を使用するには、Modular QoS CLI(MQC;
モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)を使用して、PE1(入力 Label Switching Router
[LSR; ラベル スイッチング ルータ ])で MPLS EXP フィールド値を設定します。これにより、MPLS
パケットに QoS 値が設定されます。
図 20-1
カスタマー IP ネットワークの 2 つのサイトを接続する MPLS ネットワーク
MPLS
MPLS
IP
IP
A
B
PE1
P1
P2
PE2
CE2
41867
CE1
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
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第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
ショート パイプ トンネル モードは、ラベル ディスポジション時に MPLS EXP 値を廃棄します。ラ
ベル ディスポジション後に MPLS EXP ベースの分類を有効にするには、着信インターフェイスで
EXP 値を qos-group 値にマッピングし、発信インターフェイスで qos-group を使用してパケットを異
なる複数のクラスに分類します。ただし、発信インターフェイスの WRED は、廃棄された EXP 値
ではなく IP Type of Service(ToS; タイプ オブ サービス)値を引き続き使用します。
Cisco 10000 シリーズ ルータは、均一モードをイネーブルにする propagate-cos コマンドをサポート
していません。ルータはディスポジション時に MPLS EXP 値をパケットの IP ヘッダーにコピーし
ません。ただし、着信インターフェイスで EXP 値を qos-group 値にマッピングし、発信インター
フェイスでこの qos-group 値を使用して IP ToS 値を設定する場合を除きます。
MPLS トラフィックにおける QoS の動作
Cisco 10000 シリーズ ルータは、MPLS パケットの IP ヘッダーベースの分類を無視します。つまり、
MPLS パケットに埋め込まれた IP ヘッダーを使用して、MPLS パケットを個別のクラスに分類する
ことはできません。サービス プロバイダーがトラフィック クラスに対して qos-group または
input-interface match ステートメントを設定している場合を除いて、ルータは MPLS トラフィックを
class-default クラスに属するものとして分類します。
ルータが後にタグ付けする着信 IP パケットには標準の QoS 処理が適用されます。タグ付きで受信
された発信 IP パケットには、標準の QoS 処理が再度適用されます。
precedence ベースの WRED は、MPLS パケットの MPLS EXP 値を使用します。
MPLS インポジションが行われると、デフォルトでルータはプッシュされたすべてのラベルの EXP
値をパケットの IP precedence 値に設定します。ラベル スワップが行われると、新しいラベルはス
ワップされたラベルの EXP 値を保持します。デフォルトの EXP 設定は、set または police コマンド
によって変更される可能性があります。
輻輳時の MPLS QoS およびパケット プライオリティ
ルータは、送信元アドレス、宛先アドレス、ポート、プロトコル ID、または CoS フィールドなど
の分類およびマーキング基準に基づいて、パケットを分類します。パケットの分類は各パケットの
プライオリティと、ルータにおける輻輳時のパケットの処理方法(パケットの転送または廃棄など)
を左右します。
たとえば、サービス プロバイダーはカスタマーと Service Level Agreements(SLA; サービスレベル
契約)を結びます。この契約では、サービス プロバイダーが提供を保証するトラフィック量が規定
されます。契約レートに準じたパケットは適合パケットとみなされ、契約レートに準じていないパ
ケットは不適合パケットとみなされます。輻輳が発生すると、ルータは適合パケットを優先的に処
理して、不適合パケットを積極的に廃棄する可能性があります。
MPLS QoS をサポートするインターフェイス
ここでは、MPLS QoS のインターフェイス サポートについて説明します。
•
ルータは、MPLS がイネーブルに設定された入力および出力インターフェイスで match mpls
experimental topmost コマンドをサポートします。
•
set mpls experimental imposition コマンドおよび set mpls experimental コマンドは、CE ルータ
に 接 続 さ れ て い る PE ル ー タ の 入 力 イ ン タ ー フ ェ イ ス で サ ポ ー ト さ れ ま す。MPLS QoS
Differentiated Services(DiffServ; 差別化サービス)トンネリング モデルのパイプ モードでは、
CE の入力インターフェイスでもこれらのコマンドが利用できます。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
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第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
(注) set mpls experimental imposition コマンドは set mpls experimental コマンドに代わるコ
マンドです。ルータがサポートしているのは下位互換性のみです。set mpls experimental
imposition コマンドを使用することを推奨します。
•
police コマンドの set-mpls-exp-imposition-transmit アクションは、CE に接続された PE の入力
インターフェイスのみでサポートされます。
•
mpls ip encapsulate explicit-null コマンドは、PE に接続された CE ルータのインターフェイスで
サポートされます。このコマンドは、MPLS QoS DiffServ トンネリング モデルのパイプ モード
のみで使用されます。
MPLS QoS の実行
出力ポリシー マップに precedence ベースの WRED が設定されていて、発信パケットが MPLS パケッ
トである場合、ルータは元の IP パケットの IP precedence フィールドの 3 ビットを使用するのでは
なく、MPLS ラベルの 3 つの EXP ビットに基づいて MPLS パケットをドロップします。
出力ポリシー マップに DSCP ベースの WRED が設定されていて、発信パケットが MPLS パケット
である場合、ルータは元の IP パケットの DSCP フィールドの 6 ビットを使用するのではなく、MPLS
ラベルの 3 つの EXP ビットに基づいて MPLS パケットをドロップします。ルータは 3 つの EXP ビッ
トを左にシフトさせて 6 ビットにします。たとえば、EXP ビットの値が 5(バイナリの 101)の場
合、ルータはこれをバイナリ 101000 に変換して(6 ビットの DSCP フィールドのように見せて)、
この値に基づいてパケットをドロップします。
トラフィック クラスで set および police コマンドを設定する場合、入力または出力ポリシー マップ
に関係なく、police コマンドは set コマンドの後で処理されます。つまり、police コマンドで実行さ
れる値は、set コマンドで設定される値よりも優先されます。指定できる値は IP precedence、DSCP、
qos-group、MPLS experimental imposition、discard-class、または Asynchronous Transfer Mode(ATM;
非同期転送モード)CLP ビットです。
discard-class には 0 ∼ 7 の番号を、qos-group には 0 ∼ 63 の番号を指定できます。
MPLS QoS の制限事項
set mpls experimental imposition topmost コマンドは、このルータでサポートされていません。
入力 LSR での MPLS QoS の設定
LSR は入力 PE ルータ(最後から 2 番めのホップのプロバイダー ルータ)です。MPLS EXP フィー
ルドの設定は、LSR の非 MPLS インターフェイスに着信し、MPLS インターフェイスから発信され
るパケットのみに有効です。したがって、MPLS インターフェイスからパケットが発信されるとき
に MPLS EXP ビットを設定できるのは、入力サービス ポリシーのみです。パケットが MPLS イン
ターフェイスに着信する場合、MPLS EXP フィールドの設定は作用しません。
パケットの QoS は、発信 IP パケットの IP ヘッダーによって左右されます。全般的な説明について
は、『Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide』を参照してください。
パケットの QoS は、発信 MPLS パケットの最上位ラベルの MPLS EXP フィールドによって左右さ
れます。全般的な説明については、『MPLS Class of Service』を参照してください
入力 LSR で MPLS QoS を設定するには、次の設定作業を実行します。
•
クラス マップによる IP パケットの分類(p.20-6)
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
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第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
•
ポリシー マップによる MPLS EXP フィールドの設定(p.20-7)
•
インターフェイスに対する MPLS QoS サービス ポリシーの付加(p.20-8)
クラス マップによる IP パケットの分類
クラス マップを使用して IP パケットを分類するには、グローバル コンフィギュレーション モード
から開始して、入力 LSR で次のコマンドを入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# class-map class-map-name
クラス マップを作成または変更します。
ステップ 2
Router(config-cmap)# match mpls
experimental topmost value
class-map-name ― クラス マップの名前
(任意)トラフィックの分類に使用する MPLS EXP ビット
の値を指定します。
(注)
ステップ 3
Router(config-cmap)# match criteria
MPLS EXP ベースの分類は、入力 PE、出力 PE、プ
ロバイダー(P)、または最後から 2 番めの P ルー
タで設定できます。このコマンドを使用できるの
は、PRE2 に限定されます。
ルータがこのトラフィック クラスにパケットをマッチン
グさせる基準を定義します。
criteria ― マッチング タイプ(precedence または DSCP レ
ベルなど)
マッチング タイプの詳細は、
「match コマンドによる一致基
準の定義」(p.2-6)を参照してください。
クラス マップによる IP パケットの分類の設定例
次の例では、一致基準として MPLS EXP 4 が定義された exp4 という名前のクラス マップが作成さ
れます。ルータは EXP ビットが 4 に設定されているすべてのパケットを、exp4 トラフィック クラ
スに属するパケットとして分類します。
Router(config)# class-map match-all exp4
Router(config-cmap)# match mpls experimental topmost 4
Router(config-cmap)# end
次の例では、一致基準として IP precedence 4 が定義された IP_prec4 という名前のクラス マップが作
成されます。ルータは IP precedence 4 を含むすべてのパケットを IP_prec4 トラフィック クラスに属
するパケットとして分類します。
Router(config)# class-map match-all IP_prec4
Router(config-cmap)# match ip precedence 4
Router(config-cmap)# end
次の例では、一致基準として http という名前の Access Control List(ACL; アクセス コントロール リ
スト)が定義された http という名前のクラス マップが作成されます。ルータは ACL http に一致す
るすべてのパケットを http トラフィック クラスに属するパケットとして分類します。
Router(config)# class-map match-all http
Router(config-cmap)# match access-group name http
Router(config-cmap)# end
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
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OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
次の例では、一致基準として DSCP AF41 が定義された af41 という名前のクラス マップが作成され
ます。ルータは IP DSCP バイナリ値 100010 を含むすべてのパケットを af41 トラフィック クラスに
属するパケットとして分類します。
Router(config)# class-map match-all af41
Router(config-cmap)# match ip dscp af41
Router(config-cmap)# end
ポリシー マップによる MPLS EXP フィールドの設定
特定のトラフィック クラスに属するパケットの MPLS EXP フィールドを設定するには、グローバ
ル コンフィギュレーション モードから開始して、次のコマンドを入力します。
(注)
ステップ 1
ステップ 3 ∼ 6 のコマンドは任意ですが、MPLS EXP フィールドを設定するには、いずれか 1 つの
コマンドを設定する必要があります。ルータが EXP ビットを設定するのは、MPLS インターフェ
イスを使用するルータからパケットが発信される場合です。MPLS インターフェイスにパケットが
着信した場合、ルータが EXP ビットを設定しません。EXP ビットを設定できるのは、非 MPLS イ
ンターフェイスに着信して、MPLS インターフェイスから発信されるパケットのみです。
コマンド
目的
Router(config)# policy-map policy-map-name
特定のトラフィック クラスで実行される QoS アクショ
ンを指定するポリシー マップを作成または変更します。
policy-map-name ― ポリシー マップの名前
ステップ 2
Router(config-pmap)# class class-map-name
ステップ 3
Router(config-pmap-c)# police [cir] bps
[bc] burst-normal [be] burst-excess
[conform-action
set-mpls-exp-imposition-transmit]
[exceed-action action] [violate-action
action]
(任意)ビット / 秒(bps)に基づくトラフィック ポリシ
ングを設定し、そのレートに適合するすべてのパケット
の MPLS EXP フィールドを設定します。
Router(config-pmap-c)# police {cir cir}
[bc] burst-normal [pir pir]
[be] peak-burst [conform-action
set-mpls-exp-imposition-transmit]
[exceed-action action] [violate-action
action]
(任意)Committed Information Rate(CIR; 認定情報速度)
および Peak Information Rate(PIR; 最大情報レート)を
使用してトラフィック ポリシングを設定し、そのレー
トに適合するすべてのパケットの MPLS EXP フィール
ドを設定します。
ポリシー マップにトラフィック クラスを割り当てま
す。ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション
モードを開始します。
class-map-name ― 設定済みのクラス マップの名前
ステップ 4
詳細は、第 6 章「トラフィック ポリシング」を参照し
てください。
詳細は、第 6 章「トラフィック ポリシング」を参照し
てください。
ステップ 5
police [cir] percent percent [bc]
normal-burst-in-msec [pir pir]
[be] excess-burst-in-msec [conform-action
set-mpls-exp-imposition-transmit]
[exceed-action action] [violate-action
action]
(任意)インターフェイスで使用できる帯域幅比率に基
づくトラフィック ポリシングを設定し、そのレートに
適合するすべてのパケットの MPLS EXP フィールドを
設定します。
詳細は、第 6 章「トラフィック ポリシング」を参照し
てください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
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20-7
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
コマンド
ステップ 6
Router(config-pmap-c)# set mpls
experimental imposition mpls-exp-value
目的
(任意)このトラフィック クラスに属するパケットの
MPLS EXP ビットを設定します。
mpls-exp-value ― MPLS EXP ビットを設定するための値
を指定します。有効値は、0 ∼ 7 です。
ポリシー マップで定義できるその他の QoS アクションの詳細は、
「QoS アクションのタイプ」
(p.3-5)を参照してください。
ポリシー マップによる MPLS EXP フィールドの設定例
次の例は、set mpls experimental imposition コマンドを使用して MPLS EXP フィールドを設定する
手順を示しています。この設定例では、set_experimental_5 という名前のポリシー マップが作成さ
れ、IP_prec4 という名前のトラフィック クラスが定義されます。ルータは IP_prec4 クラスに属する
すべてのパケットの MPLS EXP ビットを 5 に設定します。
Router(config)# policy-map set_experimental_5
Router(config-pmap)# class IP_prec4
Router(config-pmap-c)# set mpls experimental imposition 5
Router(config-pmap-c)# end
インターフェイスに対する MPLS QoS サービス ポリシーの付加
MPLS QoS サービス ポリシーは、
特定のトラフィック クラスに属するパケットの MPLS EXP フィー
ルドを設定するポリシー マップです。
インターフェイスに MPLS QoS サービス ポリシーを付加するには、グローバル コンフィギュレー
ション モードから開始して次のコマンドを入力します。
ステップ 1
コマンド
目的
Router(config)# interface type number
インターフェイスを作成または変更します。インター
フェイス コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
type ― インターフェイスのタイプ(serial など)
number ― インターフェイスの番号(1/0/0 など)
ステップ 2
Router(config-if)# service-policy input
policy-map-name
指定されたポリシー マップを入力インターフェイスに
付加します。
policy-map-name ― インターフェイスに付加するポリ
シー マップの名前
インターフェイスに MPLS QoS サービス ポリシーを付加する場合の設定例
次の例では、着信パケット用のギガビット イーサネット インターフェイス 1/0/0 に
set_experimental_5 という名前の MPLS QoS サービス ポリシーが適用されます。
Router(config)# interface GigabitEthernet1/0/0
Router(config-if)# service-policy input set_experimental_5
Router(config-if)# end
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-8
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第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
MPLS QoS の設定例
ここでは、次の設定例を示します。
•
ショート パイプ モードの設定例(p.20-9)
•
パイプ モードの設定例(p.20-11)
ショート パイプ モードの設定例
次の例は、以下のサンプル トポロジの入力 PE ルータ上でショート パイプ モードを設定する手順
を示しています。このトポロジで、esr5 は CE ルータ、esr6 は PE ルータ、esr4 は P ルータです。
カスタマー ルータ / スイッチ ---(gig4/0/0)esr5(gig3/0/0.2)---(gig3/0/0.2)esr6(pos4/0/0)-----(pos4/0/0)esr4(gig5/0/0)---PE ルータ
Esr6(入力 PE ルータ):
policy-map set-exp
class http
police 200000000 10000000 10000000 conform-action set-mpls-exp-imposition-transmit 1
exceed-action set-mpls-exp-imposition-transmit 0 violate-action drop
class telnet
set mpls experimental imposition 5
set ip precedence 2
class rtp
set mpls experimental 3
set dscp cs4
class tftp
set mpls experimental 2
class dscp32
set mpls experimental imposition 5
class prec6
set mpls experimental imposition 6
!
policy-map wred
class exp0
bandwidth percent 10
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 0 500 1500 1
shape 120000
class exp1
bandwidth percent 10
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 1 500 1500 1
random-detect precedence 2 800 1300 5
random-detect precedence 3 1000 1800 15
random-detect precedence 4 1500 2000 20
shape 550000
class exp2
bandwidth percent 10
random-detect dscp-based
random-detect dscp 16 800 1200 5
shape 120000
class exp3
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 1 500 1000 1
random-detect precedence 2 800 1300 5
random-detect precedence 3 500 1500 1
random-detect precedence 4 1500 2000 20
shape 120000
class exp4
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-9
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
random-detect precedence 1 500 1000 1
random-detect precedence 2 800 1300 5
random-detect precedence 3 1000 1800 15
random-detect precedence 4 500 1500 1
shape 120000
class exp5
bandwidth percent 10
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 5 500 1500 1
shape 120000
class exp6
bandwidth percent 10
bandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 6 500 1500 1
shape 120000
class exp7
bandwidth percent 10vbandwidth remaining percent 12
random-detect precedence-based
random-detect precedence 7 500 1500 1
shape 120000
class class-default
!
interface GigabitEthernet3/0/0.2
encapsulation dot1Q 2
ip vrf on forwarding vrf_2
ip address 220.220.56.6 255.255.255.0
service-policy input set-exp
!
!
interface POS4/0/0
ip address 220.220.46.6 255.255.255.0
load-interval 30
tag-switching ip
crc 32
clock source internal
service-policy output wred
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-10
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
パイプ モードの設定例
次の例は、以下のサンプル トポロジの CE および PE ルータ上でパイプ モードを設定する手順を示
しています。このトポロジで、esr5 は CE ルータ、esr6 は PE ルータ、esr4 は P ルータです。
カスタマー ルータ / スイッチ ---(gig4/0/0)esr5(gig3/0/0.2)---(gig3/0/0.2)esr6(pos4/0/0)-----(pos4/0/0)esr4(gig5/0/0)---PE ルータ
esr5(CE ルータ):
class-map match-all prec0
match ip precedence 0
class-map match-all prec1
match ip precedence 1
class-map match-all prec2
match ip precedence 2
class-map match-all prec3
match ip precedence 3
class-map match-all prec4
match ip precedence 4
class-map match-all prec5
match ip precedence 5
class-map match-all prec6
match ip precedence 6
class-map match-all prec7
match ip precedence 7
!
policy-map prec2exp
class prec0
set mpls experimental imposition 1
class prec1
set mpls experimental imposition 2
class prec2
set mpls experimental imposition 3
class prec3
set mpls experimental imposition 4
class prec4
set mpls experimental imposition 5
class prec5
set mpls experimental imposition 6
class prec6
set mpls experimental imposition 7
class prec7
set mpls experimental imposition 0
!
!
interface GigabitEthernet4/0/0
ip address 220.5.1.1 255.255.255.0
service-policy input prec2exp
load-interval 30
no negotiation auto
no keepalive
!
interface GigabitEthernet3/0/0.2
encapsulation dot1Q 2
ip address 220.220.56.5 255.255.255.0
mpls ip encapsulate explicit-null
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-11
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS QoS
esr6(入力 PE ルータ):
class-map match-all exp4
match mpls experimental topmost 4
class-map match-all exp5
match mpls experimental topmost 5
class-map match-all exp7
match mpls experimental topmost 7
class-map match-all exp6
match mpls experimental topmost 6
class-map match-all exp1
match mpls experimental topmost 1
class-map match-all exp0
match mpls experimental topmost 0
class-map match-all exp3
match mpls experimental topmost 3
class-map match-all exp2
match mpls experimental topmost 2
!
policy-map exp2exp
class exp0
set mpls experimental imposition 1
class exp1
set mpls experimental imposition 2
class exp2
set mpls experimental imposition 3
class exp3
set mpls experimental imposition 4
class exp4
set mpls experimental imposition 5
class exp5
set mpls experimental imposition 6
class exp6
set mpls experimental imposition 7
class exp7
set mpls experimental imposition 0
!
interface GigabitEthernet3/0/0.2
encapsulation dot1Q 2
ip vrf forwarding vrf_2
ip address 220.220.56.6 255.255.255.0
service-policy input exp2exp
tag-switching ip
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-12
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
MPLS CoS マルチ VC モード
Cisco 10000 ルータ上の MPLS CoS Multi-Virtual Circuit(VC; 仮想回線)モード機能では、PRE(部
品番号:PRE1)上でマルチ VC をサポートし、サービス プロバイダーの MPLS 対応ネットワーク
の QoS 機能を Label-Controlled ATM(LC-ATM)サブインターフェイスおよびマルチ VC サブイン
ターフェイスにまで拡張します。このようなネットワークには、ネットワーク コア内の ATM イン
ターフェイスだけでなく、ネットワーク エッジの ATM インターフェイスも組み込まれます。
MPLS CoS マルチ VC モード機能を使用することにより、MPLS ラベルの EXP フィールド値を ATM
VC にマッピングして、一連の Label Virtual Circuit(LVC; ラベル VC、ラベル仮想回線)を作成で
きます。LVC サービス グループと呼ばれる各セットは複数の LVC で構成され、各 LVC はこのセッ
トのメンバーとして処理されます。1 つのセットのすべてのメンバーは、ユーザのネットワーク環
境内で ATM 接続された 1 組のルータ間で設定される Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド
パス)に関連付けられています。このセットの各メンバーには、他のメンバーとは異なる QoS が設
定されている場合があります。
マルチ VC セットを使用することにより、MPLS 対応のサービス プロバイダー ネットワークのユー
ザに差別化サービスを提供できます。サービスを差別化するには、サービス プロバイダー ネット
ワークの PE ルータがパケットを受信する際に、各着信パケット ヘッダー内の EXP フィールドに適
切な値を設定します。標準の IP アクセス リスト(ACL)は、CoS マップおよびプレフィクス マッ
プと組み合わせて、IP 宛先ごとのクラス数(および LVC 数)を指定するのに使用されます。CoS
マップについては、「CoS マップ」
(p.20-14)を参照してください。
サービス プロバイダー ネットワーク内の MPLS 対応の各 ATM インターフェイス(各 ATM エッジ
インターフェイス、およびネットワーク コア内の各 ATM ルータまたはスイッチ インターフェイス
を含む)では、IP パケット インターフェイスと同様の方法で QoS をサポートしています。サービ
ス プロバイダーの MPLS 対応ネットワークを通過する IP パケットには、ATM トラフィックと同じ
プライオリティで処理されます。そのため、MPLS CoS マルチ VC 機能は、IP パケット インター
フェイスに提供される QoS サポートと事実上区別できません。
詳細は、
『MPLS QoS Multi-VC Mode for PA-A3』Release 12.2(2)T フィーチャ モジュールを参照してく
ださい。
MPLS CoS マルチ VC モードの機能履歴
Cisco IOS リリース
Release 12.0(27)S
説明
この機能がルータに導入されました。
必要な PRE
PRE1
Release 12.2(16)BX
この機能が PRE2 に導入されました。
PRE2
Release 12.2(28)SB
この機能が、PRE2 の Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合さ PRE2
れました。
LSP
IP パケットは複数の LSP を使用して、MPLS 対応サービス プロバイダーのネットワーク コアを通
過します。ATM ネットワークでは、各 IP 宛先プレフィクスに LVC が自動的に確立されます。標準
の IP アクセス リスト(ACL)は、CoS マップおよびプレフィクス マップと組み合わせて、IP 宛先
ごとのクラス数(および LVC 数)を指定するのに使用されます。CoS マップについては、
「CoS マッ
プ」(p.20-14)を参照してください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-13
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
ネットワーク コア内の P ルータからある宛先への ATM ネットワークを経由する等コスト パスが
複数ある場合、各 LVC がそれぞれ別の等コスト パスを設定する可能性があるため、同一宛先に関
連する各 LVC が異なるパスを使用してネットワークを通過することも考えられますたとえば、
ネットワーク内に 4 つの等コスト パスが存在する場合、1 番めの LVC は 1 つめのパス、2 番めの
LVC は 2 つめのパス、というように設定される可能性があります。ただし、必ずしも各 LVC がネッ
トワーク内のパラレル パスに沿って設定されるわけではなく、各 LVC がこのような方法で設定さ
れるという要件もありません。
ネットワーク エッジの PE ルータからある宛先への ATM ネットワークを経由する等コスト パスが
複数ある場合、各等コスト パスに設定されたすべての CoS に対して LVC が確立されます。設定さ
れたロードバランシング メカニズムによって、データ転送に使用するパスが決まります。
CoS マップ
CoS マップは、EXP 値を LVC サービス グループ内の VC 番号にマッピングするテンプレートです。
Cisco IOS ソフトウェアでは CoS マップを使用して、EXP 値を実際の VC にマッピングするバイン
ディング テーブルを作成します。各 LVC には、CoS マップとは別にバインディング テーブルも含
まれています。
サービス グループごとに、最大 4 つの LVC を指定できます。表 20-1 に、デフォルトの CoS マップ
を示します。このマップに基づいて、available、standard、premium、および control の 4 つの VC が
バインディング テーブルに格納されます。EXP フィールドの 重要度の低い 2 ビットにより、IP パ
ケットの誘導先となる LVC が決定されます。
表 20-1
デフォルトの CoS マップ
EXP 値
VC 番号
VC 名
0、4
0
Available
1、5
1
Standard
2、6
2
Premium
3、7
3
Control
CoS マップを設定することにより、作成される LVC 数を制限し、EXP ビットのマッピングを再定
義できます。表 20-2 に、設定済み CoS マップを示します。このマップに基づいて、available およ
び premium の 2 つの VC がバインディング テーブルに格納されます。
表 20-2
CoS マップの設定
EXP 値
VC 番号
VC 名
0、4
0
Available
1、5
0
Available
2、6
2
Premium
3、7
2
Premium
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-14
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
LC-ATM VC の QoS
ルータは、Label-Controlled ATM VC(LC-ATM VC)
(別名:LVC)を動的に作成します。Cisco IOS
Release 12.0(28)S 以降のリリースでは、LC-ATM インターフェイスの実装が拡張され、LVC の QoS
機能を提供します。
ルータは、LVC を Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)PVC と同様に処理します。デ
フォルトでは、LVC は ATM インターフェイス上の帯域幅を UBR PVC と共有します。LC-ATM サ
ブインターフェイス上の帯域幅は、ネストされたポリシー マップを使用して設定できます。詳細
は、
「ポリシー マップによる LVC 帯域幅の割り当て」(p.20-15)を参照してください。
デフォルトの LVC 帯域幅
デフォルトの帯域幅は、LC-ATM インターフェイスが最初にアクティブになる際に割り当てられる
帯域幅です。LVC と UBR PVC は、使用可能なすべての帯域幅を共有します。
ポリシー マップによる LVC 帯域幅の割り当て
ルータでは、LC-ATM サブインターフェイスの帯域幅を設定できます。ルータは LVC のデフォル
ト帯域幅をサポートしないため、ネストされたポリシー マップを使用して帯域幅を設定する必要が
あります。ルータでは、ネストされていないポリシー マップを LC-ATM サブインターフェイスに
適用できません。
帯域幅は、ネストされたポリシー マップにより提供されます。ルータは、設定された帯域幅を VBR
PVC の Sustained-Cell-Rate(SCR; 平均セル レート)と同様に処理します。この場合、特定の LC-ATM
サブインターフェイス上のすべての LVC は、ネストされたポリシー マップで指定された全帯域幅
を使用します。これによって、UBR PVC で使用可能な帯域幅は、設定された帯域幅の分だけ減少
します。
MPLS ネットワークの MPLS QoS サポート
MPLS QoS により、IOS の IP QoS(レイヤ 3)機能が MPLS デバイス(Label Edge Router [LER; ラベ
ル エッジ ルータ ]、LSR、および ATM-LSR)に提供されます。MPLS 対応のネットワーク環境で
MPLS QoS を使用するには、いくつかの方法があります。ネットワーク コアに LSR または ATM-LSR
が含まれるかどうかによってどの方法を選択するかが決まります。いずれの場合も、提供される
QoS サービス(Committed Access Rate [CAR; 専用アクセス レート]
、WRED、CBWFQ など)は同
じです。
MPLS ネットワークで QoS 機能を活用する LSR および ATM-LSR の配置方法については、『MPLS
QoS Multi-VC Mode for PA-A3』Release 12.2(2)t フィーチャ モジュールを参照してください。
MPLS CoS マルチ VC モードの利点
MPLS CoS マルチ VC モードには、次の利点があります。
•
MPLS 対応の ATM ネットワークにおいて、DiffServ クラスを効果的に使用できる
•
既存の ATM インフラストラクチャをそのまま活用できる
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-15
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
MPLS CoS マルチ VC モードの制限事項
MPLS CoS マルチ VC モードには、次の制限事項があります。
•
マルチ VC サービス グループは、最大 4 つの LVC で構成できます。
•
Cisco 10000 シリーズ ルータは、最大 500 の LVC サービス グループをサポートします。
•
Cisco 10000 シリーズ ルータは、ATM VC の Available Bit Rate(ABR; 使用可能ビット レート)
をサポートしません。したがって、ABR LVC もサポートされません。
•
すべての LVC および control-VC は同じ QoS ポリシーを共有します。QoS ポリシーの変更はい
ずれも、サブインターフェイスに適用されます。次に、新しいポリシーはすべての LVC で自
動的に共有されます。
MPLS CoS マルチ VC モードの前提条件
MPLS CoS マルチ VC モードには、次の要件があります。
•
Cisco 10000 シリーズ ルータでは、Cisco IOS Release 12.0(27)S 以降のリリースが稼働している
必要があります。
•
PRE(部品番号:PRE1)が、ルータのシャーシに設置されている必要があります。
•
ネットワークで MPLS QoS を最大限に活用するためには、次の機能をサポートしている必要が
あります。
− MPLS ― Internet Engineering Task Force(IETF)で定義される標準化ラベル スイッチング プ
ロトコル
− Cisco Express Forwarding(CEF)― 拡張レイヤ 3 IP スイッチング テクノロジー。大容量の
トラフィックを処理し、動的なトラフィック パターンをもつネットワークでパフォーマン
スとスケーラビリティを最適化します。
− ATM ― 複数のサービス タイプ(音声、ビデオ、データ)を固定長セルにして送る、セル
リレーの国際標準。ネットワークで ATM インターフェイスを使用する場合は、ATM シグ
ナリングが必要です。
•
必須となる QoS 機能は、次のとおりです。
− MPLS CoS マルチ VC モード ― サービス プロバイダーの MPLS 対応ネットワークの ATM
インターフェイスで、QoS 機能を提供します。
− CBWFQ ― すべてのネットワーク トラフィックに帯域幅を均等に割り当てます。
− WRED ― MPLS パケット ヘッダー内の MPLS EXP フィールドを使用して、さまざまな廃
棄プライオリティまたは CoS を設定します。
MPLS CoS マルチ VC モードの設定
Cisco 10000 シリーズ ルータ上で MPLS CoS マルチ VC モードを設定するには、次の設定作業を実
行する必要があります。
•
ATM ネットワーク コアでの マルチ VC モードの設定(p.20-16)
•
ルータの出力インターフェイスでのキューイング機能の設定(p.20-18)
ATM ネットワーク コアでの マルチ VC モードの設定
ATM ネットワーク コアで マルチ VC モードを設定するには、次の設定作業を実行する必要があり
ます。
•
デフォルトの CoS マップによる マルチ VC モードの設定(p.20-17)
•
特定の CoS マップによる マルチ VC の設定(p.20-17)
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-16
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
デフォルトの CoS マップによる マルチ VC モードの設定
デフォルトの CoS マップを使用して、MPLS 対応のネットワークで マルチ VC モードを設定するに
は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始して次のコマンドを入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# interface atm number
[slot/module/port.subinterface-number]
mpls
ATM MPLS インターフェイスまたはサブインターフェイス
を設定して、インターフェイスまたはサブインターフェイ
ス コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2
Router(config-if)# ip unnumbered type
number
インターフェイスに明示的な IP アドレスを割り当てずに、
インターフェイス上での IP 処理をイネーブルにします。
ステップ 3
Router(config-if)# mpls atm multi-vc
インターフェイス上で ATM マルチ VC モードをイネーブル
にします。
さまざまなクラスのパケットが送信される 1 つまたは複数
の LVC を作成するように、ATM インターフェイスを設定
します。
(注)
ステップ 4
Router(config-if)# mpls ip
ステップ 5
Router(config-if)# mpls label protocol
{ldp | tdp | both}
このコマンドにより、デフォルトの CoS マップ(表
20-1 を参照)が作成されます。
正規のルーティング パスに沿った IPv4 パケットの MPLS
フォワーディングをイネーブルにします。
イ ン タ ー フ ェ イ ス で 使 用 す る Label Distribution Protocol
(LDP)を指定します。
特定の CoS マップによる マルチ VC の設定
指定する CoS マップを使用して マルチ VC を設定するには、グローバル コンフィギュレーション
モードから開始して次のコマンドを入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# mpls cos-map cos-map
number
LVC がプレフィクス マップと組み合わされる場合に、
クラスが LVC にマッピングされる方法を指定する CoS
マップを作成します。cos-map コンフィギュレーション
モードを開始します。
ステップ 2
Router(config-tag-cos-map)# class class
[available | standard | premium |control]
LVC にトラフィック クラスをマッピングします。
class ― トラフィックを分類するために識別されたトラ
フィックの優先順位です。
トラフィック クラスを CoS マップに割り当てるデフォ
ルト値の有効範囲は、0 ∼ 3 です。
クラス 0 ― Available
クラス 1 ― Standard
クラス 2 ― Premium
クラス 3 ― Control
パケット ヘッダー内の EXP フィールドの重要度の低い
2 ビットにより、パケットのクラスが決定されます。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-17
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS CoS マルチ VC モード
コマンド
目的
ステップ 3
Router(config-tag-cos-map)# exit
cos-map コンフィギュレーション サブモードを終了し
ます。
ステップ 4
Router(config)# access-list
access-list-number permit destination
指定の宛先アドレスに送信されるトラフィックを制御
するアクセス リストを作成します。
ステップ 5
Router(config)# mpls prefix-map prefix-map
access-list access-list cos-map cos-map
MPLS 宛先プレフィクスが指定されたアクセス リスト
に一致する場合に、指定の QoS マップを使用するよう
にルータを設定します。
ルータの出力インターフェイスでのキューイング機能の設定
ルータの出力インターフェイスにキューイング機能を設定する場合は、第 3 章「QoS ポリシー アク
ションおよびルールの設定」を参照してください。
MPLS CoS マルチ VC モード設定のモニタリングおよび保持
ATM インターフェイス上の MPLS CoS マルチ VC モード設定をモニタおよび保持するには、特権
EXEC モードで次の任意のコマンドを入力します。
コマンド
目的
Router# show mpls interfaces [interface] [detail] ラベル スイッチング用に設定された 1 つまたは複数のイン
ターフェイスについての情報を表示します。
インターフェイスを指定しない場合、ラベル スイッチング用
に設定されたすべてのインターフェイスについての情報が表
示されます。
detail ― 指定されたインターフェイス、またはインターフェイ
スを指定しない場合はすべてのインターフェイスについて、
ラベル スイッチングの詳細情報が表示されます。
Router# show mpls cos-map [cos-map]
LVC の量およびこれらの VC に関連付けられた CoS を割り当
てるのに使用される QoS マップを表示します。
cos-map ― 表示される QoS マップを指定する任意の番号です。
Router# show mpls prefix-map [prefix-map]
標準 IP アクセス リストに一致するネットワーク プレフィク
スに QoS マップを割り当てるのに使用する、プレフィクス
マップを表示します。
prefix-map ― 表示されるプレフィクス マップを指定する任意
の番号です。
Router# debug mpls atm-cos [bind | request]
QoS マップの設定に基づいた、ATM LVC のバインドまたは要
求動作を表示します。
MPLS CoS マルチ VC モードの設定例
MPLS CoS マルチ VC モード機能の設定例については、
『MPLS QoS Multi-VC Mode for PA-A3』Release
12.2(4)T3 フィーチャ モジュールの「Configuration Examples」を参照してください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-18
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
MPLS DS-TE
MPLS Traffic Engineering-DiffServ Aware(DS-TE)機能により、MPLS トラフィック エンジニアリ
ングの機能が拡張され、より厳格な QoS 保証が実現されます。TE トンネルは DiffServ を提供し、
通常のトラフィックの帯域幅要件を満たします。ただし、TE トンネルに現在アドバタイズされて
いる帯域幅およびトンネル トラフィックは、どのキューにも対応しません。代わりに、MPLS CoS
が DiffServ サービスを提供し、大半のカスタマー サービスに対応しています。ただし、音声などの
特殊なサービスには、より厳格な QoS 保証が必要です。DS-TE 機能は TE トンネルに厳格な帯域幅
保証を提供することで、この要求に対処しています。
DS-TE 機能は、保証帯域幅トラフィックと呼ばれる特定のトラフィック クラスを認識します。サー
ビス プロバイダーは DS-TE を使用することにより、保証帯域幅トラフィックのアドミッション制
御およびルート計算を個別に実行できます。したがって、サービス プロバイダーは、プロビジョニ
ングされた QoS でなく、通知された QoS を利用する、エンド カスタマー向けの QoS サービスを開
発することができます。これにより、サービス プロバイダーは多くの作業を必要とする QoS サー
ビス構築を、オーバープロビジョニングなしに実行できます。
MPLS TE では、IP トラフィックの制約ベースのルーティングが可能です。制約ベースのルーティ
ングによって制約されるのは、選択されたパス上の必要帯域幅のアベイラビリティなどです。DS-TE
は MPLS TE を拡張し、
(保証帯域幅 TE トンネルと呼ばれる)特殊な TE トンネルの制約ベース ルー
ティングおよびアドミッション制御が、通常の TE トンネルよりもさらに限定的な帯域幅制約下で
実行されるようにします。より限定的な帯域幅制約を使用することにより、保証トラフィックの
(遅延、ジッタ、損失などに関する)QoS パフォーマンスをさらに高めることができます。
このようにして制限された帯域幅は「サブプール」と呼ばれます。一方、通常の TE トンネル帯域
幅は「グローバル プール」と呼ばれます。サブプールはグローバル プールの一部であり、厳格な
帯域幅保証または遅延保証が必要なトラフィックを伝送するトンネルに適用されます。グローバル
プールは、差別化されたサービスのみが必要なトラフィックを伝送するトンネルに適用されます。
厳格な保証が必要なトラフィック用のプールを別個に設定すると、任意の指定リンクで許可される
これらのトラフィックの量を制限することができます。通常、厳格な QoS 保証を実現できるのは、
保証トラフィック量が合計リンク帯域幅の一部に制限されている場合のみです。
その他のトラフィック(ベストエフォート型トラフィックまたは DiffServ トラフィック)用のプー
ルを別個に設定すると、任意の指定リンクで許可されるこれらのトラフィックの量を別個に制限す
ることができます。この機能は、リンクをベストエフォート型トラフィックおよび DiffServ トラ
フィックで満たすことで、これらのリンク利用率を高めるのに役立ちます。
DS-TE 機能は Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロトコルも拡張します。これにより、
各プリエンプト レベルで使用可能なグローバル プール帯域幅だけでなく、各プリエンプト レベル
で使用可能なサブプール帯域幅もアドバタイズされます。DS-TE 機能によって制約ベースのルー
ティングも変更され、パス計算中にさらに複雑なこのアドバタイズ情報が考慮されるようになりま
す。
詳細は、『MPLS Traffic Engineering-DiffServ Aware』Release 12.2(14)S フィーチャ モジュールを参照
してください。
MPLS DS-TE の機能履歴
Cisco IOS リリース
Release 12.3(7)XI
説明
Release 12.2(28)SB
この機能が、PRE2 の Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合さ PRE2
れました。
MPLS DS-TE 機能が PRE2 に導入されました。
必要な PRE
PRE2
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-19
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
サブプール トンネル
サブプール トンネルは、リアルタイム音声、仮想 IP 専用線、帯域幅トレーディングなど、厳格な
帯域幅保証または遅延保証が必要なトラフィックを伝送します。トラフィックがサブプール トンネ
ルに入ると、DS-TE 機能はこのトラフィックの MPLS EXP フィールドに一意の値をマーキングしま
す。この一意の値を持つトラフィックは、各トンネル ホップの発信インターフェイスにある保証帯
域幅キューに格納されます。厳格に保証されたトラフィックは保証帯域幅キューを排他的に使用す
るため、他のトラフィックはこのキューを使用できません。
DS-TE 機能により、保証帯域幅キューはオーバーサブスクライブしなくなります。DS-TE は、キュー
に格納されるトラフィック量を、対応する発信リンクの合計帯域幅の一定割合に制限します。した
がって、サブプールに送信されるトラフィック量が、保証帯域幅キューで処理できる量を超えるこ
とはありません。
グローバル プール トンネル
グローバル プール帯域幅を使用するトンネルは、ベストエフォート型トラフィック クラスまたは
その他のトラフィック クラスを伝送します。各クラスのトラフィックが DiffServ を受けるようにす
るには、トラフィック クラスごとに異なる DiffServ キューを設定し、ルータで各トラフィック ク
ラスの MPLS EXP フィールドを一意の値でマーキングします。ルータはこの一意の値に基づいて、
トラフィックを適切なキューに格納します。トンネル帯域幅は、すべての CoS における合計トラ
フィックの予測値に基づいて設定されます。
DS-TE の前提条件
DS-TE 機能を実行するには、ネットワークで次の Cisco IOS 機能がサポートされている必要があり
ます。
(注)
•
MPLS
•
IP Cisco Express Forwarding(CEF)
•
Open Shortest Path First(OSPF)または Intermediate System to Intermediate System(IS-IS)ルー
ティング プロトコル
•
Resource Reservation Protocol-Traffic Engineering(RSVP-TE)
•
QoS
Cisco 10000 シリーズ ルータ では IP CEF がデフォルトで有効です。無効にすることはできません。
IP CEF を無効にしようとすると、エラーが表示されます。
DS-TE の制限事項
デバイスを起点として確立できる TE トンネル(通常の TE トンネルおよび DS-TE トンネル)の総
数は、1013 に制限されます。
DS-TE の設定
DS-TE を設定するには、次の設定作業を実行する必要があります。
•
ルータでの TE のアクティブ化(p.20-21)
•
インターフェイスでの TE のアクティブ化(p.20-23)
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-20
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
•
トンネル インターフェイスの設定(p.20-24)
•
保証帯域幅サービスの設定(p.20-25)
ルータでの TE のアクティブ化
ルータで TE をグローバルにアクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モードか
ら開始して、次のコマンドを入力します。
コマンド
ステップ 1
目的
Router(config)# mpls traffic-eng tunnels ルータ上で MPLS TE トンネル シグナリングをイネーブル
にします。
ステップ 2
IP の OSPF ルーティング プロセスを呼び出し、ルータ コン
フィギュレーション モードを開始します。ステップ 9 に進
みます。
Router(config)# router ospf
または
ステップ 3
Router(config)# router isis
IS-IS ルーティング プロセスを呼び出して、ルータ コン
フィギュレーション モードを開始します。ステップ 3 に進
みます。
Router(config-router)# network
network-entity-title
ルーティング プロセスの IS-IS Network Entity Title(NET)
を指定します。
network-entity-title ― IS-IS ルーティング プロセスのエリア
アドレスおよびシステム ID を指定します。
network-entity-title にはアドレスまたは名前を指定できま
す。
ステップ 4
Router(config-router)# metric-style wide ルータで、IS-IS 専用の新しいスタイルの Type-Length-Value
[transition] [{level-1 | level-2 |
(TLV)オブジェクトの生成および受信を許可します。
level-1-2}]
ステップ 5
Router(config-router)# is-type {level-1
| level-1-2 | level-2-only}
Cisco IOS ソフトウェアが動作する IS-IS レベルを設定しま
す。
level-1 を指定した場合、ルータはステーション ルータとし
て機能し、そのエリア内の宛先について学習します。エリ
ア間ルーティング情報は、最も近くにある level-1-2(L1L2)
ルータから取得されます。
level-1-2 を指定した場合、ルータはステーション ルータお
よびエリア ルータとして機能します。このルータは、エリ
ア(L1 ル ー テ ィ ン グ)内 の 宛 先 が 格 納 さ れ る Linkstate
Database(LSDB; リンクステート データベース)を保持し、
エリア トポロジを検出するための Shortest Path First(SPF)
計算を実行します。また、このルータは、その他のすべて
のバックボーン(L2)ルータの Linkstate Protocol(LSP; リ
ンクステート プロトコル)パケットが格納される別の
LSDB も保持し、バックボーンのトポロジ、およびその他
のすべてのエリアの有無を検出するために別の SPF 計算を
実行します。
level-2-only を指定した場合、ルータはエリア ルータとして
のみ機能します。このルータはバックボーンの一部であり、
自身のエリア内の L1 専用ルータとは通信しません。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-21
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
コマンド
目的
ステップ 6
Router(config-router)# mpls traffic-eng
{level-1 | level-2}
MPLS TE リンク情報を指定された IS-IS レベルにフラッ
ディングするように、ルータを設定します。指定された
IS-IS レベルは、上記ステップで指定したレベルと同じでな
ければなりません。
ステップ 7
Router(config-router)# passive-interface
type number
指定されたインターフェイスで、IS-IS ルーティング プロト
コルによるルーティング アップデートの送信をディセー
ブルにします。IS-IS はこのインターフェイスで IS-IS を実
際に実行せずに、インターフェイスの IP アドレスをアドバ
タイズします。
type number ― loopback0 インターフェイスを指定します。
(注)
ステップ 8
Router(config-router)# mpls traffic-eng
router-id interface-name
インターフェイス上で passive-interface をイネーブ
ルにした場合、他のインターフェイスに対するサブ
ネットのアドバタイズは継続されます。また、この
インターフェイスにおける他のルータからのアッ
プデートの受信および処理は、引き続き行われま
す。
ノードの TE ルータ ID が特定のインターフェイスに関連付
けられた IP アドレスとなるように指定します。
interface-name ― loopback0 インターフェイスに関連付けら
れている IP アドレスを指定します。
(注)
ステップ 9
Router(config-router)# mpls traffic-eng
area num
IS-IS 設定の場合は、ルータ上で TE をアクティブに
する作業はこれで完了です。ステップ 9 に進まない
でください。
特定の OSPF エリアに対して MPLS TE を有効にします。
(注)
このコマンドを入力するのは、OSPF 設定の場合の
みです。IS-IS 設定の場合は入力しないでください。
ルータで TE をアクティブ化する場合の設定例
例 20-1 では、OSPF ルーティング プロトコルを使用してルータに TE を設定します。
例 20-1
ルータでの TE のアクティブ化
Router(config)# mpls traffic-eng tunnels
Router(config)# router ospf 100
Router(config-router)# network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 0
Router(config-router)# network 10.16.1.1 0.0.0.0 area 0
Router(config-router)# mpls traffic-eng area 0
Router(config-router)# mpls traffic-eng router-id loopback0
Router(config-router)# exit
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-22
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
インターフェイスでの TE のアクティブ化
物理インターフェイスで TE をアクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モード
から開始して、次のコマンドを入力します。
ステップ 1
コマンド
目的
Router(config)# interface type number
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュ
レーション モードを開始します。
type ― インターフェイスのタイプ(serial など)
number ― インターフェイスの番号(1/0/0 など)
ステップ 2
特定のインターフェイスで、IP に対して Resource Reservation
Protocol(RSVP)をイネーブルにします。
Router(config-if)# ip rsvp bandwidth
interface-kbps [sub-pool kbps]
interface-kbps ― インターフェイスの予約帯域幅(kbps)を指
定します。有効値は、1 ∼ 10,000,000 です。
(任意)sub-pool kbps ― 合計帯域幅の一部として予約される、
インターフェイスの帯域幅(kbps)です。有効範囲は、1 か
ら interface-kbps の値までです。
(注)
このインターフェイスのすべてのトンネルで使用さ
れる合計帯域幅の最大値は、interface-kbps です。すべ
てのサブプール トンネルで使用される合計帯域幅の
最大値は、sub-pool kbps です。
ステップ 3
Router(config-if)# mpls traffic-eng
tunnels
インターフェイス上で MPLS TE トンネル シグナリングをイ
ネーブルにします。
ステップ 4
Router(config-if)# ip router isis
インターフェイスで IS-IS ルーティング プロトコルをイネー
ブルにします。
(注)
OSPF 設定の場合は、このコマンドを入力しないでく
ださい。
インターフェイスで TE をアクティブ化する場合の設定例
例 20-2 では、
IS-IS ルーティング プロトコルを使用して、物理インターフェイスに TE を設定します。
例 20-2
物理インターフェイスでの TE のアクティブ化(IS-IS の場合)
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
ip address 10.1.1.1 255.255.255.255
ip rsvp bandwidth 130000 130000 sub-pool 80000
mpls traffic-eng tunnels
ip router isis
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-23
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
トンネル インターフェイスの設定
トンネル インターフェイスにトンネルの属性を設定するには、グローバル コンフィギュレーショ
ン モードを開始して、次のコマンドを入力します。
ステップ 1
コマンド
目的
Router(config)# interface tunnel number
仮想トンネル インターフェイスを作成し、インターフェイ
ス コンフィギュレーション モードを開始します。
number ― 作成または設定するトンネル インターフェイス
の番号です。Cisco 10000 シリーズ ルータ では、作成可能な
トンネル インターフェイス数に制限がありません。
ステップ 2
Router(config-if)# tunnel mode mpls
traffic-eng
トンネル モードを MPLS TE に設定します。
ステップ 3
Router(config-if)# tunnel destination
{hostname | ip-address}
トンネル インターフェイスの宛先を指定します。
hostname ― ホスト宛先の名前
ip-address ― ホスト宛先の IP アドレス
ステップ 4
Router(config-if)# tunnel mpls
traffic-eng bandwidth [sub-pool |
global] bandwidth
MPLS TE トンネルに必要な帯域幅を設定し、トンネルをサ
ブプールまたはグローバル プールに割り当てます。
(任意)sub-pool ― サブプール トンネルを指定します。
sub-pool を指定しない場合、そのトンネルはグローバル
プールです。
global ― グローバル プール トンネルを指定します。デフォ
ルトでは、すべてのトンネルがグローバル プールです。
bandwidth ― MPLS TE トンネルに割り当てられる帯域幅
(kbps)を指定します。有効値は、1 ∼ 4,294,967,295 です。
ステップ 5
Router(config-if)# tunnel mpls
traffic-eng priority setup-priority
[hold-priority]
MPLS TE トンネルの設定プライオリティおよび保持プライ
オリティを設定します。
setup-priority ― このトンネルの LSP を送信するときに使用
されるプライオリティを指定します。プリエンプト可能な
既存トンネルを判別する場合に使用されます。有効値は 0
∼ 7 です。値が小さいほど、プライオリティは高くなりま
す。したがって、setup-priority が 0 の LSP は、プライオリ
ティが 0 でない任意の LSP をプリエンプトできます。
hold-priority ― このトンネルの LSP に関連付けられたプラ
イオリティです。この LSP が送信中の他の LSP によってプ
リエンプトされているかどうかを判別します。有効値は 0
∼ 7 です。値が小さいほど、プライオリティは高くなりま
す。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-24
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
ステップ 6
コマンド
目的
Router(config-if)# tunnel mpls
traffic-eng path-option [protect]
number {dynamic | explicit {name
path-name | path-number}} [lockdown]
MPLS TE トンネルで使用するパス(ホップ)を設定します。
1 つのトンネルには、動的パス オプションおよび明示的パ
ス オプションを含む複数のパス オプションを設定できま
す。
(任意)protect ― バックアップ LSP を指定します。
複数のパス オプションを設定する場合、number には、より
小さな番号のオプションを使用します。
dynamic ― ルータは LSP パスを動的に計算します。
explicit ― LSP パスが明示的な IP パスであることを示しま
す。
name path-name ― 明示的な IP パスのパス名を指定します。
このパス名は、ホップの特定の IP アドレスを表します。
path-number は、明示的な IP パスのパス番号です。
lockdown ― LSP を再び最適化できないことを示します。
トンネル インターフェイスを設定する場合の設定例
例 20-3 では、トンネル インターフェイスに DS-TE を設定します。
例 20-3
トンネル インターフェイスでの TE の設定
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
Router(config-if)#
bandwidth 110000
ip unnumbered loopback0
tunnel destination 10.16.1.1
tunnel mode mpls traffic-eng
tunnel mpls traffic-eng bandwidth sub-pool 30000
tunnel mpls traffic-eng priority 0 0
tunnel mpls traffic-eng path-option 1 dynamic
保証帯域幅サービスの設定
保証帯域幅サービスを設定するには、次の設定作業を実行する必要があります。
•
DS-TE サブプール トンネルを使用した厳格な QoS 保証の実現(p.20-25)
•
DS-TE グローバル プール トンネルによる差別化サービスの実現(p.20-26)
•
同一ネットワークでの厳格保証および差別化サービスの実現(p.20-26)
保証帯域幅サービスの設定例については、
『MPLS Traffic Engineering-DiffServ Aware』
Release 12.2(14)S
フィーチャ モジュールを参照してください。
DS-TE サブプール トンネルを使用した厳格な QoS 保証の実現
DS-TE サブプール トンネルを使用して厳格な QoS 保証を実現する手順は、次のとおりです。
1. 厳格に保証されたトラフィックで排他的に使用されるキュー(DiffServ 用語では PHB という)
を選択します。このキューは、保証帯域幅キューと呼ばれます。
遅延またはジッタを保証する場合は、DiffServ EF PHB を使用します。Cisco 10000 シリーズ ルー
タでは、このキューは絶対プライオリティ キューです。
帯域幅の保証のみを提供する場合は、DiffServ Assured Forwarding Queue(AF PHB)を使用しま
す。Cisco 10000 シリーズ ルータでは、既存の CBWFQ キューの 1 つを使用します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-25
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
2. ルータが各トンネル ホップの発信インターフェイスの 保証帯域幅キューに、サブプール トン
ネルからの保証トラフィックを格納し、それ以外のトラフィックをこのキューに格納しないよ
うに設定します。このためには、トンネルに入るトラフィックの MPLS EXP フィールドに一意
の値をマーキングします。ルータでは、マーキングされたトラフィックのみを保証帯域幅
キューに送信します。
3. ルータがキューをオーバーサブスクライブしないで、保証帯域幅キューが処理できる量のトラ
フィックのみをサブプール トンネルに送信するように設定します。このため、サブプール ト
ンネルに入る前に、保証トラフィックのレートを制限します。サブプール トンネルに入るすべ
てのトラフィックの集約レートは、サブプール トンネルの帯域幅容量以下になります。遅延ま
たはジッタ保証の場合は、超過トラフィックが廃棄されます。帯域幅保証の場合は、超過トラ
フィックに優先廃棄用の異なるマーキングを設定できます。
4. 保証帯域幅キューに格納されるトラフィック量が、対応する発信リンクの合計帯域幅に対して
適切な割合となるように制限します。使用する正確な割合は、ネットワークの累積遅延に関係
するいくつかの要因によって決まります。この要因には、QoS パフォーマンス目標、トンネル
ホップの総数、トンネル パスに含まれるリンク数、入力トラフィックのバースト性などがあり
ます。この制限を設定するには、ip rsvp bandwidth コマンドの sub-pool kbps パラメータを調整
して、各発信リンクのサブプール帯域幅を合計リンク帯域幅に対する適切な割合に設定しま
す。
DS-TE グローバル プール トンネルによる差別化サービスの実現
DS-TE グローバル プール トンネルを使用して差別化サービスを実現する手順は、次のとおりです。
1. トラフィック クラスごとにキューを個別に選択します。
2. MPLS EXP フィールドの一意の値を使用して、各トラフィック クラスにマーキングします。
3. 特定のトラフィック クラスに対してマーキングされたパケットが、該当するクラスのキューに
格納されるように設定します。トンネル帯域幅は、すべての CoS における合計トラフィックの
予測値に基づいて設定されます。
特定のリンクでサポートされる DiffServ トンネルのトラフィック量を制御するには、該当するリン
クのグローバル プールのサイズを調整します。
同一ネットワークでの厳格保証および差別化サービスの実現
DS-TE を使用すると、サブプールおよびグローバル プール トンネルの制約ベース ルーティングを
同時に実行できるため、特定のネットワーク内で厳格保証と DiffServ を同時に実現できます。
DS-TE 設定の確認およびモニタリング
DS-TE 設定の確認およびモニタリングを行うには、特権 EXEC モードで次のいずれかのコマンドを
入力します。
コマンド
目的
Router# show running-config
すべての DS-TE 設定を表示します。
Router# show interfaces tunnel number
[accounting]
指定されたトンネル インターフェイスのトンネル インターフェ
イス情報を表示します。
number ― ポートの回線番号
(任意)accounting ― インターフェイスを介して送信された各プロ
トコル タイプのパケット数を表示します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-26
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
コマンド
目的
Router# show ip ospf [process-id]
すべての OSPF ルーティング プロセスに関する一般情報、または
指定されたルーティング プロセスのみの情報を表示します。
(任意)process-id ― プロセス ID を指定します。このオプションを
指定すると、指定されたルーティング プロセスに関する情報のみ
が表示されます。
Router# show ip route [address [mask]
[longer-prefixes]] | [protocol [process-id]]
ルーティング テーブルの現在のステートを表示します。
Router# show ip rsvp host {host {receivers |
senders} | installed | interface | neighbor |
request | reservation | sender}
RSVP による予約内容、インターフェイス情報、およびネイバ情報
など、受信側または送信側に関する RSVP 端末ポイント情報を表
示します。
request ― RSVP 予約アップストリーム情報が表示されます。
reservation ― ダウンストリームからの RSVP 予約要求が表示され
ます。
sender ― RSVP PATH ステート情報が表示されます。
Router# show ip rsvp interface [type number]
RSVP 関連のインターフェイス情報を表示します。
このコマンドは、現在の割り当てバジェットおよび割り当て可能
な最大帯域幅を表示する場合に使用します。
(任意)type number ― インターフェイスのタイプと番号を指定し
ます(例、serial 1/0/0)
。
Router# show mpls traffic-eng autoroute
インターフェイス、宛先、帯域幅など、Interior Gateway Protocol
(IGP; 内部ゲートウェイ プロトコル)にアナウンスされるトンネ
ルを表示します。このコマンドは、拡張 SPF 計算で IGP が現在使
用しているトンネル(autoroute が設定されている起動中のトンネ
ル)を表示します。
Router# show mpls traffic-eng fast-reroute
database
Fast Reroute データベースの内容を表示します。
Router# show mpls traffic-eng fast-reroute
log reroutes
Fast Reroute イベント ログの内容を表示します。
Router# show mpls traffic-eng link-management
admission-control [interface name]
ローカルに許可されたトンネル、およびそれらのパラメータ(プ
ライオリティ、帯域幅、着信 / 発信インターフェイス、ステートな
ど)を表示します。
(任意)interface name を指定すると、name で指定されたインター
フェイスで許可されているトンネルのみが表示されます(例、serial
1/0/0)。
Router# show mpls traffic-eng link-management
advertisements
MPLS TE リンク管理によってグローバル TE トポロジにフラッ
ディングされているローカル リンク情報を表示します。
Router# show mpls traffic-eng link-management
bandwidth-allocation [interface name]
現在のローカル リンク情報を表示します。
(任意)interface name を指定すると、name で指定されたインター
フェイスで許可されているトンネルのみが表示されます(例、serial
1/0/0)。
Router# show mpls traffic-eng link-management
igp-neighbors [{igp-id {isis isis-address |
ospf ospf-id} | ip A.B.C.D}]
IGP ネイバを表示します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-27
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
コマンド
目的
Router# show mpls traffic-eng link-management
interfaces [interface]
インターフェイス単位のリソースおよび設定情報を表示します。
(任意)interface を指定すると、指定されたインターフェイスの情
報が表示されます。
Router# show mpls traffic-eng link-management
summary [interface name]
リンク管理情報のサマリーを表示します。
(任意)interface name を指定すると、指定されたインターフェイ
スの情報が表示されます。
Router# show mpls traffic-eng topology
[{A.B.C.D | igp-id {isis nsapaddr | ospf
A.B.C.D}] [brief]
このノードで現在認識されている MPLS TE グローバル トポロジ
を表示します。
ノードを指定するには、IP アドレス(インターフェイス アドレス
に対するルータ ID)
、IGP ルータ ID(igp-id)
、ルータ ID(nsapaddr)
(IS-IS を使用している場合)、およびルータ ID(A.B.C.D)(OSPF
を使用している場合)を使用します。
(任意)brief ― トポロジの簡略バージョンを提供する簡易形式の
出力が表示されます。
Router# show mpls traffic-eng tunnels
トンネルに関する情報を表示します。
これらのコマンドの詳細については、
『MPLS Traffic Engineering-DiffServ Aware』Release 12.2(14)S
フィーチャ モジュールを参照してください。
DS-TE の設定例
ここでは、次の設定例を示します。
•
トンネル ヘッド ルータの設定例(p.20-28)
•
中間ルータでの DS-TE の設定例(p.20-29)
•
テールエンド ルータの設定例(p.20-30)
•
保証帯域幅サービスの設定例(p.20-31)
トンネル ヘッド ルータの設定例
ここでは、トンネル ヘッド ルータ上で DS-TE をアクティブにする例を示します。
•
トンネル ヘッド ルータでの DS-TE の設定例(p.20-29)
•
トンネル ヘッド物理インターフェイスでの DS-TE の設定例(p.20-29)
•
トンネル インターフェイスでの DS-TE の設定例(p.20-29)
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-28
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
トンネル ヘッド ルータでの DS-TE の設定例
例 20-4 では、トンネル ヘッド ルータで DS-TE をアクティブにします。この DS-TE 設定では、OSPF
ルーティング プロトコルを使用して、loopback0 仮想インターフェイスを設定します。
例 20-4
トンネル ヘッド ルータでの DS-TE の設定
router-1(config)# mpls traffic-eng tunnels
router-1(config)# router ospf 100
router-1(config-router)# redistribute connected
router-1(config-router)# network 10.1.1.0 0.0.09.255 area 0
router-1(config-router)# network 10.20.1.1 0.0.0.0 area 0
router-1(config-router)# mpls traffic-eng area 0
router-1(config-router)# mpls traffic-eng router-id loopback0
router-1(config-router)# exit
router-1(config)# interface loopback0
router-1(config-if)# ip address 10.22.1.1 255.255.255.255
router-1(config-if)# no ip directed-broadcast
router-1(config-if)# exit
トンネル ヘッド物理インターフェイスでの DS-TE の設定例
例 20-5 では、出力物理インターフェイス POS 2/0/0 で DS-TE をアクティブにします。この物理イン
ターフェイスはトンネル ヘッド ルータに設定されます。
例 20-5
トンネル ヘッド物理インターフェイスでの DS-TE の設定
router-1(config)# interface POS2/0/0
router-1(config-if)# ip address 10.1.1.1 255.255.255.0
router-1(config-if)# mpls traffic-eng tunnels
router-1(config-if)# ip rsvp bandwidth 130000 130000 sub-pool 80000
router-1(config-if)# exit
トンネル インターフェイスでの DS-TE の設定例
例 20-6 では、出力インターフェイス Tunnel1 で DS-TE をアクティブにします。このトンネル イン
ターフェイスはトンネル ヘッド ルータに設定されます。
例 20-6
トンネル インターフェイスでの DS-TE の設定
router-1(config)# interface Tunnel1
router-1(config-if)# bandwidth 110000
router-1(config-if)# ip unnumbered loopback0
router-1(config-if)# tunnel destination 10.24.1.1
router-1(config-if)# tunnel mode mpls traffic-eng
router-1(config-if)# tunnel mpls traffic-eng priority 0 0
router-1(config-if)# tunnel mpls traffic-eng bandwidth sub-pool 320000
router-1(config-if)# tunnel mpls traffic-eng path-option 1 dynamic
router-1(config-if)# exit
中間ルータでの DS-TE の設定例
ここでは、中間ルータ上で DS-TE を設定する例を示します。
(注)
•
中間ルータでの DS-TE の設定例(p.20-30)
•
中間ネットワーク インターフェイスでの DS-TE の設定例(p.20-30)
中間ルータにはトンネル インターフェイスを設定しないでください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-29
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
中間ルータでの DS-TE の設定例
例 20-7 では、中間ルータで DS-TE をグローバルにアクティブにします。この設定では、IS-IS ルー
ティング プロトコルを使用して、loopback0 仮想インターフェイスを設定します。
例 20-7
中間ルータでの DS-TE の設定
router-2(config)# mpls traffic-eng tunnels
router-2(config)# router isis
router-2(config-router)# net 49.0000.1000.0000.0012.00
router-2(config-router)# metric-style wide
router-2(config-router)# is-type level-1
router-2(config-router)# mpls traffic-eng level-1
router-2(config-router)# passive-interface loopback0
router-2(config-router)# mpls traffic-eng router-id loopback0
router-2(config-router)# exit
router-2(config)# interface loopback0
router-2(config-if)# ip address 10.25.1.1 255.255.255.255
router-2(config-if)# no ip directed-broadcast
router-2(config-if)# exit
中間ネットワーク インターフェイスでの DS-TE の設定例
例 20-8 では、中間ルータの物理ネットワーク インターフェイス POS 4/0 および POS 4/1 で DS-TE
をアクティブにします。この例では、IS-IS ルーティング プロトコルを使用します。
例 20-8
中間ネットワーク インターフェイスでの DS-TE の設定
router-2(config)# interface POS4/0
router-2(config-if)# ip address 10.11.1.2 255.255.255.0
router-2(config-if)# mpls traffic-eng tunnels
router-2(config-if)# ip rsvp bandwidth 130000 130000 sub-pool 80000
router-2(config-if)# ip router isis
router-2(config-if)# interface POS4/1
router-2(config-if)# ip address 10.12.1.2 255.255.255.0
router-2(config-if)# mpls traffic-eng tunnels
router-2(config-if)# ip rsvp bandwidth 130000 130000 sub-pool 80000
router-1(config-if)# ip router isis
router-1(config-if)# exit
テールエンド ルータの設定例
ここでは、テールエンド ルータ上で DS-TE を設定する例を示します。
(注)
•
テールエンド ルータでの DS-TE の設定例(p.20-31)
•
テールエンド物理インターフェイスでの DS-TE の設定例(p.20-31)
テールエンド ルータには、トンネル インターフェイスを設定しないでください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-30
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
MPLS DS-TE
テールエンド ルータでの DS-TE の設定例
例 20-9 では、テールエンド ルータで DS-TE をグローバルにアクティブにします。この設定では、
IS-IS ルーティング プロトコルおよび loopback0 仮想インターフェイスを設定します。
例 20-9
テールエンド ルータでの DS-TE の設定
router-3(config)# mpls traffic-eng tunnels
router-3(config)# router isis
router-3(config-router)# net 49.0000.1000.0000.0013.00
router-3(config-router)# metric-style wide
router-3(config-router)# is-type level-1
router-3(config-router)# mpls traffic-eng level-1
router-3(config-router)# passive-interface loopback0
router-3(config-router)# mpls traffic-eng router-id loopback0
router-3(config-router)# exit
router-3(config)# interface loopback0
router-3(config-if)# ip address 10.24.1.1 255.255.255.255
router-3(config-if)# no ip directed-broadcast
router-3(config-if)# ip router isis
router-3(config-if)# exit
テールエンド物理インターフェイスでの DS-TE の設定例
例 20-10 では、テールエンド ルータの物理インターフェイス POS 4/0 で DS-TE をアクティブにしま
す。この設定例では、IS-IS ルーティング プロトコルを使用します。
例 20-10 テールエンド物理インターフェイスでの DS-TE の設定
router-1(config)# interface POS4/0
router-1(config-if)# ip address 10.12.1.3 255.255.255.0
router-1(config-if)# mpls traffic-eng tunnels
router-1(config-if)# ip rsvp bandwidth 130000 130000 sub-pool 80000
router-1(config-if)# ip router isis
router-1(config-if)# exit
保証帯域幅サービスの設定例
保証帯域幅サービスの設定例については、
『MPLS Traffic Engineering-DiffServ Aware』
Release 12.2(14)S
フィーチャ モジュールを参照してください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-31
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
VRF 単位の AAA
VRF 単位の AAA
VPN Routing/Forwarding instance(VRF; VPN ルーティング / 転送インスタンス)単位の Authentication,
Authorization, Accounting(AAA; 認証、許可、アカウンティング)機能を使用することにより、Cisco
10000 シリーズ ルータは、RADIUS プロキシを経由せずに直接カスタマーの RADIUS サーバと通信
することができます。VRF 単位の AAA 機能を使用すると、VRF インスタンスに基づいて AAA サー
ビスを分割できます。
Cisco 10000 シリーズ ルータは、次の構成モデルで VRF 単位の AAA 機能をサポートします。
•
管理型 L2TP ネットワーク サーバ
•
VRF に対する PPP Terminated Aggregation(PTA; PPP 終端集約)
•
MPLS VPN に対する Remote Access(RA)
VRF 単位の AAA 機能をサポートするには、AAA が VRF 対応である必要があります。仮想テンプ
レート インターフェイスを使用して、各 VRF で動作パラメータを定義し、VRF パーティションに
パラメータを確保します。
VRF 単位の AAA 機能の詳細は、『Cisco 10000 Series Router Broadband Aggregation, Leased-Line, and
MPLS Configuration Guide』を参照してください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-32
OL-7433-06-J
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
関連資料
関連資料
ここでは、この章で説明した機能に関連する他のシスコ製品マニュアルへのハイパーリンクを示し
ます。マニュアルを表示するには、青で表示されているマニュアル名または章をクリックしてくだ
さい。マニュアル名の下に該当する章が付記されている場合もあります。
機能
クラス マップ
関連資料
『Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide』Release 12.2
Part 8:「Modular Quality of Service Command Line Interface」>「Configuring the Modular
Quality of Service Command Line Interface」>「Modular QoS CLI Configuration Task List」
>「Creating a Traffic Class」
DS-TE
『MPLS Traffic Engineering ― DiffServ Aware』Release 12.2(14)S フィーチャ モジュール
MPLS
『Cisco 10000 Series Router Broadband Aggregation, Leased-Line, and MPLS Configuration
Guide』
「Configuring Remote Access to MPLS」
『Multiprotocol Label Switching on Cisco Routers』Release 12.1(3)T フィーチャ モジュール
『MPLS Class of Service』
MPLS CoS マルチ VC モード 『MPLS QoS Multi-VC Mode for PA-A3』Release 12.2(2)T フィーチャ モジュール
『MPLS Label Distribution Protocol』Release 12.1(8a)E フィーチャ モジュール
『Multiprotocol Label Switching on Cisco Routers』Release 12.1(3)T フィーチャ モジュール
『MPLS Class of Service Enhancements』Release 12.2(5)T フィーチャ モジュール
『MPLS Virtual Private Networks (VPNs)』Release 12.0(22)S フィーチャ モジュール
『Quality of Service Solutions Configuration Guide』Release 12.2
ポリシー マップ
『Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide』Release 12.2
Part 8:「Modular Quality of Service Command Line Interface」>「Configuring the Modular Quality
of Service Command Line Interface」>「Modular QoS CLI Configuration Task List」>「Creating
a Traffic Policy」
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
OL-7433-06-J
20-33
第 20 章
MPLS トラフィックに対する QoS の設定
関連資料
Cisco 10000 シリーズ ルータ QoS コンフィギュレーション ガイド
20-34
OL-7433-06-J
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