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国家ビジョン研究会 ガスエネルギー小委員会(第5回) 議事録(要旨

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国家ビジョン研究会 ガスエネルギー小委員会(第5回) 議事録(要旨
国家ビジョン研究会
ガスエネルギー小委員会(第5回)
議事録(要旨)
日時・会場:10月11日3時―5時、 損保ジャパン39F 第11
出席者:別紙参照
新任委員のお名前のみ御紹介
会議室
中西代表挨拶:
本日は上部委員会(安全保障・エネルギー委員会)の小長顧問(元経済産業省
事務次官)にお見え頂いた。また、春田特別顧問は新関西国際空港会社の副社
長に就任され、ご多忙な折にも関わらずご参加されました。
さて、伊藤副委員長を中心にMH開発に関する政策提言を策定されたが、この
提言は追って、高原エネルギー庁長官のもとに提出したいと考えている。
成田委員によれば来春早々に実施される洋上産出試験の結果を踏まえて
ということになるが、MHの商業化に向けて民間企業がリスクテークし易くな
るような仕組みを考え、追って要路の方々に提案をしたいとも考えている。
併せて来春には、衆議院議員会館などでの講演会をアドボカシー活動の一つと
して、企画する予定であるので皆様のご協力を頂きたい。
委員長挨拶
本委員会は、10月からは、国内の天然ガス基盤整備の問題について検討して
行きたい。特に国の新しいエネルギー政策の中で、天然ガスの果たす役割がか
なり大きくなることを踏まえ我々は何をなすべきかを論議していきたいと考え
る。
そこで、基盤側・供給側の関係者に新たに委員としてご参加を頂きこれから
の日本の天然ガスの時代の姿を考えてみたい。
去る6月に総合資源エネルギー調査会 総合部会、天然ガスシフト基盤整備専門委員会
(私も委員として参加)での纏めが行われたが大震災の後ということもあり、
セキリティー確保が論議のかなりを占めた。長い目で見ると、国全体の供給体
制の基盤強化は重要なことではあるが、基盤整備が民間事業として行われてき
たことでもあり、民間の元気の出るような政策であることが重要でありその様
な視点も含めてここでは論議をしていきたい。
1
(発表)
樽本和芳 日本ガス協会企画部長
ガス協会の特徴、協会の役割に関して簡潔なご説明のあと、
「天然ガスシフト基盤整備への取り組みについて」PPでご説明
Q&A
Q春田特別顧問:日本のLNG基地を基幹PLで結ぶことも重要だが、LNG
基地が多数あることは、日本全体の安定供給の観点からは良いのではないか、
それを基幹PLで結ぶこととは総合的な判断が必要ではないか?
また、ガスですべて代替していくということではなく、石炭火力発電技術の進
歩によりCO2問題も相当改善されてもいるので、燃料コストの安い石炭を
利用していくとか、震災の時に活躍したようだが、石油からのLPG等も利用
するなどガスで総てを賄うということは、エネルギー全体としてのバランスを
どう考えているのか、以上2点を伺いたい。
A樽本部長:天然ガスシフト基盤整備問題は震災の前から検討されてきた。そこ
での思想は、各LNG基地から民間事業者が需要を掘り起こしながらの延伸を
考えていた。しかし、大震災もあり、東北横断PLの有効性が認識され、セキ
ュリティーを考えて多数のLNG基地の、全体としてのネットワーク化された
PL整備となった。
エネルギー全体に占める天然ガスの役割を、全体のバランスの中で考えるのは
当然のことだが、欧州の数字なども見ながら天然ガスをもう少し増加させるこ
とも良いのではないかと考えている。環境問題もありLNG価格の低減努力も
しながら、石炭火力の技術革新の成果も含め、全体としてのバランスのなかで、
天然ガスシフトを我々は考えている。
Q成田委員:波及効果の論議も最後に行われたようだが、下流側の論議も必要
ではないか、例えば、PLの整備により新しい産業が興るとか、ガス化学会社
が立地するとか、欧州の如く農業の温室用熱源として天然ガスが使われるとか。
A樽本部長: 今回の天然ガスシフト基盤整備委員会の中ではメインではないの
で下流の論議はされていないが、国全体としてのエネルギー環境政策とか新し
いエネルギー基本計画の論議のなかでは正に下流からの論議が行われている。
分散型のスマートエネルギーネットワーク計画とか、天然ガスをそのまま使う
のではなく、電力、熱や生産原料として使うとかの論議もされている。
2
Q山岡委員:A-Dの4ルートが示されているが、MHとの関連性での論議で
は渥美半島沖から産出するとなると、Aルートの優先性がどう位置付けられて
いるかを伺いたい。
A樽本部長:A―Dルートの優先順位などはこれからの問題。
新しい資源としてMHを活用しようとか、ロシアからPL輸入など国の新しい
政策が示された場合は、事業者間の枠を超えて、大型のPLを整備しようとい
うことになろうが、現在の論議は、その前にセキュリティーをどうするか、民
間の事業者の繋がっていないPLをどう連結するかの論議である。
もう少し見えてくるとそのようなMHの活用を念頭においた論議も始まるので
はないか?
Q小長顧問:自民党の国土強靭化調査会で200兆円規模の投資によるインフ
ラ整備の論議もある。この問題はその対象としても考えられよう。さて、従来
からLPG業者との共存・調整という問題があったが、この問題は、今はどう
なっているのか?
A樽本部長:答えにくいことではあるが、天然ガスシフト論議は、ガス事業者
以外は他の事業者は皆反対との意見が存在する。唯、天然ガス基盤は「公共財」
という考え方も存在するので、様々な事業者がガス市場に新規(相互)参入す
ることを含めて(ガス事業者として論議は多いにあるが)政府が基盤整備を支
援することになると考えている。
(発表)
福岡正博 富士フイルム CSR推進部 環境・品質マネジメント部長
エネルギーはあって当たり前であったが東日本大震災のあとは、電力事情が生
産計画を左右するという状況も生じた。その意味で、エネルギーのベストミッ
クスなど関心が非常に高まっていることなどの御紹介のあと、
「富士フイルムの環境への取組み~エネルギー活用の視点~」に関しPPでご
説明。
Q山岡委員:自己託送の御説明があったが、電力システム改革委員会での電力
自由化論議のなかでこの論議は進展しているのか?
A福岡部長:私も第二回の電力システム改革委員会にオブザーバーとして参加、
3
この問題について説明をしている。資源エネルギー庁を中心に法制化の動きも
あり、幣社もヒヤリングを受けている。又、石化協などから自己託送の弾力運
用の要望が出ていると聞いている。
Q井爪委員:足柄工場など富士フイルムの工場はいづれも僻地にあるので、ガ
ス利用の前提となる15KMにも及ぶパイプライン建設に関しては相当の御苦
労や工夫をされたのではないか?
福岡部長:足柄工場に関しては工場の近くまでは東京ガス様のPLが来ていた
わけではないので、近くに工場のあるアサヒビール様と富士フイルム、富士ゼ
ロックスの3社の共同のもとでの、ガスPLの布設工事となった。当時は温暖
化対策を最重点に据えた天然ガス転換でもあった。
中西代表:お話を伺っての感想だが、バイオマス発電など、エネルギーの地産
地消の傾向が高まるが、全国的にPLを建設することは地域活性化にも資する
ものであると感じました。
Q小長顧問:将来展望として、富士フイルムが発電事業者として地産地消の意
味も込めて、参入される構想はあるのでしょうか?
福岡部長:発電事業者としての市場参入はスケールメリットもないし、事業として
やるとなると難しいと思う。但し、同じ地域に自家発を保有する工場などが協
力して、近隣地域に供給してはどうかいう話は出ているように聞いている。
委員長:有難うございました。他に質問が無ければ時間の関係もありこの辺で
終了します。
以上
4
別紙
一般社団法人
国家ビジョン研究会
第五回ガスエネルギー小委員会
出席者名簿
(ご来賓)国家ビジョン研究会
安全保障・エネルギー委員会
顧問:小長啓一様(財団法⼈経済産業調査会会⻑
元通産省事務次官)
(委員)
特別顧問
委員長
副委員長
委 員
委
委
委
員
員
員
委 員
委 員
委員
委 員
委
員
委 員
委員
委
員
青表示は新任(敬称略)
春田 謙(新関西国際空港 代表取締役副社長/元国土交通省事務
次官)
山内弘隆(一橋大学大学院商学研究科教授)
伊藤浩吉(日本エネルギー経済研究所 研究顧問/元常務理事)
植田信一 (大阪ガス経営企画本部 企画部 制度企画チーム
マネージャー)
隈元泰弘(LECリーガルマインド大学教授)
桑田 憲吾(損保ジャパン企画開発部長)
笹山 晋一(東京ガス総合企画部エネルギー・技術グループ・マ
ネージャー)
樽本和芳(日本ガス協会企画部長)
棚橋 学(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門主幹研究
員)
中沢 謙二(JX日鉱日石エネルギー総合企画部企画・渉外室長)
成田英夫(産業技術総合研究所メタンハイドレート研究センタ
ー長)
福岡正博 (富士フイルム CSR推進部 環境・品質マネジ
メント部長)
山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
山本宣雄(東邦ガス企画部 エネルギー政策・制度グループ
マネジャー)
井爪輝明(日本産業経済研究所所長)
5
(陪席)
陪 席
陪
席
陪席
陪席
岡部洋明(みずほコーポレート銀行産業調査部エネルギーチー
ム ガス担当)
鳥海 誠(ユニバーサル造船 技術総括部 新商品グループ
特任部長)
木村 晋(日本政策投資銀行企業金融第5部課長)
上田絵里(
同
上
調査役 )
(主催者)
一般社団法人
代表理事
国家ビジョン研究会
中西真彦(兼代表世話人)
佐藤孝靖(事務局長)
志佐隆司(広報会議委員)
以上
6
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