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TPCAショー2008(その2)

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TPCAショー2008(その2)
#0838、2008年11月2日
今週の話題
TPCAショー2008(その2)
前回紹介しましたように、今年からTPCAショーの会場は、台北市東部に
建設された新しいコンベンションホールに移りました。新しい会場のビルは大き
いとはいうものの、ひとつのフロアで全てのブースを収容するのには無理があっ
たとのことで、1階と4階のフロアに分けられることになりました。両フロアと
も同じくらいのフロアスペースでしたが、それぞれまだ空きスペースがあり、こ
れから出展者が増えることがあっても、この先数年は大丈夫でしょう。
1階のフロアは比較的ブースが大きくなる製造装置関連のメーカーで占めら
れており、その他のブースは4階のフロアにまとめられた形になっています。し
たがって、フロアサイズは同じくらいというものの、出展者の数では倍以上です。
ただ、TPCAショーの場合、大手の地元ディーラーは、1社で海外メーカーを
5社、10社と扱っているケースが多く、実際に出展しているメーカーの数はは
るかに多くなります。ただ、日本のメーカーの中には、パネルだけの出展で、説
明員もいないようなケースも少なくなく、展示にかける意欲にはいまひとつだっ
たかもしれません。
4階フロアは雑居的といってもよいほど多様な会社や団体のブースが並んで
いますが、強いていえばプリント基板メーカーと材料メーカーが中心だったかも
しれません。ただ、その内容は以前とはちょっと違っていました。
去年のプリント基板メーカーの展示はかなり貧乏ったらしいものでした。多
くのメーカーは最低限度のスペースに、会社紹介のパネルとパンフレットを置い
ているだけで、説明員さえいませんでした。当然訪れる人も少なく、いかにもお
つきあいのためにだけ出展している感じがしたものでした。それに比べると、主
要メーカーはそれぞれまとまったスペースに、その会社の特徴を紹介するパネル
は意欲的で、他にサンプルの展示もかなりのものです。営業とおぼしき担当者が
さかんにビジターに話しかけます。特に大手フレキシブル基板メーカーの積極性
が目立ちました。技術的な内容としては、かなりのレベルにきているものの、日
本の大手メーカーに比べて若干劣るようです。何人かの説明員に話を聞いたとこ
ろでは、最近の市況は思わしくなく、この先の市場動向には不安を感じているよ
うです。
逆に台湾の地元材料メーカーの展示は、以前に比べて比べてかなり控えめで
す。特にフレキシブル基板用のベースフィルムメーカー、銅張積層板メーカーは
ほとんど姿を消してしまいました。関係者に聞いたとことでは、最近の需要があ
まりに悪く、この事業からの撤退を考えているメーカーも複数あるとのことでし
た。それでも、ある硬質基板用の銅張積層板メーカーが、無接着剤タイプのフレ
キシブル銅張積層板を開発中といっていたのには驚きました。
1
材料関係でちょっと目立ったのは、韓国メーカーです。樹脂メーカーが1社、
フレキシブル基板用のポリイミドフィルムを、また銅箔メーカー1社がスパッタ
リングタイプのフレキシブル銅張積層板を紹介していました。
両社ともかなりの大きさのブースを持ち、意欲的な展示をしていました。この2
社は、6月のJPCAショーでも出展していましたので、積極的に輸出を考えて
いるようです。これまで、国内ユーザーへの売り込みにフォーカスしていた韓国
の材料メーカーが、海外市場に打って出るというのは注目に値するでしょう。た
だ、説明員に話を聞いた範囲では、現在の市場動向や、台湾市場への参入の難し
さを十分理解しているとは思えず、今後いばらの道を歩むことになるでしょう。
(次回へ続く)
沼倉研史
DKNリサーチ
イベントスケジュール(DKNリサーチ関連)
1.
2008年10月23日 TPCA Show 2008, Taipei/Taiwan,
3rd IMPACT (International Microsystems, Packaging, Assembly and
Circuits Technology Conference) and the 10th EMAP (International
Conference on Electronics Materials and Packaging)
Presentation “Advanced Screen Printing Process” -Practical
Approaches for Printable & Flexible Electronics- by Dominique
Numakura
2.
2008年11月14日、 日本印刷会館、東京都中央区新富 1-16-8
日本印刷学会主催、2008 年度E&S研究会セミナー、スクリーン印刷の
フレキシブルエレクトロニクスへの応用
「スクリーン印刷によるプリンタブルエレクトロニクスの実用化」
沼倉研史
今週のヘッドライン
2008年11月2日
1.
Jabil Circuits(米国のEMS大手)10/24
フランスの Meung-sur-Loire 工場で、次世代のGPS製品である
PocketFinder の量産組立てを行う準備が整う。
2.
NCAB(ヨーロッパのプリント基板ディーラー)10/24
今年の売上高として43千万ユーロを見込む。ポーランド、ドイツなどの
市場が急成長。ノルウェーが最大市場。中国に25名のスタッフ。
3.
AT&S(オーストリアの基板メーカー大手)10/21
2
2008年上半期の売上高は、前年同期比で3%減少の2億3420万
ユーロ。利益は7%減少の2060万ユーロに。
4.
サムスン電子(韓国のエレクトロニクスメーカー最大手)10/23
主要製品であるフラッシュメモリーの市場価格が低迷しており、
第4四半期も採算の回復は期待できないとの見通し。
5.
Nanya PCB(台湾の基板メーカー大手)10/24
フリップチップ基板の需要が低迷しており、第4四半期の出荷は前期比で
10%の減少を予測。工場の稼働率も下がる見込み。
6.
Faraday Circuits(英国の基板メーカー)10/24
North East 工場への設備投資の効果が出て、売上げは20%増の
450万ポンドに。極東メーカーとの競争に競り勝つ。
7.
Intel(米国半導体メーカー最大手)10/23
パーソナルコンピュータ用CPUデバイスの新しい高効率空気冷却
システムのついたパッケージを実用化へ。
8.
China TechNews(中国の業界メディア)10/24
2008年の9月までのプラズマテレビの出荷は、前年同期比で
250%増の118万台に。
9.
Invotec(英国の基板メーカー)10/24
航空宇宙用途の高密度多層回路の製造能力を強化するために、
新しいレーザードリリングシステムを Tamworth 工場に導入。
45百万ユーロの売上げを見込む。
10.
Flextronics(シンガポールのEMS大手)10/27
最近のノートブックPC、サーバーの需要低迷に対応するために、台湾
のオフィスで70名の従業員をレイオフに。
11.
iSuppli(米国の市場調査会社)10/24
世界のHDテレビの市場は、2007年の9710万台から、
2012年には2億4120万台に成長と予測。
12.
Asustek(台湾のマザーボード大手)10/24
同時マルチタスク処理を効率化するために複数のディスプレイを持つ、
新しいコンセプトのノートブックPCを発表。
13.
NanoMarket(米国の市場調査会社)10/24
3
世界のOLED材料の市場は、2015年には27億ドルまで成長する
と予測。
14.
IPC(米国のプリント基板業界団体)10/24
EUのRoHS規制物質リスト案の中に、プリント基板の難燃剤である
TBBPA が入っていることに懸念を表明。
15.
ITAA(米国の市場調査会社)10/27
米国の軍事予算において、IT関連の予算は、今後2014年まで、
年率2%の成長を維持すると予測
16.
Gartner(米国の市場調査会社)10/27
米国に端を発した金融危機は、PCやフラットテレビなどに直接的な
打撃を与え、半導体産業に長期的な低迷をもたらすと予測。
17.
DIGITIMES(台湾の業界メディア)10/27
2008年におけるデジタルフォトフレームの世界市場は
18〜20百万ユニットに成長すると予測。価格は30%の下落。
18.
IPC(米国のプリント基板業界団体)10/27
2008年9月における、北米のプリント基板産業のB/Bレシオは
0.95に低迷。フレキシブル基板の受注は急増。
19.
Unimicron(台湾の基板メーカー大手)10/29
今年の第4四半期の出荷は7〜9%の減少を予測。しかしながら、
今後の世界の経済情勢によっては、二桁減少もありうるとの予測。
20.
DIGITIMES(台湾の業界メディア)10/29
台湾のノートブックPC向けプリント基板の需要は低迷しており、
大手メーカーは2009年における生産能力増強のための設備投資を
見直す方針。
21.
Hon Hai Precision(台湾のEMS最大手)10/31
2008年第3四半期の利益は178.2億台湾ドルで、当初の予想
よりは大きかったものの、前年同期比(198.7億)で減少。
22.
AT&S(オーストリアの基板メーカー大手)10/23
操業率低下に対応するために、国内の Leoben 工場
(従業員1200名)で大規模な組織変更の計画。
レイオフの予定はなし。
4
(注)このヘッドライン・ニュース・レターは速報性を重視するために、若干の
誤訳や数字の変換に誤りがある場合もございます。ご了承下さい。
DKNリサーチ
栄泰産業株式会社
最近の興味深い文献から
Articles of DKN Research
1. “Screen Printing for High-Density Flexible Electronics”, Robert
Turunen, Masafumi Nakayama and Dominique Numakura, Printed Circuit FAB,
October, 2007, http://pcdandm.com/cms/content/view/3846/95/
2. 「印刷法による高密度多層フレキシブル•エレクトロニクス回路の総合加工プ
ロセス技術」沼倉研史、電子材料、 2007年10月号、 工業調査会、
“Total Process Solution for the High-Density Multi-layer Flexible
Printable Electronic Circuits”, (Japanese only) Dominique Numakura,
Denshi Zairyo, October, 2007
3. New 「ロール・ツー・ロール(RTR)によるフレキシブル基板の製造可能
性と課題」沼倉研史、2008年3月、情報機構
“Roll to Roll Production of Flexible Circuits, Possibilities and
Issues” Dominique Numakura, Joho Kiko, Tokyo, March 2008 (Japanese
only)
4. “Coombs’ Printed Circuits Handbook, 6th Edition, Part 15-Flexible
Circuits”, Dominique Numakura, McGraw Hill, New York, September, 2007
5. New “Screen Printing Process for High Density Flexible Electronics”,
Robert Turunen, Dominique Numakura, Masafumi Nakayama and Hisayuki
Kawasaki, IPC Printed Circuit Expo/APEX and the Designers Summit, April
2008.
6. New “Global Flexible Circuit Industry, Market Trends and Technology
Trends by Applications”, Dominique Numakura, International Symposium of
KPCA Show, April, 2008 (English power point file is available.)
7. New 「高精度多層印刷技術の動向と部品内蔵基板への展開」(沼倉研史)
Electronic Journal 第 183 回 Technical Symposium, 「極薄・超高密
度実装技術★徹底検証」
5
From the Major Industry Magazines
1. “Using a Static Timing Analysis Tool to Generate SDC Timing
Constraints”, Jerry Long, CircuiTree, October 2008.
2. “Reflow Soldering with a SnCu Eutectic Pb-Free Alloy”, Gerjan
Diepstraten, Circuits Assembly, September 2008.
3. “Manage Multiple Signals with HDI”, Michael Rowlands, Rabindra Das,
John Lauffer and Voya Markovich, SMT, September 2008
4. “Mixed Signal Design Considerations”, Syed W. Ali, Printed Circuit
Design & FAB, October 2008.
5. “Advanced Micro Imaging of Gold-gold MEMS Wafer Bonds”, Tom Adams
and Kevin Turner, Advanced Packaging, July, 2008
6.“Parallel print & inspection processes to achieve 100% post-print
inspection”, Walfram Hubsch, Global SMT & Packaging, August 2008
6
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