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「家庭でできる治療法・養生法」 特集号
クリニックだより 気・心・体 第78号 平成 2 1 年 4 月 1 日 高森内科クリニック * 「家庭でできる治療法・養生法」特集号* (1)はじめに 身の回りにある薬草・果物・野菜・穀物などを用いて家族の健康を守り病気を治療 することができればこんな良いことはありません。でも安全で、簡単で、安価な治療 法・養生法が紹介された本はあまりありません。色々探した中でとても良い情報に巡 り会いました。「漢方専門 温心堂薬局のホームページ」と「漢方専門の小児科医・王 瑞雲先生の著作」「自然療法家・東城百合子さんの著作」にはとても有益な情報が満 載されています。今回はその中から、特に有益と思われる部分を皆様に紹介いたしま す。 全員に効果があるという治療法・養生法はありませんので、自分でやってみて確か めてみて下さい。そして自分にあった方法を探し出し、自分に合うようにアレンジし てみてもかまわないと思います。また、やってみてもし体調が悪くなることがあれば すぐにやめましょう。もしお困りなこと、わからないことがあれば高森内科クリニッ クに問い合わせて下さい。 (2)「漢方の温心堂」のホームページより 1,生姜は便利な家庭薬 漢方の三大繁用生薬は甘草・生姜・大棗である。生姜は食材としての利用範囲は 広く、なくてはならないスパイスである。漢方治療としては、風邪薬として体を温 め発汗したり、胃腸薬として嘔気を治す目的で用いることが多い。 妊娠時の悪阻(つわり)にはよく効きます。また鎮吐作用があるので乗り物酔い の治療にも使えます。生の生姜の方が効果が優れているので、1回4∼8g位をす り下ろし、葛湯などに入れると飲みやすくなる。風邪の時の悪寒や腹が冷えて下痢 するときには、温めて用い、吐き気や乗り物酔いには冷やして飲んでも良い。 2,苦味の薬は皮膚病の治療に 苦味は清熱作用があり炎症を抑える作用があります。ヨモギの煎じ液で入浴す る。ドクダミ茶の服用も効果がありますが、できればスイカズラの花も配合すると 効果が上がります。11ヶ月の乳児ではドクダミ10g、スイカズラ5g程度を5分 間ほど煎じてそれを一日分として服用します。外用剤として椿油、オリーブ油を勧 めます。漢方の太乙膏、紫雲膏もいいですが、炎症のひどいときは中黄膏がよいよ うです。 3,鼻水に生姜湯 生の生姜4∼5gを茶漉しにすりおろして熱湯をかけます。それにレモン汁少々 と適量の蜂蜜を入れ、熱いうちに服用します。これで効かなければ、すりおろした ままの生姜に葛粉を水でといて入れ、さらに蜂蜜を適量入れます。これは葛・生姜 湯というものですが、葛を入れる方が温める作用が増強します。葛粉を入れる場合 は加熱が必要になります。 4,目に効く薬草 ①黄飯 大分県臼杵地方の郷土料理・黄飯が視力の改善によいと言われています。 「黄飯のレシピ(4人分) 」 材 料:米280g、水420ml、クチナシの実2∼3個 作り方:米はといでざるにあげておく。クチナシの実は砕いて水につけ、色を出 す。炊飯器にこれらを入れて炊く。 ②菊花 菊花も目によいと言われています。菊花の生の搾り汁・菊花20∼30gをミキ サーかすり鉢で擂り潰し、ガーゼで漉してそれを飲むのです。生の菊花が手に入 らないときは、薬草店で乾燥菊花をもとめて、これに熱湯を注いでお茶として飲 む方法でもよいようです。生の菊が手に入ったときに、まとめて乾燥させて保存 しておくのもよいでしょう。菊花の生の花弁や菊の葉をおおざっぱに刻み、それ にお湯を注いで、好みで蜂蜜等で甘みをつけて飲んでもよい。菊花は新鮮であれ ば、天ぷら・おひたしで食することもできます。 ③ハブ茶 これは漢方では決明子といい、菊花と同じように目に使います。整腸作用、 穏やかな瀉下作用があり、飲みやすくとても便利です。そのまま煎じて飲める し、焙じると香ばしくコーヒーみたいな味です。これも畑の隅に種をまいておく と、毎年種が落ちたところから芽が出て何の管理も手間もいらない薬草です。 ハブ茶(決明子)の10∼20gを400∼600mlの水で10∼15分ほど弱火で煎じ、 これにカモミール等を加えて飲用することもあります。フライパンで焙じて使う こともあります。焙じたら熱湯を注ぐだけでも飲めます。ミルで砕いてドリップ でも可。 また苦杞の実もとても目にいいようです。 5,イボに効く鳩麦(ハトムギ) ハトムギは生薬でもあり保険薬として医薬品の認可もされています。医薬品の場 合はヨクイニンといい、イボに効くとの効能は確認されています。薬用のヨクイニ ンは、鳩麦の果皮を脱穀して精白したもので、古来イボ取りの妙薬として有名で す。副作用もなく安価であり、安心して服用できます。食品の感覚で服用でき、粉 末を水で溶いて、加熱して粥にします。好みで蜂蜜・塩で味付けをし、枸杞の実な どを入れて飲むと実に美味しいものです。お好み焼き・うどん・饅頭・クレープ、 ホットケーキなどに小麦に混ぜて使うこともできます。また、粒であれば米と混ぜ て炊いてもかまいません。粉末は外用にも応用できます。石鹸を泡立て、それにヨ クイニン末を適当量混ぜ、さらによく泡立て馴染ませます。それで顔や皮膚を洗う と皮膚の状態がよくなります。 6,産後の漢方薬 乳幼児のあせもには、桃の葉の罨法が有名です。罨法とは、充血や炎症などを除 くために薬液や水・湯などにひたした布で患部を冷やしまたは暖めることです。生 の桃の葉を両手いっぱいほど摘んできて、適量の水(約1Lぐらい)の水で10∼ 15分煎じます。その汁に布を浸し、罨法をするのです。桃の葉をまとめて採集し 乾燥させて保存しておけば便利です。 次に、薬草を処方した「 」というものがあります。かつては「胎毒を下し」 クマリ として、助産婦さんに愛用されたものです。 「甘草1g,黄連1g、紅花1g、大黄1g」 以上を振り出しにして出産直後の乳児に服ませます。胎児の胎便の排出が容易に行 われて、発育がよくなり、アレルギーの予防にもなるといわれています。哺乳瓶で 一回だけ与えればよいのです。出産直後に一番はじめに与える飲み物として与えて 下さい。 7,風邪に効く薬草 生姜湯は風邪や冷え症の予防や治療に有効ですが、それ以外には金銀花(別名ス イカズラ・忍冬)があります。鼻の奥の粘膜が乾燥したり、咽喉が発赤したりし て、寒気は少なく熱が多い風邪があります。そのようなときには金銀花が合うので す。金銀花の花弁を採集して乾燥して保存しておきます。これを煎じて温かいうち に少しずつ口に含みうがい(含嗽)しながら飲み込みます。1日量は8∼10g (20∼30gでもかまいません) 、煎じる時間は約5分。 金柑と南天は民間療法で咳の薬として古くから親しまれ有名です。金柑10∼15 個、南天10∼15g、これに黒砂糖適量を加え、30分ほど弱火で煎じて、その汁を 温かいうちに服用します。また、金柑を甘露煮して保存しておくことができます。 金柑の重量の5∼6割程度の砂糖で煮込みます。まず金柑に5∼6カ所くらい傷を つけ種を抜き取ります。それを軽く煮てゆで汁を捨て甘露煮として仕上げます。保 存が利きますので、咳止めにそのまま煎じたり、あるいは熱湯を加えただけで服用 できます。また、焼酎を飲むとき、湯割りにこれを入れて飲むと、意外な味が楽し めます。もちろん料理の添え物としても応用できます。 8,生姜湯の応用(軽度の不安を抑える) 親指大の生姜を茶漉しにすり下ろし、熱湯をそそぎ、 レモン汁少々、さらに蜂蜜適量を加えて飲む。風邪の時 で少し寒気がするときなどはよく効きます。お好みで葛 粉を少し加えるのもよいようです。この生姜湯は不安・ イライラなどにも有効なことがありますので、試してみ るのもよいでしょう。 (3)王瑞雲先生の本より 主に小児のために書かれておりますが、大人でも有効です。 1,下痢 ①葛湯 カップに葛粉大さじ1/2∼1を入れ、沸騰させた湯を注ぐ。それに黒砂糖小さじ 1を加えよくかき混ぜる。 ②山芋とリンゴのおろしあえ リンゴ1/2個、山芋10㎝をすり下ろし、耐熱容器に入れ、ふたをする。それに梅 干しの果肉をつぶして加える。そして最後に水を入れた鍋に容器ごと入れ、約 20分間蒸す。 ③ニラの玄米がゆ 玄米ご飯に水を加えて火にかける。ニラを細かく刻んで加える。そして粥が好み の軟らかさになるまで煮る。 ④そうめんのゆで汁 そうめんのゆで汁の適度の塩気、適度なでんぷん質が胃腸を守ってくれるのです。 2,嘔吐・吐き気 梅干し番茶 梅干しの果肉をほぐし、それを温かい番茶の中に入れます。好みで黒砂糖もしく は醤油を加えてもよいでしょう。 3,喉(のど)の痛み ①ニンニクうがい薬 ニンニク1片をすり下ろし、大きめの湯飲みに入れる。それに天然塩少々を加え る。もしあるならば甘草末0.5g加える(漢方専門薬局で購入できます)。湯 250mlを注ぎ入れ、4∼5分そのままにおき、それを茶漉しで漉してつくります。 ②手作り「のど湿布パスター」 イモパスター:サトイモ100gを生のまますりおろす。小麦粉1/2カップとおろ し生姜を少量加えてよくかき混ぜ合わせる。 長ネギとからしのパスター:長ネギ1/2本を粗みじん切りにする。これに練りが らし大さじ1を混ぜ、ペースト状になるように練り合わせる。 4,咳、痰 ①大根、蓮根のおろし和え 大根5cm、蓮根5cmをそれぞれすりおろす。それらを混ぜ合わせ、小さく切っ たパイナップル(缶詰でも可)を適量加える。 ②大根、蓮根、もずくの和え物 大根5cm、蓮根5cmをそれぞれすりおろす。それらを混ぜ合わせ、もずく1 カップ、酢大さじ1/2、醤油大さじ1/2を加え、よく混ぜ合わせる。 ③大根の煮物 厚さ5㎜の半月切りにした大根を、醤油、生姜の絞り汁とともに薄味で煮たもの。 ④マーマレードのお湯割り お好みの量のマーマレードに湯を注ぎ、よく混ぜたもの。 ⑤金柑の甘煮 金柑3∼4個を黒砂糖で煮たもの。汁も一緒に飲むとよい。 5,皮膚の病気 ①湿疹・あせも 枇杷の葉、ゴーヤの実や葉、大根の葉、桃の葉などを煎じて作る薬湯に皮膚病の 部分をひたす。入浴剤やローションとして使ってもよい。その後、醸造酢を水で 5∼6倍に薄めた液を、ガーゼか脱脂綿にひたし、病変部をよく拭く。→最後 に、紫雲膏をマッサージするようによく擦り込む。 あせもは体の熱をさましてくれるトマト・ナスなどの夏野菜、スイカ・パイナッ プルなどの夏の果物をほどほどに食べるだけでもかかりにくくなります。 ②かぶれ・ただれ 無農薬茶(なければ、番茶か緑茶)を飲むぐらいの濃さにした液で病変部を洗う。 その後で紫雲膏をマッサージするようによく擦り込む。 ③しもやけ 血行をよくするために「トウガラシ湯」に10∼12分浸ける。その後紫雲膏を マッサージするようによく擦り込む。トウガラシ湯とは、洗面器に40℃ぐらい の湯と赤唐辛子1本をいれ、しばらくおけばできあがる。 しもやけは血行不良が原因ですから、トウガラシ・生姜・ニンニク・イモガラな どを食べるとかなりよくなります。 *薬湯の作り方 手ぬぐいを半分に折り、両端を縫い合わせて袋状にする。 枇杷の葉、ゴーヤーの実や葉、大根の葉、桃の葉、ドクダミの葉、紫蘇の地上部、 緑茶・番茶・杜仲茶(お茶としても飲めるものすべて入浴剤として使えます)、な どを刻み、袋に詰め布の口をしっかり縛る。 袋ごとを大きな鍋に入れ、水を張ってコトコトと弱火で煮出す。 煮出した液を皮膚にぬってもよい。また湯と煮出した後の袋を風呂に入れて、入浴 剤にしてもよい。 6,疲労回復 ①枸杞のお茶 枸杞の葉と茎をカラカラに干し、煮出す。ルチンやカリウムが多く含まれ、動脈 硬化を予防する。 ②梅ジュース 青梅1kgと氷砂糖1kgを密閉容器に入れ、そのままおくと2∼4週間で濃縮 ジュースができる。梅と一緒にコップに入れ水で割る。酢・焼酎・レモンを入れ ても可。保存は冷蔵庫、あるいは、一度80℃前後まで加熱してから保存する。 保存期間は2∼3週間。 ③赤ジソの甘酢漬け 赤ジソの葉だけを摘んで水洗いし、網の上にのせて、一日天日干しする。みじん 切りにして砂糖・塩・酢に浸けるだけ。冷蔵庫で保存すれば、半年間以上は大丈 夫。ジャコやゴマを混ぜてもよい。 ④赤ジソの入浴剤 赤ジソの茎をハサミで刻み、手ぬぐいで作った布袋に入れ、コトコトと煮る。袋 を煮汁ごと湯船に入れる。青じそでも可。 7,不眠症、眠れないとき ①赤ジソの甘酢漬け ほんのひとつまみをおちょこに入れ、湯を注いで飲みます。 ②ハーブの香り 枕元にローズやラベンダー、サフランのめしべを置きます。 ③甘麦大棗湯 8,蕁麻疹 ①ネギ湯 長ネギの白い部分をみじん切りにし、梅干し1個をつぶして混ぜ、それに熱湯を 注ぎます。熱いうちに飲みます。長ネギの代わりに、赤ジソが青ジソでもよいの です。 ②ドクダミ茶 ドクダミの葉を煎じて飲みます。市販品でもよいのですが、ごく薄いものにし冷 茶は避けます(むくみ気味になる人がいるので注意) 。 9,子どもに使える漢方薬・民間薬 ①下痢しがちな子には高麗人参茶を 蜂蜜を加えて飲むとさらに効果があるようです。 ②疲労しやすい子には特製ドリンクを 鍋にリンゴ1/2個、ヤマイモを同量、生姜を少々、これらをすべてすりおろす。 そして水を250∼300ml入れ、やわらかくなるまでとろ火で煮る。煮汁だけでも、 具を食べてもよい。 ③アトピー性皮膚炎予防には特製のお茶 乾燥ドグダミ1:ハブ茶1:ハトムギ(皮付き)3の割合。さらにお湯で薄め、 ホットで飲む。濃すぎるのはよくない。 ④不眠症ぎみの子にはタマネギ&梅湯を 湯飲み茶碗にみじん切りのタマネギ1/4個、つぶした梅干し1/2個を入れ、熱湯 を入れる。薄めたカモミールティーも有効です。 ⑤下半身が冷えているタイプにはレンコン茶 湯飲み茶碗にレンコンの砂糖漬け(市販)約5∼6枚、す り下ろし生姜を少々入れ、熱湯を注ぐ、具も一緒に食べま す。 10,子どもの風邪の治療 ①生姜湯 生姜のしぼり汁、黒砂糖各少々に葛粉大さじ1を加え、お湯を注ぎます。 ②梅干し番茶 番茶に梅干し1/2∼1/3の1個を入れてつぶし、黒砂糖、蜂蜜などの甘みを少々 加えます(白砂糖はあまりおすすめしません) 。 ③羅漢果(ラカンカ)の煮汁 羅漢果の煮汁に生姜の千切り少々、梅干し1個を加えます。 ④長ネギ&梅干し 長ネギをきざんで、梅干し1/2∼1/3の1個、甘みを少々加え、お湯を注ぎます。 ⑤大根おろし 大根だけでもいいし、リンゴのすりおろしを混ぜてもOK。喉が痛いときは、も ずくを加える。 ⑥塩焼きミカン ミカン1個のおしりのところに塩少々を入れ、網の上で焼いて食べます。 ⑦薬を飲ませるとき 板藍根がおすすめです。市販のエキス顆粒を大人の分量の1/2∼1/3ほど、生姜 湯に混ぜて飲ませて下さい。 ⑧食欲がある場合は温かいおじやを 梅肉と生姜のすりおろしを少し加えるといいです。冬瓜、大根、長ネギなどを入 れるのもおすすめです。味付けは味噌味が食べやすいようです。 11,喉(のど)が痛いとき ①ニンニク1片をすりおろし、天然塩少々、あれば甘草末0.5gを加え、大きめの カップ八分目ほどのお湯(約250ml)をそそいで4∼5分ほど置き、茶こしなど で漉します。これでうがいをするのです。 ②長ネギをきざんで、芥子で練ったものをガーゼに包んで、のどに湿布をする。 ③イモパスター イモパスターも効果的です。サトイモをすりおろし、同量の小麦粉、サトイモの 1割程度のおろし生姜を混ぜ合わせ、ガーゼハンカチに包んで首に巻きます。熱 のある痛み、ねんざ、乳腺炎、関節が腫れて痛いとき、などにもとてもよく効き ます。 ④豆腐パスター 豆腐をつぶし、これに一割位のおろし生姜をまぜ、つなぎに小麦粉を混ぜます。 これを2cm位の厚さに木綿の布にのばしてそれを患部に当て、30分毎に取り替 えます。 12,咳と痰 ①大根おろし 定番中の定番です。 ②大根おろしのバリエーション 蓮根のすりおろし+もずく+酢醤油少々(子どもなら大さじ1∼2杯)を加えた り、蓮根のすりおろし+リンゴのすりおろし(またはパイナップル→缶詰でも可) を加える。 ③羅漢果(ラカンカ) 羅漢果の煮汁に生姜のしぼり汁を少々加えます。 ④金柑 金柑の甘煮3∼4粒を食べ、汁を飲みます。マーマーレードをお湯割りにしても 可。 ⑤枇杷の葉 枇杷の葉の煮汁。ブドウ酒色のものを薄いピンク色に薄めて飲みます。黒砂糖や 蜂蜜を少し加えて甘みをつけるか、羅漢果を使うといい。 ⑥花梨(カリン) 花梨(カリン)の蜂蜜漬けを薄めて飲みます。 ⑦板藍根(バンランコン) 板藍根を飲みます。板藍根はエキス顆粒が漢方店で売っており、ネットでも買え ます。 「咳が特にひどいとき」 ①ホオズキの黒焼きを耳かき1杯分をオブラートに包んで飲む。 ②紫蘇の実、大根の種を煎じて飲む。 ③大根の種をすり鉢で粉にして小さじ半分くらい飲む。 「痰がとくにとれないとき」 ①蓮根をヘタのところも含めてすりおろし、アロエ2∼3㎝のみじん切りともずく 中さじ1∼2杯を混ぜて食べる。 ②枸杞の枝、根の皮(地骨皮という)を煎じて飲む。枸杞の木は各家庭に1本は植 えておきましょう。実と葉は食べ、枝はお茶にして、根は薬として使えます。 13,嘔吐 ①五苓散 市販の五苓散エキス顆粒をイオン飲料(スポーツ飲料など)に溶かし、さらに糖 分を少し加え、スプーンで少しずつ与える。 ②人参五苓散 こんこんと眠る子どもに対しては、五苓散と人参湯を等量ずつ混ぜ合わせ、それ をイオン飲料で溶かして与える。尿が通常どおりに出るようになれば、嘔吐はピ タリと止まります。 ③ぬるい番茶やほうじ茶に梅干しを入れて、ゆっくりと飲ませましょう。梅干しは つぶし、黒砂糖や蜂蜜などで少し甘みを加えると、腸からの吸収がよくなります。 14,下痢 ①おろしリンゴ リンゴは整腸効果があり、下痢だけでなく便秘のときにも効きます。冷たすぎる ものはよくないので、温かい食事の後に室温のものを食べさせます。 ②葛湯(くず湯) お腹が温まります。 ③山芋りんご 山芋とリンゴを同量ずつすりおろし、それに梅干し1個を加えて混ぜ合わせる。 それを耐熱容器に入れ、電子レンジで温める。 ④ゲンノショウコ これを煎じて、塩味を少々つけ、ゆっくり飲みます。 15,風邪などの発熱時の食事 熱が出ると、梅干しを入れた番茶を飲ませ、菜っ葉入りおじやに梅干し1個を加え て食べさせます。菜っ葉は大根の葉、小松菜、春菊、白菜なんでもOK。煮すぎる と色が抜けるので細かくきざんで途中から加えます。また、大根の千切りに生姜の 千切りを加えてコトコト煮込み、そのスープを飲むのもよいです。 16,髪のケア 「石けんシャンプーと自然酢のリンス」 普通の石けんで頭を洗い、お湯ですすいだ後、自然酢を10倍に薄めたものでリン スがわりに使って、しばらくしてからお湯で流します。 17,湿疹 桃の葉のほか、ドクダミ、大根の葉、枇杷の葉、紫蘇の地上部、ゴーヤ(ニガウリ) の実や葉、シジューム、緑茶などを利用した薬湯で入浴し、風呂から上がったら酢 水(自然酢をお湯で5∼6倍に薄めたもの)で皮膚を拭きます。 18,蕁麻疹 蕁麻疹や湿疹がしょっちゅう出る子どもには、ドクダミと鳩麦のお茶がおすすめで す。ドクダミ1、鳩麦3の重さの割合で鍋に入れてとろとろと煎じ、その上澄みを お茶として普段から飲ませるようにして下さい。ただし、濃くて冷たいものはいけ ません。温めたものを薄めて飲ませます。 19,産後の回復 ① 帰調血飲(きゅうきちょうけついん) 帰調血飲という漢方薬をお産の直後から1ヶ月間服用する。この漢方薬は医師 が健康保険でも処方できますし、漢方薬店でも市販しています。 ②ニワトリのスープ 鶏のぶつ切りに生姜の千切り、塩少々、たっぷりの水を加 えてことこと煮て、ゴマ油と日本酒を少し加えます。この スープを1ヶ月ほど毎日飲みます。 20,母乳の出をよくするレシピ ①鯉こく 鯉をぶつ切りにして、生姜の千切り少々、たっぷりの水を加えて煮込み、味噌味 に仕立てます。お餅を加えてもよいです。これを飲んで食べるのです。 ②パパイヤ牛乳 パパイヤを角切りにし、牛乳をヒタヒタになるぐらい入れてトロトロ煮込みます。 ③ニワトリのスープ 産後の回復で紹介したスープも有効です。お餅を加えて食べてもOKです。 ④黒豆ぜんざい、粟もち、ハトムギがゆ これらは授乳にもよいのですが、体を元気にしてくれます。 ⑤タンポポとハコベのお茶 日本に古くから伝わる民間療法です。タンポポの根を10gとハコベの地上部 (全草でも可)50gをさっと水洗いし、適当にきざんで450∼500mlの水を加え てコトコト煮てお茶として飲みます。 (4)東城百合子さんの自然療法より 「肝臓・腎臓・脾臓の病気(癌も含む)の手当」 ①こんにゃく湿布 こんにゃく二丁を10分ほど煮て、これをタオル2∼3枚に包みます。そして ヘソ直下と右脇腹の上に置きます。30分ほど温めてから冷たいタオルで拭く。 その同じこんにゃくを腎臓に当てます。これも30分ほどで温めた後冷たいタオ ルで拭きます。こんにゃくは水の中に入れ冷蔵庫で保存します。小さくなるまで 何回でも使えます。 ②生姜湿布 ひね生姜を皮ごとおろし、布袋に入れる。金ダライのようなものに湯をわかして 70℃位になったら、おろし生姜の入った袋を入れて汁を出し、生姜湯をつくる。 湯は70℃を保つようにとろ火にかけておく。厚手のタオル2枚重ねを二組つく り、交互に生姜湯にひたし、固く絞って温湿布する。さめたら取り替える。この 上にバスタオルなどを掛けて冷えないようにする。こうして交換すること7∼8 回、20∼30分ぐらい(子どもでは10分ぐらい)温める。仕上げに、冷たいタオ ルでサッと拭く。 生姜シップは空腹時におこない、湿布の前後は風呂に入らない。翌日は新しい生 姜湯でやること。 ③枇杷葉温灸療法 枇杷の生葉(若葉ではなくゴワゴワした緑の濃い葉)の上に八枚に折ったさらし をおき、その上から特殊な棒もぐさ(購入方法は高森クリニックに問い合わせて 下さい)に火をつけて患部を押圧します。これは指圧と枇杷の葉とお灸の三つの 効果が相乗されることになり、効果は大です。 ④枇杷葉こんにゃく療法:患部の肌に直接枇杷の葉をあてて、その上から温めたこ んにゃくをそのままのせる。30分ぐらいしたらとり、冷たいタオルで拭いて終 わります。