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自治体運営の将来 - JIAM 全国市町村国際文化研修所
行政を取り巻く社会状況の変化 ~地方創生時代における住民主導のまちづくり~ 2014.10.22(水)全国市町村国際文化研究所 亀岡市役所総務部安全安心まちづくり課長 田 中 秀 門 ■自治体を取り巻く環境の変化 過 去 外 部 環 境 内 部 環 境 ①日本標準、閉じた社会 ②右肩上がりの経済成長 ③中央集権 ④公共の大半を行政が担う ①管理統制型 ②事務分担に基づく行動 ③ピラミッド型の組織形態 ④上意下達の組織関係 ⑤均一性 現 代 ①グローバル化、IT革命 ②マイナス成長の経済 ③地方分権 ④多様な構成員が公共を担う ①成果志向と権限移譲 ②市民志向、経営理念に基づく行動 ③柔軟な組織体制 ④双方向の組織関係 ⑤多様性 日本の今後の社会情勢 日本の人口の推移 人口・生産年齢人口 が大きく減少 2060 ■自治体及び地域を取り巻く環境の変化 地方分権の推進による、新しい地方の時代の在り方への関心の高まり ※国は、地方の面倒を見きれなくなっている 自治体職員(住民を含む)の「政策形成能力」の必要性 ※地域課題を見抜く力 ※地域課題を的確に解決できるための事業設定 住民ニーズの 多様化・高度 化 財政難 少子高齢化・ 情報化・国際 化 ■まちづくりを進める行政課題と解決策 • 多様化する市民ニーズへの対応 • 行政主導型のまちづくりの限界(人もカネも) • 市民パワーを活かせる機会・環境の必要性 市民と行政がそれぞれの特徴を活かしつつ、豊かで 魅力があり、誰もが愛着をもてるまちの実現 市民の主体的な活動 協働 行政の主体的な活動 ■協働を進めるうえでのポイント • • • • • 行政主導で進めるとうまくいかない まずは組織における縦から横の連携 あくまで、住民目線での仕組みと仕掛け 意識改革と行動改革が必要 信頼関係が不可欠 地域公共人材の育成 (マルチパートナーシップ) ■協働(市民参加)に向けた戦略 1.協働(市民参画)の定義とルールづくり 2.公共(行政サービスの)事業分析 3.積極的な情報公開 4.職員の人材育成(地域公共人材) 5.政策決定プロセスにおける、市民参画環境の整備 6.多様なアクターとの連携(企業・大学など) 総計って本 当に必要? 公私混同職員(住民) 信頼 ■民間(地域・住民)活動と行政計画 行政計画(総計) ・自治法に基づく計画(自治法改正により市町村の策定義務はなくなった) ※約10年のまちづくりの計画(人口動態・都市計画・財政計画他・・・) ※住民を交えたワークショップや審議会で議論 ※住民密着の地域計画ではない ※国全総計・府県総計とも整合あり 計画策定支 援・アドバイス ギャップ解消 と計画の有 効活用 情報提供・支 援要請 民間活動計画 ・自治会活動、NPO活動の活発化による地域活動計画 ※短期計画が目立つ(3年~5年/単年度もある。)これは補助金等との関連性が強い ※自らのコミュニティエリアの課題解決を目指すケース ※地縁組織であり、意思決定が速い ※行政計画との整合はあまりない。 モデル地区の拡充(亀岡モデル) ■2007年4月 篠町 ■2008年3月 SC認証取得 ■2008年6月 旭町、千歳町、河原林町 馬路町、保津町へ ■2013年 1町を拡充 ■今後も順次拡充 10 保津川かわまちづくり・水端(すいたん)農園 整備推進事業 取組の経過 1.はじまりは、ちいさな村のまちづくり(危機意識・ 危機感) ○少子高齢化(亀岡市内トップ/40%) ○農村維持への危機感(ほ場整備の完成) ○水害常襲地からの脱却(桂川河道改修) ○亀岡駅北農地の市街化 担い手不足 新たな担い手組織の形成 1.保津町まちづくりビジョン推進会議の発足 (平成14年、自治会長の諮問機関/町内若手住民30名) (1)「ふるさと保津を考える会」 (2)「亀岡駅北開発を考える会」 (3)「保津川の河川敷の利用を考える会」 2.ふるさと・保津・夢ナビゲーション ※全町民アンケート調査の実施/小学生以上 ※50年後・100年後のまちづくり 3.保津川すいたん農園プラン(遊休農地活用) ※ナビゲーションのプランの一部 府・市・地域・大学連携プラットフォームの形成 京都府、亀岡市の進める「かわまちづくり」と、保津町 の「まちづくり」を総合的に進めるためのプラットフォー ムを設置 保津川かわまちづくり・水端(すいたん)農園整備推進 事業協議会(平成23年5月20日) 保津町自治会・農事組合法人ほづ・保津町まちづくり ビジョン推進会議・京都府(南丹土木事務所)・亀岡 市・立命館大学・龍谷大学・京都学園大学 取組内容① ○保津川すいたん農園(貸農園・産品開発) (保津町自治会・農事組合法人ほづ・保津町まちづくりビジョン推進会議) 取組内容② ○農産品マーケティング・ブランド化(亀岡カーボン マイナスプロジェクトと連動) 及び人材育成(立命館大学・龍谷大学・京都学園大学・企業) 取組内容③ ○遊歩道整備イメージ (京都府南丹土木事務所) 取組内容④ ○東洋大学体験ツアー(平成25年1月/2回生14 人) 取組内容⑤ ○新たな交流・展開(農業と福祉をつなぐプログラム) 期待される効果 ○高い高齢化率のまちにおける、リタイヤ層の人材活用 や高齢者の雇用による生きがいづくりが可能となり、安 全・安心なまちづくりが可能となる。 ○若年層の地域づくり(ふるさとづくり)への参画により、U ターンの実現が可能となり、人口増加につながる。 ○体験農園等観光客の流入による、コミュニティビジネス、 ソーシャルビジネスが形成される。 ○プロジェクトの運営に関わる中での世代間交流が促進 され、農村文化の再生と強固な絆づくりが可能となる。 ○農園対岸に建設される、京都府大型スタジアムとの連 動 ○保津川かわまちづくり計画との連動による、農地河川空 間の一体化(新たな観光スポット) 保津川かわまちづくり計画 自然と共に経済発展する街 ~アメリカオレゴン州ポートランド~ オレゴン州最大の都市 人口:58万人 西海岸最大の貿易港:多くの日本企業が事業展開 札幌・仙台・広島・福岡と同じ規模のまち まちの様子その1 100カ所以上のパブリックアート 至る所にバラのフラワーBOX 空きスペースでのレンタル屋台 広場でのビッグチェス まちの様子その2 空きビルへのアウトレット誘致 駐輪スポット(アート) 旧倉庫群の再利用 ボードウォーク(自転車道) 1970年代以前のポートランド ○急激な都市化とモータリゼーションの進展による都市機能の 郊外化 1.中心市街地の衰退(空地は駐車場) 2.都市部の大渋滞と大気汚染 3.市民参画の機会減少とコミュニティの希薄化 危機感 ○自然環境の保全と、都市と農村のバランスある発展 ※1973年に思い切った「成長管理政策」に踏み切る コンパクトシティ ポートランドの課題解決策 「地域の物語と群衆の知恵」 (ポートランド州立大学 スティーブン・ジョンソン教授) ○政治やボランティアを通じて組織に参加できるまちとして脚光 を浴び、人々が移住。 ※部外者を快く受け入れた(現在移住者構成比80%を超える) ※多様な人が集まり、社会的な関心を議論する場が育つ。 ※教養ある企業家精神を有する人材が集まり、世代を超えた人 間関係が構築 新しい公共の実現を目指す・・・・・・・・・1 • 支え合いと活力ある社会を作るための協働の場 (1)住民・行政・企業等がルールに基づく役割分担 ※住民こそが、幸福な社会を作る主役 ※企業もコミュニティの一員。持続可能な社会づくりへの貢献。 ※行政は、積極的な情報公開、規制改革、住民主権を推進。 ※腹を割った本音の議論ができる環境整備。 (オフサイトミーティングなど) 新しい公共の実現を目指す・・・・・・・・・2 • • • • • • • • お互いの弱みと強みを理解し合う。 WinWinの関係。 共通目標に向かっての役割分担。 力を合わせて課題を克服する。 連携・協働のパートナー(よき相方) 安全・安心な地域社会をみんなでつくる。 それぞれの意識改革から行動改革へ(住民・行政・議会) お金の流れを変える 縦から横への連携 (地域の公共を担う人材の育成) = 持続可能な地域社会 住んでよかったと思えるまちづくり 他に自慢できるまちづくり 人づくり(地域公共人材) 地域愛と誇り ご清聴ありがとうございました。