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高精度三次元移動体計測システムについて
平成23年10月
株式会社アスコ
1
高精度移動体三次元計測機器構成
~システム構成~
GPSアンテナ
IMU
有効測定距離
300m
360°
レーザスキャナ
カメラ
カメラは前方、後方、
左右等どこへでも
装着可能。
ビデオカメラとも
接続可能です。
車内
(データ監視・蓄積)
① GPSで位置情報を取得
② カメラで状況を取得
③ レーザスキャナで三次元データを取得
④ IMUで傾き等を取得し、GPSの補間を行う
⑤1秒間に30万点の点群を取得
特殊な車両ではなく、
市販の車両を使用する
ので、計測時に特別な
規制を必要としません
国土交通省 NETIS登録番号 KK-100115-A
2
計測時のデータ取得イメージ
~点群データ~
走行風景
取得点群データ
データ取得イメージ
360°回転式レーザスキャナによる
点群取得を行い、同時に反射強度
を記録するため、濃淡による対象
物の識別が可能です。
また、同期撮影写真より後処理で
その色調を三次元点群データに投
影させることで点群にRGB色調属
※1走行当たり
性を付与し、対象物の識別能力を
高めることができます。
3
点群(反射強度表示)
取得写真
色付き点群
作成した点群と約1秒間隔で取得している画像データ
です。
写真を同期させることで点群に写真を投影し各点の
RGBを抽出・着色することが可能です。
これにより視覚的に地物の認識が容易になります。
4
計測時のデータ取得イメージ
~写真~
計測時に撮影した写真データは点群データ上で「どこで」「どの方向で」が表現できるので
構造物の確認が様々な角度から容易にできます。
点群データ
カメラ位置
撮影方向
5
点群データ
取得例
6
点群データ作成の流れ
計測計画
現地踏査
・計測ルートの確認(GPSコンディションを考慮する)
・道路規制等の確認
・図化作業区域内の基本三角点及び公共基準点の確認
GPS基準局の設置
・電子基準点の配点状況を確認する。
調整用基準点及び
検証点の設置
・調整用基準点は、観測路線の起終点に設置
・GPSコンディションの悪い、トンネル及び市街地においては起終点に調整用基準点を増設
・調整計算の精度確認のため検証点を1km毎に設置
・計測結果が明瞭に取得できる地物及びレーンマークを選点する。また、現地におい
て明瞭に 取得できる物がない場合は、反射輝度の強い反射テープ付のターゲット
を設置
レーザ計測
GPS/IMUデータ解析
・データの取得状況を計測モニターにより常に確認
・計測前に、天候確認を行う。計測時急に雨雪が降った場合は、点群データの取得間
隔が減 少するため、作業を中断し再測
・観測終了後、取得データの確認
レーザデータ作成
調整用基準点による
調整計算
・各コース点群のGPS/IMU精度を確認
・GPS/IMU誤差が大きい区間には調整用基準点の増設
検証点による精度の
確認
・検証の結果最大誤差が15cmを超えた場合その検証点の前後に調整点を増設し、
再調整
7
計測誤差について
~走行誤差とレーザ取得誤差~
走行誤差
左図・下図はそれぞれ同じ場所を2回走行したときの結果です。
走行時のGPS取得状況等による位置のズレが、確認できます。
衛星状況によりますが、走行ごとの点群は基本的に多少のズレがでます。
それらは設置した調整用基準点及び同一箇所によるタイラインにて補正を
行います。
レーザ取得誤差
ご覧の通り各走行ごとの相対関係はほぼ同じ形状をしています。
これはレーザーの取得精度によりますので、大きく異なるということはありま
せん。
8
地上測量と移動体3次元計測の工数
30
25
20
地上測量
移動体計測
15
10
5
0
計画
現地踏査
基準点
現地
内業
合計
9
精度検証
取得点群と地上測量及び航空写真測量成果との比較
地上測量
≫トータルステーション
≫GNSS
-路面標示や標識を観測
航空写真測量
≫同一箇所を撮影
-実際に図化を実施
10
検証点例
11
航空写真測量成果との比較
12
検証、比較による結果【調整計算後】
• 地上測量による検証
作業規程の準則における
精度レベル500の標準偏差
≫水平位置0.25m以内
≫標高点0.25m以内
標準偏差約2cm
最大値約14cm
• 航空写真測量による比較
精度に問題がありそうな箇所
をピックアップ
≫ランプ部
≫トンネルの坑口付近
残差平均約9cm
最大値約17cm
13
地形図更新についての比較
問 題 点
従来手法
≫地上測量
≫航空写真測量
移動体3次元計測の適用
・道路上を測量する場合は規制が必要
(現地立入りが必要)
・コスト大
・工期が多く必要
・航空写真から見えない地物は取得できない
・特にトンネル部等は現地補測が必ず必要
・撮影条件を待つ必要がある
・道路上を走行するため、
現地立ち入りの必要なし
・撮影条件を待つ必要がない
・規制等も伴わないので低コストである
14
平面図作成
図化~編集作業
スキャナー計測データ、写真画像データから三次元の平面図が作成可能です。
走行時に撮影した写真
三次元CADを利用し作図
走行時に取得した点群データ
作図後のCADデータ(正面)
編集後平面図として利用
作図後のCADデータ(上面)
15
道路台帳更新
•
•
既存図とオルソ画像を比べて経年変化箇所を抽出します。
航空写真での同作業と比べると、車からの映像(写真、点群データ)で、道路部及び道路周辺の細
かな経年変化も抽出可能です。
道路拡幅
大規模な経年変化か
ら記号の配置ズレま
で確認できます。
道路形状変化
16
縦断図作成
~ 断面図作成・勾配 ~
平面上で点群データとラインデータを重ねる若しくは直接入力することでそのラインを縦断図化します。
道路中心線
点群の高さを使用し
て縦断図化
H = 1:1
V = 1:100
17
横断図作成
~ 断面図作成 ~
点群データ
任意の位置を指定するだけで、自在
に断面表示ができます。
18
看板・標識
同時に撮影するカメラにて様々な地物の確認が可能です。
また、大きさや位置も取得可能です。
19
建築物、樹高調査
•
•
点群データを断面表示することにより、建築物、樹高が容易に測定できます。
施工計画時の周辺状況確認等に利用できます。
高さ:32.44m
樹高:5.96m
20
トンネル
~形状調査~
トンネル等の暗闇の中でもレーザの反射強度表示によって、下図のような成果を得ることができます。
【点群データ】
【断面】
6.503
10.502
【写真データ】
中央高、幅員等の計測、道路照明の確認等が可能
です。
本システムは基本的に写真と点群により様々な用途に用いられる
ことが想定されますが、点群データのみでも多様な利用、用途が考
えることができます。
21
占用
~ 官民境界と建造物 ~
真上(平面上)や真横(断面)から確認出来るため現地での目視確認より正確性が保てる。
点群データ
真上確認
真横確認
問題なし
官民境界
官民境界
官民境界
真上確認
写真データ
真横確認
官民境界
22
官民境界
官民境界
上空占用の疑い
電線・電柱
~ 現況の把握 ~
道路上を走行するため、道路付帯物である電線・電柱の計測
に適しています。
高密度な点群のため地上から遠く離れた高圧線の計測も行え
ます。
23
電柱計測
~ 電柱状態の確認 ~
上面図や横断視点での確認が可能なので地面までのクリアランスの計測、電柱に傾斜がある場
合の調査にも利用できます。
電柱中心からの垂線
上面図
計測例
(離れ 0.31m 傾き 1.4°)
民地内引き込み距離
側面図
24
官民境界ライン
マンホール
~ 位置・高さの取得 ~
マンホールやバルブなどの取得も可能です。特に広範囲に取得する必要がある場合等に
は安全に作業を遂行できるとともにコスト縮減も望めます。
また、設計用平面図作成も可能です。
点群データ
写真データ
X : -78180.17
Y : -22163.742
Z : 23.227
NTT
ガス
NTT
25
まとめ
•
長所
・安心、安全①
自動車専用道や交通量の多い交差点などで特に規制を設けることなく作業が行える。
・ 安心、安全②
トンネルや夜間などの暗い場所でもレーザ測定が可能。
・コスト縮減
・高架下やトンネル内部も
作業員数が通常の測量作業に比べ1割~3割程度削減できる。
・高精度
取得できる。
通常の1/500の地形図以上の精度。
・何度走行しても影になる部分がある。
・マウス操作だけで図化が
・様々な運行機器に搭載可能
よって、現地補測が必要である。
可能である。
決められた車両でなくても様々な運行機器に搭載し計測が可能。
・精度を超える作業になりがち。
・横断図や縦断図の作成が
・柔軟性、応用性
走行シミュレーション(車両を消せる)、空間再現(ストリートビュー)、動画作成
・通行できる箇所限定。
非常に簡単である。
・高出力レーザの搭載
・地図で表現できない情報
車両から約300mまでの計測が可能
・簡単 の取得が可能。
作業においては、航空測量技術者に限らず一般地形測量技術者でも可能である。
メリット
デメリット
短所
・レーザ視点から影になっている部分は計測できない。
(補足測量で対応)
・雨天時計測不可
・計測機器を搭載した移動体(車両、船、バイク等)で通行する必要がある。
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