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屋外環境の三次元モデル化のための移動物体の自動検出
D-12-54 2016 年 電子情報通信学会総合大会 屋外環境の三次元モデル化のための移動物体の自動検出 Automatic Detection of Moving Objects for 3-D Modeling of Outdoor Environments 金谷典武† Tsunetake Kanatani† 河合紀彦‡ 佐藤智和‡ 横矢直和‡ Norihiko Kawai‡ Tomokazu Sato‡ Naokazu Yokoya‡ † 兵庫県立工業技術センター ‡ 奈良先端科学技術大学院大学 † Hyogo Prefectural Institute of Technology ‡ Nara Institute of Science and Technology 1.まえがき 3.実験結果 屋外環境の三次元モデルは、景観シミュレーションやナ ビゲーション、複合現実感などの様々な分野で利用されて いる。現実環境の測定に基づく三次元モデルの生成は、広 域屋外環境の三次元モデルを自動生成する手法として有力 であるが、測定時に移動物体が存在した場合、測定データ 中に移動物体上を測定した点が混在するとともに、移動物 体によって隠蔽された静止物体のデータが欠落することに なり、三次元モデル生成の際に妨げになる。我々は、この 問題を解決するために、移動物体上の測定点と静止物体上 の測定点を判定する手法の開発(1)を行っている。移動物 体の検出精度を向上させるため、現実環境を測定する際の 設定条件を変更し、移動物体検出を行ったので報告する。 複数のセンサを搭載した移動用車両を利用して屋外環境 の測定を行った。得られた全方位画像の例を図1に示す。 図中央の白い自動車が対向車両であり、移動物体である。 この画像を撮影した時刻とほぼ同時刻に撮影された点群デ ータを図2に示す。ここで表示した点群の数は 30000 点 である。中央部分の点群が道路上の点を測定した結果であ り、道路上に存在する密集した点群が移動物体である。こ の移動物体が本研究の検出対象である。なお、移動物体の 右側に存在する穴が空いたような空間が、移動物体によっ て隠蔽されたことによって生じた情報の欠落部分である。 図2の点群データを対象に移動物体検出実験を行った。 その結果を図3に示す。図3では、静止物体上の点として 判定された結果は青色の点で示しており、移動物体上の点 として判定された結果は黄色の点で示している。図3の結 果から移動物体の自動検出が良好に実現できていることが 確認できる。 2 .移動物体の検出方法 本研究で利用する装置は、移動用車両に、レーザレンジ ファインダ、全方位カメラ、RTK-GPS、ジャイロセンサが 設置されたものであり、複数のセンサを搭載した移動用車 両が道路上を走行することにより、広域屋外環境の測定を 行う。 レンジファインダからは点群データ、全方位カメラから は動画像データ、RTK-GPS とジャイロセンサからは、装 置の位置情報と傾きや向きを取得することができる。これ らの情報を組み合わせて利用することにより、点群データ から移動物体上の測定点と静止物体上の測定点の自動検出 を行う。自動検出する手法(1)としては、①光学的整合性 を応用して移動物体上の候補点を検出した後、②道路環境 の事前知識を利用して移動物体の領域決定を行う。これま での測定条件と異なる設定は、全方位画像の撮影を4m間 隔から2m間隔に変更した点である。点群データの測定周 期はこれまでと同様に 75Hz である。 4.まとめ 2m間隔で撮影した全方位画像とレンジファインダ、 RTK-GPS、ジャイロセンサから得られる情報を利用して、 点群データから移動物体上の点を自動検出する実験を行っ た。その結果、これまでと異なる実験条件でも移動物体を 検出できることが確認できた。今後、測定例・検出例を増 やすことにより、本手法の有効性と検出精度の向上を確認 する予定である。 参考文献 (1) T. Kanatani et al., “Removal of Moving Objects from Point Cloud Data for 3D Modeling of Outdoor Environments”, IIEEJ Transactions on Image Electronics and Visual Computing, Vol.3, No.1, pp.54-62, (2015). 移動物体 図1 全方位画像(画像の一部) 2016/3/15 〜 18 福岡市 図2 屋外環境の測定例(点群データ) 123 ( 情報・ シ ステ ム講演論文集 2 ) 図3 移動物体の検出結果 Copyright © 2016 IEICE