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ファンタジー作家になろう 奈良輪小学校 第6学年 教諭 矢部 やよい 自作の本を出版し、全校の児童に読んでもらうことを最終目標にすることで、物語を創 作する表現者としての楽しさを味わわせる活動である。 そのために、始めに「きつねの窓」を学習し、ファンタジーの構成等について学んだ。 その後、図書室や他館から物流を活用し 200 冊ほど借りたファンタジーの本を多読し、フ ァンタジーを書くという目的を持って読書を進めることができた。 指導計画 時 目標 学習活動 ○教師のモデルを見て、ファンタジー作品 ・教師のつくったファンタジー作品を聞いた 1 をつくるという目的を知る。 り、ファンタジー作品ののブックトークを 聞いたりして、 学習活動のイメージを持つ。 2 ○「きつねの窓」を読み、あらすじや内容 ・全文通読し、場面設定や登場人物の心情を 3 をとらえ、ファンタジーの構成を知るこ 読み取りながら、ファンタジーの構成要件 4 とができる。 を考える。 ○「注文の多い料理店」を読み、もう一つ ・ 「注文の多い料理店」を読んで、 「きつね 5 のファンタジーの型を理解しつつ、 「き の窓」の構成要件を基に、2つの作品の共 つねの窓」との共通点を見つけ、ファン 通点を見つける。 タジーの構成要件を理解することができ る。 ○ブックトークを聞き、教師の作った作品 ・読書指導員と教師のブックトークを聞き、 6 や他の物語を知り、ファンタジー作品の ファンタジー作品の選び方を知り、創作活 選書に役立てるとともに、創作活動の見 動の見通しを持つ。 通しを持つことができる。 7 + 読書 ○ファンタジー作品を多読し、構成要件や ・ファンタジー作品を多読し、読書カードに 使いたい表現を考えることができる。 使いたい表現や感想などをメモする。 (1時間目からの帯でも実施) ○今まで読んだ作品を参考にしながら、ウ ・今まで読んだ作品を参考にしながら、ウ 8 ェビング・マップを作成し、アイデアを ェビング・マップを作成する。 膨らませることができる。 、 9 ○ファンタジーの構成要件を考え、自分の ・ファンタジーの構成要件を意識しながら、 構成メモを書くことができる。 ワークシートに構成メモを書く。 ○構成メモを基にアイデアを伝え合うこと ・構成メモを基に自分の構想メモを発表し、 10 ができる。 本時 他のメンバーは効果的な質問やアドバイス をする。 ・アイデアを基に、構成メモを見直す。 11 ○構成メモを基に、ファンタジーの原稿を ・ファンタジーの構成要件を意識し、構成メ 12 13 書くことができる。 モを基に原稿を書く。 14 ○作品をグループで読み合って、感想を交 ・読む観点を意識しながら作品を読み、感想 流し、推敲することができる。 を交流して、作品の推敲や修正をする。 15 ○推敲した原稿を清書し、本として仕上げ ・文字の形、大きさ、配列に注意しながら、 16 ることができる。 本文、表紙、挿絵などを丁寧にかく。 17 18 ○友達の作品を良い点を意識して読み、感 ・短冊型のワークシートに感想を書かせ、意 想を交流し合うことができる。 見を交流させる。 19 ○本単元を振り返って、学んだことを書き ・本単元を通して、どんな工夫が有効だった 発表することができる。 か学んだことをまとめ、深化させる。 展開 (1)本時の目標 ○相手のテーマや意図を考えながら、効果的なアドバイスをしたり、友達の意見を 聞いたりして、構成や表現の効果を工夫し、構成メモを見直すことができる。 (書くこと) 時配 学習活動と内容 教師の働きかけ(○)評価(☆) 、 言語活動の充実(*) 5 1.本時のめあてと話し合いの観点と仕 ○本時のめあてを伝え、学習の見通しを持た 方を確認する。 せる。 構成メモをもとにアイデアを伝え合って、ファンタジー作品をより良くしよう。 <話し合いの観点> 構成要件①~⑥を中心にアイデアを *話し合いの観点と仕方を掲示して、意識さ せる。 出し合う。 ①登場人物(性別、年齢、特徴等) ②場所 ③時 ○質問は友達の発想を広げるためにさせるよ うにする。 ○友達に見やすいように、事前に大きな紙 ④道具 に構想を書かせておき、話し合いのもと ⑤作品の構造(始め、中、終わり) になる視覚的な資料を用意させる。 ⑥テーマ ○最後の5分は、時間内に質問できなかっ たことを話し合う。 <話し合いの仕方> ①司会者が話し合いを進める。 ②発表の後、質問やアドバイス、良 い点等を全員が話す。 ③一人5分ずつ行い、タイマーで交 代する。 (発表、アドバイス含む) 5 2.教師の構想メモを使って、話し合い ○教師3名が構想メモをもとに話し合いをす の見本を示す。 る様子を見せ、モデルを示すとともに、話 合いの仕方を理解させる。 25 3.4人グループで話し合いを行い、構 ○話し合いが停滞しているグループに質問事 成のアイデアを出し合う。 項を書いた台本を用意したり、教師が積極 的に介入したりして、モデルを示す。 ○アドバイスや質問が相手の作品を高めるも のになるように助言する。 ○話し合いながら、気付いたことをメモさせ る。 ☆相手のテーマや意図を考えながら、効果的 な質問やアドバイスをすることができるか。 (観察) ☆自分の構成に必要なアイデアを選んで、メ モしながら聞いているか。 5 4.自分の構成メモを見直す。 (構成メモ) ○どんな意見が出たか振り返らせ、それにつ いてどう思うか、どうしたらよい作品にな るか考えさせ、構成メモを見直したり、本 時の感想を書いたりさせる。 ☆話し合い後に自分のメモを見て、よりよい 作品を書くために構成メモを書き直してい るか。 (構成メモ) ○話し合いの結果よりよく変化した児童や話 5 5.よい話し合いをしていたグループや し合うことの良さを実感した児童の紹介を 効果的なアドバイスをしていた児童 することで、どんなアドバイスや話し合い の紹介を聞く。 が効果的なのかを知り、次回にいかせるよ うにさせる。 子どもの反応 ○本を多読し、自分で使いたい表現や参考にしたい構成に付箋をはったり、感想カードを 書いたりしていくうちに、「ファンタジーを早く書きたい」という意欲的になっていっ た。そのため、自分の書いた構想メモの内容についてグループで話し合う時間も活発に 意見が出て、作品に愛着を持って書き進めることができた。 1校時 教師によるブックトーク ・教師作「ホールアーストレジャー」 ・「12歳の文学賞受賞作品」 ・「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル ・「注文の多い料理店」宮澤賢治 ・「きつねの窓」安房直子 など 教師作「ホールアーストレジャー」 6校時 読書指導員によるブックトーク ・「二分間の冒険」岡田淳 ・「モモ」ミヒャエル・エンデ ・萩原規子の勾玉三部作 ・「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダックなど 7校時 ファンタジー作品を多読 参考になる表現や構成に付箋をはったり、感想を書いたりと意欲的に取り組んだ 8校時 ウェビングの作成 9校時 構成メモの作成 10校時 構成メモを伝え合う 児童の作品完成