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第6学年 国語科指導案 - 大分県教育委員会 学校ホームページ

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第6学年 国語科指導案 - 大分県教育委員会 学校ホームページ
第6学年
国語科指導案
指導者
1.単元名
河野
倫太郎
ファンタジーの世界へようこそ!
~お気に入りのファンタジー作品を推薦しよう~
教材:「きつねの窓」
(教育出版6年下)
2.単元を貫く言語活動とその特徴
(1)本単元を貫く言語活動
本単元を貫く言語活動は、
「C 読むこと」の言語活動例「エ 本を読んで推薦の文章を書くこと」を
具現化したものである。ファンタジーの特徴や魅力に着目しながら、ファンタジー作品を読み、それら
をリーフレットにまとめ、5年生に推薦することを位置づけた。
(2)本単元を貫く言語活動の特徴
本単元で子どもたちが作るリーフレットは次のような構造をもっている。
「ふしぎな世界」
「想像を広げる表現」
ファンタジー特有の世
界観や想像を広げる表
「題名」
「作者」
「表紙」
「推薦者」
現について叙述を基に
まとめている。
(C-エ)
「ここがおすすめ」
作品を推薦するた
めにファンタジー
の特徴や魅力にふ
れながら自分の考
「あらすじ」
「登場人物」
ファンタジー特有の
ストーリー展開や登
場人物についてまと
めている。(C-エ)
えをまとめている。
(C-エ)
(3)単元を貫く言語活動とねらいの結びつき
上記のようなリーフレットを作るために、子どもたちはファンタジー作品のあらすじや登場人物をつ
かむことに加え、そのファンタジー作品のもつ世界観や優れた叙述を読むことと、それらをもとに作品
の魅力について自分の考えをまとめることが求められる。この時に、本単元のねらう第5学年及び第6
学年「C
読むこと」の指導事項「エ
登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえ、優
れた叙述について自分の考えをまとめること」ができると考えた。また、関連して伝統的な言語文化と
国語の特質に関連する事項として、
「イ(カ) 語感、言葉の使い方に対する感覚などについて関心をも
つこと」と「イ(ケ)
比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと」もねらえると考えた。
3.単元について
(1)児童について
「C
読むこと」の指導事項「エ
登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえ、優
れた叙述について自分の考えをまとめること」については、第5学年時より「『五月になれば』のおも
しろさを解説図で紹介し合おう(教材『五月になれば』)」や「『大造じいさんとがん』をリーフレット
で紹介しよう(教材『大造じいさんとがん』)」などの単元で、人物相関図にあらわすことで登場人物
の相互関係をとらえたり、場面の展開や情景描写を読みながら登場人物の心情を想像したりすること
を学習してきた。また、
「お気に入りの物語を本の帯で紹介しよう(教材『雪わたり』)」では、優れた
叙述を引用したり、キャッチコピーを考えたりしながら、作品の魅力が伝わるように工夫して本の帯
を作成した。これらの学習を通して、情景描写や優れた叙述に着目する素地が養われた。しかし、
「優
れた叙述について自分の考えをまとめること」については、まだ経験が乏しく、つけたい力である。
自分の薦めるファンタジー作品の特徴や魅力にふれながら、自分の考えをまとめることを通して、優
れた叙述について考えをまとめることに重きをおいて指導したい。
(2)教材及び単元構造について
①教材について
本単元の主教材として教科書教材『きつねの窓』を扱う。『きつねの窓』は、「青」を基調とした美
しい世界が繰り広げられるファンタジー作品である。しかも、その美しさには、哀惜と寂しさが漂っ
ており、読み手が情景を想像しやすい表現で語られている。また、登場人物の相互関係や心情をつか
みやすく、比喩や倒置といった表現技法も多用されている。そのため、ファンタジーの特徴や優れた
叙述を捉えるうえで効果的な教材と位置付けられる。
子どもたちが推薦するファンタジー作品は「ハリーポッター」
「守り人・旅人シリーズ」といった長
編やシリーズもの、安房直子や宮沢賢治の作品など教科書教材でも馴染み深い作者の短編ものが挙げ
られる。共通して、「不思議な世界観があり、読み手の想像力がかきたてられるもの」を位置付けた。
②単元構想について
事前指導として、子どもたちの読書経験をもとにファンタジーの特徴を簡単に押さえる。また、
「5
年生にファンタジーの魅力を伝える」という活動の目的を知らせ、ファンタジー作品を読む必要性を
認識させる。あわせて、教室にファンタジー作品を置き、手にとりやすい環境を整えておく。
第一次では、
「5年生に、ファンタジーの魅力を伝えてほしい」という5年担任の要望に応えるため
にリーフレットを作って推薦することを投げかけ、活動の見通しをもたせる。教師のモデルやこれま
で子どもたちが作成したリーフレットや本の帯を提示しながら、意欲を喚起させるとともに、リーフ
レットの構成を考えさせる。その際、本単元では「ファンタジーの魅力を推薦する」という目的から、
世界観や想像を広げる優れた叙述を紹介する項目が必要であることを共通理解するとともに、これま
での読書経験をもとにファンタジーの特徴や魅力も出し合っておく。
第二次では、
『きつねの窓』を読んで、あらすじと登場人物、不思議な世界観や想像を広げる表現に
ついてまとめる。この時、
「優れた叙述」とは比喩、倒置といった表現技法だけでなく、作者独特の書
きぶりや象徴性や暗示性の高い表現など多岐に渡ること、文脈の一部分だけでなくストーリーの展開
や登場人物の性格などストーリー全体から分かる要素もそれに該当するということを実感させる。ま
た、それらを総合して自分の考えをまとめることも学習する。
第三次では『きつねの窓』で学んだことをもとに、
『お気に入りのファンタジー作品』を読み返しな
がら、魅力である世界観や想像を広げる表現を探し、自分の考えを明確にしながら推薦する文章を書
き、リーフレットを完成させる。完成したリーフレットは、図書室に置き、5年生や5年担任から感
想を聞く機会を設ける。
(3)指導の工夫について
本単元では、子どもたちが主体的に学べるように、これまでの読書経験や言語活動で培ったことを生
かしながら、ファンタジーの魅力を考えたり、推薦するのに効果的なリーフレットの構成を検討したり
する。また、出会う場面で出し合ったファンタジーの特徴や魅力を『きつねの窓』で具体的な叙述をあ
げながら整理し、それらをお気に入りのファンタジー作品を扱う際の手がかりとするといった流れで展
開する。それにより、それまで曖昧だったファンタジーの捉えや優れた叙述の視点を明確にし、自分の
考えをまとめる一助となるようにする。
子どもたちが選ぶお気に入りの本によっては、リーフレットの項目について書く視点が若干異なった
り軽重が違ったりすることが考えられる。そのような違いに対応するためにも、
『きつねの窓』で一通り
活動の見通しをもたせたうえで『お気に入りのファンタジー作品』に臨ませる。
『きつねの窓』での学習
が手がかりとなるので、子どもたちは自信をもって活動に取り組めると考える。
本時では、
『お気に入りのファンタジー作品」について推薦文を書く活動を行う。ここでも『きつねの
窓』での学習が手がかりとなるが、形式的・受動的にならないように、下書きを書いた際の困りやコツ
などを出し合い、必要に応じて修正を加えるようにする。子どもたちの課題に沿うことで、主体的に読
んだり、自分の考えをまとめたりすることにつながることが期待できる。本単元を通してこのような活
動をグループや全体で行うようにしている。そのような活動を通して、主体的に学ぼうとする姿や協働
して課題解決する力を育成していきたいと考えている。
4.単元の指導目標
・推薦するという目的をもって、本を選んだり、ファンタジー作品を読み返したりしようとする。
(関心・
意欲・態度)
・非現実的な世界観を想像させる描写をはじめとした優れた叙述に着目し、自分の考えをまとめること
ができる。(読むこと エ)
・比喩や反復などの表現の工夫を理解したり、言葉のリズム、語や語句の使い方、文や文章の表現の柔
らかさ、美しさなどに興味をもち、叙述から探したりできる。(伝国イ(ケ)(カ))
5.単元の評価基準
国語への関心・意欲・態度
読む能力
言語についての
知識・理解・技能
推薦するという目的をもっ
ファンタジー作品を推薦するために、非現
比喩や反復などの表現の工
て、本を選んだり、ファン
実的な世界観を想像させる描写をはじめと
夫を理解している。
(イ(ケ)
)
タジー作品を読み返したり
した優れた叙述に着目し、自分の考えをま
言葉のリズム、語や語句の
しようとしている。
とめている。
(エ)
使い方、文や文章の表現の
柔らかさ、美しさなどに興
味をもち、叙述から探そう
としている。
(イ(カ)
)
6.指導計画(9時間扱い)
時
め めあて ○
手 手だて
○主な学習活動 ○
評価及び※留意点
○アンケートにより子ども達の読書傾向をつかんでおく。
事前
○「5年生にファンタジーの魅力を推薦する」という目的を伝え、ファンタジー作品を読むことを
うながす。
○これまでに読んだファンタジー作品を「並行読書リスト」にまとめておく。
1
○ 「5年生にファンタジーの魅力を伝える」ため
【関】
に、自分たちが考えるファンタジーの特徴や魅 ・学習の見通しをもち、ファンタジー
力を話し合う。
の特徴や魅力を考えようとしてい
相手→5年生
る。(観察・発言)
出会う
学びの目的→ファンタジーの特徴や作品の魅
※この言語活動を通して、自分たちは
力を引き出す表現に気付く力。また、そ
どのような力を身に付けるかとい
れを相手に伝わるように推薦する力
った学びの目的も共通理解できる
ようにする。
め
○
学習のねらいをつかみ、ファンタジーの特徴や
魅力を考えよう。
手
○
リーフレットのモデル(教師作)
図書委員会制作の紹介ポスター
子どもが作成した本の帯(5年時)
これまでに読んだファンタジー作品(並行読書
リスト)
※「推薦」と「紹介」の違いを捉え、
相手意識をもつ必要性を確認する。
2
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【関】
めに、これまでの学習を生かし、リーフレット ・ファンタジー作品の魅力を推薦する
に必要な項目や構成を考える。そして、それを
ために必要な項目や構成を考えよ
もとに学習計画を立てる。
うとしている。(観察・発言)
※「推薦文」が重要であり、それにつ
め
○
手
○
リーフレットの構成を考え、学習計画を立てよ
ながるような項目、構成を考えるよ
う。
う促す。
リーフレットのモデル(教師作)
※教師のモデルを掲示し、それをもと
にリーフレットの構成を検討でき
3
るようにする。
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、教科書教材『きつねの窓』の「あらすじ」 ・叙述をもとに、「あらすじ」と「登
と「登場人物」に着目して読む。そして、ファ
場人物」をまとめている。(観察・
ンタジーの特徴や魅力が伝わるように、グルー
発言・リーフレット)
プで困りやまとめ方のコツを出し合ったり、全
※家庭学習として、下書きを書かせて
体で交流したりする。それを手がかりに、各自
おき、そのときに出た困りやコツを
でまとめる。その後、ふりかえりの中でまとめ
授業のはじめに話し合い、解決の手
方やまとめたものを全体で交流し、ファンタジ
立てとする。
ー特有のストーリー展開や登場人物をリーフ
レットに書くとよいことを共通理解する。
※ファンタジーの特徴から、あらすじ
は結末まで書かず、続きが気になる
ような書きぶりにするなど効果的
め
○
追求する
手
○
『きつねの窓』の「あらすじ」と「登場人物」
な書き方にすることを気づけるよ
をまとめよう。
うにする。また、登場人物について
リーフレットのモデル(教師作)
も同様にファンタジー特有の個性
下書き
にも気づけるようにする。
4
ファンタジーの特徴と魅力(掲示物)
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、教科書教材『きつねの窓』の「ふしぎな
・叙述をもとに、「ふしぎな世界」と
世界」と「想像を広げる表現」に着目して読む。
「想像を広げる表現」をまとめてい
そして、ファンタジーの特徴や魅力が伝わるよ
る。(観察・発言・リーフレット)
うに、グループで困りやまとめ方のコツを出し
【伝国イ(オ)(ケ)
】
合ったり、全体で交流したりする。それを手が ・比喩や倒置などの表現の工夫を理解
かりに、各自でまとめる。その後、ふりかえり
したり、言葉のリズム、語や語句の
の中でまとめ方やまとめたものを全体で交流
使い方、文や文章の表現の柔らか
し、ファンタジーの特徴や優れた叙述について
さ、美しさなどに興味をもち、叙述
の捉えや書きぶりを共通理解する。
から探している。(観察・発言・リ
ーフレット)
4
め
○
手
○
『きつねの窓』の「ふしぎな世界」と「想像を
※家庭学習として、下書きを書かせて
広げる表現」をまとめよう。
おき、そのときに出た困りやコツを
リーフレットのモデル(教師作)
授業のはじめに話し合い、解決の手
ファンタジーの特徴と魅力(掲示物)
立てとする。
下書き
※1時間目に出し合ったファンタジ
ーの魅力や特徴を基に具体的な叙
述をあげながら交流することで、
「不思議な世界」や「想像を広げる
表現」の書きぶりを共通理解できる
5
ようにする。
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、教科書教材『きつねの窓』を「ここがお
・『きつねの窓』を推薦するために、
すすめ(推薦文)」にまとめることを意識して
ファンタジーの特徴や魅力にふれ
読む。まず、下書きを書く時の困りや見つけた
ながら、自分の考えをまとめてい
コツをグループで出し合ったり、全体で解決方
る。(観察・発言・リーフレット)
法を考えたりする。次に、それを手がかりに「こ
※家庭学習として、下書きを書かせて
こがおすすめ(推薦文)」を書く。その後、ふ
おき、そのときに出た困りやコツを
りかえりの中で、まとめ方やまとめたものを全
授業のはじめに話し合い、解決の手
体で交流し、相手にファンタジーの魅力や特徴
立てとする。
が伝わる書きぶりを共通理解する。
※交流の視点をもたせるため、前時の
終末に教師モデルの推薦文の書き
め
○
『きつねの窓』の「ここがおすすめ」をまとめ
よう。
手
○
リーフレットのモデル(教師作)
リーフレット(前時までに作成した項目)
教科書の本文(サイドラインや付箋あり)
下書き
ぶりを再度押さえておく。
6
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、『きつねの窓』での学習を生かして、お
・叙述をもとに、「あらすじ」と「登
気に入りのファンタジー作品の「あらすじ」と
場人物」をまとめている。(観察・
「登場人物」に着目して読む。そして、ファン
発言・リーフレット)
タジーの特徴や魅力が伝わるように、グループ
※家庭学習として、下書きを書かせて
で困りやまとめ方のコツを出し合ったり、全体
おき、そのときに出た困りやコツを
で交流したりする。その後、それを手がかりに、
授業のはじめに話し合い、解決の手
リーフレットに「あらすじ」と「登場人物」を
立てとする。
まとめる。
※『きつねの窓』での学習や下書きを
もとに、修正を加えたい部分や困り
め
○
手
○
お気に入りのファンタジー作品の「あらすじ」
がないか聞き、必要に応じて書きぶ
と「登場人物」をまとめよう。
りを変更したり、解決の手がかりを
「きつねの窓」のリーフレット
共通理解したりする。
お気に入りのファンタジー作品
下書き
7
○
生かす
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、『きつねの窓』での学習を生かして、お
・叙述をもとに、「ふしぎな世界」と
気に入りのファンタジー作品の「ふしぎな世
「想像を広げる表現」をまとめてい
界」や「想像を広げる表現」に着目して読む。
る。(観察・発言・リーフレット)
そして、ファンタジーの特徴や魅力が伝わるよ
【伝国イ(オ)(ケ)
】
うに、グループで困りやまとめ方のコツを出し ・比喩や倒置などの表現の工夫を理解
合ったり、全体で交流したりする。その後、そ
したり、言葉のリズム、語や語句の
れを手がかりに、リーフレットに「ふしぎな世
使い方、文や文章の表現の柔らか
界」と「想像を広げる表現」をまとめる。
さ、美しさなどに興味をもち、叙述
から探している。(観察・発言・リ
め
○
お気に入りのファンタジー作品の「ふしぎな世
界」と「想像を広げる表現」をまとめよう。
手
○
ーフレット)
※家庭学習として、下書きを書かせて
ファンタジーの特徴や魅力(掲示物)
おき、そのときに出た困りやコツを
『きつねの窓』のリーフレット
授業のはじめに話し合い、解決の手
お気に入りのファンタジー作品
立てとする。
下書き
※ファンタジーの特徴や魅力(掲示
物)を参考にするよう助言する。
8(本時)
○
お気に入りのファンタジー作品を推薦するた
【C-エ】
めに、『きつねの窓』で書いた「ここがおすす ・お気に入りのファンタジー作品を推
め(推薦文)」や下書きをもとに困りやまとめ
薦するために、ファンタジーの特徴
方のコツを出し合い、ファンタジーの魅力が伝
や魅力にふれながら、自分の考えを
わるような書きぶりを検討する。そして、検討
まとめている。
したことや、これまでにまとめたリーフレット
(観察・発言・リーフレット)
のパーツを手がかりに、「ここがおすすめ」を
※家庭学習として、下書きを書かせて
まとめる。その後、ふり返りの中で、まとめ方
おき、そのときに出た困りやコツを
やまとめたものを交流し合い、自分の学びを確
授業のはじめに話し合い、解決の手
認する。
立てとする。
※『きつねの窓』での学習や下書きを
め
○
手
○
9
○
お気に入りのファンタジー作品の「ここがおす
もとに、推薦する文の形式について
すめ」をまとめよう。
修正を加えたい部分がないか聞き、
『きつねの窓』のリーフレット
必要に応じて変更したり、追加した
お気に入りのファンタジー作品
りする。また、困りがある場合には、
下書き
解決法を検討する。
ファンタジーの魅力を推薦するために、完成し
【関】
たリーフレットをもとに「5年生に魅力が伝わ ・5年生に魅力が伝わるかという視点
るか」という視点で交流し、感想を伝え合う。
を持って進んで交流しようとして
いる。(発言・付箋・ノート)
め
○
リーフレットをもとに、お気に入りのファンタ
ジー作品の魅力が伝わるように推薦しよう。
手
○
リーフレット
事後
○学校図書館に特設スペースを設け、本とリーフレットをいつでも読めるようにしておく。
○5年生や担任からの感想を聞く機会を設ける。
7.本時の流れ(8/9)
題目
お気に入りのファンタジー作品のリーフレット
指導者
河野
倫太郎
の推薦文に、自分の考えをまとめる。
主眼
前時までにまとめたリーフレットの項目や教科書教材『きつねの窓』で見つけたまとめ方の
コツであるファンタジーの特徴や魅力にふれることを生かしながら、「ここがおすすめ(推
過程
学習活動
つかむ
薦文)」に自分の考えをまとめることができる。
1.学習計画を振り返
時
3
指導○
指導上の留意点・
・評価
※備考
○学習計画と前時までの活動を振り返り、本
り、本時の活動の見
時のめあてと学習の流れを確認する。
通しをもつ。
お気に入りのファンタジー作品の「ここが
おすすめ」をまとめよう。
考える
2.グループ毎に、
『き
15
出し合う
○下書きや『きつねの窓』で作成したリーフ
※家庭学習で、下
つねの窓』での学習
レットをもとに「ここがおすすめ」の構成
書きを書かせて
や下書きをもとに、
や書きぶりでの困りや解決方法を検討して
おく。その際、
困りやコツを出し合
いくことを子どもと確認する。
困りやコツなど
い、解決方法を考え
た後、全体で共通理
解を図る。
『きつねの窓』で例示した「ここがおす
すめ」の構成(3段落構成)
1段落目【推薦する柱の提示】
「この作品のおすすめは(おすすめする
ところは)、~です。
」
2段落目【理由とそれに関わる世界観や
想像を広げる表現の説明】
「その理由は、~だからです。たとえ
ば・・・。」
3段落目【読み手にむけてのメッセージ
(与える印象、効果等)】
「このファンタジー作品を通して、~を
味わってください。~することができ
ます。こんな人におすすめします。」
・まず、グループ内で困りやコツを出し合い、
解決方法を検討し、その後、全体で、どの
ような話題が出たか共有する。また、解決
に至ってない場合は全体で検討することも
子どもと確認しておく。
もまとめてお
く。
※グループ構成
は、短編、長編、
同作者といった
観点で行ってい
る。人数は3~
4人。
《予想される子どもの反応》
(困り)あらすじのように文章が長くなる。
(解決方法)重要なキーワードを絞ったり、
「ふしぎな世界」を中心に書く。
(困り)
「どんな人におすすめなのか」考え
るのが難しい。
(解決方法)
「登場人物の特徴」や「ふしぎ
な世界」をもとに考える。
(困り)理由が書けない
(解決方法)登場人物の心情の変化や成長
に着目する。
・子どもからうまい解決方法が出ない場合は、
ファンタジーの特徴や魅力にふれながら、
気づけるよう支援する。
生かす
3.検討したことをも
15
○2活で検討したことを手掛かりに、よりよ
・ファンタジーの
とに、下書きを見直
い推薦文となるよう下書きに加筆・修正を
特徴や魅力にふ
し、清書を書く。
行わせながら清書を書かせる。
れながら推薦文
・清書を書く中で、新たな困りが出たらグル
に自分の考えを
ープ内で相談できるようにしておく。
まとめている。
(リーフレット)
振り返り
4.本時の活動を振り
12
○「本時でどのようなことを学んだか(改善
返り、自分の学びを
できた点や推薦文を書く時に大切にしたい
実感する。
こと等)」という視点で感想を書き、何人か
発表させる。
8.板書計画
ファンタジーの世界へようこそ!
~お気に入りのファンタジー作品を推せんしよう~
○め 五年生にファンタジーの魅力を伝えるために、
お気に入りのファンタジー作品の「ここがおすすめ」を
まとめよう。
手 リーフレット(モデル、
○
『きつねの窓』)
下書き
「ここがおすすめ」の構成
一段落目
「この作品のおすすめは、・・・です。
」
二段落目
「その理由は、・・・だからです。」
「例えば、
・・・です。」
三段落目
「・・・な人におすすめです。
」
(解決方法)
「この作品で、・・・を味わってください。」
(困り)
ふ 今日の授業でどのようなことを学んだか。
○
9.考察
(1)単元を貫く言語活動と評価
本単元では、
「本単元を通して、自分たちにどのような力が付くと思うか」ということを考えること
から始めた。六年生になってそれまでの「相手意識」を持たせることから、
「どのような力を付けるため
に何を学ぶのか」という「学ぶ目的」そのものを明確にしてきた。高学年では身につけるべき力を明
確にし、それがどのように役にたつのかを子どもたちと共通理解することで、意欲をもって取り組む
ことができるようである。
推薦したいファンタジー作品)のリーフレット作りにいかせるようにオーソドックスタイプを用い
た。B教材では、ほとんど教師の助言なしで取り組むことができた。高学年では、A教材で一通りの
活動を行うことで見通しをもってB教材にいかせることが期待できる。
本単元では付けたい力として「優れた叙述について自分の考えをまとめる」ことを位置づけたが、教
師モデルのリーフレットの書きぶりや内容をよく吟味する必要があった。事前に指導者が教科書教材
や並行読書材で評価も意識したモデルを作ることが求められる。
(2)1時間の授業の流れ
授業中に話し合い活動を充実させるために、宿題として下書きを書かせた。このことにより時間の
確保はもとより、授業のはじめに「困り」を出し合い、解決方法を検討したり共有したりすることが
でき、子どもが主体的に学習に取り組む姿が見られた。このことより授業と宿題の連動は有効であっ
たともに、「困り」や解決方法の共有もまた有効であるといえる。
(3)その他
並行読書材を扱う場合、指導者が内容を知らないことも考えられる。特に本単元では扱った「ファン
タジー」は、他の単元で扱う並行読書材に比べ長編が多いので、そのような確率も高くなる。その場合
は、
「ファンタジーの特徴や魅力が含まれているか」や「推薦する根拠が明確に書かれているか」など
の評価の視点をもとに対応することも含め、今後検証していく必要もある。
本単元では導入部において、ファンタジーの特徴を付箋に書かせてKJ法的に分類させながら整理
させた。子どもたちは、これまでの経験を生かして活発に話し合いを進めながら、ファンタジーの特
徴を捉えるとともに指導事項である「優れた叙述」を自分たちの言葉で明確にすることもできた。「書く
こと」の領域や総合的な学習なのにおいて思考ツールを用いることはあったが、「読むこと」の領域でも、
思考ツールの有効性を感じられた。ただし、日常的に用いておくことが前提となる。
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