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横浜市のバイオマスを活用した 再生エネルギー創出の共同研究

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横浜市のバイオマスを活用した 再生エネルギー創出の共同研究
横浜市のバイオマスを活用した
再生エネルギー創出の共同研究
報告書(概要版)
平成 21 年 11 月
横浜市環境創造局 電 源 開 発 ㈱
目
次
1.目的
1.1
背景
…
1
1.2
目的
…
1
2.技術的検討
2.1 下水汚泥等供給条件の整理
… 2
2.2 再生可能エネルギー(固形燃料)のエンドユーザー… 2
2.3 再生可能エネルギー製造技術
… 3
3.
事業化検討
3.1 製造−運搬−利用に至る各工程
… 4
3.2 燃料化方式導入の効果(従来の焼却処理方式との比較)5
3.3 民間活用型事業スキームの導入可能性
… 5
… 6
3.4 温室効果ガス排出量(CO2 換算)に対する評価
4.
今後検討すべき課題
…
8
1.目
的
1.1 背景
◆我が国のエネルギー自給率はわずか 16.3%(石炭・石油・天然ガスなどの主要なエネルギ
ー資源のほとんどは輸入に依存)
◆国内における再生可能エネルギー供給シェアの着実な伸び(現状 3.0%と少ないものの、限
りある資源から持続可能なエネルギーに転換する動きあり)
◆再生可能エネルギーのニーズの高まり(平成 15 年 4 月からの RPS 法の運用開始により電
気事業者等による新エネルギー利用が促進)
【横浜市の下水道事業】
下水道事業における温室効果ガス排出量は、市役所全体の約 22%を占め、温暖化対
策が喫緊の課題となっている。下水道事業から発生する下水汚泥は、主として焼却によ
り減量化を図り、発生する焼却灰を建設資材として活用しているが、今後は、脱温暖化
に向け、焼却方法を見直し、再生可能エネルギーへの活用が求められている。
水再生
センター
現行システム
水再生
センター
汚泥
水再生
センター
消化タンク
脱水機
焼却炉
焼却灰
汚泥の有機物
を
分解・ガス化
水分を除去
汚泥の有機分
を
焼却
セメントや
改良土の原材
料として有効
活用
【電源開発㈱の取組み】
電源開発㈱グループにおけるCO2 排出量は、わが国全体のCO2 排出量の約 3%に相
当し、地球温暖化問題への取り組みを経営の最重要課題のひとつに位置付け、CO2 排
出量原単位の継続的な削減に努めている。
CO2 排出の少ない電源の開発の取り組みの一環として、石炭火力発電所におけるバ
イオマス資源の混焼利用により、化石燃料利用に伴い発生するCO2 排出量の削減、未
利用資源の有効利用及び資源循環型社会構築に向けて積極的に取組んでいる。
現行のシステム
ボイラ
微粉
炭機
脱硝
装置
集塵
装置
石炭
サイロ
乾式脱 硫装置
煙
突
現行システム
硫酸
灰
セメント等へ
有効利用
石
炭
1.2
目的
下水汚泥から石炭代替燃料を製造して活用することは、温室効果ガス排出量の削減の面で双
方の課題解決に繋がることから、横浜市と再生可能エネルギーを生産する技術力や利用手法の
ノウハウを有する電源開発㈱が共創し、具体的で実現可能な事業手法について検討することを
目的とした。
※本研究では、横浜市と電源開発㈱の双方が、現状で知り得る情報をもとに検討を進めてきた
ものであり、成果は、実施するための課題や留意点を含めてまとめており、具体的に実施す
る段階までには、さらなる検討が必要である。
1
2.技術的検討
2.1 下水汚泥等供給条件の整理
◆ 横浜市の下水汚泥性状等
・ 発熱量:13.9∼15.3MJ/Kg-ds
(一般的な石炭は、約 26MJ/Kg-ds)
・ 提供条件量:汚泥資源化センターで、焼却炉1炉の処理能力にあたる 150t/日
・ 成
分:塩素、重金属類、強熱残分などが石炭と比較して多く含有されていることから、
適切な燃料化手法の採用などに配慮する必要がある。
◆ 燃料化物の性状
上記の下水汚泥を、低温炭化技術を用いて燃料化した場合の燃料化物の性状や製造量は以下の
とおり。
・ 発熱量:15.9MJ/Kg-ds 程度
・製造量:20.9∼22t/日程度
2.2 再生可能エネルギー(固形燃料)のエンドユーザー
◆横浜市周辺の主なユーザー候補
浜市を中心とする半径 100km 圏内における固形燃
料を使用している事業所について調査した。結果は右
表のとおり。
※
横浜市役所からの
概算走行距離
①電源開発 磯子火力発電所
7.5km
②川崎バイオマス発電
15 km
③昭和電工 川崎火力
15 km
④デイシイ 川崎工場
15 km
⑤JFEスチール 東日本製鉄所(京浜地区)
25 km
⑥吉野石膏 千葉第二工場
40 km
⑦吉野石膏 千葉第一工場
45 km
⑧出光興産 千葉製油所
50 km
⑨新日本製鐵 君津製鉄所
50 km
⑩レンゴー 八潮工場
55 km
⑪市原グリーン電力
60 km
⑫JFEスチール 東日本製鉄所(千葉地区)
75 km
⑬太平洋セメント 埼玉工場
80 km
施 設 名
再生可能エネルギーの形態は固形燃料を想定し、横
なお、エンドユーザーの受入可否等の詳細を把
握するには、アンケートやヒアリング等による
意向調査を行う必要がある。
◆エンドユーザー選定にあたっての留意点
◇再生可能エネルギー(固形燃料)のエンドユーザー
⑭高砂製紙 本社工場
85 km
・ バイオマス燃料利用のモチベーション
・ バイオマス燃料利用にあたっての技術的検討の熟度
・ バイオマス燃料利用の長期安定性
・ バイオマス燃料利用設備仕様
【参考】
電源開発㈱磯子火力発電所は、環境負荷低減
とエネルギー効率向上を世界最高水準で両立し
たコンパクトな都市型石炭火力発電所である。
ボイラーの燃焼温度は 1200℃以上の高温であ
ることから混焼による N2O の発生量を大幅に抑
制し、世界最高レベルの高効率発電により CO2
発生を抑え、最新技術を用いた環境設備により
NOX(窒素酸化物)、SOX(硫黄酸化物)、ばいじん
排出量を削減している。
磯子火力発電所における NOX、SOX 排出量国際比較
2
2.3 再生可能エネルギー製造技術
◆燃料製造技術選定のポイント
【ユーザーからの視点】
】
【下水道事業者からの視点】
】
・燃料性、安全性、ハンドリング性、環境性等
・信頼性、安全性、経済性、環境性に優れた技
に優れた技術を選定する必要がある。
術を選定する必要がある。
◆ 焼却炉に代わる燃料製造技術
下水汚泥の固形燃料化技術の特徴は以下のとおり。
燃 料化方式
燃料性
低 温炭化方式
(約250∼350℃ )
造粒 乾燥方式
油温 減圧方 式
改質乾 燥方式
9.1MJ/kg
炭化方式
中温炭化 方式
(約400℃)
11.5MJ/kg
14.6M J/kg
12.6MJ/kg
22.9MJ/kg
13.0MJ/kg
11.7%
15.3%
14.7%
20.1%
30.1%
14.4%
微臭
汚泥臭
廃油 臭
有機 酸臭
中 温炭化方式
(約500℃)
発 熱量(到 着)
燃 料化物の収率
臭気
安全性
なし
自 然発火性
大
中
発 酵性
なし
水 への溶解 性
ハンドリング性
なし
粉∼粒状
ハンドリング性 かさ比重
0.5
水 への溶解 性
信頼性
実績
粒状
ペレット状
0.6
0.6
なし
あり
なし
副 資材の調 達安定 性
あり(契約実績)
小
中
小
あり
なし
あり
あり
なし
あり
粒状
顆粒 状
顆粒状
0.7
0.6
0.5
あり
なし
あり
あり
課題なし
有 害物質の変動
環境性
乾 燥方式
低沸点物質は軽減
あり
なし
難しい
課題な し
汚泥と同等
汚泥と同 等以 下
汚泥 と同等
温 室効果ガス削減量 *1
約5,300t/年
約7,400t/年
約9,100t /年
約11,600t/年
約29,900t/年
約8,500t/年
温 室効果ガス削減量 *2
約3,400t/年
約1,400t/年
約 3,500t/年
約4,900t/年
約 200t/年
約6,200t/年
*1 石 炭火 力発電 所での石 炭使 用量削 減効果の評価値 *2 焼却 処理 、燃料化それぞれに伴う温室 効果ガス発生量の差 【参考】低温炭化製造技術の特徴
【高発熱量化】
低温炭化技術は、従来の炭化方式(炭化温度 500∼800℃)に比較して低温(250∼350℃)で炭
化することにより、高発熱量化を図り、燃料価値を高めた技術である。
【低自然発火性】
蒸気添加・炭化前造粒により加湿することなく低自然発火性を実現。
【温室効果ガスの削減】
汚泥焼却や他炭化方式に比較し、N2O(一
酸化二窒素)発生量を大幅に低減し、炭化
物の混焼利用も含めて温室効果ガスの削
減を達成。
温室効果ガス発生量
高温焼却の約 1/5 程度
3
<試算条件>
・汚泥種類:消化
・汚泥処理量:100/t日
・脱水汚泥水分:80%
・固形物可燃分:65%
3.事業化検討
3.1 製造−運搬−利用に至る各工程
※ここからは、低温炭化方式による下水汚泥燃料化を一つのモデルとして検討しています。
◆製造工程
【製造施設の設置検討】
】
北部/南部汚泥資源センター共に構内への設置は可能である。
【ユーティリティーバランス】
】
燃料化設備導入によるユーティリティーバランスについて、消化ガス利用の考え方に応じて、①消
化ガス発電優先、②燃料化優先(北部については消化ガス発電 PFI 事業を考慮)
、③全量都市ガス利
用、の 3 ケースで検討した。以下に南部汚泥資源センターにおける現状でのユーティリティーバラ
ンスを示す。
加温用温水(供給75℃→戻り60℃)
南部汚泥資源化セン ター
(現状)
H16∼20
平均値
濃縮汚泥
236 GJ/ 日
濃縮汚泥を 15℃→35℃加温に必要な熱量を 算出し、
効率0.8として算出(比熱4.186kJ/kg℃)
H18∼20の平均値
6,900 Nm3 /日
運転実績
H16∼H20 平均値
H16∼H20 平均値
2,250
m3/ 日
消化ガス
37,500 Nm3 /日
ガス発電設備
環境金沢工場
送ガス
H18∼20の平均値
2台運転
20,000 Nm3 /日
39,000 kWh /日
買電
H18∼20の平均値
42,100 kWh /日
汚泥消化設備
発電
H20実績ベース
9,200 Nm3 /日
消化槽
脱水汚泥
焼却設備
ガスホルダ
H16∼20
平均値
消化汚泥
脱水設備へ
脱硫
0 Nm3/日
2,290
m3/日
発生量から 他での使用
量を 差し引いて算出
310 t/日
1400 Nm3 /日
都市ガス
燃料化設備
安全燃焼
燃料化導入
◆運搬工程
北部/南部汚泥資源センターから磯子火力発電所への運搬手段について検討した。
・トラック輸送:船舶、鉄道の選択肢も考えられるが、トラック輸送が現実的
・車両の構造:運搬中の飛散を防止するため、密閉性の高い構造とする必要あり
・運搬の頻度:一両日中に運搬(製造側、エンドユーザー側共に大量貯蔵施設の設置は非現実的)
◆利用工程
【粉砕性・燃焼性・環境性】
】
石炭との混焼基礎試験 10cal%(15wt%)により以下の内容を確認した。石炭火力発電所での混焼利
用に際しては、混焼率変化時の挙動を検証しておく必要がある。
・粉砕性、燃焼性:石炭専焼と同等
・NOx、灰中未燃分、集塵性:石炭専焼と同等もしくは低め
・ダイオキシン類:排出基準値以下
・CO:ボイラ出口 O2 を下げると僅かに増加
・灰付着性:下水汚泥由来の P2O5 等によるスラッギング性、ファウリング性に注意要
【粉塵爆発性・粉塵飛散性・発熱特性等】
】
・炭化物の粉塵爆発性及び粉塵飛散性なし
・短期間で発火に至らない(発熱特性シミュレーションで確認済み)
・炭化物の取扱い作業者への影響がないことの確認が必要
4
3.2 燃料化方式導入の効果(従来の焼却処理方式との比較)
◆ 環境面での効果
燃料化方式の導入によって、N2O の発生が大幅に抑制され、焼却方式に比べて温室効果ガス発
生量が削減できる。
⇒下
下水道事業の温室効果ガス削減に貢献
製造される燃料化物はカーボンニュートラルであり、燃料化物利用側での石炭代替利用(石炭
使用量削減)によって、CO2 排出量が削減できる。
⇒下
下水汚泥資源の有効利用により低炭素社会形成に貢献
◆ 汚泥資源活用の多様化における効果
横浜市の汚泥処理全体を考えた場合、従来の焼却処理に燃料化方式が加わることによって、汚
泥資源の有効利用先の多様化が実現できる。
⇒汚
汚泥の安定処理に係るリスクの分散効果
◆ コスト面での効果
設計・建設費と維持管理・運営費の単純集計では、焼却方式も燃料化方式もほぼ同等である。
なお、南部汚泥資源化センターにおいては、優先的な消化ガスの供給(無償)を受けることに
よって、燃料化方式が焼却方式に比べてコスト面でも有利となる。
また、燃料化方式では、焼却方式に比べ排ガス処理に伴う排水量が大幅に削減(約 100 万 t/
年)できるため、既存の水処理系統に与える影響を抑制することができる。
3.3 民間活用型事業スキームの導入可能性
◆ 民間活用手法の効果
【燃料化事業とPPP/PFI手法との親和性】
・ 施設の『完成』ではなく、
『長期にわたる運営』
(≒施設の性能発揮)が重要な燃料化事業
は、民間側にも技術面を含めてノウハウが蓄積されているので、適切な官民役割分担に基
づく民間活力の導入により十
十分な VFM(Value For Money)の創出が期待できる。
・ 民間側に一定の投資リスクを負担させて事業健全性を担保することは、公共事業の理念に
も合致するものであるため、幾つかの制度上のハードルは存在しているが、民
民間資金活用
型スキームによる民間活力の導入が適している。
【燃料ユーザーの位置づけ】
・ 燃料化物の利用先との密接な連携が求められる燃料化事業では、何らかの形で燃料ユーザ
ーの事業への関与を求めることが、燃
燃料化物の安定利用のみならず燃
燃料化事業全体の安定
性確保のうえでも有効といえる。
・ 燃料化物の利用者にとっても、燃料化事業に自ら関与することで、燃料化物の品質確保と、
公共事業の適切な遂行による安
安定的なバイオマス燃料調達が期待できるという効果があ
る。
◆ 民間活用によるVFM最大化に向けた留意事項
・ 燃料化事業における民間活用では、官民の適切なリスク分担の実現が VFM 創出のポイン
トのひとつであるが、燃料化事業の市場はいまだ発展途上であり、横浜市における最適な
事業条件の設定にあたっては、燃料化プロセスや燃料利用プロセスの実態を良く知るもの
との十
十分な対話プロセスの確保が重要である。
5
3.4 温室効果ガス排出量(CO2 換算)に対する評価(その1)
◆ 汚泥資源化センター別の温室効果ガス排出量削減効果
燃料化方式の導入に伴う、北部/南部汚泥資源化センターそれぞれの CO2 排出量削減効果
(現状の焼却処理との比較)については下表のとおりである。
なお、燃料化方式の場合の CO2 排出量は消化ガス利用の考え方(①ガス発電優先、②燃料
化優先、③全量都市ガス利用)に応じて算出している。
※汚泥処理にかかる温室効果ガス発生量:各汚泥資源化センターにおいて、焼却炉1炉(処理能力:150t/
日)だけを低温炭化方式によって燃料化した場合の全体の発生量。
【北部汚泥資源化センターにおけるCO2排出削減効果(単位:t-CO2/日)】
内容
【下水汚泥処理側】
汚泥処理にかかる
温室効果ガス発生量※
温室効果ガス削減量
(括弧内は年間削減量)
【燃料利用側(輸送工程含む)】
燃料利用にかかる
温室効果ガス発生量
温室効果ガス削減量
(括弧内は年間削減量)
温室効果ガス排出量合計
全体での削減量
(括弧内は年間削減量)
燃料化方式(消化ガス利用の考え方別)
現状
(焼却方式)
①ガス発電優先
②燃料化優先
③全量都市ガス
77.5
63.6
63.1
65.0
―
-13.9
(-4,300)
-14.4
(-4,500)
-12.5
(-3,900)
0.6
-29.7
-29.7
-29.7
-30.3
-30.3
-30.3
(-9,400)
(-9,400)
(-9,400)
33.9
33.4
35.3
-44.2
-44.7
-42.8
(-13,700) (-13,900) (-13,300)
―
78.1
―
【南部汚泥資源化センターにおけるCO2排出削減効果(単位:t-CO2/日)】
内容
【下水汚泥処理側】
汚泥処理にかかる
温室効果ガス発生量※
温室効果ガス削減量
(括弧内は年間削減量)
【燃料利用側(輸送工程含む)】
燃料利用にかかる
温室効果ガス発生量
温室効果ガス削減量
(括弧内は年間削減量)
温室効果ガス排出量合計
全体での削減量
(括弧内は年間削減量)
燃料化方式(消化ガス利用の考え方別)
現状
(焼却方式)
①ガス発電優先
②燃料化優先
③全量都市ガス
78.6
65.9
57.3
68.5
―
-12.7
(-3,900)
-21.3
(-6,600)
-10.1
(-3,100)
0.5
-31.4
-31.4
-31.4
―
-31.9
(-9,900)
-31.9
(-9,900)
-31.9
(-9,900)
79.1
34.5
25.9
37.1
-44.6
-53.2
-42.0
(-13,800) (-16,500) (-13,000)
―
⇒燃料化方式導入によって、従来の焼却処理方式に比べて、北部汚泥資源化センターにおい
約 3,100∼6,600
て約
約 3,900∼4,300 t-CO2/年、南部汚泥資源化センターにおいては約
約 13,000∼
t-CO2/年の CO2 排出量削減効果を得られ、利用に至るまでの全体では、約
16,500 t-CO2/年の CO2 排出量削減効果となる。
6
3.4 温室効果ガス排出量(CO2 換算)に対する評価(その2)
再生可能エネルギーを創り出す
再生可能エネルギーを利用する
電源開発㈱磯子火力発電所
横浜市汚泥資源化センター
石炭代替燃料の製造
石炭代替燃料混焼による発電
下水汚泥
燃料化物
石炭コン ベア
ボイラー
発電機
石炭バン カ ー
微粉炭機
消化タンク
脱水機
汚泥の有機物を
分解し汚泥を濃縮
水分を除去
燃料化設備
脱水汚泥から燃料化
物を製造
・ 燃料化設備では、これまでの
焼却炉と比較して、N20(一
酸化二窒素)の発生を大幅に
削減。
・ 温室効果ガス排出量は、年間
約3,900 t-CO2(約4割)削減す
ることが可能
ボイラー設備
発電設備
下水汚泥燃料化物を
石炭と混焼利用
電力を発生
・ ボイラー設備で石炭代替
燃料を混焼利用した、電力
発生により温室効果ガス
排 出 量 を 年 間 約 9,900 t
-CO2削減することが可能
双方で年間約 13,800t-CO2 の温室効果ガス排出量削減に繋がります。
7
4.今後検討すべき課題
◆下水汚泥成分
・窒素、硫黄、灰分、塩素及び水銀等の重金属類は、一般的な石炭に比べて含有量が
高く、燃料化物の性状や混焼率の管理、適切な燃料化手法の採用に配慮が必要
◆下水汚泥燃料の製造
・燃料化物の利用の長期安定性確保の観点から、採用する燃料化技術については汚泥
性状特性やエンドユーザー側の条件を考慮した検討が重要
・PFI 方式で実施する場合、下水道法に基づく下水道事業としての位置づけを整理し、
廃掃法の適用対象外となることの確認が必要
◆燃料輸送
・炭化物を有価物(廃棄物に該当しない)として取り扱うためには、
「物の物性」、
「排
出の状況」、「通常の取扱い形態」、「取引価値の有無」
、「占有者の意志」を整理し、
有価物であることの総合的な判断が必要
・炭化物が消防法上「廃棄物固形化燃料等以外の再生資源燃料」に該当することの確
認が必要
◆炭化物の利用
・石炭との混焼率を変化させた場合の燃焼性、環境性、スラッギング性、ファウリン
グ性について、科学的なデータの取得、蓄積が必要
・炭化物の取扱い作業者への影響がないことの確認が必要
◆事業形態とリスク分担
・事業化に向けては、より詳細な事業条件を設定したうえで、VFM 向上の観点と現
行の諸制度・規制との整合を図りつつ、具体的な事業スキームを検討していく必要
がある。
8
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