正解・解答例

国際社会学部
2016 年度後期日程入学試験問題
外国語（ドイツ語）
正解・配点・解答例（200 点満点）
問 1（配点
30 点）
（イラク）戦争が勃発したとの知らせは、ドイツの子供たちに様々な感情を抱かせた。子
供たちは、自分が戦争に巻き込まれはしないかという不安を語ったり、第三次世界大戦の
シナリオを思い描いたりした。また、多くの子供たちの場合、最初に頭に浮かんだのは、
（戦
争を起こす行為を）全く理解できないという思いや戦争を拒絶する意見であった。
問 2（配点
30 点）
【訳】
（ドイツの）子供たちはその際、自らの身をイラクの子供たちの立場に置きかえ、
（戦
争の）苦しみを子供の視点から想像した。
モニクは、世界大戦が起こるのではないかと心配し、自分が普段から世話をしている 3
匹のネズミと 2 匹の猫と一緒に逃げる自分を想像している。
問 3（配点
30 点）
その際、子供たちが描いた絵のなかでは、じつに様々な時事情報が、すでに（テレビドラ
マなどの）フィクションの素材や（9.11 などの）他の報道とがすでに織り込まれている自
分の心の中のイメージと混ざり合っていた。
問 4（配点
30 点）
ユリアの絵では、アメリカ兵が顔に笑みを浮かべながらイラクの子供たちに向かって銃を
撃っていたり、ひときわ大きく描かれた大人たちのうちの 2 人が、「ママ」と叫んでいる小
さな子供に銃の狙いを定めている。ユリアは、ドイツの世論を支配していた反米的な空気
のなかで、メディアがテレビなどで報道する「微笑むアメリカ兵」の画像と「イラクで殺
されている子供たち」の画像を自分の頭の中で結びつけてしまった結果、このような絵を
描いた。
問 5（配点
80 点）
（要点）
 メディアが報道する個々の事実や画像を、自分の頭の中で不適切に結びつけてしまう
こと。
 戦争責任を「ジョージ・ブッシュ」など特定の個人や人格に結びつけてしまうこと。
 アメリカ軍は攻撃的、イラク軍は防衛的という単純な構図を描いてしまうこと。
 戦地の写真や映像からではわからない細部を、これまでに視聴したテレビドラマや映
画のイメージや、9.11 など他の事件についての報道に関するイメージによって補って
しまうこと。
 戦場の人々（とくに子供たち）の苦悩や不安を自らに引きつけて、ありありと思い浮
かべてしまうこと。
上記の要点を踏まえ、各自の主張を述べる。