応急手当講習 - 公益財団法人 東京防災救急協会

救急最前線
ガイドライン2015に基づく救命講習について
東京消防庁救急部
昨年１０月に国際蘇生連絡委員会（ＩＬＣＯＲ）から発表された「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサス（ＣｏＳＴＲ）」
に基づき、日本蘇生協議会（ＪＲＣ）から「ＪＲＣ蘇生ガイドライン２０１５」が示され、今年３月に「救急蘇生法の指針（市民用）」が改
訂されました。
一般市民の救急蘇生法の教育は「救急蘇生法の指針（市民用）」に基づいた学習テキストで実施されますが、この「指針」の元になっ
ているのが「ＪＲＣ蘇生ガイドライン」です。
今回示されたガイドライン２０１５は、反応の有無に迷った場合も119 番通報すること、呼吸の有無の判断に自信が持てない場合も
胸骨圧迫を開始することなどが強調されています。
JRC蘇生ガイドライン2010
通報
反応の確認
口頭指導
呼吸の確認と心停
止の判断
成人
小児
乳児
肩を軽くたたきながら大声で呼びかけ、反応
がなければ119番通報
胸骨圧迫
人工呼吸
小児
肩を軽くたたきながら大声で呼びかけ、反応
がない、もしくは反応の有無に迷った場合も
119番通報
受けることができる。
蘇生）について指導を受けることができる。
呼吸がないか異常な呼吸（死戦期呼吸※）が認
呼吸がないか異常な呼吸
（死戦期呼吸）が認め
められる場合は心停止と判断
られる場合、あるいは判断に自信が持てない
場合は心停止と判断
※死戦期呼吸：しゃくりあげるような不規則な
5cm沈むま
（心停止でなかった場合の危害を恐れずに胸
胸の厚さの約1/3沈むまで
程度6cmを
心肺蘇生を胸骨圧迫
から開始
胸骨圧迫　30回
人工呼吸　2回
❷
超えない
少なくとも100回/分
100回〜 120回/分
者でも技術と意思がない場合は胸骨圧迫のみ
）
（
周囲の安全確認
❸
わかりますか
反応あり
傷病者の訴えを聞き
必要な応急手当
❹
大声で助けを求め
119番通報
AEDの搬送依頼
★訓練を積み技術と
意思がある場合は
人工呼吸を実施し
てください。
心肺蘇生を繰り返す
❼AEDが到着したら
反応なし又はわからない
誰か来てください!!
人が倒れています
あなたは119番通報
してください
あなたはAEDを
持って来てください
まず電源ON
メッセージどおりに行動
パッドを貼る
❽心電図解析中
傷病者に触れない
❾
ショックが必要
ショックは
不要
AEDが
自動的に
除細動実施
解析へ戻る
（約２分後） （電気ショック）
❺
呼吸の確認
普段どおりの
呼吸あり
胸の厚さの約1/3沈むまで
で
訓練を受けていない者、または訓練を受けた
★胸が5cm沈むまで
しっかり圧迫します。
100～120回/分
❻心肺蘇生
倒れている人を
発見
約5cm沈む
訓練を受けていない者は胸骨圧迫のみ
訓練を受けており、それを行う技術と意思が
ある場合は行う。
（東京消防庁救急部　救急指導課　岡田）
てあて（80）　2016.7
❶
骨圧迫を開始する。）
応急手当の方法は、さまざまな研究や検証を重ね、原則５年に1度、よりよい方法へ改正されています。
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ました。
乳児
119番通 報すると心停止の 判 断とCPR（心 肺
少なくとも
テンポ
成人
〜ガイドライン2015対応〜
東京消防庁・東京防災救急協会では、平成２８年７月1日よりガイドライン2015に基づく救命講習を開始し
JRC蘇生ガイドライン2015
119番通報するとCPR（心肺蘇生）の指導を
呼吸。突然の心停止には高頻度にみられる。
深さ
心肺蘇生とＡＥＤの使用
反応の確認
★両肩を軽くたたき
ながら呼びかける
〈一次救命処置の主な変更点〉
年齢区分
最新版
気道確保又は回復体位
★呼吸しているかどうかわからない場合
★119番通報したら、
通 信 指 令 員や救 急
隊から応急手当の助
言を受けましょう。
直ちに心肺蘇生再開
※救急隊が到着するまでAEDは電源ONで、
電極パッドは貼ったままにしておきます。
救急隊に引き継ぐか、何らかの応答や目的のあるしぐさが
出現するか、普段どおりの呼吸をし始めるまで続ける。
でも、直ちに心肺蘇生とAEDの使用を
開始してください。
★印は前回と変わった部分です。
専用アプリ
「スマート動画」
をインストールの上、起動し、動画マーク
のあるイラストにスマートフォンをかざすと動画が見られます。
『上級救命講習テキスト』ガイドライン2015対応（東京防災救急協会発行）より引用・編集
てあて（80）　2016.7
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