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小さな平和を生みたい(PDF/102KB)
佳作 小さな平和を生みたい 函館市立五稜中学校 3 年 土屋 七海 私たちが日本で平和に生きている間にも、たくさんの子どもたちが亡くなっていると知っ たのは、小学四年生の時だった。テレビでユニセフが募金を呼びかけていたのだ。せまい世 界しか知らなかった私は、世界百カ国以上で水に困っている事や、毎日千四百人以上の子ど もたちが五歳を迎える前に命を落としているということを知った。 私はすぐに母にたのみ、ユニセフに電話をしてもらった。それから毎月三千円を募金して いる。そのお金で、重度栄養不良の子どもが助かったり、紛争下のシリアでは健康診断や治 療等を行ったり、甚大な台風に見舞われたフィリピンでは簡易トイレを提供するなど、こう したことに協力できたのがとてもうれしかった。 中学生になり、もっと外国で困っている人のことを知りたいと思い、本や、インターネッ トで調べた。すると、アジアでも、まだ汚れた水を飲んでいる国があると知り、とてもおど ろいた。私の学校の近くにある亀田川の水はみるからに汚い。でも、写真で見ると、それよ りも汚い池の水を、小さな子どもが一生懸命運んでいるのだ。本当に悲しくなった。しかも、 運び手のほとんどが女の子というのだ。写真を見ながら私は思った。どうしてこの子たちは ここに生まれてしまったのだろう。もし、この子たちが生まれた国が日本なら、安全に幸せ にくらせたのに・・・。でも、こんな事を考えていても何にもならないと気づき、そういう 子が安全にくらせるように、がんばってタメになることを考えたり、募金したりすることが 大切なんだと思った。それでも、そういったきれいな水や食べ物がない現地に行ったことの ない私には、わからない色々な問題があったりするのだろう。だからこそ、私はそこに行っ てみたいという気持ちが強くなった。そこに行って水をくむ女の子のお手伝いをしてあげた い。日本のおかしを持っていき食べさせてあげたい。きれいな水の出る井戸やお風呂をつく りたい等他にも書きつくせないほどたくさんあった。 私たちは安全な国にいて、水にも、食料にも困らないし、命が危ないことなんてほとんど ない。そんな平和な日常だから、小さなことで悩んでしまうし、命を軽く考える人だってい る。だけど世界には毎日死と戦い一生懸命に生きている人がいると知ると、自分は幸せなん だと気づくと思う。だから私はいつかそういう生活が大変な国に行き、自分の幸せをそこの 子どもたちに分けてあげることで、小さな平和が生まれてくれればいいと思う。