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MA包装段ボール箱によるさやえんどうの鮮度保持法
1998 .11 発行 MA包装段ボール箱によるさやえんどうの鮮度保持法 さやえんどうは、肥大途上の若莢を収穫するため呼吸量が大きく、そのため、ムレやカビの発生、がく片 褪色など、品質低下しやすい。品質低下を防ぐために、現在、さやえんどうの出荷には、アルミ箔内張り段 ボール箱(RC)や発泡スチロール箱(PS)が使用されているが、廃棄物処理の問題がある。 そこで、普通段ボール箱並の取り扱いのよさと鮮度保持効果を兼ね備えたMA包装段ボール箱(MA)に よる鮮度保持輸送法を開発した。この出荷箱は、流通中のがく片の褪色や栄養成分損耗を効果的に抑制する。 莢色に有意差はみられないが、がく変色 では貯蔵3日後以降、PS区及びRC区で は変色(褪色)度合いが大きく、鮮度低下 がみられた。 注)試験条件: アルミ箔内張り 発砲スチロール MA包装段ボー 貯蔵3日目まで各出荷箱の状態で 25℃貯蔵。 段ボール箱(RC) 箱(PS) ル箱(MA) 貯蔵3日後からはポリエチレン小袋で 10℃貯蔵。 MA包装段ボール箱の鮮度保持効果(貯蔵3日後) 60 MA区のビタミンC含量は、箱貯蔵中の変化がほとんどな 50 かったのに対して、PS区ではやや減少する傾向がみられ、 RC区では大幅に減少した。 40 小袋包装後は同一条件となり、MA区もビタミンC含量が 30 低下したが、7日目の含有量も他区に優った。 10 貯蔵日数 図1 ※図中凡例 7 3 1 0 MA区 PS区 RC区 25 MA 区:MA 包装段ボール箱 PS 区:発泡泡スチロール箱 RC 区:アルミ箔内張り段ボール箱 ビタミンCの保持効果 貯蔵3日後の包装内ガス濃度は、MA区とPS区ではとも に酸素約15%、二酸化炭素約5%となり、低酸素高炭酸ガ ス条件に変化している。RS区は気密性がなく、空気組成と ほぼ同様である。 ガス濃度 % 20 0 ビタミンC mg/100gFW 写真1 20 生産環境部保鮮流通技術研究室 16.1 15.1 15 10 5.3 5.5 5 0 図2 担当 酸素 20.0 二酸化炭素 〒024-0003 北上市成田 20-1 1.0 MA区 PS区 RC区 貯蔵3日後の包装内ガス濃度 TEL 0197-68-2331 FAX 0197-68-2361