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野菜1月の管理(PDF:388KB)

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野菜1月の管理(PDF:388KB)
<野菜 1月>
―─野
菜─
【冬場のハウスの管理】
ハウスビニールと内張カーテンでは4℃程
度しか保温できませんが、小トンネルやべた
掛け資材などを組み合わせることでかなりの
保温効果を得ることができます。(図1)
保温効率を高めるために被覆資材に破損や
穴がなくきちんと張れているかどうか、カー
テンのつなぎ目や重ね目に隙間がないかどう
かなどを点検しましょう。隙間をきちんと塞
ぐことで燃料使用量を 20%以上改善した事例
もあります。
図1
被覆による保温効果
冬のハウスは締め切るためハウス内湿度が高く、水滴がつきやすくなりますが、これにより被
覆材同士がくっついてしまうと保温効果は薄れます。被覆材と被覆材の隙間は1㎝以上空けるよ
うにします。隙間が小さい場合には間にネットや寒冷紗を挟むことで空気層を確保することがで
きます。
【ハウスの雪害対策】
<中柱による補強>
・10㎝程度の角材
・床は厚板、ブロックなどで埋没を防止
・天頂部は切込みを入れてずれを防止
連投式及びドーム型のハウスは
大雪力が劣るので、中柱等で補強
しましょう。
・中柱は 10 ㎝以上の角材または
丸太を4m以内の間隔に立て、
地盤沈下防止のために必ず台石を
置きます。
・水平引張線は雪重でハウス側面
が開かないようにするためのもの
で、8~10 番線の針金を2m以下
の間隔で張ります。
<針金による方法>
<筋交いによる補強>
①肩の位置から水平に張る
両妻面に行なう
・筋かいは、妻面4隅および縦方
②中央上部から水平よりやや上に引っ張り
上げる
向へアーチ型にタスキ掛けにしま
す。
図2 パイプハウスの補強
積雪 20 ㎝をめやすに、早めに除雪を行いましょう。雪下ろしの手順は、あらかじめハウスの
周囲(特に両サイド)の雪を取り除いてから上部に溜まった雪を下し、再度、周囲の雪を除雪しま
す。特に連棟式のハウスは雪害を受けやすいので重点的に行います。
降雪が続く時には暖房機で 15℃以上に加温し融雪を促します(ない場合はストーブを焚いて)。
二重カーテンを開け直接暖気がハウス天井面にあたるようにします。
降雪が激しくハウスの倒壊が懸念される場合にはハウスのフィルムを切り裂いて雪を落とし、
倒壊を防ぐ方法がありますが、積雪が多いとハウス天井に積もった雪が一斉に落ちたり、さらに
はハウスが一気に倒壊することがあり危険です。安全のため早めに判断しましょう。また、冬期
間使わないパイプハウスは、被服資材を取り外しておきましょう。
<野菜 1月>
【トマトの播種】
定植期から逆算して 70 日前が播種期となります。は種の覆土は浅めとし 1 ㎝以上にはしない
ようにします。覆土後ぬるま湯を灌水したら新聞紙などの通気性のある素材で覆います(発芽当
初は徒長しやすいので新聞紙の覆いを除くのを遅れないようにします)。3~4日で発芽します
が、その間の床土の地温は 25~30℃で管理します。
発芽後は、日中 25℃前後、夜間 15~18℃程度で管理します。夜温は当初高めとし、本葉が見え
始めるころから徐々に下げます。灌水は晴天日の午前中に行い、夕方には表面が乾く程度としま
す。育苗前半に床内が高温多湿になると軟弱徒長苗になりやすく、また日焼け症状が出やすいの
で日射量にも注意します。
本葉2~3枚(播種後 25 日頃)で最初の仮稙を行い、根の発達を促します。
【キュウリ】
半促成作型は1月下旬が播種期となります(定植から逆算し、40~45 日前)。種子の量は穂木が
栽培予定本数より1~2割程度、台木は3割程度多く準備します。播種は条間8~10 ㎝、2㎝程
度の間隔に条播し、条に対して長径が直角になるように播種し、種が隠れる程度に覆土します。
播種後は新聞紙をかけてポリなどで被覆し、発芽がしたら新聞紙は除去します(除去が遅れない
ように)。発芽適温は 25~30℃ですが、28~30℃で管理し、発芽がそろったら地温を徐々に下げ
ます。30℃を越えないように気をつけましょう。
呼び接ぎのブルームレス台木は穂木より1~2日遅らせて播種し、間隔も広めに3~4㎝とし
ます。さし接ぎの場合には穂木が台木より細い必要があるので、穂木の播種期を台木より1~2
日遅らせるようにします。
【春作レタスの播種】
低温期の育苗は長期間になるため、ペーパーポ
ットやセルトレイは 128 穴など培土が多く入る穴
数の少ないものを選びます。レタスの種子は好光
性であるため、覆土は軽く行うようにします。発
芽適温は 18~20℃で、15~25℃の範囲では実用
上問題ありません。4℃以下 25℃以上では発芽率
が低下するので、温床は最低5℃、最高 23℃くら
いに設定します。温床線を配線する場合には中央
より端のほうを密にして温度の均一化を図りま
しょう。苗の徒長が気になる場合にはトンネル内
の地上部に温床を張る場合もあります(写真1)。
育苗温度が高いと葉がしゃもじ形の軟弱徒長苗
写真1 空中温床線配置の育苗床
になりますが、活着のよい丸いがっちりした苗を
(写真はハクサイの事例)
作るには、日中の高温を回避し、少し早い時間の
保温開始、適正な水分管理などが重要です。かん水は基本朝1回とし、培土の状態を見ながら調
整します。
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