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最近のサイバー犯罪

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最近のサイバー犯罪
●論文●
最 近 のサイ バ ー犯 罪
園田
寿
︵
甲南大学法科大学院 教授︶
伴 い、ネ ット 空 間 で生 じ るサ イ バ ー 犯罪 に つい ても 質 的 な
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変化 が見 ら れ る よう にな った 。 か つて の よう に特 殊 な専 門
的技 術 を 必 要 と し な いふ つう の詐欺 や名 誉 殿 損 、 個 人情 報
の漏 え い、 わ いせ つ情 報 な ど 、 む し ろ古 典 的 な 犯 罪 が多 く
はじめに
な って い る。 イ ンタ ーネ ット がも は や現 代 の生 活 に と って
一
コ ンピュ ー タ を悪 用 した 違法 行 為 は ま す ま す 増加 傾 向 に
八 一件 で、 前年 と比 べ約 一三 % の増加 であ り 、 平 成 一二年
あ る が、 犯 罪 の道 具と し て の コ ンピ ュータ は 、す で に 一九
の金 融 シ ス テ ムが 狙 わ れ た 七 〇年 代 か ら 八 ○年 代 ま で は 、
と 比 べて 二 倍 以 上 と な って いる ︵
表 1 ︶。 中 でも 犯 罪 の遂
なく ては な らな い必 需 の メ ディ ア にな った証 拠 だ と 思う 。
コ ンピュ ー タ犯 罪 と いえ ば か な り高 度 な 知 識 と技 術 を 要 す
行 に あ た り ネ ット ワ ー ク を 不 可 欠 な 手 段 と し て利 用 し た
六 〇年 代 頃 か ら 問 題と な って いる。 し か し 、 キ ャ ッシ ュカ
る 、 いわ ば プ ロに よ る特 殊 な 犯罪 の部 類 に 属 し た。 と こ ろ
﹁ネ ット ワ ー ク利 用 犯 罪 ﹂ は 一、 八 八 四 件 で検 挙 件 数 の約
平成 一六 年 度 に おけ るサ イ バ ー 犯 罪 の検 挙 件 数 は 二 、 ○
が 、 九 〇年 代 の終 わ り にイ ン タ ーネ ット が 大 ブ レ イ ク し 、
九 一%を 占 め て いる。 ま た 、 都道 府 県 警 察 のサ イ バ ー犯 罪
ー ドと 情 報 処 理 シ ス テ ムを タ ー ゲ ット と し て、 とく に銀 行
コ ンピュ ー タ の操 作 も ま すま す 簡 単 にな り 、 イ ン タ ーネ ッ
相 談 窓 口等 が 平 成 一六 年 度 に受 理 し た相 談 受 理件 数 ︵
表2︶
(
平 成17年2月24日
付 け、 警察 庁 広 報資 料 に よ る)
ト の接 続 環 境 が ダイ ア ル ア ップ か ら 常 時接 続 に移 行 す る に
イバー犯罪等 に関する相 談状況
表2サ
イバー犯罪 の検 挙状況
表1サ
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特集 ・学生の消 費者契約被害の防止対策
特集 ・学生の消費者契約被 害の防止対策
ンに関 す る相 談 が 全体 の約 七割 を 占 め て いる 。
と し て は、 詐 欺 や悪 徳 商 法 、 イ ン タ ーネ ット ・オ ー クシ ョ
り 、 平成 一二年 と 比 べ ると 六倍 以 上 に急 増 し て いる。 内 訳
は 、 七 〇、 六 一四件 で、 前 年 に 比 べ約 一 ・七倍 の増 加 であ
加 でき る 手 軽 さと 、 希 少 価 値 のあ る品 物 が 見 つか る こと も
も っと も 高 い値 段 を つけ た 者 が落 札 す る。 誰 でも 簡 単 に参
価 格 ・発 送 方法 など を 提 示 し て商 品 を セリ に 出 し 、 それ に
る。 出 品 者 は 、 オ ー ク シ ョ ンサ イ ト に商 品 情 報 ・最低 落 札
以 下 では 、 ネ ット ワー ク 利 用犯 罪 の中 でも 、と く に学 生
いと いう ネ ット の匿 名 性 と参 加 者 に対 す る 個 人 認 証 の甘 さ
あ り 大 人 気 と な ったが 、 ネ ット取 引 では 相 手 の顔 が見 え な
き や後 払 いと い った 安 全 な 決済 方 法 が あ る が 、個 人 対 個 人
で具 体 的 な交 渉 が開 始 さ れ る 。企 業 対 個 人 の場合 は、 代 引
商 品 を 落 札 す れば 、 出 品 者と 落 札 者 と の間 で メ ー ルな ど
を 突 か れ た詐 欺 事 犯 が続 出 し て いる 。
が 被害 にあ いやす い犯 罪 行 為 に つ いて、 そ の問題 と 対 策 に
つ いて述 べた いと 思 う 。 な お 、ネ ット 空 間 で は、 法 的 な 整
法行 為 の境 界 があ いま いなも のも 多 い。 そ のよう な 場 面 で
備 が必 ず し も 十分 と は いえ な い部 分 が あ り 、適 法 行 為 と 違
は 、犯 罪 の被害 者 だ け では なく 、 法 違 反 の明確 な 意 識 な し
の場 合 は 、 まず 代 金 を 指 定 さ れた 口座 に振 り 込む のが 通 常
携 帯 電 話番 号 も 契 約 者 不在 の番 号 (
し か も そ の振 込 先 が 架
であ る 。そ の場 合 、相 手 の メー ル アド レ スが 無料 アド レ ス、
空 名 義 の 口座 )であ れ ば 、詐欺 の被 害 にあ う 可能 性 が 高 い。
いる場 合 も あ る こと に注意 しな け れ ば な らな い。 意 図 せず
に加 害 者 と なり 、 結 果 的 に被 害 者 か ら 損害 賠 償 責 任 を 追 及
に違 法 な 領域 に踏 み込 ん で しま い、 犯 罪 の加 害 者 にな って
さ れた り 、最 悪 の場合 には刑 罰 に処 せら れ た りす る ことも 、
一個 の商 品を 複 数 の者 に売 った り 、 存 在 し な い商 品 を セ
ま せ る と い った手 口が多 数報 告 され て いる 。ま た、 掲 載 さ
リ にか け た り 、偽 ブ ラ ンド 品を 本 物 と 偽 って代 金 を 振 り 込
ネ ット ワー ク の落 と し 穴 に落 ち てし ま った結 果 と いえ る だ
ろう 。
も 個 人 認 証 が強 化 さ れ て いるオ ー ク シ ョンサ イ ト な ら 一応
く 確 認 す る 。応 対 に不審 を 感 じ れ ば 乗 ら な いこと 。 何 より
の電 話 番 号 ・メ ー ル アド レ スを 確 認 し 、商 品 に つい て詳 し
な い姿 勢 が 基 本だ 。 代 金 振込 み の前 に、 相手 の住 所 ・自 宅
子商 取 引を 促 進 さ せ る ネ ットオ ーク シ ョンが 急 成 長 し て い
た と いう ケ ー スも あ る)。 し か し 、 ほ と んど の場 合 は 、契
用意 に ク リ ックし た た め に 、後 日国 際 電 話料 金 の請 求 が 来
際 電 話 に架 電 す ると 小 さ く書 かれ てあ り 、 そ の ボ タ ンを 不
な ケ ー スが な いわ け では な い (
ボ タ ンを ク リ ックす ると 国
スを 受 け た よう な 場 合 には 、法 的 には 契 約 が 成 立す るよ う
す れ ば よ いか。 現 実 社会 と 同 様 、 詐 欺 師 の甘 い言 葉 に乗 ら
こ のよう なネ ット 詐 欺師 のカ モ にな ら な いた め には ど う
にな ったり 、出 品者 自 ら が 別 のI D で入札 者 に成 り す ま し 、
れ た 商 品 の写真 が実 物 と 異 な って いた た め に後 日 ト ラブ ル
ネ ット 利 用詐 欺 にあ わ な いた め に
ニ
金 額 を みず か ら吊 り 上 げ ると い った ケ ー スも あ る。
信 頼 は でき る 。さら に最近 では 、出品 者 と落 札 者 を仲 介 し 、
約 じた いが成 立 し てお らず 、請 求 じた いが 不当 と な る ので、
イ ン ターネ ット 上 で販売 者 と 購 買 者 の取 引 を 仲 介 し 、電
(一) オ ーク シ ョン詐 欺
ロー サ ービ ス業 者 と 提 携 す るオ ー ク シ ョン サイ トも あ る 。
代 金 の振 込 み ・支払 い ・商 品 の発 送な ど を 代 行す る エス ク
ま れ に裁 判 所 か ら本 物 の書 類 が 郵 送 さ れ てく る ケ ー スも あ
それ が 悪 用 され て恐喝 の被 害 に発 展 す る こと が あ る。ま た 、
名 等 の個 人 情 報 を 開示 す る こと に なり 、そ の結 果 、今 度 は
当 請 求 者 にこ ち ら の電 話 番 号 、 メー ル アド レ ス、住 所 、氏
ら 問 い合 わ せ る こと であ る。 問 い合 わ せ る こと で、逆 に不
絶 対 にし ては な らな いこと は 、 慌 て て請 求 先 にこ ち らか
あ く ま でも冷 静 に対 処す る こと が必 要 と な る。
も ち ろ ん、 そ の場合 には 手 数 料 が必 要 と な る が 、詐 欺 の被
害 にあ わ な いた め に は高 く はな い保 険料 と いえ るだ ろう 。
(二) 架 空請 求 詐 欺
最 近増 え て いる のが ﹁架 空 請求 ﹂ や ﹁不 当請 求 ﹂ 事案 で
あ る。
利 にな る 可能 性 があ る の で、弁 護 士 や消 費 者 生活 セ ンタ ー 、
る。 こ のよう な場 合 、 そ の書 類を 無 視 す ると 民事 裁 判 で不
料 サ ービ スを 利 用 し た か 、あ る いは 有料 サイ ト の会 員 登録
実 際 に利 用 し た事 実 が な いにも か か わ らず 、 何 ら か の有
を 行 った と い った よ う な内 容 の メー ルを 送 り 付 け 、料 金 を
つ いては 、 素 人 で判 断 せず に専 門家 に相 談す べき であ る。
警 察 な ど に相 談 す べき で あ る。 と く に契 約 が有 効 か 否 か に
の処 理を 考 え れ ば そ れ ほど 高 い金 額 では な く 、 ま たあ やし
﹁
掲 示 板 ﹂ での誹 諦 中 傷 にあ わ な いた め に
発信 を 容 易 と す る 反面 、 発 信 段 階 で他 者 によ る 内 容 のチ ェ
ネ ット 空 間 で の発言 は基 本 的 に 匿名 であ り 、 そ れ は情 報
三
振 り 込ま せ よう と す る手 口 であ る 。金 額 も 面 倒 な ト ラ ブ ル
に、 メ ー ルを 受 け 取 った 者 の恐怖 心 を 煽 った りす る悪 質 な
げな ﹁
債 権 回 収 業者 ﹂ に料 金 の請 求 を 委 ね た と い った よ う
ケ ー スも多 い。
実際 に当 該 ホ ー ム ペ ージ を訪 れ、 事 実 上 何 ら か のサ ービ
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特集 ・学生の消費者契約被害 の防止対策
特集 ・学生 の消 費者契約被害の防止対策
ュ ニケ ー シ ョン であ る こと か ら 、 稚拙 な 表 現 に起 因 した 誤
そ こで の コミ ュニケ ー シ ョンが 、 基本 的 に文 字 だ け の コミ
ックが か か ら な いと いう 危 険 性 を はら ん で いる 。 し かも 、
る ケ ー スは 、 現 実 社会 と 変 わ ら ぬ 名 誉 侵害 であ り 、 最 終 的
な り 、掲 示 板 やホ ー ム ペ ージ な ど で 一方 的 に誹謗 中 傷 さ れ
こ のよう な フレ ー ミ ン グ の果 てに 生 じ た誹謗 中 傷 と は異
法 的 な 可能 性 と 現 実 の実効 性 と は 別 の問 題 であ り 、 完 全 に
には 、 民法 や刑 法 に よ る救 済 が 可 能 であ る。 ま た 、 いわ ゆ
身 元 を隠 し て書 き 込 ま れ た発 言者 に対 し ては 、損 害 賠 償 な
る プ ロバイ ダ 責 任 法 に よ って、 一方 的 に 書き 込 ま れ た 発 言
と く に 電 子掲 示 板 な ど で の議 論 では 、双 方 が 冷 静 さを 失
ど の法 的手 段 を 取 る こ と は 不 可能 に近 く 、 ま た いわ ゆる フ
解 も 生 じ やす い。 発 言 は瞬 時 にき わ め て広 範 囲 の者 に認 識
い、 勢 いにま かせ て発 言 し、 応 酬 が 感情 的 に エスカ レ ート
ァイ ル交 換 ソ フト のネ ット ワ ー ク に残 さ れ た情 報 な ど に つ
さ れ る 可能 性 が あ る など 、 現 実 社 会 に おけ る通 常 の コミ ユ
す る こと があ る。 これ は 、 ﹁フレ ー ミ ング ﹂ (
炎 上 )と 呼 ば
い ては 、 そ れを ネ ット ワー ク 上か ら 完 全 に 消去 す る こと は
の削 除を プ ロバ イダ に要請 す る ことも 可 能 で あ る。し か し、
れ て いる 現象 であ る が 、 フレ ー ミ ング の過 程 では 、結 果的
ニケ ー シ ョンと はか な り異 な った性 質 をも って いる 。
に 下品 な 人格 攻 撃 な ど にま で発 展 し や す い。 こ のよう な ケ
不 可能 であ る 。日頃 か ら 自 宅 の電 話番 号 や携 帯 電話 の番 号 、
メ ー ル アド レ スな ど の個 人情 報 を 、 他 者 に 不 必 要 に開 示 し
ー ス の場 合 、 いわ ば ﹁
喧 嘩 両 成 敗 ﹂ 的 な解 決 が と ら れ る こ
と が あ る 。 たと え ば 、東 京 地 裁 平 成 一三年 八月 二七 日 判決
な いよう に心 が け た ほう が よ い。
銀 行 や企 業 か ら の メ ー ルを 装 い、受 信 者 を 偽 のホ ー ム ペ
四 ﹁成 りす ま し﹂ の被 害 に あ わ な いため に
で は、 問 題 の書 き 込 み が被 害 者 の挑 発 的 な発 現 が き っか け
にな って いたと 認 定 し 、 被害 者 の反 論 が容 易 な 媒 体 で、 反
論 が十 分 な 効 果を あ げ て いる場 合 には 名誉 殿損 は 成 立 し な
ージ に ア クセ スす るよ う に誘 導 し 、会 員 番 号 や パ スワ ー ド
いと し て、 原 告 の損 害 賠 償請 求 を 棄 却 し た 。 こ のよ う な 考
え の背 景 には 、 言論 によ る名 誉 侵 害 は 言 論 で 回復 可 能 な 場
の更 新 な ど と偽 って、 ク レジ ット カ ード 番 号 、 I D 、 パ ス
ソ フト の アド レ ス帳 に登 録 さ れ て いる ア ド レ ス のす べて に
合 があ り 、 両 者 が対 等 な メデ ィ アを 利 用 でき るな ら ば 、法
問 では 、印 鑑 や筆 跡な ど 、 物 理 的 な痕 跡 で個 人を 確 認 す る
同 じ ウイ ル スを 送り つけ 、 わ ず か数 十 時 間 でウ イ ル スを 世
的 制裁 を 科 す 前 に 、反 論 、 す なわ ち ﹁対 抗 言論 ﹂ で の名誉
こと が でき るが 、ネ ット 空 間 で は そ のよ う な方 法 は 不 可 能
界 中 にば ら撒 き 、多 大 の被 害 をも た ら し た。現 実社 会 では 、
ッシ ング (Phis)﹂
hi
とn
いg
う 手 口が 流行 って いる 。 現実 空
であり 、 現 在 一般 的 な 個 人 認 証 の手 段 は 、 I Dと パ ス ワー
病 院 や研 究 所 か ら細 菌 ・ウ イ ル スな ど の微 生 物 が外 部 へ漏
ワ ード 等 を 入力 さ せ て、 個 人 情報 を 不正 に入 手 す る ﹁フィ
ド と いう 任意 の文 字 列 によ る 認証 であ る 。 し たが って、 他
出 し てひき 起 こ され る 災 害 や障 害 (バイ オ ハザ ー ド) が 問
回復 を 図 る べき だ と いう 発 想 があ り 、 学 説 でも 支 持 す る 見
人 の I Dと パ スワ ード を 入力 す れ ば 、 ネ ット ワ ー クは 当該
題 と な って いるが 、 サ イ バ ー ス ペ ー ス でも 、悪 意 に満 ち た
解も 多 い。
個人 を 本 人 と認 め完 全 に そ の他 人 に成 りす ま す こと が でき
﹂ウ イ ル ス のよう に、 メー ル の機 能 を 悪 用 した ウイ ル
タ ル ハザ ー ド )。 イ ンタ ー ネ ット の拡 大 に 伴 い、﹁
スが 瞬 時 に世 界 中 に広 が る 環境 が形 成 さ れ て おり 、 今 後 は
プ ログ ラ ム の伝 播 ・感 染 が 現実 の問 題 と な って いる (デジ
通常 、 銀行 や企 業 な ど は 、 メ ー ルな ど で個 人 の金 融情 報
OS (
基本 ソフト ) の違 いを超 え て動 作 し 、感 染 の事 実 す
る。 逆 に いえ ば 、 被 害 者 は 、 それ は自 分 では な いと 否 認す
(ク レジ ット カ ー ド 番 号 、 I D、 パ ス ワ ード 等 ) を 聞 き 出
ら気 、
つか れな い間 に フ ァイ ル や デ ィ スク を破 壊 し、 自 ら は
る こと が非 常 に難 しく な る。
てき ても 、当 該 銀 行 や 企業 に問 い合 わ せ る こと が 必 要 であ
す こと は 絶 対 にな いし 、 そ の よう な 内容 の書 類 が 送 付 さ れ
れ て いる。
消 滅 し て しま う 高 度 な ウ イ ル スが 登 場 す る 可能 性 も 懸 念 さ
多 く の コンピ ユー タ ・ウイ ル スは 、 ブ ラ ウザ や メー ル ソ
る。 ま た 、個 人 情 報 な どを 入力 す る 際 は、 ブ ラウ ザ の下部
て送 受 信 す る通 信 方 法 ) であ る こと を 示す ﹁鍵 の マー ク﹂
フトな ど の ソ フト ウ ェア の既 知 のセ キ ュリ テ ィ ・ホ ー ルを
に SS L 通信 (
イ ンタ ーネ ット 上 で重 要 な 情 報 を暗 号 化 し
が ロ ックさ れ た 状態 で表 示 さ れ て いるか 確 認 す る こと も 大
悪 用 し て いる ので 、利 用 し て いる ブ ラ ウザ や メー ル ソ フト
な ど の ソ フト ウ ェア に 対 す る修 正 プ ロ グ ラ ムを 適 用 す る
か、 最 新 の バ ージ ョン に更新 す る こと が大 切 であ る。
ため に、 ワク チ ン ソ フト を イ ン スト ー ルし 、 ウ イ ル ス定 義
ウ イ ル スの感 染 被 害 に あ わな いた め に
切 であ る 。
五
二 〇 〇 〇年 五月 、 コンピ ュー タ ・ウ イ ル スを 含 ん だ﹁I
フ ァイ ル (
パ タ ー ン フ ァイ ル)を 最 新 のも のに 更新 し て い
ま た 、 コ ンピ ユー タ ・ウ イ ルスを パ ソ コンか ら 駆除 す る
YO
と
いU
う﹂
タ イト ル のメ ー ルが 、受 信 者 の メー ル
LOVE
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特集 ・学生の消費者契約被 害の防止対 策
特集 ・学生の消費者契約被 害の防止対策
く こと も 有 効 であ る。 プ ロバイ ダ によ って は、 メー ルに対
るが 、ま ず 犯 罪行 為 と な る と考 え て間違 いな い。
板 に掲 載 す ると い った 行 為 は 、例 外 的 に許 さ れ る場 合 も あ
ト のネ ット ワー ク に自 動 的 に ア ップ ロ ード す る よう な 機能
の中 には 、 ダ ウ ン ロー ド と 同時 に それ を フ ァイ ル交 換 ソ フ
す る こと じ た いは 法 に触 れ なく と も 、 フ ァイ ル交 換 ソ フト
使 う こと が流 行 って いる が 、他 人 の著 作 物 を ダ ウ ン ロード
最 近 は 、 Pto
P ソ フト と 呼 ば れ る フ ァイ ル交換 ソフト を
す る ウイ ル スチ ェ ックを行 って いる 場 合も あ る の で、 そ の
サ ービ スを 利 用す る ことも ウイ ル ス対 策 と し ては 効 果 的 で
犯 罪 者 に な らな いた め に
あ る。
六
す る違 法行 為 であ るか ら 、 そ の フ ァイ ル交 換 ソ フト の使 用
の著 作 物 を無 断 で ア ップ ロー ドす る こと は 著 作権 法 に違 反
を も ったも のも あ る。 そ のよう な ソ フト の場 合 に は 、他 人
有 料 無 料 に か かわ ら ず 、 原則 と し てす べ て の著 作 物 に は
じ た いが違 法 行為 と な る こ と に注意 しな け れ ば な らな い。
(一)違 法 コピ ー
ジ ナ ルと コピ ー が判 別 不能 と な り 、 し かも コピ ー コ スト が
著 作 権 が あ る 。 しか し 、 情報 の デジ タ ル化 に よ って、 オ リ
ど 、 他 人 の著 作 物 の利 用 に つ いては 細 心 の注意 を 払 わ な け
用 す る こ と が でき る の で、事 前 に著 作 権 者 の許 諾を 得 るな
一定 の ルー ルと 手 続 き を 踏 めば 他 人 の著 作 物を 掲 載 ・引
違 法 コピ ー がネ ット 空 間 に蔓 延 し て いる 。も ち ろん 違法 複
ゼ ロに等 し く 、 コピ ー が容 易 でも あ る こ と から 、 著 作物 の
製 は著 作 権 法 で 処罰 さ れ る 犯 罪 行 為 だ が 、 著 作 権 法 には 、
れば な らな い。
ー ク への ア ップ ロード の権 利を 専 有 し て いる こと も 明 記 さ
で、 犯罪 の成 立 を 阻却 す る こと はな い。 不 正 ア ク セ ス禁 止
的 な 利益 の処 分 に つ いては 、 個 人 が処 分 権 限 をも たな い の
所有 者 がそ の処 分 に 同意 す れ ば 犯罪 では な く な る が、 社 会
る犯 罪 に分 類 さ れ て いる。 個 人 の所 有 物 であ る 物 に つい て
書 偽 造 罪な ど と 同 じ よう に、 いわ ゆ る社 会 的 法 益 を保 護 す
機 能 に対す る社 会 一般 の信 頼 を 保 護す ると いう 意 味 で 、文
人 に対 し て の み アク セ スを 許 可 し た と いう 、 アク セ ス制 御
セ スと いう 犯 罪 行 為 は 、ネ ット ワー ク の管 理 者 が 特 定 の個
限り は 問 題 は な いが 、 そ れら を 勝 手 に ホ ー ム ペ ージ や掲 示
像 な ど を 見 つけ 、そ れ を ダ ウ ン ロード し 、個 人 的 に楽 し む
た が って、 ネ ット サ ー フ ィ ンを し て、 気 に 入 った 画 像 や映
ー ド でき る 状態 にす る行 為も 処 罰 の対 象 と な って い る。 し
範 的な 情 報 規 制も 等 価 と な り 、 情 報 を規 制 し ても 、 イ ンタ
け であ るか ら 、 イ ンタ ーネ ット に と って は物 理 的 破 壊も 規
け る こと を 目 的 と し てイ ン ター ネ ット が開 発 さ れ てき た わ
局 地的 な 物 理 的破 壊 があ っても 、 シ ス テ ム全 体 が 機 能 し続
と が 難 し く 、 受 信 規 制 を 中 心 に置 かざ る をえ な い。 ま た 、
情報 の規 制 基 準 が各 国 で異 な る た め に 、発 信 規 制 を 貫 く こ
る 受 信 規 制 と が あ る が、 グ ロー バ ルな ネ ット ワ ー ク では 、
発 信 を 規制 す る発 信 規 制と 受 信 側 でそ れ を コント ロー ルす
必 ず しも そう では な い。違 法 な 情 報 を 規 制す る場 合 、 そ の
うが 、 ネ ット ワ ー ク でも 同 じ 考え が 妥 当 す るか と 言 え ば 、
こと に つな が ると 考 え ら れ て いる。 し た が って 、 不正 ア ク
保 護 す る こと がネ ット ワー ク全 体 に対 す る 信 頼 性を 高 め る
制 御 機 能 が 設 けら れ て いる 場合 、 そ の ア クセ ス制御 機 能 を
ンピ ユータ 利 用 に つ いてI D と パ ス ワ ード によ る ア ク セ ス
不 正 アク セ ス禁 止 法 では 、 ネ ット ワ ー ク に接 続 さ れた コ
(二) 不 正 アク セ ス
著 作 権 者 は自 己 の著 作 物 を公 衆 へ伝 達 す る権 利 やネ ット ワ
れ て いる の で、著 作 権 者 の許諾 を え ず に著作 物 を サ ー バ ー
法 にお いても 、 プ ロバイ ダ が 設定 した アク セ ス制御 機能 は
ーネ ットは そ の規 制を 迂 回 し て情 報 を 流 し続 け る 性 質 をも
など に ア ップ ロー ド し、 不 特定 多 数 の ユー ザ ー がダ ウ ン ロ
ワー ド の貸 し 借 りも 犯 罪 行 為 と し て処 罰 の対 象 と な って い
個 人 的 な利 益 の問 題 では な い ので、 個 人 間 で のI Dと パ ス
って いる。
安 全 性 を 高 め 、 ユーザ ー にと って他 律 的 にネ ット ワー ク の
に重 要 な 考 え 方と な る。 中 央 集 権 的 にネ ット ワー ク 全体 の
こ の よう な 点 か ら 、イ ン ター ネ ット で は自 己 防 衛 が 非常
る 。 現 に、 会 員 制 のネ ット ワー ク ゲ ー ム にお いて 、友 人 の
た者 が検 挙 さ れ た ケ ー スが あ る。 I Dと パ スワ ー ドを 個 人
安 全 性 を維 持 し て いく こと は大 変 難 し い こと であ る。 しか
同意 を 得 て、 そ の友 人 の I D でネ ット ワー ク ゲ ー ムを 行 っ
で厳 重 に管 理 す ると いう こ と は、 ネ ット ワー ク社 会 の基 本
し 、 ネ ット ワ ー ク に参 加 し て いる個 々人 が み ず か ら情 報 の
ま た確 実 に高 ま る こと は否 定 でき な い事 実 な のであ る 。
いく こと に よ って、 全 体 と し て のネ ット ワー ク の安 全 性 も
ード 、金 融 情 報 な ど の個 人情 報 の管 理 を 確 か なも のと し て
有 用 性 に つ いて判 断 す る能 力 を 高 め 、 各 人 が I D や パ ス ワ
的 な マナ ー であ り 、 そ の点 に つ いて の個 人 の成 熟 度 を 測 る
おわりに
も っとも 基 本 的 な事 項 な の であ る。
七
家 に鍵 を か け る のを 忘 れ て 、泥 棒 に 入 ら れ た と し ても 、
も ち ろん 入 った 者 が 犯 罪者 と し て非 難 の対 象 と な る 。と こ
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