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イギリス Sussex University サセックス染色体研究所

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イギリス Sussex University サセックス染色体研究所
自主研究報告書
平成12年度入学
1.所属研究室
2.活動場所
放射線遺伝学教室
0426
末木佑季
武田俊一教授
Sussex U niversity G enom e D am age and Stability C enter(G D SC )
ProfessorAlan R .Lehm ann の研究室
(G D SC
3.期間
2003年
Sussex U niversity, Falm er, Brighton BN 1 9R R )
7月11日∼9月29日
4.活動内容
実験内容は xpg 遺伝子の R N Ai を用いたノックダウンと表現型解析です。ポスドクの
D r.Therina Theron から直接ご指導頂いて行いました。ヌクレオチド除去修復(N ER )に
関わる遺伝子として xpa,xpb,xpc,xpd,xpe,xpf,xpg の七つが発見されていますが、これらの
m utation により色素性乾皮症(略称 XP)
、TTD 、C S という三つの疾患が生じ合併例も報
告されています。今回の実験では、発症機構の仮説に基づいて XP と C S の合併例から採
取したヒト線維芽細胞の xpg 遺伝子をノックダウンしようと試みました。結果としてはお
そらく R N Ai の技術的問題によりノックダウンが不成功だったことがウェスタンブロッテ
ィングで明らかになりましたが、N ER などの遺伝子修復機構やその関連疾患、また R N Ai
について集中的に勉強することができました。また、実験技術に関しても基本的な分子生
物学的手法や細胞培養の他、紫外線感受性や遺伝子損傷後の修復能を測定する C om et
Assay という実験方法を経験することができました。
5.日常生活について
私は七月に到着してから九月半ばまではサセックス大学内の宿舎に滞在し、その後10日
間余りは大学近辺の B&B に滞在しました。研修終了まで大学内の宿舎に滞在しつづける
ことが出来なかったのは、十月初めから入居してくる新入生向けに宿舎を整備しなければ
ならないからという理由でした。一度宿を変えなければならないのは少々手間でしたが、
B&B の家庭的な雰囲気も大変楽しめました。
大学内の宿舎は1人部屋に加えキッチンとバスルームは六人で共用(週75ポンド)とい
うもので、あらかじめラボの秘書の方に予約をお願いしておきました。キッチンは設備が
よく整っていてとても使いやすかったです。食事は主に自炊していました。バスルームは
シャワーのみなのですがこれはヨーロッパではよくあることなのだそうです。個人の部屋
には電話がありプリペイドカードを買って使うことが出来ました。インターネットもつな
げました。フラットメイトはバカンス中や大学の夏期講座を受けに来たヨーロッパ出身の
学生が主で、短期滞在の人が多く入れ替わりが激しかったのですが、いろいろな人と知り
合いになれて面白かったです。ラボでは1人で実験をすることも多いのですが、宿舎に帰
るとフラットメイト達と雑談をしたり料理を一緒にしたりとリラックスして過ごしました。
英会話の練習にもちょうど良かったですし、雑談をするなかで毎日のことや将来のことな
ど同世代の学生と話が出来たことがとても良かったと思っています。
B&B もラボの秘書のかたにお願いして予約しました。私が滞在した B&B(C astle Banks
C ottage)はラボに短期でゲストとして来た人にいつもラボから紹介しているところなの
だそうで、とても快適でした。イギリスには多くの B&B がありますが、私の場合のよう
に誰か地元の方から評判を聞いて調べておくと、良い B&B が見つかりやすいそうです。
宿泊料は朝食付で一泊25ポンドですが、私は連泊するため一泊22.5ポンドにしても
らえました。
ブライトンの街は非常に治安がよく、深夜以外ならば女性一人で歩いたりバスに乗ったり
しても問題なかったです。大学は郊外にあり、ブライトンからバスで十五分ほど行ったと
ころにあります。ブライトンから大学までのバスは本数も多く便利です。
日常のことで印象に残っているのは、土日は日本と違い店が閉まってしまったり営業時間
を短縮しているので買い物がやや不自由だったことです。ロンドンにも電車で日帰りで遊
びに出掛けられましたが、バスや電車も休日は本数が大幅に減ったりメンテナンスのため
に急に運休になったりするので注意が必要でした。でも、このようなことは現地について
二週間もすれば慣れるのではないかと思います。
6.感想・その他
私がお世話になった G D SC はヨーロッパの中でも遺伝子損傷修復機構の研究の中心となる
施設の一つで、研究活動の活発な雰囲気の中で大変に貴重な経験をさせていただけたと感
謝しています。D r.Theron をはじめとしたラボの皆さんには何かにつけて詳しく実験を教
えていただきましたし、G D SC で研究されているポスドクの荻先生・古谷先生には実験だ
けでなく海外での日常生活や研究生活について多くのことを教えていただきました。また、
実際に自分で海外の基礎医学の研究室をみてくることができ、日本との細かな制度や雰囲
気の違いを体験することが出来ました。センター内での細分化された分業制や比較的自由
に自分の実験する時間帯を皆さん決めておられたことが、印象的でした。週一回の昼休み
のセミナーにも参加したのですが、毎回の内容も興味深かったですしプレゼン後のディス
カッションに非常に長く時間を取っていたことも印象に残っています。セミナーに限らず
実験中の細かなことであってもディスカッションの為には時間を惜しまない態度が参考に
なりました。私は初めのうちは英語ということもあり戸惑っていたのですが、慣れてくる
と実験している時間以上に面白い時間でした。将来に基礎医学系に進むことを私は考えて
いますので、その場合今回の研修での様々な経験がとても役立つだろうと思います。
英語についてですが、簡単な英会話に加えてラボ内で使うテクニカル・タームがある程度
分かればまずは大丈夫だと思います。テクニカル・タームに関してはイギリスに着いてか
ら覚えたものも少々ありますが日本で買っていた「とっさに使える英会話」
(東原和成著、
羊土社)が参考になりました。
最後になりましたが、今回 G D SC をご紹介下さった武田先生、Sum m er Student として受
け入れてくださった Lehm ann 先生、ご指導くださった D r.Theron,
その他お世話になった大勢の G D SC の皆さんにお礼申し上げます。
荻先生、古谷先生、
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