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ニューラルネットワークを用いた洪水予測システムの開発
ニューラルネットワークを用いた洪水予測システムの開発 技術本部 中央研究所 総合技術開発部 一言正之 他 ○キーワード 洪水予測、ニューラルネットワーク、降雨流出 ○概要 洪水災害に対するソフト対策として、洪水予測技術の高度化が求められている。ニューラルネットワー ク(Artificial Neural Network: ANN)による洪水予測は、実績水文データの学習により予測計算を行う ものであり、既往の研究にて広く適用性が確認されている。一方、ANN による洪水予測の精度向上におけ る課題の一つとして、学習データ(水位や雨量など)をどのように設定するかという点が挙げられる。し かしながら、予測精度向上のための適切な学習データの設定手法は確立されていない。本研究では、ANN における適切な学習データの設定手順について検討を行い、斐伊川における水位予測モデルを構築し高い 精度を確認した。また構築した ANN を用いて、エクセルからの手動データ入力により予測を行う洪水予 測システムを構築した。 ○技術ポイント ① 物理モデルを介さない、データのみに基づく洪水予測手法 ② 相関解析を用いたデータ分析による、適切な学習データの設定 ③ 高い予測精度の実現 ④ エクセルを用いた、手動操作による簡易予測システムの構築 ○図・表・写真等 入力層 中間層 出力層 重み 観 測 水 位 Wi 1 W2 2 予測水位 N 1 学習 WN 実績水位 N 入出力層の相関分布図(左:水位変化-雨量、 右:水位変化-水位変化) 水位[m] 階層型ニューラルネットワークの概念図 0 8 7 6 5 4 3 2 1 0 06/7/16 斐伊川流域平均雨量 25 観測水位 ANN予測水位(3時間予測) 50 雨量[mm/h] 観 測 雨 量 75 06/7/17 06/7/18 06/7/19 06/7/20 06/7/21 100 06/7/22 斐伊川・灘分地点における洪水予測の検証結果 (2006 年 7 月洪水) (11)