...

株式会社TBSテレビ様

by user

on
Category: Documents
34

views

Report

Comments

Transcript

株式会社TBSテレビ様
スペクトラムアナライザSpeCat® 2 導入事例
株式会社TBSテレビ 様
スペクトラムアナライザ
「SpeCat2」の技術を応用し、
を開発
運用可否を自動判定する「XPD自動測定器」
放送業界では、
現場の映像をリアルタイムに放送するため、
SNG(Satellite News Gathering)中継車が活躍しています。
TBSテレビ様は、JNN系列の主局として各SNG中継車が運用開始前に通信衛星を正確に捕捉しているかどうかを確認す
るため、XPD値(※注)を測定しています。
このXPD値により運用の可否を判断してSNG中継車へ運用許可を与えています。
従来、
このXPD値は汎用スペクトラムアナライザで測定していましたが、所望のXPD測定値を得るまで、概ね13ステップ
2
もの煩雑な操作をしていました。そこで、
スペクトラムアナライザ「SpeCat(スペキャッ
トツー)」の技術を応用し、液晶表
示器(タッチパネル)へのワンアクション、数秒の測定時間で運用可否を自動判定する
「XPD自動測定器」
を開発。自動的に
運用可否を判断することでオペレータの負荷を軽減し、現場への運用可否の判定通知がスムーズにできるようにしました。
※注:交差偏波識別度(XPD:Cross Polarization Discrimination)
交差偏波識別度とは直線偏波における
「垂直」
と
「水平」
および、円偏波における
「右回り」
と
「左回り」
の電波の識別能力を表す指標です
(文中では
「XPD値」
と表記)
梅津 圭一 氏
効果
課題
株式会社TBSテレビ
技術局
ステーション技術センター
回線担当兼JNN・SNG
協会事務局 部次長
XPD 値を自動的に測定し、運用の可否も
自動的に判定するXPD 自動測定器の開発
により、オペレータの負荷を軽減し、SNG
中継車への運用許可を迅速に行いたい。
スペクトラムアナライザ「 SpeCat 2 」の技術を応用した結
果、
ワンアクション、交差偏波値を数秒で測定し、運用の可
を開発し、
オペレータ
否を自動判定する
「XPD自動測定器」
の負荷軽減と運用開始前の確認作業時間を大幅に削減
を含めると全国で約40台が活躍しています。
導入の背景
TBSテレビ様は、これまで20年間、汎用のスペク
トラムアナライザを使い、その都度 XPD 値を測
オペレータの負荷を軽減するため
XPD値測定を自動化
定していました。技術局 ステーション技術セン
「 XPD自動測定
ター 部次長の梅津氏は、新たに
器」
を独自に開発した理由を次のように語ります。
TBSテレビ様は、JNN系列28局の主局業務とし
て、SNG(Satellite News Gathering:通信衛
お 客 様 名:株式会社TBSテレビ
創 立:2004年10月1日
代 表 者:代表取締役会長 井上 弘
代表取締役社長 石原 俊爾
所 在 地:〒107-8006
東京都港区赤坂5丁目3番6号
従 業 員 数:1,114名
事 業 概 要:放送法による一般放送事業
(テレビの放送)
及びその他放送事業
U R L :h t t p : / / w w w. t b s . c o . j p
「最近ではスペクトラムアナライザの機能が高度
化し、いろいろなことができるようになりました。
星を使ったニュース素材収集システム)の運用を
その反面、操作メニューが階層化され、測定機能
管制しています。SNG 中継車が出動する際は、
メニューやパラメータ設定の呼び出しに非常に
最初に衛星の捕捉が十分かどうかをチェックしま
手間がかかるようになってきました。
す。具体的には、XPD( Cross Polarization
現在使用しているスペクトラムアナライザでは、
Discrimination:交差偏波識別度)値を測定し、
概ね 13ステップのファンクション設定が必要で
運用の可否を判断して許可を与える義務があり
あり、
オペレータにもよりますが設定の操作に約
ます。通信衛星の捕捉が十分でないと、同じ周波
30秒から1分の時間を要していました。また、いっ
数で偏波面の異なる電波を利用する運用局に対
たん操作を間違えると、最初から操作をやり直さ
して重大な障害を与えることになるからです。
なければなりませんでした。何とか瞬時に自動的
SNG中継車はTBSテレビ様だけで8台、系列局
に測定でき、運用の可否の判断まで行えるように
NECエンジニアリング
http://www.nec-eng.co.jp/
スペクトラムアナライザSpeCat2 導入事例
株式会社TBSテレビ 様
して、
オペレータの負荷を軽減したいと考えてい
ました」
選択の経緯
性能とパソコン制御の親和性を評価し、
「SpeCat2」の技術を採用
■XPD自動測定器
(表示器のタッチパネル画面)
■XPD自動測定器運用シーン
TBSテレビ様は、XPD値測定を自動化するため
に開発する装置にNECエンジニアリングのスペ
クトラムアナライザ「SpeCat2」の技術を採用し
かっているので、基本的に運用もそれに備えれば
導入後の効果
よいのですが、大きな事件が発生したときの予定
ました。
外の出動や、選挙のときの一斉出動のときなどに
「パソコン制御との親和性もよく、専用のソフトを
インストールしたPCに接続し、PC 上にスペクト
ワンアクション、判定時間数秒で、
安定したXPD値が得られる自動測定器
は、特にXPD自動測定器のありがたさを実感で
きます」
ラムアナライザ画面を表示して測定が行える点
が魅力でした。これを応用すれば、スムーズに
TBSテレビ様は、XPD自動測定器の導入後、約
XPD自動測定器への対応ができるのではないか
3ヵ月間、既存のスペクトラムアナライザと並行
と考えたのです。結果、
こちらの要望が十分に組
運用を行い、安定的に稼働ができることを確認し
み込まれた良い自動測定器ができ上がりました」
た後、現在ではXPD自動測定器を中心に運用さ
と評価する梅津氏。
ポイントは以下のとおりです。
れています。
瞬時のスペクトラム測定と運用可否の判断に必
梅津氏は、安定運用開始後の状況について、次の
要な機能の提案と、改良やカスタマイズを行い
今後の展望
高く評価できるNECエンジニアリングの
技術力とサポート力
梅津氏は、今回の XPD 自動測定器の開発・導入
ように語ります。
ました。具体的には、正偏波と逆偏波をほぼ同時
「これまでのスペクトラムアナライザでは概ね13
に測定するため、SpeCat 2 の RF 帯の入力端子
ステップものファンクション設定、平均 45 秒か
「まずシステムを構築する前には、実際に機器や
(インタフェース)の前段にナノ秒単位で切り替え
し
かっていた操作がXPD自動測定器では、数秒、
システムを使う現場の状況を十分に把握し、最適
を導入
られる2入力のRF-SW(高周波スイッチ)
かも自動的に運用の可否判定を表示してくれる
化してシステムに反映していこうという
“現場主
したこと。逆偏波側の広帯域のノイズの影響を少
ようになりました。既存のスペクトラムアナライ
義”の姿勢には、非常に信頼感が持てます。
また、
なくするための RF 帯フィルタの挿入や特別な
ザと比較すると、多少機能面での制限はあるもの
テスト段階でも、問題点が確認されればすぐに対
MAX HOLD(最大レベル保持)機能の追加。運
の、便利で価格的にもメリットのある自動測定器
応し、解決策を迅速に導き出してくれたので、ス
用の可否をわかりやすく表示する液晶パネルの
です。
ムーズな導入ができました。もちろん、運用開始
設置などです。
SNG中継車の出動するスケジュールは事前にわ
後も十分にフォローしてくれる体制なので安心
における技術支援対応をこう評価します。
できます」
また、今回のXPD自動測定器の開発に関する技
一筐体化
術論文を2009年度第46回民放技術報告会の場
USB
USB
接続
接続
RF-1
RF-SW
(逆偏波)
RF-2
(正偏波)
表示用
(タッチパネル画面)
で報告され、放送技術専門誌「放送技術2009年
12月号」にも掲載しています。
(Field Pickup Unit:テレビ放送用の無線
「FPU
中継伝送装置)、XPD自動測定器とSpeCat 2を
利用してきましたが、小型で使い勝手の良い製品
PC
スペクトラムアナライザ
2
SpeCat(カスタマイズ版)
の特長を活かした用途があれば、今後も利用して
いきたいですね」
と梅津氏は締めくくりました。
■XPD自動測定器 構成イメージ
お問い合わせは、下記へ
NECエンジニアリング 営業本部
〒211-8666 神奈川県川崎市中原区下沼部1753番地
TEL:044(435)9416 FAX:044(435)9423
●SpeCatは、NECエンジニアリング株式会社の登録商標です。
●本カタログに記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
●このカタログの内容は改良のため予告なしに仕様・デザインを変更することがありますのでご了承ください。
●本製品
(ソフトウェアを含む)
が、外国為替および外国貿易法の規定により、
輸出規制品に該当する場合は、
日本国外に持ち出す際に日本国政府の輸出許可申請等必要な手続きをお取りください。
詳しくは、
マニュアルまたは各製品に添付しております注意書きをご参照ください。
●本事例の内容は、2010年1月時点のものです。
NECエンジニアリング株式会社 〒211-8666 神奈川県川崎市中原区下沼部1753番地
2010年1月現在
JCatX12101101
Fly UP