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乳房デジタルトモシンセシス、3Dマンモグラフィ:臨床現場での現状(PDF

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乳房デジタルトモシンセシス、3Dマンモグラフィ:臨床現場での現状(PDF
論 文
乳房デジタルトモシンセシス、
3Dマンモグラフィ:臨床現場での現状
Breast Tomosynthesis, Three-Dimensional X-Ray Breast Imaging Systems : Current Clinical Relevance
鯉淵 幸生 Yukio Koibuchi
小田原宏樹 Hiroki Odawara
独立行政法人国立病院機構 高崎総合医療センター 乳腺・内分泌外科
従来からマンモグラフィは低線量の乳房 X線画像で、乳がんの早期検出の最良のツールとされてきた。しかし、乳房を圧迫し薄
くして撮影し投影するという2D画像の性質上、周囲の組織と重なって病変を描出できないという欠点は避けて通れないもので
あった。乳房トモシンセシスは、被ばく量を極端に増やすことなく、2D画像に3D画像を加えることでマンモグラフィ画像の情報
量、特に、微細な辺縁所見の認識と石灰化病変の分布の 2 点を飛躍的に増加させる。
Mammogram has been recognized as the best modality to detect early breast cancer. It has been well known that some
breast cancers could not be detected in the mammogram by physicians, because the overlap tissues made no different density between breast cancer and normal breast tissues. Without increasing quantity of being exposed to radiation too
much, breast tomosynthesis increased the information of the mammogram substantially, especially in the recognition of
fine border image and the distribution of microcalcifications.
Key Words: Breast Tomosynthesis, Breast Cancer, Digital Mammography, 3D Image
1.デジタルマンモグラフィトモシンセシス
乳房トモシンセシスとは、圧迫された乳房を短時間でス
当院ではトモシンセシス機能を加えたデジタル式乳房 X線
キャンし、複数の角度で静止画像を収集する3 次元撮影技術
撮影装置、HOLOGIC社のSelenia ※ Dimensions Systemを
である。収集した個々の画像は、一連の薄い高解像度断層像
2011 年 4 月に日本で初めて本格的に導入した。この装置は米
に再構成され、1 画像ずつ、または連続的に動画状に表示さ
国食品医薬品局
(FDA)
で 2011 年 2 月に承認された初めての
れる 1)2)。
乳房トモシンセシス装置である。本邦ではそれに先駆けて、
乳房トモシンセシスの可能な装置は数社から発売されてい
2010 年10 月に承認された。
る。それぞれのデジタルマンモグラフィでのトモシンセシス
Selenia Dimensions Systemの詳細については技術系の
の撮影に共通なことは、乳房を従来と同様に圧迫し、ディテ
他論文に譲るが、この装置は、従来のマンモグラフィ撮影に
クタは移動させずに圧迫した乳房に対しX線管球を移動・回
加え、角度を変えて複数の方向から撮影し、収集したデータ
転させて撮影を行うことである。しかしながら、その回転角
を 3 次元的に再構成して断層像を作成できるトモシンセシス
度と要する時間は各装置によって異なっている。また、画像
機能を搭載したデジタル式乳房 X線撮影装置で、従来を 2D
表示についても、1回の断層撮影で複数の投影像を得て任意
マンモグラフィとすれば、3Dマンモグラフィということにな
の断層像を再構成するという手法は同様であるが、再構成法
る。トモシンセシス画像は、任意の断層像を動画あるいは静
は、シフト加算法とフィルタ逆投射法
(FBP法)
、それらの組
止画として、視点を変えて見ることができるので、従来の 2D
み合わせ等々で異なる。これらの技術面に特性の差があるた
マンモグラフィでは組織の重なりの多い部分でも病変を見つ
め、乳房トモシンセシスと言っても、装置ごとに得られる画像
け出しやすくなる。すなわちオーバーラップした対象への描
はかなり異なっており、学会報告や論文を読む際にはそのこ
出能を向上させるという利点がある。その反面、撮影時間が
とを念頭に置く必要がある。
長くなり被検者の苦痛が増す、あるいは被ばく量が大きく増
〈MEDIX VOL.56〉 23
加するのではないかという危惧がある。それについての詳細
当然読影時間は長くなる。Gurらの報告によれば、1 症例あた
は当院技師の別稿を参照してもらいたいが、苦痛や乳腺線量
り2D画像では平均 1.22 分の読影時間であるのに対し、2D+
が大幅に増加することはない。
3D画像では 2.39 分と約 2 倍要していた 5)。われわれは実際に
読影時間を測定し比較したことはないが、フィルム読影より
2.Selenia Dimensions System についての
文献的報告
も長い時間を要していることは間違いない。しかしながら、こ
の装置の画像に慣れてきたこと、3D画像では微細石灰化が
かなり強調されて描写されるので、従来の 2Dデジタルマンモ
先に述べたように、ひと口に乳房トモシンセシスと言って
グラフィのモニター読影で必要とされたピクセル等倍処理に
も、装置によって表示される画像は従来のコンベンショナル
よる読影は不要と考えており、読影時間の短縮が図れてきて
な画像の装置間の差異よりも大きく、その有用性を評価する
いる。最近では通常のデジタルマンモグラフィのモニター読
にあたっては、どの装置を用いた研究かを考えながら報告を
影時間と大差ない。
読まなければならない。本稿ではSelenia Dimensions Systemを用いた研究のみを解説する。乳房トモシンセシスの有
用性評価には、従来のコンベンショナル 2Dマンモグラフィ画
3.デジタルブレストトモシンセシスの読影法
像との画質比較、病変描出能の比較、2Dマンモグラフィに追
デジタルマンモグラフィのモニター読影は、実寸大、画面
加して検診に用いた場合の感度および特異度評価、さらには
フィット、ピクセル等倍の順に進めて行き、window widthや
読影時間などさまざまな要素での検討が必要となる。
window level変更などの post processingを行ってきた。ト
FDAの認可からまだ日が浅いこともあり、この装置を用い
モシンセシス機能が加わったからと言って、読影法が大きく
た臨床論文はあまり報告されていない。また、本装置あるい
異なるわけではない。従来のコンベンショナルマンモグラ
は他の装置を用いた乳房トモシンセシスを加えたマンモグラ
フィにトモシンセシスを加えた場合のわれわれの読影法を以
フィ検診でのランダム化比較試験結果の報告もない。FDA
での承認に用いられたデータも、レトロスペクティブな実験
データであった。従来のマンモグラフィ 2D画像によるスク
リーニング検査では、後にがん性でないことがわかる異常所
見が検出されるため、推定 5 ~10%の女性が追加検査を受け
る必要があると言われている。今回の FDAでの承認プロセ
スの一環として、HOLOGIC社は 2 件の研究結果をレビュー
した。これらの研究で、有資格の放射線専門医12 人に316 例
下に示す。
(1)
2D実寸大画像で、左右乳房の比較。腫瘤、FADなどの病
変探索。
(2)
MLO画面フィットで、内部構造や辺縁の所見などで病変
の候補の確認。
(3)
CC画面フィットで、内部構造や辺縁の所見などで病変の
候補の確認。
(4)
右側モニター画面に右トモシンセシスのMLOを表示、左
のマンモグラフィ-検査の 2D、3D画像のレビューを依頼し
側モニター画面に右 2DのMLOを反転させて表示し、トモシ
た。2D画像、3D画像の両方を読影した放射線専門医は、2D
ンセシス断層像の動画を観察。一度に全体を眺めることはで
画像のみの場合に比べて、がん性・非がん性の症例を鑑別す
きないので、まず頭側を観察、次いで尾側を観察、最後に乳
る能力がいずれの研究でも 7%向上し、画像による recall
頭直下を観察。さらに、2D画像を眺めながら、高濃度や構築
rate
(検診でいえば要精検率)
が 43%減少した 3)。Poplackら
の乱れなどの病変の候補の部分をトモシンセシスの動画で観
は、2D画像に3D画像を加えたときのrecall rateは 2D画像の
察、途中静止させて静止断層画像で確認する
(図1)
。
みに比較すれば 40%減少したと報告している 4)。さらに、その
内訳をみると、3Dを加えることによって異常がないと認識で
きるようになった症例が 62%
(32 / 52 例)
、マンモグラフィ所
見が精検不要なカテゴリー以下に下がった症例が 23%
(12 / 52
例)
で、3D画像で組織の重なりを取り除くことが有用である
と示唆された。Gurらは、2D画像に 3D画像を加えたときの
recall rateは 30%減少したが、2D画像だけの場合と3D画像
だけの場合は差がなかったと報告している 5)。これらの報告
の内容は、2D画像だけに比べ、3D画像を加えることで情報
量が増えるわけであるから当然の結果とも言える。当院では、
視触診・マンモグラフィ併用乳がん検診に 3Dマンモグラ
フィを上乗せした前向き臨床研究を行っている。受診者は
300 人程度の premature dataではあるが、2Dマンモグラ
フィでは精検となった受診者が 3D画像を加えることで 10 人
程度減少し、2Dでは見えなかった病変を3D画像では指摘で
きるようになった人数も10 人程度いて、そのうち3 例は乳が
んであった。 2Dに加え 3Dの動画と静止画を読影するわけであるので、
24 〈MEDIX VOL.56〉
図 1:右乳房の読影
右乳房を読影する場合の 3D と 2D の配置。右画面に右 MLO
3D 画像、左画面に右 MLO の 2D 画像を左右反転させた鏡面像
で配置する。2D 画像の気になる部位を 3D で比較しながら詳細
に検討することが可能となる。
(5)
右側モニター画面に右トモシンセシスのCCを表示。左側
モニター画面に右 2DのCCを表示し同様に読影を行う。
(6)
左乳房についても2Dを左右反転させてトモシンセシスの
動画と静止画の読影を同様に行う。
(7)
最後に、2 面のモニターにMLO、CCの 2D画面フィット画
像を表示。CAD機能は装着されていないので不使用。
るいは境界不明瞭な中心高濃度の腫瘤として描出される。そ
の場合、トモシンセシスの 3D画像では 2D画像に比較して、
中心高濃度という硬さを示す濃度の情報が少なくなる。また、
辺縁の情報は微細な所見があるとは限らず、3Dの断層像で
も明らかに浸潤を示唆する所見にはならない
(図 2)
。触診で
明らかに硬い腫瘤を触知する場合には従来の 2D画像の情報
で十分であり、トモシンセシス撮影は不要と考える。
4.デジタルブレストトモシンセシスの診断能
トモシンセシスで最も優れた能力は、微細な辺縁の性状を
鮮鋭に描出する能力である。2Dマンモグラフィでは腫瘤が前
従来のコンベンショナル 2Dマンモグラフィの読影は、乳が
後の乳腺と重なった場合には、境界が判定不能になったりし
んを探すために、腫瘤、石灰化、その他の所見に分類して読
て浸潤を示唆する所見が認識できなくなる。トモシンセシス
影を行ってきた。トモシンセシス機能が加わったからと言っ
の 3 次元的に再構成した断層像の動画と関心領域の断層の静
て、その分類には違いはない。そこで、腫瘤、構築の乱れ、
止画では、前後の組織の重なりを取り除き周囲に浸潤する所
石灰化それぞれの所見について、トモシンセシスが加わった
見、spiculaを認識しやすくなる。2D画像で高濃度病変
(カテ
場合の読影所見について述べる。
ゴリー 3または 4)
としてpick up可能な場合でも、トモシンセ
4.1 腫瘤
2Dマンモグラフィは柔らかい乳房を圧迫して平面的な像
を描くものであり、柔らかい乳房の中の硬い腫瘤=がんは、X
シス3D画像で辺縁にspiculaを認識できれば、カテゴリー 5、
間違いなく悪性という確信を持って診断することができる
(図 3、図 4、図 5)
。
線透過性が低いため濃度が高い、しかも圧迫しても乳房の他
の部分と比較して硬いため、中央が凸のまま残り中心部が高
濃度の濃度勾配となる。すなわち、硬さの情報は濃度として
表わされる。
では 2Dに加えトモシンセシスを加えた読影ではどうなる
か。まず、濃度の情報についてであるが、トモシンセシスで
得られる動画画像は断層写真 1 枚 1 枚を重ね合わせていくも
のであり、2Dのときほど他の乳腺との濃度差や濃度勾配が得
づらく、濃度に注目した場合は 3D画像では関心領域のピック
アップが困難である。したがって、濃度差の得やすい 2Dマン
モグラフィを見ながら3D展開し読影することが必要である
と考えている。図1に示すように、2 面モニターの右画面に右
3D、左画面に左右反転した右 2D鏡面像を映して、必ず比較
しながら読影を行っている。
充実腺管がんなどの圧排性増殖を示す触診で明らかに触
知する乳がんの場合、2D画像では比較的境界明瞭な腫瘤あ
図 3:2D 画像と 3D 画像の比較
(Ⅰ)
2D画像
(左)
では境界spiculaが認識できずC-3、4。3D画像
(右)
ではspiculaが明らかになり、C-5と判定できる。
図 2:充実腺管がん
明らかに触知する充実腺管がん。3D画像でも情報量は増えない。
図 4:2D 画像と 3D 画像の比較
(Ⅱ)
2D画像
(左)
では小さな病変で境界の判定不能C-3。3D画像
(右)
では辺縁のspiculaが認識可能でC-4、5となる。
〈MEDIX VOL.56〉 25
4.2 その他の所見
(focal asymmetric density
(FAD)
、構築
の乱れ)
FADは 2D画像特有の考え方であり、乳がんが乳腺などの
れ、それによりがんの存在を強く疑うことが可能となる
(図 7、
図 8、図 9)
。これが乳房トモシンセシス3D画像の最大の利点
である。2D画像では、構築の乱れを、spicula、retraction、
組織と重なって見えないことがある、あるいは乳がんの内部
構造が線維成分が多いため病変として認識できる濃度を形成
しない場合に用いられる用語である。3D画像では、FADが
乳がんで形成されている場合は、前後の重なりが排除される
ので、浸潤を示唆する辺縁があれば認識可能になることが多
い。また、病変がなく乳腺や血管の単なる重なりや、孤立性
の乳腺組織が FADという所見を形成している場合は、断層
像で重なりを排除することで悪性所見ではないと認識可能に
なる
(図 6)
。
3D断層画像では、腫瘤の微細な辺縁の性状を鮮鋭に描出
するのと同じように、従来の 2D画像では認識不可能な小さな
構築の乱れを認識できるようになることがある。2D画像では
避けられなかった病変と組織の重なりを取り除き、病変の存
在する層に最も焦点のあった1 スライスで判定すると乳腺の
正常構造と全く異なる棘状の陰影、spiculaが鮮明に描出さ
図 5:図 4 の症例のルーペ像
管状がんのspiculaが明らか。
図 6:FAD(病変なしの例)
2D画像
(左)
ではL領域にFADがありC-3。3D画像
(右)
では重な
りが排除され、病変が無いことがわかる。C-1。
26 〈MEDIX VOL.56〉
図 7:spicula
2D画像
(左)
では病変の認識は不可能。3D画像
(右)
で構築の乱
れ、spiculaが認識可能。C-4。
図 8:Architectural distortion
2D画像
(左)
では病変の認識は困難。3D画像
(右)
構築の乱れの存
在が明らか。C-4。
図 9:図 8 の症例のルーペ像
硬がんの症例。間質に浸潤するspiculaが明らか。
distortionと分けて表現していたが、3D画像では中心高濃度
臨床面での有用性は言うまでもなく、検診での有用性のエビ
のない、いわゆる
“構築の乱れ”
のほとんどはspiculaであるこ
デンスの構築がわれわれの責務であると考えている。今後、
とがわかる。乳房トモシンセシスで微細構造がよく見えるよ
乳房トモシンセシスの技術はさらに進化し、近い将来、トモ
うになる理由は、重なりを取り除くために空間分解能にたけ
シンセシス機能を備えた装置が標準的マンモグラフィ撮影装
ていることだけではなく、画像再構成の際のフィルタ逆投射
置になると考えている。
法
(FBP法)
という方法によりX線吸収量の異なる境界が強調
されて見えるようになることも考えられる。
※ Seleniaはホロジック・インコーポレイテッド社の登録商標です。
4.3 石灰化
石灰化は形態と分布により評価を行ってきた。2Dと3Dで
は石灰化が認識できるかどうかという点では差がないので、
参考文献
論文でも石灰化病変における3D画像の優位性は報告されて
いない。また、腫瘤や構築の乱れとは異なり、悪性の確信度
1) Niklason LT, Christian BT, Niklason LE, et al. : Digi-
が上がり、カテゴリーが上がるということも少ない。しかし、
tal tomosynthesis in breast imaging. Radiology,
その見え方は大きく異なる。3Dの断層画像は、一つの乳管—
205.2399-2406, 1997.
腺葉系をその断面で再構成作像するので、石灰化が小葉内や
2) Dobbins JT Ⅲ, Godfrey DJ : Digital x-ray tomosynthe-
同一乳管内に存在する場合に、1断層写真で分布も形態も鮮
sis ; Current state of the art and clinical potential.
明に描出する。したがって、乳がんの広がり診断を正確に行
Phys. Med. Biol., 48. 19, R 65-106, 2003.
うことが可能になり、手術の際の切除範囲決定に大いに役立
3) Raffetly, EA, Niklason LT, Halpern E, et al. : Assess-
つ
(図10)
。しかしながら、これまで乳腺症などの良性病変の
ing Radiologist Performance Using Combined Full-
可能性が高く、カテゴリー 2に分類されてきた微小円形ある
Field Digital Mammography and Breast Tomosynthe-
いは淡く不明瞭な石灰化病変は、3Dの断層写真のある断面
sis Versus Full-Field Digital Mammography Alone;
では明瞭にかつ集簇性に見えてしまうことがあり、over diag-
Results of a Multi-Center, Multi-Reader Trial. Ses-
nosisの危険性をはらんでいる。石灰化に関しては現在 3Dマ
sion SSE 26-02, RSNA, 2007.
ンモグラフィ画像のCADの開発が進められており、特性に即
した新しい診断基準が必要であると考えている。
4) Poplack SP, Tosteson TD, Kogel CA, et al. : Digital
Breast Tomosynthesis : Initial Experience in 98
Women with Abnormal Digital Screening Mammography. AJR 189, 616-623, 2007.
5) Gur D, Abrams GS, Chough DM, et al. : Digital Breast
Tomosynthesis : Observer Performance Study. AJR
193, 586-591, 2009.
図 10:淡く不明瞭な石灰化
2D画像
(左)
集簇性の石灰化に加えて、乳頭付近に散在性の石灰
化、3D画像
(右)
では多形集簇性の石灰化と乳頭付近の石灰化が
同一平面上にあり、同一乳管腺葉系の石灰化が疑われる。
5.まとめ
乳房トモシンセシスの技術は、重なりを取り除いた断層像
を描出することでマンモグラフィ画像に革命を起こしたと
言っても過言ではない。情報量は格段に増加し、特に、微細
な辺縁の認識、石灰化の正確な分布の認識が可能になった。
〈MEDIX VOL.56〉 27
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