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安定性評価/加速試験

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安定性評価/加速試験
【技術分類】4-3-1
評価/安定性評価/加速試験
【技術名称】4-3-1-1
加速試験
【技術内容】
香料の多くはその使用目的にそった形態に製剤化され使用されるため、製品中での安定性は必須で
ある。安定性試験としては、賦香製品状態で室温に放置し経時変化を調べる棚ざらしテスト(長期保
存試験)や高温または極低温下での変化促進テスト(加速試験、過酷試験)、光安定性試験、一定のサ
イクルで温度を変化させるサイクル温度放置試験などがある。
一般に長期保存試験は時間がかかりすぎるため、室温を 20℃として、10℃上がる毎に変化は 2 倍に
なるという経験則に基づき、例えば 20℃で 1 年の試験を 40℃で 3 ヶ月の試験で評価するなどの加速試
験がおこなわれる。
【図表 1】
安定性試験ガイドラインの概要
出典:化粧品事典
2003 年 12 月 15 日、日本化粧品技術者会著、丸善株式会社発行、229 頁
表 16.1
安定性試験ガイドラインの概要
【図表 1 の説明】
「医薬品の製造(輸入)承認申請に際して添付すべき安定性試験成績の取り扱いにつ
いて」のガイドラインの抜粋を示す。医薬部外品については表中記載の長期保存試験、加速試験、過
酷試験を行い、一定の流通期間中の品質を確認することになっている。その他の医薬部外品や化粧品
でも、これに準じた試験を行い安定性を確認するが、製剤の種類が多彩であるため適宜、試験の条件
や方法が変更されることが多い。たとえば、既存発売品との比較を行う 3 ヶ月程度の加速試験などで
ある。
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【図表 2】
オーラプテンの大量精製試験工程
出典:「カンキツ機能性成分に関する研究 (第 2 報)
性」、果汁協会報
No. 509
日本果汁協会発行、40 頁
オーラプテンの八朔精油からの回収および安定
2001 年、高橋保男、稲葉伸也、桑原滋、九鬼渉、山根慶子著、社団法人
第5図
オーラプテンの大量精製試験工程
【図表 3】
粉末状ならびにエタノール溶液中におけるオーラプテンの経時変化
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出典:「カンキツ機能性成分に関する研究 (第 2 報)
性」、果汁協会報
No. 509
日本果汁協会発行、40 頁
オーラプテンの八朔精油からの回収および安定
2001 年、高橋保男、稲葉伸也、桑原滋、九鬼渉、山根慶子著、社団法人
第6図
粉末状ならびにエタノール溶液中におけるオーラプテンの経時変
化
【図表 4】
果汁中におけるオーラプテンならびにビタミン C の経時変化
出典:「カンキツ機能性成分に関する研究 (第 2 報)
性」、果汁協会報
No. 509
日本果汁協会発行、41 頁
オーラプテンの八朔精油からの回収および安定
2001 年、高橋保男、稲葉伸也、桑原滋、九鬼渉、山根慶子著、社団法人
第7 図
果汁中におけるオーラプテンならびにビタミン C の経時変化
【図表 2、3、4 の説明】オーラプテンは夏橙の香気成分として分離され、抗けいれん作用があること
が報告されたが、近年、夏みかん、八朔果皮に含まれるオーラプテンは発ガンプロモーション抑制作
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用があることから注目されている。
八朔精油から得られた純度 61.4%の粗オーラプテンと純度 95%以上の純オーラプテンを用いて、粉末
状態およびエタノール溶液について、暗室(5℃、37℃)蛍光灯下(25℃)、太陽光下(23~33℃)、紫
外線灯下(22~24℃)の 5 条件で 180 日後までの経時変化を調べた。また、純オーラプテン(100ppm)、
粗オーラプテン(500ppm)を添加した温州みかん果汁中のオーラプテンの経時変化を調べた。
その結果、エタノール溶液では太陽光下で著しい減少が認められたが、みかん果汁中では安定であ
った。その理由は果汁に含まれるヘスペリジンなどのフラボノイドおよびカロテノイドの作用による
ものと推定される。
【図表 5】
コーヒーモデルフレーバーの香気成分の変化
出典:「最近の清涼飲料について」、香料
頁
表3
No. 219
2003 年、野崎倫生著、日本香料協会発行、109
コーヒーモデルフレーバーの香気成分の変化
【図表 5 の説明】コーヒーフレーバーの安定性を検討するため、代表的な香気成分からなるモデルフ
レーバーを作成し、水に各化合物が 50ppm になるように添加し、以下の条件で虐待、保存試験を行っ
た。
1. コントロール:フレーバーを賦香後、すぐに冷凍保存
2. 上記をレトルト殺菌後、すぐに冷凍保存
3. 上記をレトルト殺菌後、5℃で 4 週間保存(チルド販売を想定)
4. 上記をレトルト殺菌後、常温で 4 週間保存(常温流通を想定)
5. 上記をレトルト殺菌後、65℃で 4 週間保存(加温販売を想定)
いずれも pH7、レトルト条件:120℃、20 分
その結果、最も大きく変化したのは 2-Furfurylthiol であった。変化物質は Difurfuryl Disulfide
と同定した。更に、本物質はコーヒー様の香気を有し、匂いの貢献度は同程度であった。
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【図表 6】
電子嗅覚システムによるラズベリーフレーバーの加速試験
出典:
「飲料製造の最新機器・技術
Vol. 29
No. 1
飲料業界における風味評価技術とその適用事例」、Beverage Japan
2006 年、吉田浩一著、株式会社ビバリッジジャパン社発行、47 頁
図4
フレーバ
ーA と B の熱ストレス下における安定性の直接的な比較
【図表 6 の説明】金属酸化物半導体(MOS)センサーを応用した電子嗅覚測定装置をもちいてラズベリ
ーフレーバーの主成分分析を行い、その経時変化からラズベリーフレーバーの熱安定性を測定した。
同一種から製造されたラズベリーフレーバーA と B を 60℃に保存し、3 日ごと 27 日間の変化を測定し、
主成分分析をおこなった。その結果、A と B は同一種のフレーバーであるにもかかわらず、臭気の変
化(主成分分析から求められるユークリッド距離)はフレーバーA では大きく変化し、B では 21 日目
までほとんど変化しなかった。両フレーバーは製造元が違うことから、製造工程の違いなどによる品
質の差が現れたものと考えられ、フレーバーB の方が熱安定性に優れていることが決定できた。
【出典/参考資料】
化粧品事典
2003 年 12 月 15 日、日本化粧品技術者会著、丸善株式会社発行、228-230 頁
「飲料におけるフレーバーの安定性評価技術について」、月刊フードケミカル
Vol. 19
No. 7
2003
年、相模和彦著、株式会社食品化学新聞社発行、28-33 頁
「カンキツ機能性成分に関する研究 (第 2 報)
果汁協会報
No. 509
オーラプテンの八朔精油からの回収および安定性」、
2001 年、高橋保男、稲葉伸也、桑原滋、九鬼渉、山根慶子著、社団法人日本
果汁協会発行、34-43 頁
「飲料製造の最新機器・技術
29
No. 1
飲料業界における風味評価技術とその適用事例」、Beverage Japan
Vol.
2006 年、吉田浩一著、株式会社ビバリッジジャパン社発行、46-47、49 頁
「最近の清涼飲料について」、香料
No. 219
2003 年、野崎倫生著、日本香料協会発行、105-118
頁
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