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1-2.電子の運動(電子軌道)
1-2.子の運動(子軌道) 古典力学・・・粒子の運動 量子力学・・・波の運動 波 粒子 ὗ原子核に束縛された子の波としての運動 子軌道 原子 10-10 m = 1 Å ૣ子 前に、 電子軌道をこう描いた!! 原子核 実際の子軌道は、どんな形? 物性物理学序論 12 実は、、、、 こんなに色々な軌道 (電子の通り道)がある d 軌道 s 軌道 f 軌道 p 軌道 物性物理学序論 13 電子軌道を決める因子 電子軌道は、次の 3つの量子数 によって指定される。 1. 主量子数 (principal quantum number) 軌道運動の空間的な広がりとエネルギー n ex) : n = 1 , 2 , 3 ・・・・・ K , L , M, N殻 主量子数による電子軌道の広がりの違い (s軌道の場合) (1) (2) K殻 L殻 M殻 1s K殻 物性物理学序論 2s L殻 14 2. 方位量子数 (azimuthal quantum number) r L 軌道運動のѓ運動量 r r ℓ : ℓ = 0 , 1 , 2 , ・・・・・ , n-1 r r r L = r ¥v r v 円運動に伴う ѓ運動量の定義 順番に、それぞれ、 s , p , d, f 軌道と呼ぶ ℓ=0 s軌道 ℓ=1 p軌道 ℓ =2 d軌道 物性物理学序論 15 3. 磁気量子数 (magnetic quantum number) 外ಊから磁場をかけた時に、磁場方向に観測される軌道ѓ運動量。 m : m = - ℓ , - ℓ +1 , ・・・ , 0 , ・・・ , ℓ-1 , ℓ 物性物理学序論 16 軌道の数 (エネルギーと広がり) 1. 主量子数 n : n = 1 , 2 , 3 ・・・・・ (軌道運動の角運動量) 2. 方位量子数 ℓ: ℓ = 0 , 1 , 2 , ・・・・・ , n-1 3. 磁気量子数 m: m = - ℓ , - ℓ+1 , ・・・ , 0 , ・・・ , ℓ -1 , ℓ (磁場をかけた時に、磁場方向に観測される軌道ѓ運動量) ℓ n 0 (s) 1 (p) 1 m =0 2 m = 0 m = -1 , 0 , 1 3 m = 0 m = -1 , 0 , 1 したがって、 軌道の数は、 2 (d) m = -2 , -1 , 0 , 1 , 2 1sὗὗ Ὠ個 2s ὗ Ὠ個 2pὗὗ Ὢ個 3sὗὗ Ὠ個 3pὗὗ Ὢ個 3dὗὗ Ὤ個となる。 ex) 物性物理学序論 17 ૣ子軌道については、以上に述べた3つの量子数で決まる。 物ޑの磁気的な性ޑを記述するために、もう一つ重要な量子数がある。 それは Ὣὥ スピン量子数ὗs ( = 1 2 , 1 2 ) S ૣ子には惑星の自転に相当する運動があり、 mS 固有のѓ運動量 、磁気モーメント hs を持つ gmmBBss m S ==-g N 太෩ 地球 ૣ子 原子核 g : g 値 (スピンについては、g = 2.0023 ) m † : ボーア磁子という単位 eh = = 0.927 ¥ 10-20 emu 2mc B e : ૣ荷ὗ=ૣ子素量 ὗὗὗὗὗὗὗὗὗὗὗὗὗὗ(1.602×10-19 C) m: ޑ量 (9.109×10-31 kg) c: 光速 (2.998×108 m/s) h : プランク定数(1.055×10-34 Js) 物性物理学序論 18 ちなみに。。。。 核子もスピンを持っている。 mI 核スピンをὗI として、核磁気モーメント ὗは、(ૣ子スピンと同様) ! mI = - gmNI † m! N : 核磁子と呼ばれる磁気量の単位 eh eh m 1 = = ⋅ = mB 2M c 2mc M 1836 mB と書ける。 M : ෩子のޑ量 (1.673×10-27 kg) m : ૣ子のޑ量 (9.109×10-31 kg) mN は mB に比べて無視できるほど小さい。 固体中の磁気的性ޑは、ほとんどの場合ૣ子系よって決まる。 物性物理学序論 19 ・各軌道へのૣ子の詰め方 各軌道には、ὗὗὗ(up) 詰めることができる (down) のスピンを持った2つのૣ子を パウリの原理 ex n=3, ℓ =2 の3dὗ軌道には 5つのૣ子軌道があり、 ↑5個、↓5個の合ב10個のૣ子を 入れることができる。 物性物理学序論 20 それじゃぁ Q. nὗとὗℓ が決まった場合、スピンを含めて ὗὗὗ2 ×(2 ℓ + 1)ὗの状態にどのようにૣ子を詰めていくか? 軌道の数 n ℓ = 0 , ・・・・・・ , n-1 m = - ℓ , - ℓ +1, ・・・・・・ , 0 , ・・・・・・ , ℓ -1 , l 2ℓ+1個 物性物理学序論 21 電子の詰め方のルール フントのӪ則 ऍૣ的なポテンシャルを下げるため、 波動関数の重なりが少なくなるように ① ૣ子スピンがパウリの排他律に反しない限り、 全スピンS( S = Â si )が最大になるように i ② ①を満たした上で、さらにL ( L = Â mi )が最大 i 直感的Ж釈 (1)スピンによる電子磁石間の静磁的エネルギーを低くするため、 Sが大きくなるとフント結合 が大きくなる。 J Si S j ( ) (2)Lが大きくなる波動関数(電子軌道)の組み合わせの方が 波動関数の重なりが少なく、エネルギーが低い。 物性物理学序論 22 フントのӪ則の続き… 原子の磁気モーメント 全ѓ運動量ὗὴὗ軌道磁気モーメントὗὢὗスピンによる磁気モーメント S = Â si L = Â mi J i i ③ 全ѓ運動量ὗJ は 詰め込むૣ子の数が、軌道数より少ない場合ὗὟᾣᾜᾪᾪὗᾫᾟᾘᾥὗᾟᾘᾣᾝὠ J = L -S 多い場合ὗὟᾤᾦᾩᾜὗᾫᾟᾘᾥὗᾟᾘᾣᾝὠ J = L +S ex 3d 軌道数 5個 e 3個・・・J = L -S e 8個・・・J = L +S 物性物理学序論 23 宿題 求め方 Cr3+ (3d3) Fe3+ (3d5) Ni3+ (3d7) について、L , S , J の大きさを求める。 1sに電子2個入っている Cr3+ (1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d3) = Cr3+ (3d3) 閉殻は無視 なぜなら・・・ 1 S=0 0 3p L=0 -1 ℓ 3d3 だけ考えればO.K. 3d 軌道5個 電子3個 閉殻の電子は 磁性に寄与しないので無視!! パウリの原理と、フントの規則を用いて 3個の電子を軌道に入れてゆく。 物性物理学序論 24