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第 2回
自然科学入門(化学) 第2回 2-1 第 2章 原子の構造 第 1 節 原子を構成する粒子 電 子 = 粒 子 電荷 質量(g) 陽 子 +1 1.673 x 10-24 中性子 0 1.675 x 10-24 電 子 -1 9.109 x 10-28 原子構成粒子の大きさ 中性子 原子核 原子 2 ~ 3 x 10-10 m = 1 x 10-15~10-14 m 大きさ:原子の ~1/100000 重さ:原子の99.99%以上 (陽子、中性子はクオークからなる) 陽 子 ー原子の構造ー 原子番号と質量数 原子番号 (atomic number) : 陽子の数に等しい 質量数 (mass number) : 陽子の数と中性子の数の和 質量数 1 1 原子番号 陽子 : 1 中性子 : 0 水素 H 2 1 H 陽子 : 1 中性子 : 1 (二)重水素 安定同位体 3 1 4 2 H 陽子 : 1 中性子 : 2 陽子 : 2 中性子 : 2 4 2 He 16 8 陽子 : 8 中性子 : 8 三重水素 放射性同位体 同位体 *原子番号が異なれば性質が異なる(元素) *質量数が異なっても性質は同じ(同位体) 2-1 *放射性同位体の崩壊による放射線の生成 電子 電子軌道変化によるエネルギー放出 X線 中性子の崩壊により生成 +, - プラスチックで遮断 電 β線 137 55 子 軌 2-3 原子核 Cs γ線 鉛で遮断 60 27 Co 60 Ni 28 137 56 Ba 道 2+ α線 放射能関連単位 紙で遮断 238 U 92 234 Ba 90 Bq (ベクレル) 1秒間に1個壊変 = 1 Bq Gy (グレイ)物質が放射線から与えられるエネルギー J/kg = 1 Gy Sv(シーベルト)放射線種類、受ける組織の影響を係数化し、 Sv = 係数 x Gy ( 42 He 2 ) 第 2 節 原子の電子配置 2-4 電子殻(K, L, M ・・・) 電子軌道(s, p, d, f) 電子殻(n) O N M L K 古典的な電子の軌道 電子数 (2 x n2) 電子軌道 K (1) 2 s L (2) 8 s, p M (3) 18 s, p, d N (4) 32 s, p, d, f O (5) P (6) Q (7) 32 (50) 10 (72) 2 (98) s, p, d, f s, p, d s 電子雲 (電子の存在確率) ★ 電子殻 K, L, M,・・・は、 n = 1, 2, 3,…と番号がある(主量子数) 電子殻には、2n 個の電子が存在可能 ( n : 主量子数) 電子が存在する最も外側の殻を最外殻 ( 性質が決まる)、最外殻の電子を価電子という。 ★ 電子の戸籍は主量子数 (n)、方位量子数 (ℓ = 0, 1, ・・・= s, p, d, f) 磁気量子数 (m : 軌道の形)、スピン量子数 ( ±1/2)で決まる。 ★ 電子軌道は s, p, d, f の4種類があり、それぞれ、1, 3, 5, 7種類の軌道を持つ 一つの軌道には最大 2個が入り、低い方から順に入る。 電子はどのように存在するか 電子は特定の空間に存在する(電子軌道) ー ー ー 量子数で住所が決まる 主量子数 (n = 1, 2, 3,・・ ⇒ K, L, M, N ・・ に対応) :電子数(2n2個) K 殻:2個、L 殻: 8個、M 殻: 18個、N 殻: 32個、O 殻: 50個、P 殻: 72個 方位量子数 (l = 0, 1, 2・・・n-1 ⇒ s, p, d, f ・・に対応): 電子軌道の形 s : 2個、 p : 6個、 d : 10個、 f : 14個 sharp, principal, diffuse, fundamental 磁気量子数 ( m = -l, -1, +1 ・・・ 0, 1, ・・・・l) : 電子軌道の広がる方向 重なることはない パウリの排他律 p : px, py, pz、 d : dxy, dxz, dyz, dx2-y2, dx2 X, Y, Zの三次元空間 スピン量子数( ms = +1/2, -1/2) :電子スピンの向き 左回りか、右回りか 方位量子数 (s, p, d,--) 磁気量子数 (x, y, z, xy,---) スピン 主量子数(n=1,2,3,-- = K,L, M--) 2-5 電子軌道の名づけ方 ・・・ s 2-6 d p f --- 32 個 n = 4 (N) ---18 個 n = 3 (M) --- 8 個 n = 2 (L) n = 1 (K) 35 17 --- 2 個 2p6 Cl 31 15 主量子数 方位量子数(軌道) 4f2 軌道を占める電子数 P 23 11 Na 先に一つづつ フントの規則 3 3 2 2 1 1 同一エネルギー軌道が 複数ある場合には最多 の軌道を使用するよう に電子が配置 3 2 1 1s22s22p63s23p5 1s22s22p63s23p3 (2+2+6+2+5=17) (2+2+6+2+3=15) エネルギー レベルがあります。 1s22s22p63s1 (2+2+6+1=11) 典型元素と遷移元素 ・ ・ 4f 2-7 Q殻 (7s) 57 ★ 電子軌道に電子が入る順番は 6s P殻(6s,6p,6d) p s 5p d 電子軌道のエネルギー 39 4d O殻 (5s,5p,5d,5f) 5s 典型元素 4p 21 ★ エネルギー差により電子軌道の順番が変化 3d N殻 (4s,4p,4d,4f) 4s s p d 3p M 殻(3s,3p,3d) 3s 2p 2s 1s L 殻 (2s,2p) K 殻 ( 1s) 逆転 s f 遷移元素 d *アクチノイド ランタノイド 第 3 節 希ガス 2-8 ★ 最外殻に入るべき電子数が、満たされている元素 (第 18 族) ★ 最外殻が満たされているため(閉殻)、電子の授受が起こらない 最外殻に2又は8個の電子が入ると安定 反応性が無い(他の原子と結合しない)⇒単原子分子 原子 記号 元素名 電 子 殻 K L M N O ヘリウム He 1s2 ネオン Ne 1s2 2s2,2p6 アルゴン Ar 1s2 2s2,2p6 3s2,3p6 キセノン Xe 1s2 2s2,2p6 3s2,3p6,3d10 4s2,4p6 ラドン Rn 1s2 2s2,2p6 3s2,3p6,3d10 4s2,4p6,4d10 沸点 (℃) 用途 K (n=1) : 2 -269 超電動冷却、気 球 L (n=2) : 8 -246 M (n=3) : 8 -186 N (n=4) : 8 -152 O (n=5) : 8 -108 O N M L K He 5s2,5p6 最外殻 電子数 Ne Ar Xe Rn 放電管充填ガス