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化学技術基礎講座 知っておきたい化学プラントの基本原理、⼯業化プロセスの要諦を学ぶ -化学技術者のための化学⼯学- 主催 ⽇本化学会産学交流委員会 会期 2016 年 11 ⽉ 17 ⽇(⽊)・18 ⽇(⾦) 会場 化学会館(東京都千代⽥区神⽥駿河台 1-5) 主査 霜垣幸浩(東京⼤学・教授) 趣旨 ラボでの研究開発成果を⼯業化しようとする場合、単位操作、スケールアップといった化学⼯学の知識が 重要になってきます。逆に⾔うと、⼯業化の概念のないまま研究を進めた場合、商業⽣産上の課題を抱えたプロ セスや条件をひたすら追求するということにもなりかねません。本講座では、化学技術者に⾝に付けて欲しい化 学プラントの基本原理を、化学⼯業における化学⼯学の意義や魅⼒を俯瞰する講座や主要単位操作の講座、エネ ルギーや環境など出⼝を意識した講座を交え多⾯的に解説します。また、化学⼯学を利⽤した最新のトピックス についても適宜ご紹介します。 対象 当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新⼊社員。⼈事異動や配置転換、新規事業の開始等 によって、新たに当該技術の知識獲得を⽬指す中堅技術者および研究者。化学企業への就職を希望する化学系学⽣。 参加費 個⼈正会員(法⼈会員含む)25,000 円、学⽣会員 10,000 円、⾮会員 40,000 円 ※会期初⽇⼣刻の懇親会費は無料、2 ⽇間の昼⾷代は上記参加費に含みます。 ※請求書は申込受理通知メールに記載の URL より発⾏ください。 ※開催⽉の⽉末までにお振込ください。 申込 ⽇本化学会ホームページのイベント>産学交流イベントページよりお申込下さい。 募集⼈員 50 名(10 名より催⾏) URL https://event.csj.jp/form/view.php?id=75290 プログラム 11 ⽉ 17 ⽇(⽊) 10 時 00 分〜18 時 20 分 (終了後懇親会) 10:00-10:10 10:10-11:30 挨拶、趣旨説明 化学⼯学の基礎と活⽤例 ~吸着繊維を使った汚染⽔処理を例にして~ 霜垣幸浩(東京⼤学) 斎藤恭⼀(千葉⼤学) 東電福島第⼀原発では、メルトダウン事故から5年以上経った現在でも汚染⽔の処理が続けられています。わたしたちの 研究室では放射性のセシウムやストロンチウム除去⽤吸着繊維(組み紐)をベンチャー企業と協⼒して製造し、現場の⼀ 部に供給しています。そのときに。 「何kgの吸着繊維を、何⽇間、汚染⽔に浸せばいいんだ?」という設計論が現場から 求められました。これに応えるための化学⼯学的アプローチを通して化学⼯学の考え⽅を理解してもらいたいと思います。 11:30-11:40 11:40-13:00 インキュベーションタイム 反応⼯学講座 霜垣幸浩(東京⼤学) 「反応」は化学品製造プロセスの中核となる単位操作であり、⼯業化の成否の鍵を握るものです。本講座では、バッチ/連 続、管型/槽型、押し出し流れ/完全混合といった反応器の基本理論を解説するとともに、ラボでの反応の特徴を踏まえた 反応形式の選定等、実践に役⽴つ知識や最新のトピックスについて紹介していきます。 13:00-14:00 14:00-15:20 ランチミーティング 装置内輸送現象の基礎 ⽻深 等(横浜国⽴⼤学) 反応装置を取り扱う化学⼯学の基礎として輸送現象を紹介し、その捉え⽅を解説 します。そして、輸送が分かれば、⽬指 す現象と為すべき操作の本質を把握できることを説明します。主な内容は次の通りです。(1)輸送現象とは、(2)法則 (流れ、熱、物質の輸送)、 (3)流れ(粘度と慣性、層流・乱流) 、 (4) 熱(対流・伝導・放射・反応熱)、 (5)物質 の動き(対流・拡散・消費・⽣成) 、 (6)反応装置内諸輸送現象の解析例・設計例と活⽤例。 15:20-15:30 インキュベーションタイム 15:30-16:50 環境配慮プロセス設計講座 -化学プロセスの環境影響評価と設計- 平尾雅彦(東京⼤学) 化学プロセスは、原料から⽬的製品を製造するために、反応や分離など様々な単位操作や制御装置を組み合わせたシステ ムです。その設計においては、原料から製品への転換効率を最⼤にし、スチームなどのユーティリティ消費を最⼩にし、 さらに運転性、安全性を確保しなければなりません。近年は、廃棄物や温室効果ガス排出の削減など環境配慮設計も⽋か せない視点となっています。本講座では、化学プロセスおよび製品の環境影響評価の考え⽅やそれを考慮した設計⽅法を 学びます。 16:50-17:00 17:00-18:20 インキュベーションタイム スケールアップ講座 渡辺和則(株式会社クラレ) 研究の⼯業化はスケールアップそのものです。単に器を⼤きくするだけでもスケールアップの技術が必要ですが、⼯業化 はそれにとどまらず、⽅式や⼿段の変更さえも要求することがあります。研究を商業⽣産へと進展させるためには、化学 反応や単位操作等の知識を背景に⼯業化の概念を持った研究者であることが望ましく、⾃らがプロセスの組⽴やその解析 を実⾏できることです。本講座では、その基礎となる部分を具体的な事例で学びます。 18:30-19:30 懇親会 11 ⽉ 18 ⽇(⾦) 9 時 00 分〜17 時 00 分 09:00-10:20 分離プロセス講座 ー膜分離技術の基礎と応⽤ 中尾真⼀(⼯学院⼤学) 時間、コストの制約がある⼯業プロセスでは、収率 100%という反応条件は想定しがたいものです。そこで⽬的物 を効率よく⼊⼿するために分離という単位操作が必要となってきます。本講座では、多くの分離単位操作のなかか ら代表的省エネルギー分離単位操作である膜分離プロセスを取り上げ、その体系を学ぶとともに、効率よく低エネル ギーで分離するポイントについても学ぶことで、低コストプロセスの設計⼒の習得を⽬指します。 10:20-10:30 10:30-11:50 インキュベーションタイム 晶析操作の基礎と応⽤ 松岡正邦(東京農⼯⼤学) 主に溶液から結晶性の粒⼦群を取り出す晶析操作は、狭い粒径をもつ粒⼦群の製造⽬的以外にも、⾼度精製や多形の制御 などの⽬的で多くの産業分野で⽤いられています。これらに共通するのは固液平衡関係の理解と過飽和状態の溶液の取り 扱いです。実例を交えて晶析操作のこれらの基礎事項を中⼼に学び、最後に最近の話題を紹介します。 11:50-12:00 12:00-12:40 12:40-14:00 インキュベーションタイム 昼⾷ 蒸留の基礎 橋⾕元由(化学⼯学会) 反応によって製品を作る場合、必ず副⽣物が⽣成されます。また、製品中には未反応の原料も含まれますので、化学プロ セスにおいてこれらの混合物から製品を分離することは極めて重要な操作です。分離操作には蒸留、吸収、吸着、抽出、 晶析、膜分離などありますが、化学プラントの分離操作の中で蒸留は7〜8割を占めております。 蒸留の原理、蒸留計算、蒸留塔の設計の基礎についてお話しします。 14:00-14:10 14:10-15:50 インキュベーションタイム 攪拌・混合操作の基礎 上ノ⼭周(横浜国⽴⼤学) 撹拌・混合は、化学プロセスの⼼臓部である反応器の成否を握る操作です。同操作に関する基礎事項から始め、撹拌装置 のスケールアップ設計に係わる基本的な考え⽅までを講じます。基礎項⽬は、各種翼の形状とそれらの流動状態・フロー パターン、撹拌所要動⼒、混合過程・混合度の定量的な取り扱い、撹拌槽伝熱の順で進めます。スケールアップについて は、均相系を対象としますが、⾮ニュートン流体を対象とした場合の典型的な取り扱い⽅についても解説します。 15:50-16:00 16:00-16:40 インキュベーションタイム 粉粒体の定量的な取り扱い 上ノ⼭周(横浜国⽴⼤学) 化学プロセス⼯業において近年、粉粒体の取り扱いが、ますます重要となってきました。本講座では、粉粒体の物性とし て粒径の定義・粒度分布の表⽰法・粒度分布曲線ならびに粒度分布の測定法について講じます。また粉砕に必要なエネル ギーの算定法であるリッチンガー・キック・ボンドの3法則についても講じます。 16:40-16:50 16:50-17:00 問合先 インキュベーションタイム まとめ 霜垣幸浩(東京⼤学) ⽇本化学会企画部 担当:河瀬/鷺⾕ E-mail: [email protected]、電話 03-3292-6163