「ガーラフレンド」を中心に各種事業を展開 広告モデルを採用せず独自

「ガーラフレンド」を中心に各種事業を展開
広告モデルを採用せず独自路線進める
注目企業e
株式会社ガーラ
ガーラフレンドの特 徴 と強 み
う意識）、「役割意識」（ガーラフレンド
容やチャットの会話を分析してニーズの
の中でどんな役割を演じているか）、「依
発掘する「チャットマーケティング」、そ
コミュニティは、大きく分けて情報発
存意識」
（ガーラフレンドを生活の一部と
してそれをコミュニティの外部にある一般
信が主体のタイプと情報交換主体のタイ
して依存する）というコミュニティ感情
的なホームページやメールマガジンにまで
プの2つに分かれる。また、無料メーリン
が醸成されている。また、入会時の登録
拡大してデータ分析をする「ｅマイニン
グリストサービスのようにツール性が強い
項目が多いため、いいかげんな登録者が
グ」
。両者はインターネットに掲載される
グループウェア的なもので、すでにあるコ
存在しない、会員の詳細な属性が把握で
情報をどのように分析し、傾向やルール
ミュニティが主体であるものと、ネット上
きる、という質を重視したコミュニティで
を見つけだすかというノウハウの蓄積から
で人間関係が形成されるタイプという区
あることで、会員一人当たりの生み出す
可能となったビジネスで、ガーラフレンド
分も可能だ（図1参照）
。
付加価値を最大限に高めている。
における会話分析という地道なプロセス
がその成立の背景にある。
この2つの軸をもとにインターネット上
の無料会員制コミュニティサイト「ガー
ガーラフレンドの収 益 構 造
一方、ガーラフレンドではオープン当
初からターゲティングメールのデータベー
ラフレンド」を見ると、情報交換主体＝
横のつながりが強い、かつネット上で人
ガーラフレンドの収益はどこから生まれ
ス構築を開始しており、そのボリューム
間関係が形成される、すなわち図の右上
るのか？ガーラフレンドのビジネス的特徴
が一定規模になった時点で「インフォ
に位置付けられる。これがガーラフレンド
は、ベースを広告収入においていない点
＠メール」というサービスを開始した。こ
の特徴であり、強みである。ガーラフレ
である。ガーラのコミュニティは会員の高
れはオプトインメール（ターゲットが受信
ンドは掲示板、チャット、名刺交換とい
い再訪率と滞在時間の長さという点で一
を許可した場合に送られるメール）とい
ったコミュニケーション機能のみを提供す
般的なコンテンツ情報提供サイトとは異
う概念が日本に導入される前のことで、
るコミュニティだが、ジオシティーズなど
なっているため、広告のみに依存するビ
このビジネスの成立にはガーラフレンドの
の無料ホームページサービスとは、その性
ジネスモデルでは不適当なのだ。
会員獲得が不可欠の要素だった。もちろ
ん、一般的なバナー広告、メールマガジ
格は大きく異なっていることがわかるだろう。
コミュニティを核 とした事 業
会 員 の付 加 価 値 が高 い理 由
ン広告による収入も一部を成しているが、
レスポンス率が高いインフォ＠メールのビ
「コミュニティは生活空間であり、マー
ジネス規模には遠く及ばない。また、ガ
ケティングの場である。メディアではない」
ーラのコミュニティ運営における実績から
（重複分をのぞいた数）で15万人、その
という基本的認識はガーラフレンド立ち
生み出されてきたのが、ガーラフレンド内
うち毎日3万人がログインして書き込みを
上げ準備の収益モデルの検討段階からす
への企業コミュニティの誘致（
「エンター
行っている。ガーラフレンド会員には
でに明確に存在していた。
プライズコミュニティ」）と大手サイトに
現在ガーラフレンド会員はユニーク数
「我々意識」（自分たちは仲間であるとい
コミュニティにおける掲示板の投稿内
ネット上で人間関係が形成される
対してのコミュニティの提供サービスであ
る。さらにコミュニティ運営のノウハウか
真のコミュニティ
ガーラフレンド
ら生み出された掲示板「サイバーコップ
ス」
（投稿監視システム）に代表される各
種ツールのASP事業も大きな事業分野を
形成し始めている。
（村本理恵子　株式会社ガーラ 代表取締役会長）
情報発信主体＝横のつながりが弱い
情報交換主体＝横のつながりが強い
カテゴリーの分けられた
無料ホームページサービス
企業データ
無料ホームページサービス
無料メールマガジン配信サービス
無料掲示板サービス
無料MLサービス
1.　URL： http://www.gala-net.co.jp
2.　設立：1993年9月3日
ツール性強く、すでにあるコミュニティが主体
図 1　コミュニティの分類
3.　資本金：4億7900万円
4.　従業員数：21名
インターネット白 書 2 0 0 0
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