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胃の腫瘍性病変の内視鏡的治療
胃の腫瘍性病変の内視鏡的治療 高知医療センター 消化器科 森田雅範 安芸市 2008/03/15 日本人のがん羅患率の年次推移 日本人のがん死亡率の年次推移 内視鏡的治療の適応病変 絶対適応: 分化型(pap,tub1,tub2)M癌、長径2cm以下、 潰瘍非合併、リンパ管、脈管侵襲陰性 適応拡大: 分化型 ①M癌、長径2.1cm以上、潰瘍非合併、脈管侵襲陰性 ②M癌、長径3cm以下、潰瘍合併、脈管侵襲陰性 ③SM1(粘膜筋板下縁から500μm以下)、長径3cm以下、 潰瘍の有無は問わない 未分化型 未分化型(por, sig)2cm以下M癌、潰瘍非合併、脈管侵襲陰性 当院での内視鏡手術手順 内視鏡検査で病変の範囲、 進展度、組織診断決定 (腫瘍生検、周囲生検) 粘膜切除、粘膜剥離適応病変 絶対適応 2cm以下分化型粘膜 内胃癌、潰瘍なし、脈管侵襲なし 適応拡大病変 ①分化型粘膜内癌、2.1cm以上、 潰瘍なし ②分化型粘膜内癌、3cm以下、 潰瘍合併 ③分化型粘膜下層500μm浸潤、 3cm以下潰瘍合併は問わない 適応外病変 未分化癌 粘膜切除術 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 粘膜切除、粘膜剥離の違い 粘膜切除 粘膜剥離 切除時間 短い 長い 分割切除 なり易い 一括切除率高い 屈曲部位 分割 一括で可能 保険点数 4970 11000 合併症 穿孔、出血 穿孔、出血、狭窄 鎮痛鎮静剤 呼吸抑制、血圧低下、誤嚥等 切除用処置具 A: ニードルナイフ B: ITナイフ C: フックナイフ D:フレックスナイフ 対象 2005年3月開院から2007年5月までに当科において 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行った 胃癌及び胃腺腫 124例、137病変(癌 110、腺腫 27) 年齢 男性 49-92 歳(69.2 9.1) 女性 47-89 歳(72.8 8.8) 男女比 癌 76:34 腫瘍長径(mm) 癌 腺腫 17:10 19.8 13.0( 3-65 ) 腺腫 17.0 12.0( 3-50 ) 処置環境 鎮静 ミダゾラム or ディプリバン ( + ペンタゾシン) 局注 グリセオール+エピネフフリン1A+インジゴカルミン2.5ml スコープ 処置道具 設定 2TQ-260M IT ナイフ、(Hookナイフ) SOFT EFFECT 5 80W プレカット AUTO CUT EFFECT 4 120W 粘膜切開 DRY CUT EFFECT 4 50W 粘膜剥離 SWIFT EFFECT 5 50W 止血 SOFT EFFECT 5 80W マーキング 治療成績① ガイドライン病変65病変(47.4%) 適応拡大病変 65病変(47.4%) 腫瘍径20mm以上 59病変 陥凹型UL+ 適応外病変 7病変 7病変(5.1%) 未分化型 6病変 腫瘍径30mm以上UL+ 1病変 EA : EB : EC 局所再発例なし 100(73.0%) : 28(20.4%) : 9(6.6%) 腺腫はm癌に準ずる EB (28病変) SM , por / sig , UL(+) , VMX / LMX(切れ込み), ly(+) / v(+) EA (101病変) M , tub/pap , UL(-) , VM(-) / LM(-) , ly0 / v0 1 100 9 2 17 EC (8病変) VM(+) / LM(+) 3 3 2 2 経過観察 追加内視鏡治療 3 1 1 追加手術 56M 体上部小弯 Ⅱa 25mm 85分 結節隆起周囲に境界不明瞭な平坦隆起あり 周囲生検のすぐ近傍に断端陽性あり 追加EMR+APC 遺残なし 52M 前庭部前壁 IIa 22mm 計4病変 3病変をESD 追加切除で遺残なし 潰瘍瘢痕より少し離れてsm2病変 sm2 , ly0 , v1 , UL- , LM- , VM- tub1 78M 前庭部小弯 IIc 18mm 70分 sm2 , ly1 , v0 , UL- , LM- , VM- tub1 追加切除 遺残なし 瘢痕部より少し離れてm病変あり M癌を疑う病変は認めず 74M 前庭部大弯 IIc+IIa 33mm 200分 m , ly0 , v0 , UL- , LM- , VM- tub1 約4/5周切除 幽門狭窄 バルーン拡張3回 筋層の露出あり 腹腔鏡下手術 消化管へのアクセス 方法の変更であり、 手術術式の変更では ない。 胃癌の手術 進行度により手術法に選択枝がでてきた。 (粘膜切除から拡大手術まで) 腹腔鏡手術器具、手技の後上により回復が早 く、早期退院ができる。 (視野が限定されるため、時間がかかり、技術 的に難しい。) 胃切除後障害と外科的要因 小胃症状 残胃容量の減少 吸収不良症候群 ダンピング症候群 残胃炎 残胃癌 幽門機能喪失 逆流性食道炎 胆石症 迷走神経切断 下痢、便秘 貧血(大球性貧血、鉄欠乏性貧血) 骨粗鬆症 吻合部潰瘍 腸閉塞 大網切離 治 療 に 伴 う 浸 襲 度 開腹拡大手術 開腹標準手術 開腹機能温存手術 腹腔鏡下標準手術 腹腔鏡下機能温存手術 EMR/ESD 術後機能喪失 胃切除後の根治度評価