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法律の性格から 読みとく労働法
特集 法律の性格から 読みとく労働法 index Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2 2 member profile 憲 法と労 働 法 労 働 組合 法の 性格 労 働 基 準法の 性格 法学 学教 教室 室 法 FFeebb.. 22001155 N Noo..441133 和田 肇 名古屋大学教授 有田謙司 西南学院大学教授 富永晃一 上智大学准教授 法 律の性格から 読みとく労働 法 特 集 法律の性格から読みとく労働法 特 集 大学の授業や教科書のタイトルに「労働法」 法。憲法上の団結権保障を具体化するために不 という名前のものがある。司法試験の科目にも 当労働行為制度や労働協約の効力等について 「労働法」はある。しかし, 「労働法」という名前 定めた特別の立法である労働組合法など。その の法律があるわけではない。「労働法」と呼ば 性格は個々の法律ごとにさまざまである。また, れるものは働く人(労働者)と会社(使用者)と 基本的には国が事業者に対して作為や不作為を の間の労働をめぐる問題を取り扱う法を寄せ集 課す一種の行政法的な性格をもつ法律(事業者 めたものである。この単体なき寄せ集め感は, を取り締まる法 律という意味で「行政 取 締 法 ある意味で「行政法」と似ている。 規」あるいは「業法」と呼ばれる)であるにもか この「労働法」の寄せ集めのなかには,さま かわらず,そのなかに事業者と労働者間の権利 ざまな性格をもつ法律が交じり合っていること 義務関係(私法上の効力)を定めた規定が混在 も,その大きな特徴である。労働法の根幹には している男女雇用機会均等法,労働者派遣法, 憲法の規定(25条・27条・28条など)が存在す パートタイム労働法などの法律もある。 る。そのほか,民法と同じように契約をめぐる 「労働法」の構造を正確に理解するためには, ルール(私 法的な効力)を定めた労働契約法。 それぞれの法律や条文の性格という切り口から この私法的な性格に加え,国が私人(使用者) 労働法の全体を眺めてみることも重要である。 に一定の作為や不作為を義務づけ監督を行うと この特集は,このような観点から労働法の理解 いう行政法的性格,それに違反する者に罰則を を深めてもらうためのものである。 科すという刑法的な性格を融合させた労働基準 Ⅳ 労 働 契 約法の 性格 Ⅴ 男女雇 用機 会 均等法の 性格 Ⅵ 労 働者 派遣 法の 性格 (水町勇一郎) 池田 悠 北海道大学准教授 川田知子 中央大学准教授 鎌田耕 一 東洋大学教授 F ee bb .. 22 00 11 55 N N oo .. 44 11 33 F 法 法学 学教 教室 室 3 3