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国際民主法律家協会は 戦争へと進む日本の立法に反対する 2015年8

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国際民主法律家協会は 戦争へと進む日本の立法に反対する 2015年8
国際民主法律家協会は
戦争へと進む日本の立法に反対する
2015年8月15日
国際民主法律家協会(IADL)は、全世界に支部を有し、国連経済社会理事会(ECOSOC)の協議参加
資格を有するNGOである。IADLは40年にわたり、日本国憲法9条を支持してきた。9条は日本が国際紛争
に関わる上でこれを解決する手段としての戦争を放棄している。安倍政権は、アメリカ政府の強い要請を受
け、9条の解釈・適用を変更しようとしている。IADLは、9条を破壊する最近の取り組み、特に、集団的自衛
権を容認する安保法案に対して、強い懸念を表明する。
1969年と1996年の2回、IADLは、沖縄および本州で現地調査を行った。調査を通じ、日本の人々、
特に沖縄の人々にとって、アメリカ軍基地が多くの問題の原因となっていることが明らかになった。2008年
と2013年の9条世界会議には、9条の規定と精神とを守るために、3万人以上の平和を愛する日本の市
民たちが集った。IADLは、これらの会議にも積極的に関わってきた。
9条の存在および法的に正しい解釈・適用が、アジアの緊張関係を緩和してきたことは明らかである。9
条は、アジア地域の友好関係の発展および社会的経済的な成長の基礎となってきた。
IADLは、集団的自衛権の行使を容認する、今回衆議院を通過した安保法案に対して強い遺憾の意を
表明する。これにより、日本の自衛隊が(これを「常備軍」と位置づけ)日本に無関係または影響を及ぼすこ
とのない紛争においてでさえ攻撃的な武力となりうるのである。本法制がアジア地域における緊張関係を悪
化させることは明白である。
日本の人々はいつも、戦争を放棄し、再び戦争を起こさず、戦禍を招かないことを誓う、国際社会に対
する重大な誓約として、9条を捉えてきた。IADLは、9条が日本の人々の厳粛な誓約であるのみならず、国
際法の下で日本に課せられた法的拘束力を持つ義務であると確信している。
9条は比類のない法的文書である。平和条項としての9条の解釈に留まらず、第二次世界大戦の降伏
文書、ポツダム宣言、ならびに国連憲章2条4項から導き出された、国際的な義務を実現するための法で
もある。すなわち9条は、国際法のもとで法的拘束力を有するのである。
日本国憲法は徹底した平和主義に立脚し、世界の模範とされている。世界中の平和を愛する人々は、
日本がこのような平和憲法を世界に広める役割を期待している。IADLは引き続き9条を支持する。
日本の人々は、世界平和を推進するための世界規模のキャンペーンを行ってきた。不可侵的平和的生
存権や戦争放棄だけでなく中立主義の原則をも含む9条とその理念を、維持し拡大するキャンペーンであ
る。IADLは、かかるグローバル9条キャンペーンへの更なる支持を表明する。
IADLは、日本政府に対し、今回の安保法案を廃案にするとともに、新しい安保法案を成立させる取り組
みをやめるよう求める。IADLは、参議院において、衆議院が通過させた本法案が否決されるよう求める。こ
の法案が通過すれば、戦後70年を経て初めて、日本が9条に違反して戦争をすることになろう。
国連憲章、日本国憲法及び9条に定めるように、日本国内だけでなく日本国外においても、すべての
人々が平和のうちに生存する不可侵の権利を有する。我々は、日本政府がこれらの義務に従い、すべて
の戦争を放棄し続けるよう求める。
(邦訳・日本国際法律家協会)
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