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農業委員への女性の参画に関するアンケート調査結果概要

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農業委員への女性の参画に関するアンケート調査結果概要
平成25年10月
東海農政局
農業委員への女性の参画に関するアンケート調査結果概要
Ⅰ 調査の概要
1 目的及び方法
本調査は、農業委員への女性の参画状況や、参画に至った理由、その後の変化等を把握
し、今後の女性の社会参画促進の参考とするために、各県農業会議の協力を得て実施しまし
た。
2 対象
(1)女性農業委員が1名以上の農業委員会(84 委員会)
(2)女性農業委員のいない農業委員会(39 委員会)
合計 123 農業委員会
3 回収率
女性農業委員が1名以上の農業委員会 98.8%(83/84 委員会)
女性農業委員のいない農業委員会
97.4%(38/39 委員会)
Ⅱ-1 調査結果(女性農業委員が 1 名以上の農業委員会)
問 1 議会から女性の推薦があった理由(複数回答可)
「農業委員会から女性の推薦を働きかけたため」が最も多く、次いで「市町村として男
女共同参画推進に熱心に取り組んでいるため」となっています。
農業委員会から女性の推薦を
働きかけたため
63.6%
市町村として男女共同参画推進に
熱心に取り組んでいるため
42.9%
議会が男女共同参画に
理解があるため
その他
35.1%
3.9%
【その他】
・女性農業グループが議会に働きかけて推薦された。
・十数年前から女性農業委員がおり、様々の活動を積極的に実施しており、その活動
が評価されているため。
・女性グループによる要望書の提出など、女性農業者等からの働きかけがあった。
問2 選挙で女性が立候補した理由(複数回答可)
「男女問わずやる気のある者が立候補できる雰囲気があるため」が最も多くなってい
ます。
男女問わずやる気のある者が
立候補できる雰囲気があるため
58.3%
地域農業を支えていこう
という思いがあったため
その他
54.2%
12.5%
【その他】
・担当地区の自治会からの推薦による。
・農業委員会という組織に女性を登用することの趣旨を理解してもらえたため。
・家族の理解と地域の信頼。
問3 農業委員会が行った女性が農業委員になりやすい環境づくり(複数回答可)
「特になし」が最も多く、次に「女性農業者に対し研修等への参加の呼びかけ」となって
います。
女性農業者に対し研修等
への参加の呼びかけ
38.4%
男性農業者の理解を得るために
男女共同参画について説明
女性農業者の知識、技術
向上のための研修開催
4.7%
1.2%
その他
12.8%
特になし
47.6%
【その他】
・市農業委員会総会において、市議会議長宛の「女性農業委員の積極的な推薦の
お願い」を旨とする要望書の提出を決議し、後日、農業委員会会長等から市議会
議長へこの要望書を手渡した。
・選任委員改選時に、女性農業委員を選出していただけるように各団体に働きかけ
た。
・議会に対して、できる限り女性の推薦をしてもらえるように働きかけている。
・総会等でパンフレット等を配布し啓発を図った。
・農業者研修会時に、農業委員に女性の参画を呼び掛けた。
・農業委員や関係団体に男女共同参画等についての周知。
・農業委員会総会開催時に委員に農業委員への女性の登用促進について説明。
・農業者との意見交換を実施。
・女性農業者の団体が、女性が活発に交流・研修できる機会を作っており、地域の
会合等で男女共同参画等が啓発されている。
・女性農業団体連絡会総会後のパネルディスカッションにおいて、農協女性理事と
ともに女性農業委員が出席し啓発。
問4 女性委員の活動による、農業委員会の運営上の変化(複数回答可)
「女性が農業委員になることに理解が得られるようになった」が最も多く、次いで「議論
が活発化する等雰囲気が良くなった」となっています。
女性が農業委員になることに
理解が得られるようになった
48.8%
議論が活発化する等
雰囲気が良くなった
33.7%
女性農業委員の意見が
取り組みに活かされた
地域の会合等にも女性が
参加するようになった
その他
特になし
8.1%
3.5%
5.8%
20.9%
【女性農業委員の意見が活かされた取組の具体例】
・消費者目線、生活者の目線での意見が多くなった。
・女性農業者からの情報が得られるようになった。
・建議の提出。
・家族経営協定の推進。
・耕作放棄地についての取り組み。
【その他】
・食育・食農教育の交流会の開催。
・農業委員研修時に、食育の研修会へ参加された報告をして、その後の活動に
結び付いた。
・法定業務にかたよりがちであった農業委員会活動が、任意業務にも積極的に
取り組めるようになった。
・広報誌作成に関して、女性委員の発言、活躍がみられた。
問5 女性委員に期待すること(複数回答可)
「女性農業者の意見を反映した提案」が最も多く、次いで「食育、耕作放棄地解消など
を提案」となっています。
女性農業者の意見を
反映した提案
48.8%
食育、耕作放棄地
解消などを提案
30.2%
委員会の議論の活発化
25.6%
一般の方の農業委員会
業務への理解促進
23.3%
男女同等なので、特に
期待することはない
その他
15.1%
4.7%
【その他】
・家族経営協定の啓発などで、女性の立場も活かされた内容にできるように協力
して欲しい。
・女性農業者(非農家の女性を含む)への農業委員会業務全般の広報。
・農家訪問時の同行(女性の方が印象が良いため)。
・より一層、任意業務の活動を活発化させること。
問6 女性が農業委員になる際の課題(複数回答可)
「農業委員になりたい女性が少ない」が最も多く、次いで「女性が立候補しずらい雰囲
気がある」となっています。
農業委員になりたい
女性が少ない
79.1%
女性が立候補しずらい
雰囲気がある
26.7%
男性がなるべき等の
地域の慣習がある
地域の農地の状況把握が
不足している
関係法令に関する基礎
知識が不足している
その他
19.8%
4.7%
2.3%
7.0%
【その他】
・地域や家族の理解(自営農業と家事の両立等)。
・農業に従事しているが選挙人名簿に登載されていないことがある。
・周囲の意識を変えることが必要。
・農業委員のみならず、地域で選ばれる各種役員(自冶会役員、農業委員等)
は、男性が受けるものとの慣習がある。
・農作業は男女共同参画でないと成り立たない。ますますその役割は重要とな
る。それにあわせ、農業委員会活動にも参画できるようにしていきたい。
・課題は特にない。
問7 農業漁村の男女共同参画に関する意見
・男女同等なので、特に期待を女性にかけ過ぎると、これも矛盾を生むことになると思いま
す。ただし、これからの農業を進めていくには、女性にも魅力ある農業でなければ、男女と
もに農業に参入しなくなり農業者人口が減り衰退してしまう。こういったことにならないよう
に、今後は家族経営協定に女性の思いがくみ取られる様にするなど女性の意見も取り入
れることが大切である。
・労力としての女性参画は充分なされていると思われるが、政策や事業について、女性が意
見を述べる場はまだまだ少ないと考えます。
・女性は既存の役職等に就任することは、なかなか難しいと思われる。まずは、県レベルで
女性農業者だけの組織を作り、その組織での運営を経験した上で、既存の役職や農業委
員に就任する方法を取ると女性側も役職になりやすいのではないか。
・内閣府男女共同参画局が提唱している、ポジティブ・アクションの手法の中にあるクオータ
制やゴール・アンド・タイムテーブル方式などといったものは、一次産業で働く女性に役立つ
ものと考えられないので、一人暮らしの高齢女性を第一に優遇する政策を望む。
・他の団体と比べ農業委員会における女性登用は、地域の慣習等の見地から厳しい環境に
ある。
・家庭における女性の家事・育児・介護等の家庭内の労働の負担を軽くするなどの方策が必
要であるとともに、女性の経済的地位向上を図ることにより、女性が参画しやすい環境を整
備していくことが重要であると思われる。
・家族経営協定の締結を推進することによって、個人の役割や責任が明確化され、男女それ
ぞれの能力が十分に発揮されるようになれば、農山漁村での男女共同参画社会が実現で
きるのではないか。
Ⅱ-2 調査結果(女性農業委員がいない農業委員会)
問1 女性が農業委員になることについて
「今後必要だと思う」が8割以上を占めています。
今後必要だと思う
現状維持で良い
84.2%
15.8%
問2 現在、女性農業委員がいない理由(問1で今後必要と答えた場合のみ。複数回答)
「農業委員になりたがる女性がいない」が最も多くなっています。
農業委員になりたがる女性がいない
68.8%
農業委員は男性がなるべき等の
地域の慣習がある
その他
25.0%
12.5%
【その他】
・選挙による委員は、地域の慣習があり困難である。選任の場合は、1 号委員
はなかなか推薦されてこないので、可能性を見い出すとしたら 2 号委員とな
るだろう。
この場合、当委員会の場合は推薦枠が 1 名なので、女性委員推薦を暗黙の
条件とし定数を増員することも視野に入れて検討しなければならない。
・地域・各関連団体からの推薦がない。
・立候補者の中に女性がいなかったのと、選任団体からも女性の推薦者が無
かったため。
・農業委員になる可能性がある女性というと販売農家の妻等が該当すると思
われるが、基幹的に従事しており農業委員としての時間を割くことは難しい。
また、男性がなるべきという慣習は無いが、地域の農家のほとんどは高齢の
男性が占めているという現状もある。
問3 現状維持で良い理由(問1で現状維持で良いと答えた場合のみ。複数回答)
「農業委員になりたがる女性がいない」が一番多くなっています。
農業委員になりたがる
女性がいない
50.0%
これまでどおりで問題がない
33.3%
地域の慣習があり女性が
農業委員になるのは難しい
33.3%
女性が農業委員になった場合の、
運営上の良い点がわからない
33.3%
その他
16.7%
【その他】
・当町では平成14年中に2名の女性農業委員を選任しましたが、総会等の中で意
見を述べられることはほとんどなく、3年間で任期を終えられました。家族経営に
加わっているだけでなく、自らが主体的に農業に携わり、具体的な活動事例があ
る方であれば是非お願いしたいので、まずは女性農業者を育成・サポートするこ
とを優先的に取り組みたいと考えています。
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