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旧サンピエトロ大聖堂の復元と模型製作
課題名 旧サンピエトロ大聖堂の復元と模型製作 指導教員 中西先生 研究の目的 旧サンピエトロ大聖堂は、4世紀前半にコンスタンティヌス帝の 命によって建てられた当時としては最大規模の建築物である。その 後、16世紀にさらに大きな現在のサンピエトロ大聖堂に建て替え られ、その建物はすでに失われている。この旧サンピエトロ大聖堂 を、同じロマネスク時代の教会建築を参考として復元を行い、模型 制作することを目的とした。現存しない建築物を復元し模型制作す ることによって、目に見える具体的な形で示すとともにロマネスク 時代の教会建築についても理解することができる。 研究の方法 旧サンピエトロ大聖堂は、発掘調査が行われており、その結果を もとにした復元平面図(図1)によって平面がどのようになってい る の か は 知 る こ と が で き る 。上 部 の 建 物 の お お ま か な 形 に つ い て は 、 その平面と当時の教会建築の形から推定した。細かい部分について は 、ロ マ ネ ス ク 様 式 の 建 築 物 を 参 照 し な が ら 推 測 し て 復 元 を 行 っ た 。 模 型 は 、 縮 尺 1/200 と し た 。 図1 復元平面図 旧サンピエトロ大聖堂の復元 旧サンピエトロ大聖堂は、正面の門と塔、広場、教会堂の3つの部分から構成されてい る。現存している当時の教会にはこのような構成となっているものはなかったため、それ ぞれを別々に考えて復元した。 門については中央と左右の3つの部分か らできていることが平面図からわかった。 し か し 、そ れ ぞ れ の 高 さ や 形 は 不 明 の た め 、 当時の教会堂の正面を参考にして、左右に 比べ、中央を高くするという形にした。ま た、四角く囲まれた平面の形から右側が塔 と な っ て い る と 推 定 し た 。( 写 真 1 ) 広場は平面図の柱から、広場の周りを取 り囲むようにして回廊があったと推測され る。当時の教会建築を参考にして回廊には 写真1 復元模型の正面の門と塔部分 アーチが連続し、木造の屋根があったと推 定した。屋根の傾きは一般的な傾斜と同じ で、前後で教会と門に接しているため内側 に 傾 け た 。( 写 真 2 ) 教会堂は当時の教会建築で一般的なバシ リカ形式で、天井は中央が高く、左右は一 段低くなっている。正面のデザインはロマ ネスク教会の形を参考とした。また、全体 の形は上から見ると巨大な十字架を模して い る 。( 写 真 3 ) 写真2 まとめ 復元模型広場部分 復元した旧サンピエトロ大聖堂は、写真 の 模 型 の よ う に な っ た 。( 写 真 4 ) 復元した旧サンピエトロ大聖堂は、最初 に 高 さ 6m の 巨 大 な 階 段 が あ り 、 そ の 上 に 門と塔がある。門をくぐるとアトリウムと 呼ばれる広場があり、中央には洗礼堂があ る。広場の周りには回廊があり、半円アー チが連続した列柱が広場を取り囲んでい る。教会堂の中は広い空間となっており、 天井は中央が高く、左右は一段低い。一番 写真3 復元模型の教会堂部分 奥にはアプスと呼ばれる半 円型の空間がある。窓の形 は半円アーチになっている が、ステンドグラスなどは まだなく、ただ穴が開いて いたものと考えられる。 写真4 復元模型全景 写真4 復元模型全景 参考資料 ・西洋建築様式史 (美 術 出 版 社 ) ・建築ガイド①ローマ (丸 善 株 式 会 社 ) ・世界の建築 上 (鹿 島 出 版 会 )