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照明手法とインテリアデザインを 再構成したカフェ&バー
省エネ照明デザインモデル事業 PLANNING REPORT 東京都港区 港南1-8-27 プロント 品川店 る。内装や雰囲気といった基本的なデザ インコンセプトは変えずに、照明を見直 株式会社プロントコーポレーション すことでデザイン面、省エネ面でブラッ シュアップを目指したのが今回の事業だ。 照明手法とインテリアデザインを 再構成したカフェ&バー 間接照明による反射光で、 明るく奥行きを感じさせる空間に。 社内で検討したリニューアルのためのコ ンセプトは Talk to the Light 。照明のひ とつひとつと向き合い、語り合うことで、 その役割や必要性を見極めていくという 天井からの反射光も得られるペンダントライトで、 空間全体を明るく演出。 思いが込められている。 「LED への切り 替えも、社内では4年ほど前から検討し ネ効果を得た。木村氏の意図は、 「間接照 す」 (木村氏) 。また外光が入りにくい奥 ていました。器具の不足などで時期を見 明によって内装の材質のイメージを際立 のスペースには、インテリアとしても目 計らっていたため、今回は絶好の機会で たせ、空間に奥行き感を与えること」 。 を引く大きなペンダントライトを設置。 した」 (木村氏) 。 しかしLEDはハロゲンランプに比べて一 木村氏は「テーブルでの食事風景として、 般に光束が少なく、陰影がはっきりして ペンダントライトは伝統的に用いられて いて周囲が暗く見える。間接照明で意図 いた照明です。手元までの距離を短くす 照明ひとつひとつの意味を見直し、 改めて語り合う試み テリア重視で、どちらかというと照明は 昼間は明るい日差しが入るカフェ、夜は で当初のデザインをしてくださったデザ オーセンティックな空間には、 LEDの特性が活かせる した効果を得るため「広角の光が出る ることで、照度を落とすことができてい シックなバーという二つの顔を持つプロ イナーにも賛同を得て、今回社内メンバー プロントの内装は「オークやウォール LED をずいぶんと探しました」と振り返 ます」 。ユニークな形によって天井への ント。品川店は本社が入るビルの一階に で照明を見直すことになりました」と語 ナットといった木材を壁やカウンターに る。LED のメリットについては「ハロゲ 反射光も得られるため、空間全体が明る あり、全国のモデル店舗ともなっている。 ボトル棚の照明は蛍光灯からLEDに変更し、 奥行きを演出しつつ省エネ。 使い、さらに温かみを出すためにハロゲ ンランプは高い熱を発しますし、光が重 くなった。 ンランプのダウンライトをかなり多く い感じに見える。LEDは材質の持つオー 空間における照明の役割について、木村 社プロントコーポレーションの木村修氏 使っていました」 (木村氏) 。今回は、対 センティックなイメージを忠実に引き出 氏は「空間づくりを助けてくれるものが、 は「照明は以前から、弊社が取り組むべき 象物を直接照らしていたダウンライトの してくれました」 。内装とのバランスを 空調や照明だと思う。空間はデザインだ 省エネの対象に上っていました。店舗の 数を大幅に減らし、木目の壁面への間接 考えると、適光適所で LEDを使用できた けではなく、その場の温度や見やすさな 基本デザインが出来上がった当初はイン 照明による 明るさ感 の演出と反射光に 例といえる。 ど、総合的な条件の中で居心地を判断さ 今回の事業応募の経緯について、株式会 後追いでしたが、企業姿勢を伝えること よる照度確保をメインにデザイン。調光 可能なLEDのダウンライトで昼と夜の明 るさを変えることと合わせ、大きな省エ カフェとバーの時間別に、 またバータイムも夕方と遅い時間の二段階で調光。 れるもの。内装やインテリアが外見だと あかりや空調と外見が そろってこそ、 居心地のよい空間に そういった エンジニアリングデザイン カウンター前のボトル棚の照明の変化 も含めて、いいデザインと言えるのでは も、より空間の 本物感 を際立たせるこ ないでしょうか」 。全国のフランチャイ とに成功している。ボトルを背面から照 ズ店からの見学も増えているという品川 射していた蛍光灯を外し、上にLED のダ 店。どこでも気軽に、お茶やお酒を楽し ウンライトをつけることで、かなりの灯 める店でありながら、シックで本物感の 数を削減した。 「レンガづくりの背面に ある空間を提供し続けるために、今後も できる陰影が、古き良きヨーロッパの さらに居心地よく、省エネ可能な空間を バーの雰囲気を演出していると思いま 目指していくとのことである。 電力使用量 【導入前】 6.198 【導入後】 4.177 対象物への直接光ではなく、間接照明での明るさ感によって 空間全体を明るい雰囲気に。木目やレンガなど内装の本物感も際立った。 27 省エネ照明デザインモデル事業 PLANNING REPORT kWh/h kWh/h 32.6 % 評価ポイント CO2 排出量の削減効果 【導入後】 1.750 kg-co2/h kg-co2/h 2.021 kWh/h 削減 0.847 kg-co2/h 削減 ※数値は本事業対象施設における導入前後の実 測値を比較 ※二酸化炭素排出係数は、 0.419 (kg-CO2/kWh) にて計算 昼のカフェ、夜のバーという2つの業態を持つ店舗を、調光 照明や段階的な点灯制御を多用した照明デザインにより、時 間帯による明るさの変化にも対応した空間へと演出しつつ、 できる限り省エネを目指しています。 CO2 排出量 【導入前】 2.597 すると、空調や照明は内臓といえます。 事業概要 竣 工 平成 21年2月23日 延床面積 1階 163.98㎡ 照明対象 客席全体 設 株式会社プロントコーポレーション 木村 修 計 省エネ照明デザインモデル事業 PLANNING REPORT 28