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遮熱塗料および遮熱防水の省エネ効果検証
遮熱塗料および遮熱防水の省エネ効果検証 背景と目的 70 65 省エネ法の改正により事業者単位のエネルギー管理 ⼤電⼒の低減と支出抑制対策としてのエネルギーコス 55 温度[℃] を義務化する規制が強化され、東⽇本⼤震災以降、最 導入前 60 50 導入後 45 40 35 ト削減が喫緊の課題となっています。 30 本研究では、社有建物の省エネを効果的に展開する 25 20 0 ための⼀環として、遮熱塗料および遮熱防⽔の省エネ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 時刻 導入前 外気気温 導入前 屋根表面温度②(北西側) 効果を確認しました。 導入後 外気気温 導入後 屋根表面温度②(北西側) 図 1 塗布前後の屋根表面温度 概要 50 「遮熱塗料塗布」および「遮熱防⽔の敷設」を実施し、 40 省エネ対策実施前後の建屋内の空調設備の消費電⼒量 の削減量を測定することにより効果を検証しました。 省エネ効果の検証 PAC電力量[kWh/日] 45 消費電力量(kWh/日) 今回は⽐較的新しい省エネ対策である、屋根⾯への 18%削減 35 30 25 20 15 10 (1)遮熱塗料の塗布効果検証 5 0 変電所の折版屋根に遮熱塗料を塗布し、塗布前後の 導入前補正電力量 室内空調の消費電⼒量、屋根⾯の温度変動の測定を⾏ 導入後補正電力量 図 2 塗布前後の空調消費電力量 いました。遮熱塗料塗布前は、屋根表⾯温度が 70℃ 程度まで上昇していましたが、塗布後は 45℃程度に 50 導入前 抑制されており、25℃程度の温度低下を確認しました。 45 導入後 (2)遮熱防⽔の敷設効果検証 営業所のコンクリートスラブの屋上⾯に遮熱防 ⽔を敷設し、敷設前後の直下階の室内空調の消費電 ⼒量、屋根⾯の温度変動の測定を⾏いました。遮熱 防⽔敷設前は、屋根表⾯温度が 50℃程度まで上昇 温度[℃] その結果、空調消費電⼒量は、8.5kWh/⽇(18%) の削減効果がありました(図 1、2)。 40 35 30 25 20 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 時刻 導入前 外気気温 導入前 屋上表面温度③(北西側) 導入後 外気気温 導入後 屋上表面温度③(北西側) 図 3 敷設前後の屋根表面温度変動 していますが、敷設後は 45℃程度に抑制されてお 計測期間平均 り、5℃程度の温度低下を確認しました。 70 その結果、 空調消費電⼒量は 10.1kWh/⽇ (15.2%) 遮熱塗料および遮熱防⽔の省エネ効果を確認しました。 屋根⾯の防⽔や塗装は経年劣化することから、定期的に 修繕工事が必要な箇所です。今後、工事のタイミングで費 用対効果を確認し採用を検討していくこととします。 また、同様の省エネ対策を実施した場合には、その 地域性や建物の規模等の違いによる効果量の乖離を把 握するため、データの蓄積を図っていきます。 30 研究開発レポート 2015 PAC電力量[kWh/日] むすび 15%削減 60 消費電力量(kWh/日) の削減効果がありました(図 3、4)。 50 40 30 20 10 0 導入前補正電力量 導入後補正電力量 図 4 敷設前後の空調消費電力量 担当 :土木建築部