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「生の広がり」という視点のもとで捉え返す試み(PDF:139KB)
平成24年度 新潟大学プロジェクト推進経費研究経過報告書(中間まとめ) 新潟大学長 殿 申 請 者 所 属 代表者氏名 人文社会・教育科学系 栗 原 隆 本年度、交付を受けたプロジェクト推進経費について、現時点までの研究の進行状況等を報告し ます。 プロジェクトの種目:助成研究 A プロジェクトの課題:感覚を媒介として自然や世界に連関する人間を、「生のつながり」や「生の広がり」という 視点のもとで捉え返す試み プロジェクトの代表者:人文社会・教育科学系・教授 栗原 隆 分担者 14 名 プロジェクトの成果: 8 月 9 日(木)に、総合教育研究棟 F 棟「人間学 PS」で 18 時から 19 時まで共同研究チームのミー ティングを開催、本年度の研究方向を確認して、出版社への依頼を始めることにした。 11 月 28 日(水)に研究会を総合教育研究棟 F 棟「人間学 PS」で 18 時から 19 時半まで開催、栗原 隆が「瞬間と全体――ヘーゲルを介してラオコーン問題を振り返る」を発表、共同で討議した。文 学や物語が、時間を追って出来事の流れを明らかにして展開するのに対し、彫刻や絵画は一瞬の姿 を表現するに留まるものの、それでいて、その一瞬の姿かたちに、全体が開示される思いに誘われ る機序を解明しようとした。 12 月 23 日(日)に、新潟大学東京事務所の入っている「キャンパス・イノベーションセンター」の「多 目的室 1」において、13 時 30 分~17 時 00 分の間、研究会を開催、栗原隆が「フィヒテとプラトナー」 を報告、さらに福田覚准教授(大阪大学)が「啓蒙主義時代の想像力概念――ヴォルフ、E・A・ ニコライ、ズルツァーを例として――」を発表、津田保夫准教授(大阪大学)が「プラトナーの人間 学」を発表、1770 年~1800 年ごろにかけて隆盛を誇った「生」の思想について、知見を深めること ができた。 また、別途、ナカニシヤ出版との交渉が実って、本年度の研究成果を出版することができるよう になった。12 月 17 日(月)を締め切りとして設定、以下の編集案のうち、大多数の論考の入稿を見た。 『気分と心理の根源を求めて』の内容・構成案 Ⅰ ―― 感情と心理 ―― 鈴木光太郎:感情と行動――愛しいものを左で抱く理由 井山弘幸:遠隔感応は可能か――「虫の知らせ」や「予感」 、 「予見」の成り立ち 白井 述:赤ちゃんが人を真似る時 Ⅱ ―― 感性の源泉 ―― 堀 竜一:作品の原風景と作家の原体験 福島 治:対人関係における〈好き嫌い〉と損得勘定 (注)報告書は2枚程度とする。別紙による場合も同じ。 -1- 城戸 淳:カントにおける感性と表象の成り立ち Ⅲ ―― 感覚と生のつながり ―― 杉原名穂子:経済格差と教育意識 松井克浩: 「ふるさと」の成り立ちと気持ちの繋がりをめぐって 宮﨑裕助:動物に心はあるのか、人との間に心は通い合うのか Ⅳ ―― 表象と生の広がり ―― 石田美紀:象徴としてのオートバイ 細田あや子:生命の樹と世界の卵 番場 俊:表象と感性――ドストエフスキーとホルバインをめぐって 栗原 隆:瞬間と全体――ヘーゲルを介してラオコーン問題を振り返る この書を通して、まさに本プロジェクトのかだいである、感覚を媒介として自然や世界に連関する 人間を、 「生のつながり」や「生の広がり」という視点のもとで捉え返す試みが具体化されるものと 信じる。 なお、今年度は、3 月 2 日(土)に国際シンポジウムとゼミナールを「ときめいと」で開催すること になっている。 Symposium Seminar 14:00 (Bericht) Takashi Kurihara Sonja Jamme „Das von Reinhold aufmerksam gemachte Zweifel, daß Schelling über „Identität“ von Bardili plagierte“ 15:00 ↓ (Vortrag) Christoph Jamme: „Hegel und Herder“ 16:30 (Vortrag) Manfred Frank: „Identität der Identität und der Nichtidentität “ 18:00 (Kommentator)Yoichi Kubo (Diskussion) 19:00 Ende また、3 月下旬に、栗原隆が、東北大学の座小田豊教授とともにドイツ、ケルン大学のデュージン グ教授のもとを訪れ、論考「Natur und Leben」について指導を受けてくる予定である。 プロジェクト成果の発表(論文名,発表者,発表紙等,巻・号,発表年等) (単著)番場 俊『ドストエフスキーと小説の問い』(水声社、363 頁、2012 年 12 月 10 日) (論文)栗原 隆「スピノザにおける無限性とヘーゲルにおける自己関係」 (日本ヘーゲル学会『ヘ ーゲル哲学研究』vol.18、62~76 頁、2012 年 12 月 25 日) -2-