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調査結果報告書|株式会社make act
調査結果報告書 RECONNAISSANCE REPORT ● 株式会社make act ● 一般社団法人アジア成長企業調査協会 Developing Asian Companies Research Association VISION Mission - 使命 ∼みんなが笑って暮らせる世を創る∼ Vision - 目標 ∼相互理解し合える、人や組織や街創り∼ Mission statement -企業理念 ∼自分自身が満足をし、関わる人の満足を創造する∼ 1 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 企 業 概 要/書 面 調 査 Company Profile ● 会社名(フリガナ) 株式会社make act(株式会社メイクアクト) ● 所在地 〒108 - 0074 東京都港区高輪 1 - 2 -16 フラットウェル高輪2F ● 代 表者( 肩書) 佐藤 幸憲(代表取締役 ) ● 電話番号 TEL 03 - 5792 - 5333 FA X 03 - 5792 - 5963 ● 設立年月日 ● 資本金 2008年10 月 1,000万円 ● 事業内容 不動産賃貸仲介業/不動産賃貸管理業/少額短期保険代理業/webサイトの運営と管理/ 不動産コンサルティング/不動産売買仲介業 ● 社員状況 従業員数 21名 社員平均年齢 25歳 前期退職者数 名 男女比(%) 75:25 管理職男女比(%) 75:25 ● ウェブサイト コーポレートサイト http://www.makeact.co.jp/ ● 財務状況 (年次) 2 (売上) 2013年 9月期 14,000万円 2012年 9月期 12,000万円 2011年 9月期 10,000万円 © 2014 Developing Asian Companies Research Association イン タビュー 調 査 Interview Report 3 © 2014 Developing Asian Companies Research Association ▲ はじめに 東 京・港区の高級 賃 貸物件の仲介・管理に特 化した、ユニークな不動産会 社である。現在、本社と麻布の2店舗体制 だが、2014年 4月には浜 松町に出店して、2年後までに5店舗体制とし、港区でトップに立つ計画だという。狭い地域 に出店を集中させ、シェアを拡大することで競争優位を確保することをドミナント戦略というが、不動産業界でこの戦 略を取っている会 社は珍しい。港区を“ 制覇”できれば、その成 功モデルで 他の地 域を手中に納めることも可能であ り、豊かな将来性を感じさせる。 同社のウェブサイトでは、社員全員の写真を掲載し、社員のブログも公開している。社長が起業した時には小さなマン ションの一室で、インターネットで集客をするしかなかった。サラリーマン時 代に圧倒的なトップセールスだった社長と しては、不本意な集客方法に思えるが、実は不動産を探している人の多くは、複数の不動産会社を回ることが普通で、 それはリアル店舗でもネットでも変わらない。要は、訪問してきた顧客の心をいかにして掴むかが 重要であり、ネット で検索してきた顧客を最初に安心させるためには、社員個々の顔を公開することが最も有効であるという計算が社長 にはあったのだろう。実際に、同社のサイトで社員の顔を見てから訪問してみれば、安心感だけでなく既視感に基づく 親近感まで感じるに違いない。 その日に来客があるお客様の名前が 書かれたウェルカムボードが入口に用意されていることからも、会社のホスピタ リティの高さが伺えた。 同社の最 大の特 徴は、全員参加型 経営にある。強力なリーダーシップを持つ社長にありがちなトップダウン経営とは 一線を画し、社内のあらゆることを社 員同士が 議論した上で決 定している。社 員にインタビューをすると「ディスカッ ション」という言葉が何度も登場し、社内に全員参加型経営スタイルが根付いていることを実感させられる。例えば、 有名店のサービスを体験しながら社員のコミュニケーションを深める懇親の場としての「例のやつ」、行動の前提とな る知識を得るための書 籍を購入する際にその費 用を補 助する「例の本」など、ユニークな名前を持つ福利厚生制度 も、社 員のディスカッションの中から生まれたものだ。こうした実績があるだけに、社 員の経営マインドが高まる経営 スタイルであることは間違いない。 ドミナント戦略と全員参加型経営を掛けあわせれば、出てくる答えは、社員への“暖簾分け”=分離独立だろう。社長 はインタビューを通じ、独立心溢れる社員を育てることへの情熱を語り、多くのグループ企業を作ることが目標である とも述べていた。同社のもう一つの顔は、実務を通じた起業家養成機関(学生起業家を輩出するためのセミナーを毎 週開催している)であると考えれば、分かりやすいかもしれない。 4 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ① | Interview Report ▲ インタビュー ① 「社員の満足がなければ、 お客様に満足は提供できない」というのが、 自分がサラリーマン時代に経験から 学んだことです。 代表取締役社長 佐藤 幸憲 Yukinori Sato ◆ 会社設立のきっかけ 全国展開する惣菜の製造販売会社、不動産会社などで営業を経験し、それぞれの会社で短期間のうちにトップセー ルスとなった。しかし、その過程で営業成績最優先という会社の経営スタイルに疑問を感じるようになっていっ た。そこで、自分の理想とする経営を実現するために起業を決意した。これまでにない経営を創造し、実行すると いう理念を「make act」という社名に凝縮させている。 ◆ 社員に対して 社員ではなく、同志だと思っている。思いを共有するために「CREDO」の作成も考えているが、その前に社員全員 でディスカッションすることをとても重視している。現在、社内で行われていることは、ほとんどすべて社員同士 のディスカッションの中から生まれたものといっていい。議論によって方向が変わることもしばしばあり、朝令暮 改も辞さない。 「社員の満足がなければ、お客様に満足は提供できない」というのが、自分がサラリーマン時代に経験から学んだ こと。従業員を守ることが、経営者として最大の責務だと考えている。 社員の成長スピードは、とても早いと感じる。たとえインターンであっても、きちんとした売り上げを作っている ケースがある。実際に浜松町に出店する新店舗では、現在はインターンで今年4月に入社予定の新入社員だけで運営 する予定。インターンでも仕事ができるように育成してきているので、新店舗を成功させる自信は、自分にも社員 にもある。 「肩書で仕事をするな」という考えから、部長、課長、係長などの肩書がなく、職位もあえて設けていない。上下 関係で仕事をしてほしくない。教育も上下関係ではできないと考えている。従来の教育は、上位者が下位者に教え るという仕組みであり、それが当然だったが、教育とは「共育」であるべき。相互に「教えること」と「教わるこ と」があるはずだと考えている。 3ヶ月に1回、全社員と個別に面接して、人事考課を実施している。成果に対するインセンティブはあるが、基本的 に成果は自己申告、報酬も自己申告で決定している。評価をする際に最も重視しているのは、数字上の成績ではな く、自分の課題をどのように認識して、自分の将来像をどのように描き、それを実現するためにどのようなビジョ ンを持ち、毎日、毎週、毎月、何を実行してきたのか、それらを3ヶ月ごとに私が確認することで、社員は毎日、振 り返りを実行するようになる。何よりも大切なのは、自分自身を成長させることに真剣であることだ。 5 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ① | Interview Report 「アウトプットは最強のインプット」だと考えている。まず、自分から何かを発信=アウトプットすること。そうす れば、必ずそれに対する返信=インプットがあり、自分自身を成長させ、目標を実現することにつながっていく。当 社の社員がいつも大きな声で話しているのは、自分の問題を周囲に伝え、周囲が問題を共有することで、最適なサ ポートをいつでも受けられるようにするためでもある。誰も、1人では仕事はできない。チームで仕事をするとき に、周囲からのサポートが自然に集まる人間になってほしい。 目標達成は必須ではないが、そこに向かって本気の努力は必要だと考える。努力とは、毎日の小さな積み重ね。1年 後の自分を見据えて、1日10分の努力ができているのか。1年後の目標に向かって「そのために今やるべきこと50の リスト」を作り、それを毎週一つずつクリアしていけば、目標は自ずと達成できる。「無理だ」という前に、目標達 成に向けたステップをきちんと考えて、成長してほしいと思っている。 ◆ 会社について 東京・港区の高級不動産に特化しているのは、港区内だけに限定して多店舗展開をしている不動産会社は、他にない から。現状で港区内の不動産会社の一社あたりの最大店舗数は3店舗。つまり、それを上回る店舗展開ができれば、 港区で実質ナンバーワン。港区でナンバーワンになれれば、それは東京でもナンバーワンということ。東京でナン バーワンになれば、日本でもナンバーワンになれると考えている。現在は本社と麻布の2店舗体制だが、4月に3店舗 目を浜松町に出店し、2年以内に5店舗体制にするのが当面の目標。 会社自体を巨大企業にすることは考えていない。思いを共有する同志をたくさん作り、それぞれがスピンアウトし て、多業種・多様な企業を展開できるように、支援をしていきたい。当社を上場させる計画はないが、グループ企業 をたくさん作り、その中から上場を目指す企業が生まれてもいい。将来的には、そうした仲間(グループ企業)が集 まって一つの街を作り、街を成長させていく過程で社会全体を変えていく起爆剤のような存在になりたい。 パートやアルバイトを含む全社員・全スタッフに経営理念が浸透していることで知られるZapposやディズニーが、 自分にとっての一つの成功モデル。 ◆ グローバル性 海外展開の計画は、現状ではない。場所柄的に外国人顧客も多いが、日本に居住している方々ばかりなので日本語が 堪能で、社員の外国語能力の必要性もそれほど高くはない。しかし、将来的に外国人顧客が増えていけば、外国人専 門の不動産会社を設立することも考えている。 ◆ この会社に入ろうとしている方へのアドバイス 私と同じビジョンを持ち、自ら成長しようとする人。自分を変えたいと思い、自分を変えることで周囲も変えたい と思っている人。そんな若者を、同志として迎えたい。現在は不動産業だが、明日は飲食業をやっているかもしれ ない。重要なのは、事業を支える理念。理念を実現するために努力を続けられる人が、当社では最も成長できると 思う。 6 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ② | Interview Report ▲ インタビュー ② 社員 1 年目 ◆ 入社を決めたきっかけ 就職活動中、自分自身の目標が見つからない中で、100社以上の会社の説明会に出席し、どこに行っても、夢や目 標が必要と言われ不安が募っていたが、社長と話をしている中で「目標なんて、無くてもいい。目標探しが目標で もいいじゃないか」と言われ、肩の荷が下りた思いがした。就職活動のために設定した目標が、果たして本当に自 分がやりたい目標なのか。そんな不安を抱えている自分のような人間に、社長は寄り添い、本当に自分らしい目標 を見つけることを応援してくれると感じて入社を決めた。 ◆ 社長について 「人を作ることが、自分の義務」と社長は常々言っている。相手のために良いと思うことは何度でも言い、決して諦 めない。真剣に相手のことを思っていることが伝わってくるからこそ、社長の周りには人が集まってくるのだと思 う。私自身、自分の最大の理解者は社長だと思っている。 決して上から目線ではなく、私が紹介した本をすぐに愛読書にしてしまうなど、社員から学ぶこともまったく躊躇し ない。リーダーであり、仲間にもなってくれる、そんな存在だと感じている。 ◆ 成長性 昨日決めたことが、今日変わってしまうこともある。変えることを躊躇せず、いいと思ったらすぐに実行するのが、 当社の特徴だと思う。会社全体が若々しく、アグレッシブであると感じている。自分自身の成長についても、以前は ネガティブな考えを持ってしまいがちだったが、今は自分自身にも他人に対しても「認めること」ができるようにな り、ストレスがなくなった。 ◆ 働きがい 新店舗を任されたが、運営方法も自己申告で認めてくれた。すべてを自分で決めることができた分、「分からない」 という言い訳は許されず、まず自分の力で結果を出さなければならない。それは大きなチャンスであり、必ず自分を 成長させてくれると思う。 社員全員が大きな声で話し、とても前向きなので、自分も自然に声が大きくなり、ネガティブ思考が無くなった。何 事も社員のディスカッションで決めているので、他者の存在や異なる考え方を認められるようになった。それと同時 に、ストレス耐性も強くなったと感じている。社長は「やって失敗したら、元に戻せばいいだけのこと」という考え なので、困難な仕事にも安心してチャレンジできる。 7 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ② | Interview ◆ Report 社員満足度 「事業」「教育」「企画」という3つの社内会議があり、社員はどれかの会議のメンバーになって、社内のあらゆる ことを社員が参加して決めている。それぞれの会議の代表者が集まって情報を共有するのが「シンクロアクト (SA)」で、社内のコミュニケーションはとてもいい。 異なる意見が社内で出たときには必ず議論し、徹底的に話し合った結果、決めているので、自分も決定に関与したと いう納得感がある。 企画会議は、社内のイベントを企画することが役割で、例えば「例のやつ」という、さまざまなサービスを体験的に 学びながら社員が交流するイベントも毎週開催している。 ◆ 働きやすさ 社員が相互に目を配り、助け合う雰囲気がある。大きな声で顧客対応をしていると、問題に直面したときでもすぐに 周囲が気づき、率先してサポートをしてくれる。誰かからの依頼や指示を待ったりする社員はいない。お互いにフォ ローする関係性が構築されているので、チームワークを実感できる。 残業や早出も「しなければならない」という雰囲気はまったく無く、密度の濃い仕事をしていれば定時出社・定時退 社でも問題を感じることは無い。 ◆ グローバル性 お客様には外国人もいるが、外国語の能力を要求される場面はほとんどない。社長はいつも「外国人も同じ人間だか ら」と言っていて、顧客満足を提供すれば外国語能力は二の次になると思う。 ◆ 最後に… 1年後には、人に「気付き」を与えられる人間になっていたい。期待に120%応えることで結果を残し、将来的には 社長を超える人材になりたいと考えている。 ◆ この会社に入ろうとしている方へのアドバイス インターンでも自己申告が可能で、実行まで任せてくれる会社は、とても珍しいと思う。時間は有限、可能性は無 限。自己を変革し、もっと成長したいと真剣に考えているのなら、なるべく早く決断をして、原動力やリーダーシッ プのある人に仲間になってほしい。 8 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ③ | Interview Report ▲ インタビュー ③ 社員 6 年目 ◆ 入社を決めたきっかけ 以前在籍していた不動産会社で、まだ社長がサラリーマンだった時から一緒に働いていた経験があり、社長の人柄や 考え方がよく分かっていた。社長が起業すると聞き、一緒に働きたいと思ってすぐに転職を決意した。社長には「会 社が軌道に乗るまで待ってほしい」と言われたので、まずは休みの日に仕事をお手伝いするところから始めた。た だ、やはりこちらの仕事に専念したいと思うようになり、前職をきれいに退職して入社することを認めてもらった。 ◆ 社長について 毎月1回、個人面談を行っていて、社員との心理的な距離が近く、「社長が自分のことを知っていてくれる」「社長 は必ず味方になってくれる」という安心感がある。気軽にディスカッションをすることができ、自分の思いを受け止 めてくれるだけでなく、新たな「気付き」をたくさん与えてくれる。人に考えさせたり、行動を起こさせたりする 「きっかけ作り」が上手なのだと思う。 社員と一緒に遊んだり、夢を語ったり、「まるで少年のような人」と感じることもあるが、社長自身、成長しようと 努力していることが分かる。社長の成長意欲が、社員の刺激にもなっている。 ◆ 成長性 インターンには、「先週決めたことが、もう変わっている」と言われることが多く、あらゆるものが日々変化してい ると感じる。変化の余地があるということは、まだまだ未完成の会社という証明であり、それは成長の余地が大きい ことも意味している。変化が早いから会社の成長も早くなり、変化への対応を通じて社員の成長も早くなるという好 循環になっている。社員に対しては、毎月3,000円まで書籍の購入費用を支給する「例の本」という支援制度などを 用意し、社員が自主的に成長する仕組みになっている。 ◆ 働きがい 社員が提案し、社員同志でその提案を議論し、社員に実行を任せてくれるという社風がある。私自身、以前は自分の 考えに相手がどんな反応を示すのかが気になり、発言を躊躇することがあったが、今では積極的に発言できるように なった。議論を通じて、自分の考えを会社の業務に反映できているという実感がある。 ◆ 社員満足度 どんな社内制度も、自分たちで考え、構築していかないと、生きた仕組みにはならないと思う。当社は、自分たちで 真剣に考えて決めたことに対して、社長が決して反対しないので、社内の議論がムダになることがない。 社員の声が大きいことが特徴で、誰かが発言すると全員が応じるのが、当社の社風。他人の仕事を他人事だと思って 9 © 2014 Developing Asian Companies Research Association インタビュー ③ | Interview Report いる社員はいない。何よりも、私が友人たちから「いつも楽しそうだね」とよく言われるのが、仕事が充実してい る良い証拠だと思う。 ◆ 働きやすさ 新卒採用を開始する際、社内で企業理念を徹底的にディスカッションしたことで、一気に理念に対する理解が深 まったと思う。社員が理念を理解し、共有できているので、個々の判断や行動に迷いが無くなり、チームワークも 良くなった。 社員に「役職」は無いが、「役割」はある。TPOで役割が変わり、上下関係という意識がまったく無い。社員を 名前で呼び合おうという提案も社員の間から生まれ、社長も名前で呼んでいるほど、風通しはいい。 ◆ グローバル性 しばらく予定は無いが、海外進出も、社員が提案して議論し、実行するテーマの一つ。提案→議論→実行というサ イクルが出来ているので、必要に応じたグローバル展開にも即応できると思う。 ◆ 最後に… 社長が私にしてくれたことを、今度は私が新入社員にしてあげたい。それはつまり、新入社員にとって、「役に立 つ人」になることだと思う。さらなる店舗展開にあたって、すべての店舗にmake actの理念が浸透する仕組みづく りをしていきたいと考えている。 ◆ この会社に入ろうとしている方へのアドバイス 間違いなく自分自身を成長させてくれる環境がある。社長が起業したのは、世の中に存在する理不尽な壁を壊した いと思ったから。今まで受けてきた教育や経験にとらわれず、素直で、世の中を変えたいと思っている人には、同 志と呼べる人とたくさん出会える会社だと思う。 10 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 審査員からの総 評 Commented by Inspector 会社を訪問して誰もが実感するのが、社員の声が本当に大きいということ。これには、社長の体験が影響してい る。社長がサラリーマン時代、全国展開する惣菜屋でデパートの地下店舗に配属された時、フロア中に響くほどの 誰よりも大きな声で集客し、あっという間にトップセールスになったという。不動産会社に勤務していた時には早 出をして営業社員全員の行動予定を把握し、社員が不在時に社外からの電話を受けた他の社員が戸惑っていると、 「○○さんは、□□に出かけています」と大声で知らせ、いつの間にか社員の行動予定をみんなが聞きにくるよう になったという。大きな声は、自分の存在を認知させるための大きな第一歩であり、無視できない(無視されな い)存在になれという教育の一環といえるかもしれない。 大きな声というと体育会系の会社を想像しやすいが、同社の場合、まったく違う。目標を必達することよりもそこ に向かって本気の努力をすることを重視し、仕事はチームでカバーし合い、営業会社にありがちな「個々の社員に 大きな負荷を掛けて結果を強制させる」ような雰囲気は皆無。何事も社員同士で話し合って解決するのが基本であ り、ポジティブな結論を導き出すことが暗黙の了解になっているようだ。 急成長中の企業であり、社長の存在感・影響力が大きいことは否めないが、社長自身も社員もそれが問題であるこ とを十分に自覚している。社員の中には、「社長の分身」「社長に代わる人材」になりたいと考えている人が多 く、それは個々の社員が高い経営マインドを持っていることの傍証でもある。一般的に「社長の重要な使命の一つ は、次の社長を作ること」と言われるが、社長自身が強力なナンバー2を育てようとするベンチャー企業は、実は そう多くない。ところが、同社の社長はナンバー2どころか、ナンバー1を育てたいと真剣に考えており、自分と 同じ考えを持った経営者を世の中に多数輩出したいとのこと。自立心旺盛で、人間力を磨きたいと考えている人に は、それに適した環境が用意されている会社といえそうだ。 11 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート 集計結果 Questionnaire Results 12 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ① | Questionnaire Results 対象者 入社時の情報 ▲ ▲ 男女比 男性 女性 75 % 25 % 新卒採用 中途採用 ▲ 入社してからの年数 0 20 40 60 80 100 68.8 % 12.5 % 18.8 % 0% (∼ 3 年未満) ( 3 年以上 ∼ 5 年未満) ( 5 年以上 ∼10 年未満 ) (10 年以上∼) ▲ 役職 0 20 93.8 40 60 0 % ( 一 般) 80 6.2 % ( 管 理 職) 100 % ( 役 員 ) ▲ 職種 営業系 企画/事務系 68.8 % 企画/マーケティング/広報 営業マネージャー 0 % 人事/教育/法務/総務/知財 営業事務・アシスタント 0 % 12.5 % 営業 コンサルタント 0 % 6.3 % 経理/財務/会計職種 0 % 一般事務/秘書/コールセンター関連 0 % 6.3 % 技術系 13 56.3 % 43.7 % その他 IT コンサルタント 0 % SE・プログラマ 0 % エンジニア 0 % デザイナー 6.3 % その他 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ② | Questionnaire Results 結 果 ① 社長力 5 4 ⑥ グローバル性 ② 成長性 3 2 1 ⑤ 社員満足度 ③ 働きがい ④ 働きやすさ ▲ 社長力 ▲ 成長性 ▲ 働きがい ▲ 働きやすさ ▲ 社員満足度 ▲ グローバル性 総合スコア 3.9 14 点 4.5 点 4.4 点 4.2 点 4.1 点 4.4 点 2.0 点 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ③ | Questionnaire Results ①社長力 YES! 1. オーナー経営者だと思いますか? 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2. ベンチャー企業色は強いと思いますか? 3. 社長が会社をどのようにしていくつもりなのかを理解していますか? 4. 社長のリーダーシップは強いと思いますか? 5. 社長の社内での影響力は強いですか? 6. 社長と社員との間は仲間意識が強いですか? Q 社長の社長力を感じる点や社長の良い点を教えてください ・社内全体を見れている。未来を見据えている。社員全員を信頼している。元気と勇気を与える。常に本気 ・社員への発信が強く多い ・社員全員の話を聞くところ。会社は社員全員で創るものだ、という想いをいつも社員に伝えているところ。 結果ではなく過程をみるところ。つまづいたときに一緒に考えるところ。 ・社長力は言葉の力が凄い事です!なぜか?!それは日頃から発信・受信をして実行をしているから! 社長の良いところは常に行動を起こす点です。 ・みんなを巻き込む力が強い、一瞬にして空気を変える力をもってる ・未来を見せてくれる、人として尊敬できる、ちゃんと話を聞いてくれる ・人の期待にこたえることを、自分自身で良くわかり行動に移しているところ。まさに有言実行です。 ・絶対にあきらめない点、気さくなところ、人に未来を見出してくれる、人とは違った考え方をしようとする 向上心が常にある、天狗じゃない ・常に先を見ている、日本を変えるビジョンがある ・発言一つで空気を変えることができる。少年のようにはしゃぐ時がある。ブレない軸がある。 ・過去の経験から決意が他の人と比べものにならない。常に先を考えている。明確なビジョンをみせてくれる。 ・自己効力感。実行力。 ・社長が動くと一気に空気が変わります。それにみんなが一気に乗るのもわかります。 ダメだと思う事も、できると言ってもらうと、できる気がします。 それだけ、普段から見ていてもらえている安心感があり、この人が言うならできると思える力があります。 やればできる!これを普段から言うし、体現している。こんなに有言実行している人はいません。 ・関わるか人を笑顔に変えることができる。 ・未来を見て、現在の行動を示し、導いてくれている。 ・個人を尊重しつつ全員の協力、チームワークを重視する。 15 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ④ | Questionnaire Results ②成長性 YES! 1. 事業内容や関連子会社は拡大・増加していますか? 0 1 0 2. 個人の目標設定は高く設定されていますか? 0 1 1 0 3. 会社は社員の育成に力を入れていると思いますか? 0 1 1 0 4. 会社の経営や利益は安定していると感じますか? 0 1 1 0 5. 正社員の増加率が高いと感じますか? 0 1 1 0 Q 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2 2 3 4 5 2 2 3 4 5 2 2 3 4 5 2 2 3 4 5 2 会社の成長性を感じる点を教えてください ・新店舗を新卒に任せる点。内定者がどんどんパワーアップしている。新卒採用がどんどん進化 ・店舗展開、社員増加 ・みんなが笑って暮らせる世を創る、という使命を軸にした行動を社員全員が考え、行動している。 いまやっていることすべてが使命に繋がっているのを理解し行動している会社ですので必ず成長し日本一 の企業に成長します。そして相互理解できる人や組織を創り、その輪を広めます。 ・成長性は、ビジョンがある事です!「みんなが笑って暮らせる世を創る」ここから全て始まってます。 ビジョンを見て行動してるので、成長性しか感じません! ・港区 NO.1、異業種展開と会社としての未来が明るく可能性しか感じない。 ・全員が一緒に苦しんでいるところ。苦しい状態が抜けた時、成長した!と感じます。 ・新店舗を新卒のみでやります! ・各個人のビジョンが明確になっている ・設立以来毎年増収、社員共育がしっかりしており全社員が同じ志を持っている。 ・新しい店舗が四月にできる。二年連続最優秀賞受賞 ・全社員が常に考えていること。全社員で創っている環境。 ・会社の掲げているビジョンに向けて、着実に歩んでいる点です。その為には一緒に創っていく人財が必要で、 新卒採用は年々力を入れ、欲しい人財も明確になってきています。 ・あと 2 年で、港区№1になる為の会社の動きと共に自分も成長していると感じています。 ・新卒に力を入れて、既存メンバーの意識が高くなっている。 ・目標を語れる。ビジョンが明確になっている。人員増加。店舗拡大 ・売上げは常に前年比越え。企業理念の浸透。若い社員が活躍できている 16 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ⑤ | Questionnaire Results ③働きがい YES! 1. 給与や人事評価は実力主義だと思いますか? 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2. 国際感覚が身につけられる職場環境があると思いますか? 3. 社内には自由に意見を言える雰囲気があると思いますか? 4. 社員が新しい事にチャレンジしやすいと思いますか? 5. 責任ある仕事を任せてもらえる環境だと思いますか? 6. 経営者との距離が近く、直接会話したり、アドバイスを受けられる環境ですか? Q 会社で働きがいを感じる点を教えてください ・自分を発信するコーナーがある点。高めに設定した目標を達成できた点。 元気に明るくという弊社のブランディングで相手を元気にできたとき ・自身の成長につながる目標を設定し、実行できる環境がある ・誰にでも公平にチャンスが回ってくるところ。考えを全員が聞き、それに対するディスカッションを毎朝ひとりに 対し全員で行っています。個人ではなく組織であることを認識できます。 ・働きがいを感じるときは、相手の期待に応えられた時です。その時の笑顔が最高です。 ・会社からの期待に応えることで、自分が必要とされていると感じたとき ・前職に比べて、明らかにやったことが評価され、自分の意見を言いやすい環境であることが働きがいを感じます。 ・常に変化と進化をし続ける環境なところ ・新しいことを誰でも毎日創ることができる ・隣に社長がいる。目標まで全力でできるサポートがある。先輩後輩関係なく意見が言える環境がある ・常に先行き人の考えを知れること。 ・働き甲斐がある、ないといった感覚が正直ありません。自分の期待されている事があって、 それに応えて役に立つ人間でいる事を意識しています。 私は、仕組みや環境を創る事を期待されています。0 から1を創る作業がほとんどですが、 任せてもらえている事ややりたいという事をやらせてもらえる点は、とても感謝しています。 ・会社の目標に対して、それぞれが、役割を認識し行動できているところ ・各個人それぞれに期待があり、それに応えたいと感じる ・有る程度のことは任せてもらえる。 17 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ⑥ | Questionnaire Results ④ 働きやすさ YES! 1. 働きやすい快適な環境だと思いますか? 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2. 個人の成績に直結しない部分も適切に評価されていますか? 3. 社員同士、良好な人間関係がつくりやすいと感じますか? 4. 社員の意見が職場環境に十分に反映されていると感じますか? 5. 女性社員が適切に評価され、管理職や要職に就いていますか? 6. 職場の雰囲気は元気で明るく活気にあふれていると思いますか? Q 会社で働きやすいと感じる点を教えてください ・朝から大声を出すので元気になれる。社長がなんでも気づいてくれるので不安に思うことがあると 背中を押してくれる。 ・何でも言える環境がある、意見をぶつけ合う環境がある ・みんなで創るメイクアクト。それを強く感じることができるからです。 インターンも社員も役員も代表も関係なく平等に発信・受信ができます。 ・働きやすい点は常に動きまわっている点です。社長自ら動くので、社員全体で騒いでおります。 会社と感じさせない事も働きやすい点です。 ・自分の想いや意見をはっきり伝えられること。自由が行動したことに対して、全員が承認と賞賛をしてくれること。 ・自分の言ったことややっていることが直結できているところです。 ・インターンで入った時から、なんでも意見を聞いてくれて反映していただきました。 ・みんな元気すぎる ・交流の場が設けられており公私ともに意見が言える。 ・誰に対しても話に行ける距離間。 ・何か発信したら、必ず誰かが応えてくれる。また、その輪を広げてくれる点。 たまに、盛り上がりすぎてうるさい時があります(笑) ・自分の抱えている、不安や不満も全てに、耳を傾けてくれる環境 ・意見を言える場がある ・自分で考え自分で行動できる 18 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ⑦ | Questionnaire Results ⑤ 社員満足度 YES! 1. 気持ちよく働ける、奇麗でおしゃれなオフィスだと思いますか? 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2. 会社のホームページはセンスがよいと感じますか? 3. 会社から大切にされていると感じますか? 4. 社内旅行や社内部活動など、社内交流の場がありますか? 5. 尊敬できる社員がいますか? 6. 会社に満足していますか? Q 会社に満足している点を教えてください ・人間力が身につく。自分で考えて決断していける。オンオフのスイッチがしっかりしている。 例えば、本気でやるときは本気でふざけるときは思いっきりふざける ・とにかくみんな仲がいい ・私は今まですべて自己完結をしてきた人間でした。ですがメイクアクトに入り仲間を知り、小さなことでも人に話す、 ということをできるようになりました。小さなことでも真剣に考えてくれる仲間がいるので話し、議論をし、最善の 策を創り、実行をすることで不満はなくなり満足につながります。 ・満足している点は、知識ではなく人間力を身につけている点です。人間力があれば何でもできる! 本気そう思えたのはメイクアクトだからです。 ・自分自身がメイクアクトで働けていることに満足しています。ミッション、ビジョン、企業理念 ・自分の成長を毎日実感できる点 ・理念が自分自身が満足をし、関わる人の満足を創造する自分が満足してなければ お客さんの満足も提供できないと思っています。この考えに満足しています。 ・理念が浸透していること。 ・会社に来ると元気になれる点。話す場が多い点。訓練する場が多い点。やりたい事をやらせてくれる点。 ・やらされている感がなく、自分自身で目標も設定できるところできているところを、見るようにしている ・ルーティーンワークだけでなく、色々な分野に挑戦するチャンスがあり、知識を得ることができる ・熱くなれる。 19 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 従 業 員アンケート集 計結果 ⑧ | Questionnaire Results ⑥ グ ロ ーバ ル 性 YES! 1. 社員構成や仕事の内容はインターナショナルですか? 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 2 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 3 4 5 2. 海外展開をしていますか、または直近に海外展開の計画がありますか? 3. 外国人社員の採用を行っていますかまたは直近に行う計画がありますか? 4. 外国人が働きやすい職場環境だと思いますか? 5. 外国人社員が適切に評価され、管理職や要職に就いていますか? 6. 会社の Web サイトや提供サービスは多言語化対応していますか? Q 会社がグローバル化されていると感じる点を教えて下さい ・私が大学で英語専攻だったため、終礼時に 1 日一つ不動産にまつわる単語を発表している ・グローバル化は今現在行っておりません。私たちのビジョンには必要ないわけではない。 グローバル化が進んできているから私たちもグローバル化にするという考えはまったくない。 私たちが行動しているうちにグローバル化をしている企業が近寄っていくイメージです。 ・変化と進化に対応できるところ。軸があるから今の時代の激流の流れの中でも生き残れるという自信。 ・港区に特化しているので今のところは考えてはいない。 ・現段階でグローバル化の風潮はないです。 ・今は日本を変えたい!という考えが強く、グローバル化は感じる事は無いです。 でも、そういう人財が入りやりたいと声を上げれば、背中を押してくれる会社です。 20 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 株 式 会 社 m a k e a c t( 株 式 会 社 メ イ ク ア ク ト ) 調査結果報告書 【調査期間】 2014 年 3 月 10 日 ∼ 2014 年 3 月 28 日 提供者:株式会社インフォランス 調査者:一般社団法人アジア成長企業調査協会(DACRA) 〒103-0004 東京都中央区東日本橋 2 -15 - 4 PMO 東日本橋ビル 7F 21 E-mail award @ inforance.biz Fax 03 - 5823 - 7560 © 2014 Developing Asian Companies Research Association 企業調査取扱規定 Research Provisions 1 本調査報告書は調査日現在における企業情報を基に作成されています。一般社団法人アジア成長企業 調査協会(以下当協会)の調査員による聞き取り調査(面接)と、 社員全員を対象にした無記名式アンケー ト調査の結果を総合的に判断し、当協会の定める基準で評価しています。 2 企業概要は企業より提出された書面調査書の回答内容をそのまま記載しており、登記簿にて記載されて いる事項は当協会により確認しています。 3 本調査報告書の使用者については、企業情報閲覧に関する同意を行い、且つ氏名、有効なメールアドレス を登録した者に限ります。また、本調査報告書の使用目的は、就職・転職活動における企業情報の閲覧、 取引企業による企業情報の閲覧に限定し、その他いかなる場合においても使用は出来ません。取得した 情報は、第三者に漏らすこと、回覧、配布を禁止致します。 4 調査内容は、巻末記載の調査年月における状況であり、調査内容が未来に渡って評価されるものではあり ません。 5 調査報告書の著作権は当協会に帰属します。調査報告書の複製、貸与、翻訳その他弊社の著作権を侵害 する行為は一切禁止します。 6 万一、 使用者が上記に違反して調査報告書の内容を第三者に漏らした為、 弊社に対し何らかの紛議が生じ、 もしくは使用者が弊社の著作権を侵害し、これによって弊社が損害を被ったときは、その損害は使用者 に賠償して頂きます。 7 損害 賠 償に関して使 用者と弊 社の間に訴 訟の必 要が生じたときは東 京 地 方裁判 所を管轄 裁判 所とし ます。 8 22 弊社は、調査報告書の記載内容について損害賠償の責を負いません。 © 2014 Developing Asian Companies Research Association © 2014 Developing Asian Companies Research Association ※ 本書の内容に関するお問い合わせは、お名前とご連絡先を明記の上、E-mail または Fax にてご連絡ください。 ※ 本書の一部または全部について、個人で使用するほかは、著作権者の承諾を得ずに無断で複写・複製することは禁 じられています。