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鳥取県立図書館における 課題解決サービスのとりくみ

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鳥取県立図書館における 課題解決サービスのとりくみ
沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
イベント報告
平成 23 年度沖縄県図書館協会記念講演会
鳥取県立図書館における
課題解決サービスのとりくみ
医療・健康情報サービスを中心に
野 沢 敦
皆様、こんにちは。鳥取からまいりました
野沢と申します。よろしくお願いします。
今日は早めにこちらに着いたので、隣にあ
ります那覇市立中央図書館に寄って来まし
た。入るときは良かったのですが、出るとき
にBDS(貸出手続き確認装置)がピーと鳴っ
てしまいました。鳥取県立図書館の本を持っ
ていて、向こうで磁気の処理をしたはずだっ
たのですが鳴ってしまいご迷惑をおかけしま
鳥取県立図書館
した。今までもよくそういうことがあって、
東京大学の図書館で鳴ったり、千葉県の図書
奥の方が図書館、
手前が公文書館で、
そのもっ
館で鳴ったりと、いろんなところでご迷惑を
と向こう側が県民会館という複合施設になっ
おかけしています。
ています。そして、その隣に鳥取赤十字病院
それで、今日は、鳥取県立図書館の活動の
があります。
様子をご紹介させていただきますが、必ずこ
今日の話に絡めて言いますと、そちらの病
うすればいいというわけではなく、いろいろ
院に通っている患者の方や、お勤めされてい
話をする中で、一つでも二つでも自分のとこ
る医療従事者の方、あるいは患者のご家族の
ろで、参考になるものを持ち帰っていただく
方なども図書館の利用者としてよく来られて
ことができればいいのかなと思っています。
います。現在の図書館ができてから 20 年経
今日お配りした資料の原稿で、スライドの順
つのですが、開館当時は病院に入院しておら
番を変えたり、追加したようなところが一つ
れる方が入院着のまま来館される姿も見かけ
か二つありますので、そこはご了解いただけ
たのですが、最近はさすがにそういう方はお
ればと思います。
られません。
それでは早速、鳥取県立図書館のお話をさ
それでは、本題の話に入りますが、まず鳥
せていただきます。
取県立図書館の概要ということで、
蔵書数は、
遠くから見た写真で分かりづらいのですけ
約 95 万冊あります。その中で医学関係の本
ど、これが鳥取県立図書館になります。
というのが、大雑把な数ですけれども約 3 万
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
冊弱ぐらいあります。
ことで、患者が医者から色々と説明を受け、
昨年度の利用状況は、個人貸出の数が約
それに納得した上で治療を進めるというよう
36 万冊で、市町村図書館向けが約 38,000 冊、
なことがいまの医療の世界の流れになってい
高等学校向けが約 21,000 冊あり、あと入館
ます。
者数が約 32 万人、レファレンスが約 9,300
実際にそうするためには、患者自身もそれ
件ということになります。これらの数字は、
なりの医療の知識がないとインフォームド・
必ずしも他の図書館に比べて多いというわけ
コンセントを受けたり、あるいはセカンドオ
ではないと思います。
ピニオンをしようと思ってもできないわけ
今日お話する健康情報サービスについて、
で、そのために患者自身が医療関係の情報を
どこから話が始まったかということですが、
入手して評価したり判断する力が必要になっ
「鳥取県立図書館の目指す図書館像」という
ているということになります。
のを平成 17 年度に次のように作りました。
それで、これは資料としてはお配りしてな
1 人づくりを支える図書館
いのですが、厚生労働省のホームページの中
2 鳥取県の情報拠点としての図書館
に「受療行動調査」という 3 年ごとに行って
3 仕事とくらしに役立つ図書館
いる調査があり、最新版は平成 20 年の調査
4 鳥取県の地域文化を大切にする図書館
なのですが、この中で病院を選択する際に必
5 図書館のための図書館
要とした情報や入手できた情報はどうでした
6 県民サービスを創造する図書館
かというような質問があります。どういう結
この中で6つの柱を出していますが、そ
果が出てきたかといえば、病院の選択では情
の 3 番目に仕事と暮らしに役立つ図書館とい
報が必要であったという回答をした患者のう
うことで、健康情報サービスやビジネス支援
ちの実際に情報が入手できたと回答したの
サービスなどを挙げています。これに基づい
は、患者の中の2割以下という数字になって
て今のサービスを行っているということにな
います。入院患者と外来患者では少し数字が
ります。
違うのですが、いずれも情報を入手したいと
今年度はどのようにやっているかといいま
思ったけれども、実際に入手できた人は少な
すと、予算で位置付けられているのは「暮ら
かったという結果になっています。
しに役立つ図書館推進事業」という部門に
それから、どこでその情報を入手したかと
なっています。その中で「地域活性化・ビジ
いうことの選択肢がいくつかあげてあり、病
ネス支援」「医療・健康情報サービス」「法情
院の相談窓口、家族・友人・知人、あるいは
報提供サービス(くらしの安心安全・困りご
刊行物やラジオ・テレビなどですが、この中
と解決支援)」「子育て支援」と、この 4 つを
に図書館という選択肢はないわけです。その
柱にしてサービスを行っています。
ため、図書館で情報入手した数もわかりませ
それでは、なぜ図書館でこういう医療情報
ん。これについてどう考えるかということで
の提供をするのかということですが、何年も
すが、結局、厚生労働省も含めて一般の人に
前から言われていることでインフォームド・
とっても、健康情報を知りたいと思ったとき
コンセントとか、セカンドオピニオンという
に図書館で調べようかという認識自体がもと
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
もとないのではないかと思います。
いと思います。
あともう一つは日本経済新聞社が医療と健
それで鳥取県立の場合ですと、平成 18 年
康に関する意識調査というのを平成 21 年に
度から具体的な取り組みとして始めました。
行っているのですが、その中で病気の治療法
最初に行ったことは、予算要求して医学関
などに関する情報の入手先として、家族・知
係の雑誌を新規購入(7 誌)しました。それ
人が 60%、インターネットが 60%、かかり
から館内に各課・係を横断するワーキンググ
つけ医が 47%という数字があります。身近
ループのような委員会を作り力を入れてサー
なところで情報を得ていて、ここでも図書館
ビスをしていこうという体制をとりました。
でというようなことは意識としてあまりない
まず職員が健康情報サービスについて理解す
ことが言えます。
るということで 6 月に「県民のための健康情
そこで図書館での健康情報サービスとは、
報サービス」の館内職員研修を行いました。
ということになるのですが、本で健康情報を
講師には、その当時全国に先駆けてサービス
得ようとするときに、沖縄の場合はどうかわ
を始められていた、東京都立中央図書館の中
からないのですが、鳥取なんかの場合ですと
山康子氏に「公共図書館による健康情報提供
まず大きな書店がありません。ですから、普
のために」と題して、また、闘病記文庫の取
通の書店に行っても健康や医学関係の本とい
り組みを積極的にされていた健康情報棚プロ
うのはあまりないということになります。本
ジェクト代表の石井保志氏に「さまざまな医
を探そうと思ってもなかなか手に入れること
療情報資源の特徴」と「闘病記文庫の紹介」
ができないという現実があります。
と題してお話していただきました。
では、そういう医学や健康情報をどこで調
そして目に見える形でまず行ったのが「闘
べればいいかということになると、鳥取県の
病記文庫」のコーナーの開設で、健康情報棚
ような所では実は図書館しかないということ
プロジェクトに協力していただき平成 18 年
になるのですが、まだ県民の皆さんに浸透し
7 月 7 日にオープンしました。
てないように思います。
こういうサービスを行うにあたって、図書
館には以前から医学関係の本はあったわけ
で、あらためて健康情報サービスをしますと
言わなくても、これまでもやっていたのでは
ないかという考え方もあるかと思います。実
際、始めた頃はそういう話も聞きましたが、
これは、意識的に取り組むかどうかの考え方
になると思います。ただ単に医学関係の本を
闘病記文庫
置いているというだけではなく、もっと積極
的に利用者の方に情報を提供していこうとい
うことで「医療・健康情報サービス」に取り
いま約 1,300 冊の闘病記があり、一日平均
組んでいるというふうに理解していただきた
5 冊(H23.4.1 現在)の貸出があります。最
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
初のころは一日平均 10 冊は出ていたのです
付けで、元々医学関係の本があったところの
が、新しい本をあまり入れてこなかったので、
すぐ横に闘病記文庫の棚を作ったのですが、
いま一日平均 5 冊の貸出ということになって
その近くの柱に掲示板を作り、主に新聞の切
います。
り抜き、チラシ、ポスターなどを貼っていま
今日お配りしたリーフレットのコピーがあ
す。新聞には、新しい治療法や制度のことが
りますけれども、ここに漫画があるのですが、
出ていたりするので、ホットな情報を掲示す
「闘病記で生きる力を!」ということで、
るようにしています。
実在の利用者がモデルになっています。この
方は今も図書館を利用していただいて、最近
はよく山登りの本を借りていかれます。
健康情報掲示板
パンフレット棚もその近くに置き、パンフ
レット、チラシ、がん相談室の案内、調べ方
案内などの持ち帰りできる資料、地域の情報
などを置いています。
「健康情報サービス」のご案内(部分)
これらの闘病記の本はすべてを新しく買っ
て集めたというわけではなく、ノンフィク
ションのところにあったり、医学のところに
あったりと、バラバラに置いていたものを 1
カ所に集めて、まとめて見える形にしたのが
この「闘病記文庫」の特徴ということになり
ます。
市町村図書館の中には、「闘病記文庫」を
作って、それで終わりというところもなくは
ないのですが、あくまでこれは健康情報サー
ビスの中の一つのサービスにすぎないという
ふうに考えていただけたらと思います。
当館では「健康情報コーナー」という位置
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パンフレット棚
沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
また患者会に寄贈依頼を出して、会報誌や
いいのでしょうかと訊かれて、その方法はま
入会案内などを送っていただき、まとめて置
ずいので別の医者に行った方がいいですよ、
いているコーナーも作っています。
なんていうことを図書館員が答えたら、当然
それから、健康情報の棚の一角に「医学健
それはまずいのですが、図書館としては、そ
康関係資料を利用する上での留意事項」を表
の病気のことについてはこの本に載っていま
示しています。
すよ、という情報提供の範囲内ではレファレ
(1)
特定の治療法、薬を薦めるものではあ
ンスの回答としてできると思います。
病気や、
関連の本を、できれば複数提示して、その本
りません。
(2)
特定の病院、医師を薦めるものではあ
をどう解釈するかというのは、利用者に判断
してもらうというスタンスでレファレンスを
りません。
(3)
病気に関する知識(情報)はどんどん
行っています。
かわっています。これが知識の全てでは
ただ、そのときに気をつけていることは医
ありません。
学情報は日々進歩しているので、古い本の場
(4)
利用者の求める知識(情報)と完全に
合その本が間違った情報になっていることも
一致するものが得られるとは、限りませ
あります。当館の場合ですと、最近5年間ぐ
ん。
らいの本を開架にし、それより古い本は閉架
(5)
図書館員は、医学の専門家ではありま
にしています。実際にはスペース的にもそれ
せんので、病気の診断や治療について判
ぐらいしか置けないということもあります。
断を必要とする問題には回答できませ
いまはパソコン端末で検索ができるので、自
ん。
分で調べて閉架の本でも見せて下さいという
方もたくさんおられます。そういうときには
なるべく「これは古いですけど本当によろし
いですか」と一言付け加えてお渡ししていま
す。
選書についてはどのように考えているかと
いうと、健康情報サービスを始める前は基本
的には、家庭の医学のような一般向けのわり
と分かりやすい医学関係の本を購入していま
した。ところが、自分の病気についていろい
ろ悩んでおられる患者さんというのはかなり
勉強されている方もおられて、もう少し専門
留意事項の掲示
的な本も読みたいという需要も結構ありま
レファレンスの範囲として、図書館では医
す。
学情報や法律関係などには答えられないとさ
そこで、公共図書館としてどういう資料を
れたことがありました。例えばこの病気につ
提供できるだろうかということで、医学図書
いて知りたいのですがこんな治療法で本当に
館の関係者にもいろいろアドバイスをいただ
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
きました。一つは看護師やコメディカル向け
学看護関係と薬学だけなのですけど『JDr
の本、もう一つは医学生向けのテキストシ
eamⅡ』はその他の自然科学関係も調べら
リーズで、内容的には専門的ですが、一般の
れるので、幅広く利用できた方がいいだろう
利用者にも分かりやすく書かれているという
ということで変更しました。
ことで、そういう本も購入するようになりま
その他に、闘病記や、がんなどに関する
した。
フォーラム、シンポジウム、講演会の開催を
ほかに鳥取県立図書館でやったこととしま
年一回行っており、昨年度は回想法について
しては、外部の方にも入ってもらって「県民
の講演会を行いました。
のための健康情報サービス委員会」を作りま
必要なときに必要な情報をということにつ
した。外部委員は、患者会(2 名)、鳥取県
いてですが、利用者が健康情報を調べる場合
医師会、鳥取県看護協会、鳥取大学医学図書
に、病気のことについてはなかなか相談しに
館、鳥取県立中央病院、鳥取県健康政策課、
くいということがあります。図書館の相談カ
鳥取県医療政策課の方にメンバーになっても
ウンターで訊いて下さいと言っても、言いづ
らい、年に2~3回、いろいろなアドバイス
らいということがありますので、利用者が自
をもらうというような会を行いました。
ら探せる環境づくりというのが必要ではない
実はこれは平成 18 年度に始まり 22 年度で
かと考えています。そこで調べ方案内、パス
終わりました。健康情報サービスだけではな
ファインダーとも言いますけれども、来館さ
くて、ビジネス支援サービスとか、法情報の
れた方用の紙の形のもの、あるいはインター
サービスも同じような委員会を作って外部の
ネット上で調べられるように充実していく必
方の意見を聞くという形でやってきました。
要があると考えています。
この委員会でいろいろアドバイスをもらうと
もう一つは、来館できない方へは、信頼で
いうこともあるのですが、一番大きいのは、
きるサイトを発信していく必要があると考え
こういう会をすることで人の繋がりができた
ています。時間がなくてまだできてない部分
ことです。委員会のときでなくても何か困っ
がありますが、リンク集を作ったりもしてい
たことがあったら訊くことができる、そうい
ます。あとで時間があれば、鳥取県立図書館
う点で言えば5年間で人の繋がりができたの
のホームページを見ていただこうと思ってい
で、もう委員会はいいだろうということで、
ます。
昨年度でこの委員会は終わりになりました。
また、
外部機関とのタイアップ事業ですが、
次に専門雑誌(医学関係雑誌を新規に7誌)
これもビジネス支援や法情報のサービスと共
を購入したり、データベースは入れた方がい
通するのですが、図書館単独でしようと思っ
いだろうというアドバイスがあったので、最
ても、できない部分というのはたくさんあり
初は『医学中央雑誌WEB』というのを入れ
ますので、連携することによって色々なこと
て利用し、途中から『JDreamⅡ』(科
をやってきています。
学技術や医学・薬学関係の国内外文献情報を
例えば「健康情報まるごと講座」(平成 17
検索できるデータベース)に変えました。な
年と 18 年)を県の健康対策課が行うという
ぜかと言うと、
『医学中央雑誌WEB』は医
ときに、例年なら会場をどこかの会館のホー
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
ルとか会議室でやっていたのですが、図書館
ネルを作っていますので、そういうのを借り
の研修室でやってみてはどうでしょうかとい
て図書館で展示したりしています。図書館で
う話になりその講座を行いました。
自前でパネルを作るのは大変ですが、既にあ
そのときに、ただ単に会場を貸すのではな
るところから借りて展示するだけでいいので
く、図書館も当日の発表テーマに関する図書
図書館も楽ですし、福祉保健局や農政事務所
リストの配布と関連図書の展示コーナーを設
にとってもいろんな人に見てもらえるのでメ
けて、借りたい本があったらすぐ借りられま
リットがあるということになります。
すよというような図書館のPRも同時に行い
ました。
当館のテーマ展示(関連機関とタイアップ)
それから「健康チャレンジフェア」や「が
タイアップ事業での関連図書の展示貸出
んフォーラム」など、毎年大きな規模でやっ
この講座は 2 年間で終わったので、その次
ている催しに出掛けて行き出前図書館を行っ
の年からは、鳥取県医師会で毎月行われてい
ています。
る健康講座と連携して行っています。この講
これは最初にお話したように図書館の資料
座は会場が図書館ではなく鳥取県医師会館で
がなかなか県民に知られてないということが
行っています。この場合は出前図書館という
ありますので、こうして出掛けて行き、図書
形でテーマに合わせた本を持っていき、その
館にもこういう本があるんですよということ
場で貸し出しも行うという形をとっていま
をいろんな人に知ってもらうという意味で
す。
やっています。
そして、この講座の最後に、5分間ぐらい
ですが、図書館にもこんな本があるので利用
して下さいというような形で図書館のPRを
させてもらっています。
あと企画展示ということで、タイアップで
パネル展示などをすることもあります。例え
ば福祉保健局では“うつ”とか“自殺”など
のパネル、農政事務所は“食育”に関するパ
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出前図書館
沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
また、図書館で相談会も行っていて、昨年
ですが、そのときに感じたことは、例えば保
度からは「心の健康と暮らしの法律相談」と
健の授業で課題について図書館で調べてレ
いうのをしています。例えば多重債務で借金
ポートをまとめるというのがあったのです
を抱え、それがもとでうつになって自殺して
が、そういう場合にただ単に調べるのではな
しまう方もおられるんですけれども、このよ
く、調べ方についての講義をしたりとか、パ
うに心の健康に関することと経済的な問題が
スファインダー的なものを作ったりするとい
リンクしていることもあります。こういう両
うことで、もう少し深く授業とリンクしたよ
方の問題について同時に相談できる相談会
うな形で図書館が授業に関わっていけるので
を、県の健康政策課で行っています。一昨
はないかと思います。
年まではハローワークでしていたのですが、
高等学校では「情報」という授業があるの
せっかくそういう相談会をやっても、一日の
ですが実際にそこでやっているのがワードや
相談者が一人や二人だったということです。
エクセルの使い方、そういうレベルのことを
昨年から会場を図書館にして、多い時は一日
やっていて、本当に情報収集というような形
20 件ぐらい相談者がありました。
での授業が行われてないということがありま
次に県立看護学校等への出前講座について
す。大学に入ってからレポートを書いたり、
ですが、多くは看護師さんが授業を受け持っ
あるいは社会人になって仕事をする上で、情
ているのですが、情報検索の方法などについ
報収集のスキルを身につけるということは大
ては分からないということで依頼があり、そ
事なことだと思うので、そういうのを学校図
こに図書館の職員が出掛けていき情報検索や
書館のレベルでやるということは、必要なこ
図書館利用の講座を行ったりしています。
とではないかと個人的に思っています。
今日は学校図書館の方もおられるかと思い
話が逸れましたが、他の機関との連携など
ますが、健康情報サービスなどは公共図書館
については、学校図書館でも参考になるので
の話で学校図書館はあまり関係ないとお考え
はないかと思います。
になるかと思います。個別の具体的なことに
当館では、鳥取大学の医学図書館とも連携
ついてはそうかと思うのですが、大枠の部分
しており、隔年で、当館の職員と医学図書館
については学校でも参考になる部分があるの
職員とが入れ替わりで、3日間相互に研修を
ではと思います。先程の展示の話では、学校
行うということもやっています。
の場合ですと消費生活センターが作ってい
ここまで様々な活動状況をご紹介してきた
る「携帯電話の利用」に関するパネルなどが
のですが、それでは職員の研修はどうしてい
あるのでそういうのを学校の生徒を対象に展
るかということですが、これも実はタイアッ
示すると、結構意味があると思います。資料
プで行っていることがあります。一つは鳥取
を自前で作るのは大変ですが、消費生活セン
大学医学図書館が、
「地域の図書館レベルアッ
ターから借りてくれば、手間もかからず先生
プ貢献事業」ということで医療・健康情報
からも評価してもらえるような展示ができる
についての図書館向け講座を平成 18 年度か
のではないかと思います。
ら 21 年度に行っていました。予算はすべて
私も高等学校の図書館にいたことがあるの
医学図書館の方から出るのですが、県立図書
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
館としては、どのような講師を招くかという
などで論文を取り寄せてほしいというような
ようなところで連携して事業を行ってきまし
利用がたくさんあります。データベースを使
た。
える環境にある看護師さんも多いのですが、
それからもう一つは、一昨年度、日本医学
使い方がよく分からないという方も結構おら
図書館協会との連携で、「図書館における医
れるので、そういう方に対しての情報検索の
療・健康情報サービス提供のためのスキル
講習会を考えています。
アップ講座」というのを行いました。どこの
また、看護協会が認定看護師のための講座を
県にも職員の研修用の施設があると思います
やっているのですが、その中の1コマで図書
が、鳥取県の場合ですと職員人材開発セン
館の利用や情報検索についての講義を 7 月
ターというのがあり、そこから経費を出して
15 日に行うことになっています。それから
いただき、講座の内容と講師の選定は日本医
7 月 17 日には一般利用者向けに、病院や薬、
学図書館協会にお願いをしました。
病気などについてインターネットを使った調
当館の健康情報サービスを始めるにあたっ
べ方の研修会を図書館で行う予定です。
ては、いくつかの図書館に視察に行きました。
ここまでは鳥取県立図書館の話をしてきた
東京都立とか、横浜市立、東京女子医大病院
のですが、それでは鳥取県内の公共図書館は
「からだ情報館」、東邦大学医療センター大森
どうかということですが、闘病記文庫のよう
病院「からだの図書室」、静岡がんセンター
に健康情報のコーナーを作っているところ
患者図書館(あすなろ図書館)、東邦大学医
が、現在 10 カ所あります。市町村合併もあ
学メディアセンターなどです。皆さんも国会
り鳥取県には現在 19 市町村しかないのです
図書館や日図協の研修会などに行かれること
が、そのうちの 10 カ所ということで、過半
があるかと思いますので、東京方面に行かれ
数の市町村でサービスを行っているというこ
た時には、これらの図書館を視察に行かれた
とになります。
ら参考になるのではないかと思います。
○南部町立図書館 (H18 年 8 月設置)
先程「闘病記コーナー」の紹介をしました
○倉吉市立図書館 (H18 年 9 月設置)
が、5 年経ったということで今年リニューア
○日野町図書館 (H19 年 2 月設置)
ルをします。これまで医学関係の書架の一面
○米子市立図書館 (H19 年 3 月設置)
を「闘病記文庫」にしていたのですが、窓際
○大山町立図書館 (H20 年 1 月設置)
に新しく書架を設置し周りから区切られた
○琴浦町図書館 (H20 年 10 月設置)
「闘病記コーナー」を作る準備を進めており、
○町立みささ図書館(H20 年 11 月設置)
実は明後日テープカットをしてオープンする
○伯耆町立溝口図書館(H20 年 12 月設置)
ということになっています。
○鳥取市立中央図書館(H21 年 9 月設置)
それから、今後の予定として、調べ方案内
○北栄町図書館 (H22 年 8 月設置)
(パスファインダー)などの充実を図ること
と、専門家向けへのサービスの充実を図りた
まず、鳥取市立中央図書館ですが、特徴と
いと思っています。
しては
「医療・健康情報コーナー」
のほかに
「い
当館は看護師さんの利用が多く、看護研究
のちの絵本コーナー」を作っていまして、命
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
に関係するような絵本だけを集めたコーナー
一緒に並べるというようなことを行っていま
があります。
す。探す方にとっては、結構使いやすいので
はないかと思います。ただ、県立図書館みた
いに大量の蔵書があるところだと、いまさら
こういうことはできませんが、逆に小さな図
書館だと可能なのではないかと思います。
鳥取市立中央図書館
米子市立図書館
これは倉吉市立図書館で、ホームページか
ら病名ごとの闘病記が検索できます。
鳥取市立中央図書館
次が米子市立図書館ですが、こちらの特徴
は医学書と闘病記を混ぜて一緒にし、病名別
に並べているということです。これはどうい
うことかと言いますと、いま県立図書館で実
際にやっていて思うことは、本を並べるうえ
倉吉市立図書館
でNDC分類というのがありますが、そのと
おりに本を並べていても利用者サイドからす
それから日野町図書館ですけれども、これ
ると探しにくいところがあります。
もさっきの米子と同じような形で、医学書を
例えば、がんのことを調べようと思っても
NDC分類ではなくて、病名ごとで分けて探
数か所の分類に分かれていたりするので、N
せるようになっています。
DC分類の順番だけで並べていても実は探し
にくいということがあります。そこで米子市
立図書館では、NDCではなく病名ごとに分
けて、その中に医学関係の本と闘病記の本も
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
それからもう一つは同じ南部町立図書館で
すが、児童向けの健康情報コーナーを作って
いまして、ここに「心、体、食を考えるコー
ナー」や「心の健康を考えるコーナー」のよ
うな形で、児童版の健康情報コーナーを作っ
ています。それと「育児書のコーナー」とい
うのを別に作っています。
日野町図書館
南部町立図書館ですけれども、ここは闘病
記文庫を作っているだけではなくて、新聞の
切り抜きなどを病名別にファイルにしておい
ています。
南部町立図書館
こちらは大山町立図書館というところで、
「闘病記文庫」という形で作っています。
南部町立図書館
大山町立図書館
これは琴浦町図書館ですけれども「闘病記
文庫」
ということでコーナーを作っています。
南部町立図書館
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
琴浦町図書館
子育て支援コーナー
とりあえず「医療・健康情報」については
この辺りで終わり、別な活動、子育て支援サー
実は、午前中時間があったので本屋さんに
ビスにも少し触れたいと思います。
寄りブラブラ歩いていたら、子育てに関する
鳥取県立図書館は昨年から館内の職員で子
本のコーナーがありました。そこを見たら、
育て支援委員会を作りサービスを行っていま
妊娠・出産の本、名付けの本、離乳食の本、
す。この委員会のメンバーは、実際にいま小
しつけの本がひとつのところに置いてあって
さい子どもがいる子育て中の職員が中心に
同じ考え方なのだなと思いました。関連する
なっています。
本をまとめれば利用する方は探しやすいのだ
具体的にどのようなことをやっているかと
ろうなと思います。
言いますと、まず「子育て支援コーナー」を
それからチラシ・パンフレット類はコー
作りました。先程の闘病記文庫もバラバラに
ナーの左側に棚を買ってもらい置いていま
配架されているのを一つにまとめたのです
す。
が、これも同じく子育てに関することとして、
また、展示スペースをつくり時々のテーマに
妊娠・出産に関すること、命名、育児、子ど
よって展示を行っています。
もの病気やけが、離乳食、幼児の食事、しつ
写真に写っている向こう側が児童図書室に
け、親子関係など、NDC分類ではバラバラ
なるのですが、隣というよりはほとんど一角
になるものをまとめて、見やすくしたという
みたいな感じになっています。親子連れで来
のがひとつの特徴になるのではないかと思い
館し、子どもに絵本を読ませている間にお母
ます。
さんが育児の本を探したりというような使い
方をされている方も結構いるということを担
当の者が言っていました。
また、
子どもの病気に関する本をまとめて、
先程の写真の逆の方に、こういう形で子育て
に関する本というのを置いています。
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
作ったコーナーなのですが、派遣切りが話題
になり、仕事がなくなって困っている人がた
くさん出てきたときですが、そういう人のた
めに何かできないかということでできたコー
ナーです。それでどういう資料をここに置い
ているかと言うと、資格取得や仕事の案内な
どは当然置いているのですが、それだけでは
なくてパワハラやセクハラに関するもののほ
か、メンタル的なものも置いています。職場
のパワハラが原因でうつになったということ
もありますのでそれらを相談できる資料や、
障害者雇用なども含めて幅広く本を集めてい
子育て支援コーナー
ます。
あとはホームページでも「子育てを楽しん
仕事がなくなってから再就職するためにと
で」というコーナーを作って情報提供をして
いうことで作ったコーナーですので、就職情
います。その中でリンク集を作り実際に開け
報や職業訓練などのチラシ類も置いていま
てみますと、こんなときどうするみたいなこ
す。例えばハローワークや就労を希望してい
とや、妊娠・産後、医療費、救急、障害児、
る方のための講座のチラシなどですが、こち
保育所・幼稚園のことなど様々なテーマがあ
らに並べて自由に取ってもらうようにしてい
るんですけれども、それについての相談先や
ます。
参考にできるサイトを紹介するというふうに
作っています。もし、興味があればあとで見
てもらったらと思います。
今日お配りした「鳥取県立図書館で子育て
を!~子どもと幸せにくらす~」という資料
がありますけれども、この裏に書いてある「図
書館で子育てを!」というのは、県立図書館
で出しているメールマガジンに出した記事を
働く気持ち応援コーナー
そのまま載せてあります。簡潔にまとめて書
いてありますので、こちらを見ていただきま
したら、どういうことをしているかというの
が大体わかっていただけるのではないかと思
います。
別のコーナーについてのお話もしたいと思
います。まず一つは「働く気持ち応援コー
ナー」というのがあります。これは 2 年前に
− 82 −
働く気持ち応援コーナー
沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
それから、「ビジネスヒント調査コーナー」
いています。一日遅れで来るのですが、被災
ということで、ビジネスに役立つ様々な資料、
地から避難してきている方もおられて、いず
特に業界情報や統計情報などを集めて置いて
れ向こうに戻る場合に就職の情報ですとか、
います。一冊何万円もする本も結構あります
現地の状況を得るには一番いいという話があ
がよく使われているコーナーです。左の方が
りました。また、ローカル紙で地元の情報を
同じビジネスヒント調査でも色々な業界・団
見ることで、メンタル的にも気が休まるので
体に寄贈依頼していただいた雑誌類などを置
はということもあってこういうのを置いてい
いています。
ます。
それからもう一つは、この横のところに、
各被災地の市町村広報誌があります。いまは
インターネット上で、そういう広報誌もアッ
プされておりますので、ダウンロードの許可
を得てダウンロードしたものをファイルに綴
り置いています。これも現地の情報を知るた
めには、役に立つ資料ではないかと思ってい
ます。
それではまだ時間がありますので、途中に
ビジネスヒント調査コーナー
少しお話ししました鳥取県立図書館のホーム
あと最近の大きな出来事として、東日本大
ページをご紹介したいと思います。トップ
震災がありましたが、地震があってすぐにこ
ページには、今日お話した『くらしや仕事の
ういうコーナーを作りました。
支援情報』とまとめて、
「働く気持ち応援し
ます」
「困りごと支援」
「ビジネス支援」
「医療・
健康情報」
「子育てを楽しんで「図書館で利
用可能なデータベース」と置いてあります。
たとえば「医療・健康情報」についてのリ
ンク集では、病院を調べるには県内ならどう
いうサイトがあるか、全国の病院を調べるな
ら、どういうサイトがあるかとか、相談窓口
としては、主にがんが多いのですが、そうい
う窓口の紹介や病気や治療法を調べるという
ことができます。また、知っていたら便利な
東日本大震災関連コーナー
のが『メルクマニュアル医学情報家庭版』で
一つ特徴的なものとしては、左のところに
本としてもあるのですが、家庭の医学的なも
新聞がありますが、これは宮城県、岩手県、
のをちょっと詳しくしたようなものでネット
福島県のローカル紙 . です。それを直接、向
に無料で公開されています。こういうのも図
こうの新聞社に頼んで、郵送していただき置
書館へは行けないけど病気のことを調べた
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
い、というときに役に立つサイトになりま
しにくいもので、多重債務や離婚、いじめ、
す。薬についても聞かれることが多いのです
パワハラ、セクハラなどがあります。入口の
が、副作用などを知りたいのなら、商品名や
前に置いているのですが、結構取られていま
記号のようなものからも調べることができる
す。
など、インターネットでほとんど調べられま
それから無料相談会の情報では、法律相談
す。
などについて、どういうような相談会がある
また、患者会の情報もリンク集として調べ
か情報を載せています。
られるように作ってあります。
先ほどご紹介しました「働く気持ち応援
そしてもう一つは調べ方案内ですが、デー
コーナー」ですけれども、ホームページでは
タとしては作ってありますが、まだアップし
各テーマごとにどのような本があるか見るこ
てないものがたくさんあるので、この部分を
とができます。よく利用されるのは履歴書の
今後充実していかなければいけないと思って
書き方や面接について、資格取得や仕事の始
います。
め方などです。また、メンタル関係の本、セ
「闘病記文庫」については、病名から闘病
カンドライフ的な本も置いています。
記の関連本が探せるようなページを作ってい
最後に、鳥取県立図書館の状況について、
ます。
もう少し詳しく知りたいという方がありまし
また、「困りごと支援」の方を紹介しますと、
たら「図書館員向け情報」というのがありま
困りごと解決支援の中では年金問題、多重債
す。この中の「相互協力」という中に鳥取県
務というような形で、色々なテーマのものを
立図書館の「要覧」が見えるようになってい
作っています。年金問題のことについて知り
て、統計や事業内容なども見ることができま
たいというときに、どういうサイトを見れば
すので参考にしていただけたらと思います。
参考に(これはほとんど日本年金機構になっ
時間になりましたので、これで終わりにし
てしまうのですが)なるのか、また多重債務
たいと思います。
どうも有難うございました。
でしたらそれについて全般的に調べられると
ころとか、相談窓口はどういうところがある
<休憩の後、質疑応答>
かなどを調べられるようになっています。
○質問:フロアーから
ここで一つご紹介したいのが「法情報検索
今日は貴重なお話を有難うございました。
マップ」です。B4両面印刷で二つ折りにし
鳥取県立図書館の目指す図書館像というとこ
た形のものですが、例えば多重債務について、
ろから始まり「闘病記文庫」が市町村に広
一般的な本としてこういうのがありますよと
まっていくというようなお話だったと思いま
いう紹介をして、相談窓口はどういうところ
す。闘病記文庫を作った翌月から市町村に広
があるかということを書いています。あと図
まり、当初6件だったのが10件以上になっ
書館の中で、求める本が書架のどの辺にある
ているということで、今後も拡大していくだ
のかを、自分で探すことができるようなマッ
ろうと思うのですが、
この市町村との関連で、
プにしています。
県立図書館の「闘病記文庫」と市町村の「闘
作成しているテーマは、なかなか人に相談
病記文庫」のサービスは全く並列なのでしょ
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沖縄県図書館協会誌 第 15 号 2011
うか。それとも何か支援とかがあるのでしょ
県としてはどのような働きかけをしている
うか。
かということなのですが、
「医療・健康情報」
のサービスが始まった時には、ある町立図書
○応答:講師(野沢 敦氏)
館から、自分のところでもやりたいのだがど
まず広がっていったということで言います
うすればいいでしょうかという話があったの
と、鳥取県立図書館は全国的にも有名になっ
で、県立の職員が出掛けて行って、そこの図
てしまって注目されているところがありま
書館だけでなくその周辺の図書館の職員向け
す。ただ、県立以外の市町村図書館のレベル
研修という形で「健康情報サービス」や「闘
で言うと、実はそんなに活発ではない部分が
病記文庫」を始めるためのような講座・研修
あります。県立図書館だけが突出して大き
会を行ったことがあります。
く、市町村図書館は貧弱というところがあり
このように、県立図書館から皆さんやりま
ます。鳥取県は県自体が小さくて、小回りが
しょうと盛んに言っているわけではなくて、
きくというところがありますので、県立が市
他のサービスもそうなのですが県立図書館が
町村に支援をしている部分はたくさんありま
とりあえずモデル的にやって、賛同するとこ
す。例えば今回の「健康情報サービス」や「闘
ろがあったら市町村図書館でもどうですかと
病記文庫」で言いますと、特に館長さんの考
いうスタンスでやっています。
え方というのは影響が大きいと思います。県
以上です。
がやったことについて、ああそれはいいなっ
てすぐ反応されるような館長さんがおられる
○フロアーから
ところだと、すぐに同じように「闘病記文庫」
有難うございました。
のコーナーを作られるのかと思います。
――――――――――――――――――――
全国的に見て健康情報コーナーの設置の割
のざわ あつし
合が高いというのは、県の影響力が大きくて
:鳥取県立図書館情報相談課長
県がやっているのだったら自分のところも
やってみようかなという気持ちになりやすい
ところがあるのではないかと思っています。
{
営業種目
防災設備設計施工・保守管理・各種消火器販売及び詰替
二防
電話設備・TV共聴設備・放送設備他弱電設備一切
有限
会社
二和総合防災
代表取締役 照 屋 寛 文
沖縄市池原1丁目16番13号
TEL(098)938-9030 FAX(098)938-9027
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