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住吉市民病院だより
2016 年 2 月号(No,99)
大阪市住之江区東加賀屋1-2-16 TEL(06)6681-1000
URL(http://www.osakacity-hp.or.jp/sumiyoshi/)
編集・発行
住吉市民病院広報委員会
産婦人科 松田 真希子
みなさん、こんにちは。産婦人科の松田と申します。
今回は、「更年期障害」についてお話をさせていただきます。「更年期障
害」というと、みなさんも一度は周りで聞いたことのある言葉ではないで
しょうか。1 年間生理がない状態が続いた場合に閉経となり、その前後 5
年間の合計 10 年間を「更年期」と呼びます。
「更年期障害」とは更年期に
現れる多種多様な症状の中で、体の物理的な変化を原因とせず、日常生活
に支障をきたす病態のことを言います。具体的な症状は、顔のほてり・の
ぼせ、異常発汗、動悸、めまい、情緒不安、イライラ、抑うつ気分、不安感、不眠、頭重感、腰
痛、関節痛、吐き気、食欲不振、乾燥感、排尿障害、性交障害、外陰部違和感と様々です。ただ、
50 歳前後という年齢は、加齢に伴う変化や個人を取り巻く家庭や社会での環境の変化も多い頃
です。更年期障害だと思っていたら、実際には内科の病気だったということもあります。診断に
は、うつ病や悪性疾患、内科疾患(甲状腺機能障害等)の除外が必要になります。そのため、一
般的な血液検査や婦人科以外の内科や精神科の受診が必要となることもあります。
治療には薬物療法が行われることが多く、ホルモン補充療法や漢方薬、向精神薬等があります。
ホルモン補充療法は効果が高いとされていますが、乳癌や血栓症の発生リスク上昇があり、定期
的な検診が必要となります。また、肥満や重症糖尿病、慢性の肝疾患等全身状態によっては治療
ができない場合があります。漢方療法は「当帰芍薬散」
「加味逍遥散」
「桂枝茯苓丸」等が代表的
に使われ、近年その効果が科学的にも裏付けられてきています。
薬物療法以外では、認知行動療法等の精神療法や基本的な生活
習慣の改善が行われます。
どの治療が合うかは人それぞれですので、更年期障害で悩ま
れている方は、一度気軽に婦人科を受診していただければと思
います。その際は是非一緒に子宮頸癌の検診も受けられること
をおすすめします。
中央臨床検査部
上村浩一
☆感染性胃腸炎とは・・・
ウイルスや細菌などの病原体による感染症で、毎年秋から冬に
かけて流行する胃腸炎はウイルス感染が多くみられます。
☆どうやって感染するの・・・
原因となる病原体には、ノロウイルスやロタウイルスなどの
ウイルスのほか、病原性大腸菌(O-157 など)やキャンピロバ
クターなどの細菌や寄生虫があります。多くは食品や飲料水を
とおして経口的に病原体が体に入りますが、一部ペットやヒト
から感染することもあります。
感染源としては、ノロウイルスの場合、ウイルスで汚染され
たカキなどの二枚貝の経口摂取で感染します。また、最近では
便や吐物からのヒトからヒトへの二次感染が問題となっています。細菌では、キャンピロバ
クターの感染は鶏肉が圧倒的に多く、サルモネラでは鶏卵によるものが最多です。
いずれにしても生食や加熱が不十分により感染することが多いのですが、イヌやミドリガ
メなどのペットが感染源となることもあります。
☆症状は・・・
主に吐き気やおう吐、下痢、発熱、腹痛などですが、病原体によっては血便が出ることも
あります。
☆予防法は・・・
手洗い、うがいの励行が重要です。トイレの後や、調理・食事の前には、石けんと流水で
十分に手を洗いましょう。
便やおう吐物を処理する時は、使い捨て手袋やマスクを着用し、0.1%次亜塩素酸ナトリ
ウム(塩素濃度 1000ppm)を 10 分以上作用させることが有効です。処理後は石けんと
流水で十分に手を洗いましょう。(アルコール消毒はノロウイルスに有効ではありません)
カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分(85℃以上で 1 分間)加熱しまし
ょう。
ロタウイルスについては、任意で予防接種が行われています。
インフルエンザを予防するうえでも、うがいや手洗いは重要です。
冬の感染症には十分注意をしましょう!
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