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トクヤマがマレーシア事業譲渡を決定-信用力に

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トクヤマがマレーシア事業譲渡を決定-信用力に
NEWS RELEASE
2016年9月29日
トクヤマがマレーシア事業の譲渡を決定-信用力にプラス影響
トクヤマ(証券コード:4043、発行体格付=BBB-)は 28 日、マレーシアの多結晶シリコン製造子会社
トクヤママレーシア(TMSB)を、同業大手の韓 OCI に譲渡すると発表した。TMSB は OCI を引受先とする
第三者割当増資を 2016 年 10 月、2017 年 3 月の 2 度に分けて実施、トクヤマは 2017 年 3 月末に保有株
式全てを同社に譲渡する。増資の総額は 102 百万ドル、譲渡価格は 98 百万ドル。事業譲渡に伴い約 80
億円の損失計上と、同額の税金費用の減少を見込んでいる模様だ。
トクヤマは TMSB を通じて 1 期、2 期合わせて 2000 億円超を投じ多結晶シリコン工場を建設。しかし、
第 1 期プラントは設備の不具合から半導体用途での商業生産が不可能となり、2015 年 3 月期に約 750 億
円の減損損失を計上。太陽電池用の第 2 期プラントも製品市況が想定を超えて下落する中、2016 年 3 月
期に約 1250 億円の減損損失を計上。TMSB の不振はトクヤマの信用力低下を招く主要因となっていた。
太陽電池用多結晶シリコン市況は、2016 年度上期にはやや持ち直し、TMSB の業績も小康状態にあった。
だが需給ギャップが深刻な状況であることに変わりはない。安定操業のメドは立ってきたものの、市況
変動リスクは小さくなく、マレーシア事業の不確実性は高いと R&I は認識していた。TMSB の譲渡により
トクヤマが抱える事業リスクは大幅に軽減されることから、信用力にはプラスに働くと判断している。
2016年6月にトクヤマは優先株200億円を発行し、財務基盤の修復を図っている。2016年度第1四半期末
の自己資本は700億円台に回復、ネットD/Eレシオ(純有利子負債の自己資本に対する倍率)も1.4倍に
改善した。ただし、利益蓄積が進んだ後には優先株を金銭償還する方針を表明しており、資本の質は高
いとは言い難い。財務リスク評価が向上し、格付に反映されるまで時間を要しよう。
トクヤマは、苛性ソーダなどの化成品や多結晶シリコン、セメントといった素材から、高純度薬品、
医薬品原薬やフォトクロミック材料などのファインケミカル、微多孔質フィルム、歯科材料など幅広く
事業を展開する化学会社。山口県・徳山製造所の生産効率が高く、比較的安定した収益力・キャッシュ
フロー創出力を備えている。
主任格付アナリスト:鈴木
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
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