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日本写真印刷が医療機器会社買収

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日本写真印刷が医療機器会社買収
NEWS RELEASE
2016年8月8日
日本写真印刷が米医療機器メーカー買収――格付への影響は限定的
日本写真印刷(証券コード:7915、発行体格付=BBB+)は 5 日、医療機器メーカーである米 Graphic
Controls Holdings の株式を取得し、子会社化すると発表した。買収総額は約 150 億円(1 ドル 110 円換
算)で、株式の取得は 8 月下旬を予定している。今回の買収はリスクの大きいタッチパネルに偏る事業
ポートフォリオの組み替えを狙いとしている。
Graphic Controls Holdings は大手医療機器メーカー向けにガイドワイヤーや手術用器具などを受託
生産するほか、自社ブランドのディスポーザブル電極なども手掛けている。医療機器に加え産業用記録
資材といったビジネスメディアも展開している。2015 年 12 月期の連結売上高は 169 億円、EBITDA(利
子・税金支払い前・償却前利益)は 25 億円だった。市場は伸びており収益には拡大余地がある。
2015 年度に続いての大型買収となり、フリーキャッシュフローは 2 期連続でマイナスとなる可能性が
高い。買収に際し算定された Graphic Controls Holdings の企業価値と株式取得金額との差から、同社
は 100 億円程度の有利子負債を抱えているとみられ、これも日本写真印刷のバランスシートに加わる。
今回の買収により実質無借金状態が崩れ、財務の余裕度は低下するものの、債務とキャッシュフロー
とのバランスや資本負債構成は BBB ゾーンとして問題のない状態を保てるとみている。このため、今回
の買収が格付に与える影響は限定的と判断している。
大口顧客が販売する端末の低迷からタッチパネルの販売量が減っており、全体の収益力・キャッシュ
フロー創出力が落ち込む懸念を拭えないため、格付の方向性はネガティブにしている。新規案件の受注
でタッチパネルが高水準の販売量を維持したり、これまで実施してきた企業買収が実って利益面で大き
な成果を上げたりすれば、方向性を安定的に戻す検討ができよう。
主任格付アナリスト:石野田
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