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方向性をネガティブに変更

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方向性をネガティブに変更
NEWS RELEASE
2016年08月12日
【格付維持/方向性変更】
ポーランド共和国
外貨建発行体格付 : A- [格付の方向性:安定的 → ネガティブ]
自国通貨建発行体格付: A [格付の方向性:安定的 → ネガティブ]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
2015年11月に発足した法と正義(PiS)による単独政権の下、政府の政策は大衆迎合的な色彩を強め一
貫性も欠くなど、大きく転換している。不透明感が漂う外部環境に鑑みれば、現政権の政策スタンスの
下で、財政の健全性や金融システムの脆弱性が高まるだけでなく、経済の成長力低下につながる可能性
もあると判断せざるを得ない。現時点では、経済は堅調さを保ち、財政状況や資金調達にも大きな問題
はみられないため、外貨建及び自国通貨建発行体格付は維持したが、格付の方向性はネガティブとし
た。今後の経済・財政の動向や政権運営を注視していく。
経済は内需に牽引され堅調に推移している。2015年の実質国内総生産(GDP)成長率は3.6%となっ
た。2016年に入っても民間消費が底堅さを保っている。政府の4月の見通しでは、労働市場の改善や同月
に始まった子供手当により民間消費が促進され、2016年の実質GDP成長率は前年を上回る3.8%を見込
む。英国の欧州連合(EU)離脱問題に伴う不透明感により欧州経済に下押し圧力がかかれば、ポーラン
ド経済も下振れする可能性がある。
経常収支は赤字だが、GDP比でみた赤字幅は縮小基調にある。2015年はGDP比0.3%。今後、輸入増加に
より赤字幅はやや拡大するとみられるものの、2-3%程度にとどまる見込み。直接投資は安定して流入
している。外貨準備は短期対外債務をやや超える水準に積み上がり、その比率は2016年3月末時点で
108%。対外バランスへの懸念は小さいと言えよう。
2015年の一般政府財政赤字はGDP比2.6%となった。政府の4月の見通しでは、2016年の財政赤字はGDP
比2.6%を見込む。4月から導入された子供手当がGDP比0.9%程度の歳出増加に繋がるが、モバイルイン
ターネットの周波数売却や銀行税といった歳入増加策により賄われる見通しだ。2017年は、子供手当が
一年を通して実施されるためにコストが増加し、付加価値税(VAT)も引き下げられる予定だ。政府は、
徴税効率の改善といった施策により歳入が増加し、2017年の財政赤字は2.9%にとどまるとしている。
とはいえ、年金受給開始年齢の引き下げ、個人所得税の税控除額引き上げなど、政府の財政見通しに
は織り込まれていない措置が実行される可能性があり、その場合は更なる財政悪化に繋がるリスクがあ
る。欧州委員会(EC)は2017年の財政赤字を3.1%としており、政府よりやや保守的だ。経済が堅調な推
移を続ける中で、歳出は拡大される傾向にあり、現政権の財政運営は景気循環を増幅させるような性格
を有していると言える。外部環境が一段と悪化した際に、財政拡張で下支えする余地が縮小している点
には注意が必要だ。
R&Iは、政策の一貫性にも疑問があるとみている。子供手当は将来的な労働力を上昇させ得る一方、現
在、詳細が議論されている年金受給開始年齢の引き下げは労働力の構造的減少につながる。前政権が導
入した段階的引き上げを逆回転する施策で、既に国外への労働力流出や高齢化が進むポーランド経済の
成長力を一段と下押ししかねない。中央銀行の推計では、潜在成長率は3%程度と長期平均を下回った状
態が続いている。政府の政策は財政面のみならず金融システムにも影響を及ぼしている。2016年2月に銀
行税を導入したことに続いて、スイスフラン建住宅ローンをズロチ建てに転換する措置の導入を検討し
ている。現時点では金融システムに問題は生じていないものの、当該措置の最終的な枠組みによっては
金融システムに打撃となりかねない。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:ポーランド共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
A-(維持)
安定的 → ネガティブ
自国通貨建発行体格付
A(維持)
安定的 → ネガティブ
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■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
小長井 将也
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年08月04日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
ポーランド共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
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き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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