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モルモットにおける皮膚感作性試験
生 活科学 研 究所 ゜ LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome. Nishihonmachi. Nishj-ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 大阪 市西 区 西本 町2 丁 目5 番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 試 験コード番 号:06 −VIA3 −0301 最 終 報 告 書 白 金ナノ粒 子の固 定 化のモルモットにおける皮膚 感 作性試 験 (Maximization Test 法) 平成18 年 4月26 日 学 研 究 万 所 ∧ ・. -r%= ●・1 ・ ・ 大 阪 市 西 区 西 本 町2 丁 目 5 番19 生 活 科 ・ ・¶・ ニ ュ ー オ カ ザ¶I1 ・I・ キ バ シ ビ ル レ TEL 号 ニ (06 )6531-1881 ㈹ ⊃ 生 活科 学 研 究所 ゛ LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome. Nishihonmachi Nishi・ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 大阪 市西区 西 本町2 丁 目5番19 号 Tel.06-6531-1881 く 代) 06-VIA3 −0301 表 題: 白 金 ナノ粒子 の固 定 化のモルモットにおける皮 膚 感作 性試 験 (Maximization Test 法) 要 約: 白 金ナノ粒 子 の固 定化 について、 モルモットを用いたMaximization Test 法により皮膚 感 作 性 試 験を行った。その結 果 、惹 起については被験 物質 原 液、10 および1 %(w/v) 水 溶 液 の 3濃 度で実施し、 惹 起 終了 直 後、48 および72 時 間 後いずれの 濃度 の被験 物質 感 作 群・ 非感 作 群では 皮 膚反 応に 変化 は認められなかった。各 濃度 の平 均反 応 値 は惹 起 終 了 直後、48 および72 時 間 後 の被験 物質 感 作群および非感 作 群はいずれも0.0 で あり、陽 性 反応 率もO %( 等級 I) であった。 従って、白 金ナノ粒 子 の固 定 化 は当 該 試 験 法によりモルモットに対し皮 膚 感 作 性 がな いものと判 定した。 1。 試 験 目 的 白 金 ナノ粒 子 の 固 定 化 の安 全 性 評 価 の 一 環として、 モルモットの皮 膚を用いて皮 膚 感 作 性 発現 の 有無 について調 べた。 なお、本 試 験 は「SEK アル 改 訂 版」( 平 成16 Maximization Test マーク[抗 菌防 臭加 工 、制菌 加 工]、 消臭 加工 マーク 安 全 性 マニュ 年10 月 発行、 社団 法 人繊 維評 価 技 術協 議会) を準 用して、 また 法(1969)') お よ びOECDガ イドラ イン( OECD TG 406, Guinea-pig Maximization Test 法)を参考にして実 施した。 2。 試験施設 1)試験受託者の名称および所在地 名 称 生活科学研究所 所在地 大阪府大阪市西区西本町 2丁目 5番19 号 2)試験実施施設の名称および所在地 名 称 生活科学研究所 千早赤阪研究所 第2施設 所在地 大阪府南河内郡千早赤阪村字千早谷900 1 The LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome, Nishihonmachi, Nishi-ku,OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 生 活 科学 研究 所゜I 大 阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06 −VIA3 −0301 (9) 提供元 ・名 称 株式会社 バイオフェイス ・所在地 京都府宇治市開町39 番地2 ・担当者 鍬本 功 2) 対照物質1( 溶媒対照物質) (1) 名 称 注射用水( 蒸留水) (2)ロット番号 3H90N (3) 提供元 大塚製薬株式会社 3) 対照物質2(陽性対照物質) (1) 称 2,4-dinitrochlorobenzene(DNCB と略す) (2)ロット番号 FHM04 (3) 性 状 淡黄色の穎粒状粉末 (4)安定性 5年間安定 (5) 保存条件 室温保存 (6) 提供元 ・名 称 東京化成工業株式会社 ・ 所在地 東京都北区豊島6-15-9 7。 被 験 物 質および対 照物 質の調 製 被 験 物質 は一 次 感 作時 、二 次 感 作時 は予 備 試 験で皮膚 一 次 刺 激性 が 発現しなかったた め原 液を、 惹 起時 には原 液を最 高 濃度として10 および1 %(w/v) 水溶 液 3濃 度を試験 に用 いた。なお、 この場 合の媒 体 は注 射 用水( 蒸留 水)とした。対 照 物質 1 はそのまま試験に用 い 、対 照物質 2はオリーブ 油を用いて0.1%(w/v) 溶 液を用時 調 製した。 8. 投与条件下における安定性、均一性および分析方法 被 験物質は注射用水( 蒸留水) に易溶であり、且つ用時調製したことから、 投与条件下で は安定および均一であると考えられた。 3 LIFE SCIENCE LABORATORY 生 活 科学 研 究PiT≫ 5-19, 2-chome, Nishihonmachi Nishi-ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 Tel.06-6531-1881 大阪 市西区 西 本町2 丁 目5番19 号 (代) 06 −VIA3 −0301 9. 試 験 系 1) 使 用 動 物 平 成18 年 3月23 日 に日 本エス エル シー株 式 会社( 静岡県 浜 松 市湖 東町3371 番 地 の8) よりStd: Hartley系 雄性モルモットを50 匹( 入 荷時 体重および週 齢:287 ∼312g 、 4 週 齢) 購 入し、5 日間 の 予備 飼育による馴 化を行った後 、この内より健康で特に皮 膚に 異常 のない 動 物を試 験に供した。試 験 に用いたモルモットの数は 、被 験 物 質 感 作群 、被 験 物 質非 感 作 群の 2 群は各 群10 匹、 溶媒 対 照 感作 群、 溶媒 対 照非 感作 群 、陽 性対 照 物質 感 作群および陽性 対 照物 質非 感 作 群の 4 群は 、各群 5匹( 計40 匹)し、試 験実 施 開 始 時 の体重 は321 ∼365g であった。 2) 識 別方 法 入 荷 時には 油性 黒フェルトペンを用いて右 耳に 入荷 動 物 番号を、群 分け時 には 油性 赤 フェルトペンを用いて左耳 に試験 動 物 番号を記した。さらに各ゲージは識 別カードで識 別 した。 3)群分け 予備飼育後。一般状態および投与部位の皮膚に異常のみられない動物を選択し、 各群 の平均体重の差がなるべく少なくなるように配分して、試験に供した。 4) 飼 育 管理 動 物 は個 別 にアルミニウム 製ブラケットゲージ(320WX550DX350H mm) に収 容し、実 測 温 度-.19∼24 °C、実 測湿 度:44 ∼78% 、換 気回 数:10 回 以上 /時 間、照 明 時 間:12 時 間 /日( 午 前 7時 ∼午 後 7時) に設定された I 棟 クリーン動 物飼育 室 2で飼育し、 週 3 回 以上 飼育 室 および飼育 棚を清掃した後 、ネオクロール クリーン( 四国 化 成工 業株 式 会 社) で床を 消毒した。ゲージは 3週間 に 1[目交 換した。 飼 料は市 販 の固 型 飼 料RC4( オリエンタル酵 母 工業 株 式 会社) を、 飲料 水 は自 動 給水 器で千早 赤阪 村 村営 水 道水を各々自 由に 摂取させた。 4 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome. Nishihonmachi, Nishi-ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 生 活科 学研 究 所゜ 大 阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06-VIA3 −0301 10. 予 見 することのできなかった試 験 の信 頼 性 に影 響を及ぼす 疑いのある事 態および試 験 計 画 書に従 わなかったこと 動物 購 入時に50 例 中4匹の モルモットにおいて、 試 験計 画書 中 の入荷時 体重を0.2∼2.4g 上 回っていたが群 分け時においてその他 の動 物との差 がなかったためそのまま使用した。 また、動 物 入荷 直後 、予備 飼 育3 、4日 後 、試 験 実施 開始8 、10、12および15 日 後におい て試 験 計画 書記 載 の湿 度範 囲 上限 より1[目あたり約30 ∼90 分にわたり、約1 ∼8% の逸 脱 が みられた。これは 短 時間 で一 過 性 のものであり、湿 度コントローラーで調 整したことにより 設 定 値に回 復した。また一 般 状 態 に異 常 がみられなかったことから、 試 験 の信 頼 性に影 響 を及ぼさなかったものと判 断した。 これら以 外の予 見 することのできなかった試 験の 信頼性 に影響を及 ぼす疑いのある事態お よび試 験 計画 書に従 わなかったことはなかった。 11. 試 験実 施 方法 1) 被 験 物 質感 作群 の投 与 方 法 (1) 感 作 i .一 次感 作 試 験 実施 開始 日(O 日) にモルモットの頚 背部[ 図 の(A)]を4 ×6cm の 広さに電 気バリカン で刈毛し、 さらに電 気カミソリで剃毛した。その部 位の2 ×4cm に左右 対照 に2ヵ所 ずつ 3列 (①、 ② 、③の 3列 。計 6ヵ所) に印をつけた( 図) 。 図 のように各列に、 先に調 製した 3 種 の投 与 液を左右 対称に0.1 mL ずつ( 計0.2mL) を皮 内注 射した。 ① 列 : 蒸 留水とFreund' s Complete Adjuvant(FCA) の1:1 油中 水 型 乳 化物0.1 mL ずつ ② 列 : 被験 物質10% 水 溶液O.imL ずつ ③ 列 : 被 験物 質とFCA の1:1 油 中 水型 乳 化物O.imL ずつ 5 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19, 2-chome, Nishihonmachi, Nishi-ku.OSAKA. JAPAN. Tel. 06-6531-1881 生 活 科学 研 究所゜ 大阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06 −VIA3 −0301 ii 二 。 次 感作 試 験 実 施開 始 6日 後に 頚背 部を再び刈 毛および剃毛し、 同 部位 の皮 膚にラウリル硫 酸ナ トリウム(SLS)10 %(w/w) 含有ワセリン0.5g を塗 布して24 時間 開放 適 用した。翌 日70% エタノールで清 拭した。 試 験 実施 開始 7日 後に、同 部位 の皮 膚に被験 物 質0.2mL を塗布し、その上に2 ×4cm の 濾 紙を被せた後 、4×6cm の 不浸 透性 絆 創膏で覆い、 さらにダーミセル(Johnson &Johnson Medical Inc.) で固 定して48 時 間 閉 塞適 用した。 (2) 惹 起 試 験 実施開 始21 日 後 に、側 腹 部( 脇 腹)[ 図 の(B)]を、5×10cm の 広さに刈 毛および剃 毛し、 その 部 位の皮 膚 に被験 物質 3濃度をO.imL ずつ塗 布し、 その上に直径1.5cm の パッ チテスト用 絆 創膏で覆い 、さらにダーミセルで固 定して24 時間 閉 塞適 用した。なお、 溶 媒対 照 物 質の場 合 は原 液を、 陽 性対 照物 質 の場合 は0.1 %(w/v) の 1 濃度0.1 mL のみを被験 物 質投 与 群と同 様に処 置した。 Induction (A) 一 次 感 作( 皮 内 注 射) ①: 乳 化 したFCA(E−FCA) ②: 被 験 物 質 Challenge(B) ③: 被験物質とFCA の乳化物 二次感作(塗布) P:被験物質 惹起( 塗布) Ch: 被験 物 質 図 被験物質の適用部位 (A):感作部位 (B): 惹起部位 2)投 与 量 。投与 方 法 、投 与 回 数および投与 期間 の 選択 理由 投 与量 、投 与 方 法 、投 与回 数および投 与 期間 は、Maximization Test 法I) を参考にして 試 験を実施した。 6 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chonne, Nishihonmachi, Nishi-ku. OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 生 活科 学研 究 所゜ 大阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06 −VIA3 −0301 3) 試験群の設定 モルモットを用い、 被験物質感作群、 被験物質非感作群の2群は各群10 匹、 溶媒対照 感作群、 溶媒対照非感作群。陽性対照物質感作群および陽性対照物質非感作群の 4 群は、各群5匹( 計40 匹)を設定した。 4) 溶媒対照および陽性対照物質感作群の投与方法 溶媒対照感作群は注射用水( 蒸留水)をそのまま用い、陽性対照物質感作群はDNCB [0.1%(w/v)] 溶液を用いて、被験物質感作群と同様の処置を行った。 5) 被験 物 質、溶 媒対 照および陽 性 対 照物 質非 感 作群 の投 与方 法 一 次 および二 次 感 作 では被 験 物 質、 溶 媒 対 照 および 陽性 対 照 物 質を適 用 せ ず、 その 他は 各感 作 群と同 様 の 処置を行った。また、 惹 起では各 感 作群と同 様 の処 置を行ってそ れぞ れの物 質を適 用した。 6)一 般 状 態の 観察 観 察 期間 中 、毎 日 外観および行 動などの一 般 状態を観 察した。 7) 体重測定 体重測定は入荷日、試験開始日(O 日)、7日 後、21 日後および試験終了日(25 日後) に行った。 7 生 活科 学 研究 所゜ LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome, Nishihonmachi. Nishi-ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 大 阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06 −VIA3 −0301 12. 観察と評価方法 1) 惹起終了直後、48 および72 時間後に皮膚反応の変化を下記のDraize の方法2)に従って 行った。 (1)判定基準 O判定基準(Draize の方法) 紅斑形成 非 常 に 軽 度 の 紅 斑( か ろうじ て 識 別 は っ き りし た 紅 斑 ・ ・ ・ ・ ■ ・ 1 馨 享 冨 歌 澗 歌 ● ● 軍 瓢 騰 匍 會 暑 ● ● 曹 2 中等 度ないし強 度の紅 斑3 強度 紅 斑(beet redness) からわずかな痴 皮 の形 成( 深部 損 傷まで)・ ・ ・ ・ 4 浮腫 形 成 浮 腫 な し・ ● ● ● ■ 魯 ● 夥 ● ● ● ● 嚇 嚇 可 励 ● 非 常に軽 度 の浮 腫(かろうじて識別 できる)・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ● ● ● ● 禰 ● 唐 ● ● 世 ● 麗 響 會 ○ 1 軽 度浮腫(はっきりした膨 隆による明 確な縁が 識別できる)・ ・ ・ ・ ・ ・・ 2 中 等 度 の 浮 腫( 約1mm) 強 度 の 浮 腫(1mm ■ ● ● ● ● ● ● ● ●・ ● ● ● 一 一・ 一 一 ● を 超 え る 膨 隆 と 暴 露 範 囲 を 超 え た 広 が り)・ ・ ・ ・ ・ ・ (2) 評価方 法 i 皮 膚反 応の評 価 Σ =〔(A) 十(B) 〕 合 計 動物 数 ii評価 方 法は陽 性反 応 率 から感 作性 の強さを評価 する。 陽 性反 応 率( 感作 率) 陽 性反 応 率( %) =陽 性 動 物数/ 使 用動物 数 ×100 8 3 4 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome, Nishihonmachi. Nishi-ku,OSAKA. JAPAN. Tel、06-6531-1881 生 活科 学研 究 所゜ 大阪 市西区 西 本町2 丁目5番19 号 Tel.06-6531-1881 (代) 06 −VIA3 −0301 評 価表 陽 性 反応 率0 ∼ 8% 陽 性 反応 率9 ∼28% 陽 性 反応 率29 ∼64% 陽性 反 応率65 ∼80% ■ ・ ・ ・ ・ ・ 等級I (Weak) ・ ・ ・ ・ ・ ・ 等 級n (Mild) ■ ・ ・ ・ ・ ・ 等級 Ⅲ(Moderate) ・ 等級IV (strong) 陽 性反 応率 等級V (Extreme) 4)被験物質の適用部位の写真撮影は皮膚反応の各判定日に行った。 13. 生データの解析に使用する統計学的方法 被験物質群および陽性対照物質についてそれぞれ感作群と非感作群を比較し、Wilcoxon の順位和検定(Mann-Whitney のU検定) により有意差検定を行った。 14. 試験結果 1)一般状態および体重[表1 ] 皮膚症状を除き、 各群の全例に観察期間中を通じて一般状態に異常は認められなかっ た。また、各群の平均体重については観察期間中ほぼ同様の順調な体重増加がみられ た。 2) 皮 膚 反 応の 変化 (1) 被 験 物質 原 液感 作 群および非 感 作群[ 表2、7 、8 写 真1 、2] 被 験 物質 原 液について、感 作群 および 非 感作 群ともに惹 起終 了 直 後、48 および72 時 間 後において紅斑・ 浮 腫等 の皮 膚 反応 は認められなかった。従って平 均反 応 値はい ず れも0.0 であり、陽 性 反応 率はいずれもO %( 等 級I) であった。また被験 物 質 の感 作 群と非 感 作 群において各判 定 時に有 意 差(p<0.05)は認められなかった。 (2) 被験 物 質10 %( W/V)水溶 液感 作 群および非 感作 群[ 表3、7、8 写 真1 、2] 被験 物質10 %( W/V)水 溶液について、感 作 群および非 感作群ともに惹 起終 了直 後 、 48 および72 時 間 後において紅 斑・ 浮腫 等の 皮膚 反 応は認められなかった。従って平 均 反 応値 はいず れも0.0 であり、 陽 性 反応 率 はいずれもO %( 等級 1) であった。 9 LIFE SCIENCE LABORATORY 生 活科 学研 究所 ゜ 5-19, 2-chome. Nishi-ku. OSAKA. Nishihonmachi. JAPAN. Tel.06-6531-1881 Tel.06-6531-1881 大阪 市西 区 西本 町2 丁 目5 番19 号 (代) 06 −VIA3 −0301 また被験 物 質 の感 作群と非 感作 群において各判 定時 に有意 差(p <0.05)は認められ なかった。 (3) 被 験 物質1 % (w/v) 水 溶 液感 作 群および非 感 作群[ 表4、7 、8 写 真1 、2] 被 験物 質10 %( W/V)水 溶 液について、感 作群および非 感作 群ともに惹起 終 了直 後 、 48 および72 時 間 後において紅斑・ 浮腫 等 の皮 膚反 応は認められなかった。従って平 均 反応 値 はいず れも0.0 であり、陽性 反 応 率はいずれもO %( 等級I) であった。また被 験 物 質の 感 作 群と非 感 作 群において各 判 定 時 に有意 差(p<0.05) は認 められなかっ た。 (4) 溶媒 対 照物 質 感作 群および非感 作 群[ 表5、7、8 写 真3、4] 溶媒 対 照 物質 について。感作 群および非 感 作群ともに惹 起終 了 直 後、48 および72 時 間 後において紅斑・ 浮 腫 等の皮 膚 反 応は 認められなかった。従って平 均 反 応値 はい ずれも0.0 であり、陽 性 反応 率 はい ずれも0% く等 級I) であった。また被 験 物質 の感 作 群と非 感 作 群において各判 定 時に有 意差(p<0.05)は認 められなかった。 (5) 陽 性 対照 物 質感 作 群および非 感 作群[ 表6、7、8 写 真5、6] 陽 性対 照 物質 感 作群 について、惹 起 終 了直 後の判 定において2例(M32 およびM35) にはっきりした紅 斑および軽 度 の浮 腫、3 例(M31 、M33 およびM34) に中 等度 ないし強 度 の紅 斑および中 等 度の 浮腫 が認められた。48 時 間 後については、2 例(M32 および M35) にはっきりした紅 斑および軽 度 の浮腫、 3例(M31 、M33 およびM34) に中等 度ない し強 度の紅 斑および軽度 の 浮腫( 全 例に軽 度 の落屑) が認められた。また72 時 間 後に ついては、全 例にはっきりした紅 斑および軽 度 の浮腫( 全 例に軽 度の落 屑) が認 められ た 。それぞ れの平均 反 応値 は惹 起終 了 直後 、48 および72 4.0 であった。陽 性反 応率 についてはいずれも100% 時 間 後それぞれ5.4、4.6 、 (等 級V) であった。 一方 、非感 作 群については惹起 終了 直 後 、48および72 時間 後 において紅 斑・ 浮 腫な どの皮 膚 反応 に変化 は認 められなかった。従って、 平 均反 応値 はい ずれも0.0 であり、 0%( 等級 1) であった。また、陽 性対 照物 質 の感 作群と非感 作 群において各 判 定時に 有 意 差(p <0.05)が 認められた。 10 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome. Nishi-ku. OSAKA. Nishihonmachi JAPAN. Tel.06-6531-1881 生 活科 学研 究 所゜ 大阪 市 西区 西本 町2 丁 目5番19 号 Tel.06-6531-1881 ( 代) 06 −VIA3 −0301 15. 考 察 および結論 白 金ナノ粒 子の固 定 化について、 モルモットを用いたMaximization Test 法 により皮 膚 感 作 性 試 験を実施したその結 果 、被 験 物 質原 液、10 および1%(w/v) 液について。 感作 群 、非 感 作 群に関わらず 惹 起終 了 直後 、48および72 時 間 後において紅 斑・ 浮 腫 等の皮 膚反 応 は 認 められなかった。従って平 均 反 応値 はすべて0.0 であり、陽 性 反応 率も0%( 等級 I) であ った 。この結 果より皮 膚感 作 性はないものと推察される。 陽 性 対 照物 質に使 用した DNCB 感 作群 は、 惹 起 終了 直 後の判 定において 2例にはっきり した紅 斑および軽 度 の浮 腫 、3 例に中 等 度ないし強 度の紅 斑および中 等度 の浮腫 が認めら れた。48 時 間 後 については、 2 例にはっきりした紅斑 および軽 度の浮 腫 、3 例に中 等度ない し強 度 の紅 斑および軽 度の 浮腫( 全例に軽 度の 落屑) が認められた。また72 時間 後につい ては 、全例に はっきりした紅 斑および軽 度 の浮 腫( 全例 に軽 度 の落 屑) が認 められた。そ れ ぞれ の平均 反 応 値 は惹起 終 了 直後 、48 および72 時 間 後それぞれ5.4、4.6、4.0 であった。 陽性 反 応率 についてはいず れも100 %( 等級 V)であった。一 方 。非 感 作 群については惹 起 終了 直 後、48 および72 時 間 後において紅 斑・ 浮腫 などの皮 膚反 応に変 化は 認められなか った。従って、 平 均 反 応値 はいずれも0.0 であり、O%( 等 級I) であった。また、陽性 対 照物 質 の感 作 群と非 感 作群 において各 判 定 時に有 意 差(p <0.05)が 認められた。このように陽 性対 照 物質である DNCB には明らかな皮膚 感 作性 がみられ 、このことから本試 験における 試 験 系ならびに手 法 の適 正さが確 認された。 以 上 の 結果より、白金 ナノ粒子 の固 定 化 は、当該 試 験 法によりモルモットに対し感作 性 が ないものと判定した。 16. 資料の保管 当該試験における試験計画書、生データ、記録文書および最終報告書は試験終了後、 生 活科学研究所管理本部資料保管室(大阪府大阪市西区靭本町 2丁目 9番11 号 オカザ キバシピル2階126 号)に10 年間保管する。 11 LIFE SCIENCE LABORATORY 5-19. 2-chome, Nishihonmachi, Nishi-ku.OSAKA. JAPAN. Tel.06-6531-1881 生活 科学 研 究所 ゛ 大阪 市西区 西本町2 丁 目5番19 号 Tel.06-6531-1881 {代) 06 −VIA3 −0301 17 .参 考 文 献 1 )B. Magnusson and A. M. Kiigman : The identification of contact allergens by animal assay. The guinea pig maximization test. J. Invest. Dermatol. 52, 268 −276 (1969) 2) J. H. Draize. C, Woodard and H. O. Calvery : Methods for the study of irritation and toχicity of substances applied topically to the skin and mucous membranes. J, Pharmacol. Exp. Ther. 82, 377-390 (1944 ) 以 上 12 06 −VIA3 −0301 表 1 体重変化 試験 群 試験 動物 番号 Ml M2 M3 M4 M5 被験 物質 感作 群 M6 M7 陽 性 対照物 質 非感 作群 7日 後 21日 後 25日 後 ( 試 験 開 始 日) ( 感 作 日) ( 惹 起 日) ( 試験 終 了 日) 321 333 392 500 508 403 389 546 498 417 408 567 528 561 507 589 382 399 404 466 511 542 505 562 523 ±32.0 538 ±35.5 542 335 348 349 325 326 M8 M9 M10 平均 標準 偏差 338 ±13.4 399 442 404 士16.8 Mil M12 324 328 393 362 533 457 338 343 357 324 327 338 343 362 338 ±13.3 323 327 339 342 362 339 ±15.3 324 332 338 343 355 338 ±11.7 408 410 435 398 393 387 404 428 402 土20.7 389 381 379 388 408 389 士11.5 386 388 425 398 417 403 ±17.5 M31 322 363 M32 M33 M34 333 337 347 409 416 539 529 612 531 491 503 529 575 530 士42,7 479 493 461 509 560 500 ±37.7 529 533 572 515 542 538 ±21.3 455 527 M35 平均 標 準偏 差 349 338 士11.0 407 427 404 ±24.4 M36 M37 M38 M39 M40 平均 標 準偏 差 322 332 337 346 351 338 土11.5 399 380 400 417 452 410 土27.1 521 465 502 550 616 531 士56.8 M13 M14 M15 被 験物 質 M16 非 感 作群 M17 M18 M19 M20 平均 標 準 偏差 M21 M22 M23 溶媒 対照 物 質 M24 感 作群 M25 平均 標 準偏差 M26 M27 M28 溶媒 対照 物質 M29 非 感作 群 M30 平均 標 準 偏差 陽 性対照 物 質 感 作群 体 重(g) 0日 340 342 365 14 543 484 522 569 517 580 483 556 537 640 548 496 522 549 593 547 土45.1 496 517 472 515 579 516 土39.7 548 544 590 544 564 558 ±19.7 467 540 532 542 565 543 556 590 522 ±39.0 541 ±46.0 541 492 523 563 632 550 ±52.6 06 −VIA3 −0301 表 2 皮膚反応の評価 被験 物 質: 白 金 ナノ粒 子 の 固 定 化(原 液) 被験 物質 感 作群 被験 物 質 非 感 作群 試験 動物 試験 惹 起終了直後 惹 起終了48時間後 惹 起終了72時間後 動物 番号 惹起終了直後 惹 起終了48時間 後 惹起 終了72時間 後 番号 紅 斑形成 浮腫形成 紅斑形成 浮腫形成 紅m 形成 浮腫形成 Ml 0 0 0 0 0 0 Mil 0 M2 0 0 0 0 0 0 M12 M3 0 0 0 0 0 0 M4 0 0 0 0 0 M5 0 0 0 0 M6 0 0 0 M7 0 0 M8 0 M9 M10 紅斑形成 紅斑形成 浮腫形 成 紅斑形 成 浮腫形成 0 ○ 0 ○ 0 0 0 0 0 0 0 M13 0 0 0 0 ○ 0 0 M14 0 0 0 0 ○ ○ 0 0 M15 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M16 0 O 0 0 0 ○ 0 ○ 0 ○ M17 0 0 0 O ○ 0 0 0 0 0 0 M18 0 0 0 O 0 ○ 0 0 0 0 0 0 M19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M20 0 0 0 0 0 0 15 浮腫形 成 06 −VIA3 −0301 表 3 皮膚反応の評価 被験 物 質: 白 金 ナノ粒 子 の 固 定 化 [10 %(w/v) 水 溶 液 ] 被験 物質 感作群 被験物 質 非感作群 試験 動物 試験 惹 起終了直後 惹 起終了48時 間後 動物 惹 起終了72時間後 番号 惹起終了 直後 惹起終了488$間後 惹 起終了72時間後 番号 紅 斑形成 浮腫形成 Ml 0 0 M2 0 M3 紅斑形 成 浮腫 形成 紅 斑形成 浮腫形成 紅斑形成 浮腫形成 紅斑 形成 浮腫形成 紅 斑形成 浮腫形成 0 0 0 0 Mil 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M12 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M13 0 ○ 0 0 ○ 0 M4 0 0 0 0 0 0 M14 0 0 0 0 0 0 M5 0 0 0 0 0 0 M15 0 0 0 0 0 0 M6 0 0 0 0 0 0 M16 0 0 0 0 0 0 M7 0 0 0 0 0 0 M17 0 0 0 0 0 0 M8 0 0 0 0 0 0 M18 0 0 0 0 0 0 M9 0 0 0 0 0 0 M19 0 0 0 0 0 0 M10 0 0 0 0 0 0 M20 0 0 0 ○ 0 0 16 06 −VI A3 − 0301 表 4 皮膚反応の評価 被 験 物 質: 白 金 ナノ粒 子 の 固 定 化[ 1%(w/v) 水 溶 液 ] 被 験 物 質 感 作群 被験 物質 非感作群 試験 動物 試験 惹 起終了直後 惹起終了48時 間後 動物 惹 起終了12時間後 番号 惹 起終了直後 惹 起終了IS時間 後 惹起終了72時間後 番号 紅 斑形成 浮腫 形成 紅斑 形成 浮腫 形成 紅 麗形成 浮腫形成 Ml 0 0 0 0 0 0 Mil 0 M2 0 0 ○ 0 0 0 M12 M3 0 0 0 0 0 0 M4 0 0 0 0 0 M5 0 0 0 0 M6 0 0 0 M7 0 0 M8 0 M9 M10 紅斑形成 紅斑形成 浮腫形成 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M13 0 0 0 0 0 0 0 M14 0 0 0 0 0 0 0 0 M15 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M17 0 0 0 0 0 ○ 0 0 0 0 0 M18 0 ○ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 M20 0 0 0 0 0 0 17 浮腫形 成 紅斑形S. 浮腫 形成 06 −VIA3 −0301 表 5 皮膚反応の評価 溶 媒 対 照 物 質: 注 射 用水( 蒸 留 水) 溶媒対照物質 感作群 溶媒対 照物質 非感作 群 試験 動物 試験 惹起終了 直後 惹 起終了4B時間 後 惹起終了72時間 後 動物 番号 紅斑形成 浮腫形 成 紅斑形 成 惹起終了 直後 惹起終了4B時間後 惹起終了72時 間後 番号 浮腫形成 紅斑形 成 浮腫形 成 紅斑形成 浮腫形 成 紅斑形 成 浮 腫形成 紅 斑形成 浮腫形 成 l\/121 0 0 0 0 0 0 M26 0 0 0 0 0 0 M22 0 0 0 0 0 0 M27 0 0 0 0 0 0 M23 0 0 0 0 0 0 M28 0 0 0 0 0 0 M24 0 0 0 0 0 0 M29 0 0 0 0 ○ 0 M25 0 0 0 0 0 0 M30 0 0 0 0 0 0 18 06 −VIA3 −0301 表6 皮膚反応の評価 陽 性 対 照 物 質: DNCB [0.1 %(w/v )オリーブ 油 溶 液 ] 陽性対 照物質 感作群 陽 性対照物質 試験 非感作群 試験 動物 惹 起終了直後 惹 起終了48時間後 動物 惹 起終了72時間後 番号 紅斑 形成 惹 起終了直後 惹 起終了48時間 後 惹起終了72時間 後 番号 浮腫形 成 紅 斑形成 浮 腫形成 紅 斑形成 浮腫形 成 紅斑形成 浮腫形成 紅 斑形成 浮腫形成 紅斑 形康 浮腫形成 M31 3 3 3* 2 2* 2 M36 0 0 0 0 0 0 M32 2 2 2* 2 2# 2 M37 0 0 ○ 0 0 0 M33 3 3 3* 2 2* 2 M38 0 0 0 O 0 0 M34 3 3 3# 2 2* 2 M39 0 0 0 0 0 0 M35 2 2 2* 2 2# 2 IVI40 0 0 0 0 0 0 井・・・軽 度 の 落 屑 19 06 −VIA3 −0301 表 7 平均評価点 動物数 平 均 評 価点 試 験群 白金 ナノ粒子 の 固定 化 ( 原 液) 被 験物 質 白金 ナノ粒子 の 固定 化 [10 %(w/V )水 溶液 ] 白 金ナノ粒子 の 固定 化 [1 %(w/V )水 溶液 ] 溶媒 対 照物 質 陽 性対 照物 質 ( 匹) 惹 起 終 了直 後 惹 起 終 了48 時 間後 惹 起終 了72 時 間 後 感 作群 10 0.0 0.0 0.0 非 感 作群 10 0.0 0.0 0.0 感 作群 10 0.0 0.0 0.0 非 感 作群 10 0.0 0.0 0.0 感 作群 10 0.0 0.0 0.0 非 感作 群 10 0.0 0.0 0.0 感作 群 5 0.0 0.0 0.0 非 感作 群 5 0,0 0.0 0.0 感作 群 5 5.2 4.6 4.0 非 感 作群 5 0.0 * 注射 用 水( 蒸 留水) DNCB *:陽 性対 照物 質感 作群と有 意 差あり(p<0.05) 20 0.0* 0.0* 06 −VIA3 −0301 表 8 陽性反応率(感作 率) 動 物数 陽 性 反 応 率( 感作 率) 試験群 白 金 ナノ粒 子 の固定 化 (原 液) 被験 物質 白 金ナノ粒 子 の固定 化 [10 %(w/V )水溶液 ] 白 金ナノ粒 子 の固定 化 [1 %(w/v )水溶 液 ] 溶媒対 照 物 質 陽性対 照 物 質 ( 匹) 惹 起終 了 直 後 惹 起 終 了48 時間 後 惹 起 終 了72 時 間 後 感作群 10 O/10 O/10 O/10 非感作群 10 O/10 O/10 O/10 感作群 10 0/10 O/10 O/10 非 感 作群 10 O/10 O/10 O/10 感作群 10 O/10 0/10 O/10 非 感 作群 10 O/10 O/10 0/10 感作群 5 O/5 O/5 O/5 非 感 作群 5 O/5 O/5 O/5 感作 群 5 5/5 5/5 5/5 非 感作 群 5 O/5 O/5 0/5 注 射 用水( 蒸 留水) DNCB 21