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皮膚一時刺激性試験

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皮膚一時刺激性試験
LIFE SCIENCE LABORATORY
5-19. 2・chome.Nishihonmachi.
Nishi-ku.OSAKA. JAPAN.
Tel.06-6531-1881
生活科 学研 究所 ●
大阪市 西区 西 本SI2 丁 目5 番19 号
Tel.06-6531-1881
(代)
06 − ⅨA4
−0301
表 題: 白 金ナノ粒 子 の固定 化 のウ サギにおける皮膚 一 次 刺激 性試 験
要 約:6
匹 のウ サギを用いて、白金ナノ粒子の 固定 化を無 傷 皮膚および有傷皮 膚に24
間 接触させ 、その一 次刺 激性 について被験 物 質除 去48
時
時間 にわたり観察した。対 照
として絆 創膏 のみを同 様に接 触させ、比較 検 討した。
白 金ナノ粒 子 の 固定 化を24
時 間 接触させたところ、無 傷 皮膚および有傷 皮膚 の 全
例で観 察期 間 中 刺 激症 状は認 められなかった。
一 次 刺激 性 インデックス(P. 1.1.) は、白 金ナノ粒 子 の固 定化 および対 照の絆 創 膏と
もに、0.0であった。
以上 の結 果 から、Draize 法1) による刺 激 性物 質 の評 価区 分に基づくと、白 金ナノ粒
子 の固 定化 は非 刺 激性 であると判定した。
1。試 験 目 的
白 金ナノ粒 子 の固定 化 の安 全性 評価 の一 環として、ウサギの皮膚 に24
時間 接 触させ、
皮 膚一 次 刺激 性の 有無について調べた。
なお 、本試 験 は「SEK
マーク[抗 菌 防 臭 加工 、制 菌 加工] 、消臭 加工 マーク 安 全 性 マニ
ュアル 改 訂 版」( 平 成16
たASTM(
年10
月発 行 、社団 法 人繊 維評 価 技術 協議 会)を準用して、ま
アメリカ材料 試 験協 会)F719-81(1996
年) の方 法を参 考にして実 施した。
2. 試験施 設
1)試験受託者の名称および所在地
名 称 生活科学研究所
所在地 大阪府大阪市西区西本町2丁目 5番19 号
2)試験実施施設の名称および所在地
名 称 生活科学研究所 千早赤阪研究所 第2施設
所在地 大阪府南河内郡千早赤阪 村字千 早谷900
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5・19. 2-chome.Nishihonmachi.
Nishi・ku. OSAKA.
JAPAN.
生 活科 学 研究 所 ゜
大阪 市西 区西 本町2 丁 目5 番19 号
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06 − ⅨA4
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(9) 提 供 元
・名 称
株式会社 バイオフェイス
・所在 地
京都府宇治市開町39 番地 2
・担当 者
鍬本 功
2) 対 照 物 質
使 用し な か っ た 。
7. 被 験 物 質の調 製について
提 供された 液体をそのまま試 験に用いた。
8. 投与 条件 下において安 定 性 、均 一性 および分 析方 法
被験 物 質は 提供された 液体をそのまま試 験に用いたことから、投 与条 件下 では安 定であ
り、均 一であると考えた。
9. 試験 系
1) 使 用 動 物
平 成18 年 4 月10 日 に北摂 産 業 有限 会社( 大阪 府摂 津市 別 府 1 丁目20
番 4号)
より、雄 性日 本 白 色 種ウ サギ(コンベンショナル)を 8 匹( 入荷 時体 重:1.85 ∼2.35kg、
週 齢:9 ∼10 週 齢) 入 荷し、7 日 間 の予備 飼育を行った後 、一般 状態 および皮膚 に異常
のない動 物を 6匹試 験に供した。
2) 識 別 方 法
入 荷 時に油性 黒フェルトペンで右 耳に入 荷 動物 番号を、また群分 け時には油 性 赤フェ
ルトペンで左耳 に試験 動物 番号を付けた。さらに各ゲージ は識別カードで識別した。
3) 群分 け
群 分 けにあ たっては 予 備 飼育 後、一 般状 態および投 与 部 位の 皮膚 に異 常の ないこと
を確 認した全 動 物について体重を測 定し、体重 の 差がなるべ< 少なくなるように分 配して
2.00∼2.44kg のウサギを試験 に用いた。
3
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4) 飼 育 管理
飼 育は個 別にアルミニウム製ブラケットゲージ(320W x 550D x 350Hnfim)
に 収 容し、実
測温 度:19 ∼23.5℃ 、実 測 湿 度:40 ∼67% 、換 気 回数:10
回 以上 /時間 、照明 時 間:
12 時間 /日( 午 前 7時 ∼午後 7時) に設 定された B棟 クリーン中 動物 飼育 室 1で飼
育し、3 回 /週の 割 合で飼 育室 、飼育棚 を清 掃した後 、ネオクロール クリーン( 四国 化
成 工業 株 式会 社) で床を消毒した。
飼 料は 市 販 の 固 型 飼 料RC4(
オリエンタル 酵母 工 業 株 式 会社) を、飲 料水 は 自 動 給
水装 置 で千 早 赤阪 村 村 営水 道 水を自 由に 摂取させた。
10. 予 見 することの できなかった試 験 の信 頼 性に 影響 を及ぼ す疑い のある事 態および試 験 計
画書 に従 わなかったこと
予 見 することの できな かった試 験 の 信 頼性 に影 響を及ぼ す疑い のある事 態 および試 験
計 画 書に従 わなかったことはなかった。
11. 試 験 実 施方 法
1) 投与 方 法
試験には 6匹 のウサギを使 用し、投与 前に 背部 の被 毛を皮膚に損 傷を与 えないように
注意 深く電 気 バリカンで刈 毛し、図のように試 験 部位 4ヵ所を決めた。接触部 位 の 2 箇
所はそのままとし(無 傷皮 膚) 、他 の 2箇所 は18G の注 射 針で角 質層 に真 皮にまで傷を
つけないよう(出 血が 認められない程 度) に#型 の傷をつけた(有 傷皮 膚) 。
被験 物 質0.5mL をパッチテスト用 絆創 膏 の布 地部( 直 径2.5cm) に塗布し、無 傷皮 膚お
よび有傷 皮 膚部 位 それぞれ 1ヵ所に接触させてアセテートクロス サージカルテープ(ニ
チ バン株 式 会社 製) で24 時間 固 定した。対 照としてパッチテスト用 絆 創膏 の 布地 部を無
処 理のまま残りの無 傷 皮膚 および有 傷皮 膚 部 位それぞれ ーカ所に接 触させ 、同 様に固
定した。接 触( 投 与)24 時 間 後に絆 創膏を除 去した。
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[接触面の設定]
接触面No.1: 被験物質0.5mL [無傷皮膚]
接触面fk2: 被験物質0.5mL [ 有傷皮膚]
接触面Na3: 絆創膏のみ [無傷皮膚]
接 触面Na4: 絆創膏のみ [有傷皮膚]
2) 被験物質の投与経路、投与量、投与法、投与回数、投与期間および投与量設定の理由
被験物質は皮膚に接触することを考慮し、皮膚一次刺激性を評価するためにDraize
の皮膚一次刺激性試験0 に準じた。
3) 観察 および測 定
(1) 一 般 状 態観 察
観 察期 間 中 、毎 日 動 物の一 般 状態を観 察した。
(2) 体 重 測定
投 与日( 投 与開 始 前 O日) および観 察 終了 日( 除 去48 時間 後) に体 重を測 定した。
(3) 皮 膚 の観 察
皮 膚反 応 の状 態は 、被 験物 質除 去1 、24および48 時間 後に紅 斑 、痴 皮形 成 および
浮 腫形 成 の 程度について観 察した。
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○判 定基 準 (Draize の方 法)
(1)
紅 斑 形 成
紅 斑 なし
● ● ● ● ● ● ● ● ●・
非 常 に 軽 度 の 紅 斑(
● ● ■ ● ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 口○
か ろ う じ て 識 別 で き る) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ はっ きりし た 紅 斑 ・ ・
2
● ● ● ● ● ● ● 口 口 ● ● ● ● ● ● 口 ● ■ ● 皿 3
中 等 度 な い し 強 度 の 紅 斑
強 度 紅 斑(beet redness)
(2)
1
か ら わ ず か な 痴 皮 の 形 成(
深 部 損 傷 ま で) ・ ・ ・ ・
4
浮 腫 形 成
浮
腫
な し・
■
●
●
●
● ● ● 専 ● ● ● ● ● ● ● 暑 非常 に軽 度 の 浮腫(かろうじて識 別できる)・ ・ ・ ・
● ■ ● 儀 口 ● ● ■ 口 ‐ ●
●
● ■ ● ● 中等 度の 浮腫(約1mm
強度 の浮 腫(1mm
●
○
1
2 3
軽度 浮腫(はっきりした膨隆 による明確な縁 が識 別できる)・ ・ ・ ・ ・
●
)・
を超える膨隆と暴露 範囲 を超えた広 がり)・ ・ ・ ・ ・
4
4)写真撮影
各動物について被験物質除去1 、24および48 時間後に、皮膚の状態の写真撮影を
行った。
12. 試 験 結 果 の評価
被 験 物 質を除 去し、紅斑・痴 皮形 成および 浮腫 形成 の2項目 につい て個々の 動物の試 験
部 位 における皮膚 状 態の1 、24および48 時 間 後の 判定 値を合 計して、1動 物あたりの平 均
値 を6で割り、一 次 刺激 性 インデックス(P. 1.1.)とした。この値 から下記 のDraize の方 法I)
による刺激 性 物質 の評 価区 分に基づいて被験 物質 の皮 膚一 次 刺激 性を評価した。
安 全 性区 分
刺 激性 インデックス
非 刺 激 性 ∼ 弱い 刺激 性
中 等 度の刺 激性
強い刺 激 性
○ ∼2
3 ∼5
6 ∼8
6
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13. 試 験 結果
1) 一 般状 態観 察に ついて
試 験 期間 中 、全 例の一 般 状態に異 常 は認められなかった。
2) 体重 測 定について( 表1 )
試 験 期間 中 、全例 の体重 は順 調に増 加した。
3)皮膚刺激症状
・接触面No.
除去48
1: 白金ナノ粒子の固定化[無傷皮膚 ](表2 、写真1 )
時間の観察期間を通して全例の皮膚に紅斑。痴皮および浮腫などの刺激
症状は認められなかった。
・接触面No.
除去48
2: 白金ナノ粒子の固定化[有傷皮膚](表3 、写真2 )
時間の観察期間を通して全例の皮膚に紅斑、痴皮および浮腫などの刺激
症状は認められなかった。
・ 接触面No.
除去48
3: 絆創膏のみ [無傷皮膚](表4 、写真3 )
時間の観察期間を通して全例の皮膚に紅斑。痴皮および浮腫などの刺激
症状は認められなかった。
・接触面No.
除去48
4: 絆創膏のみ [有傷皮膚](表5 、写真4 )
時間の観察期間を通して全例の皮膚に紅斑、痴皮および浮腫などの刺激
症状は認められなかった。
4) 一 次刺 激性 インデックス(p. 1.1. )での 評価(表6 )
以上 の 結果 に 基づい て、一 次刺 激性 インデックスは 、 白 金ナノ粒子 の固 定 化および
対 照の絆創 膏ともに0.0 であった。
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−0301
14. 考 察および結論
6 匹 のウサギを用い て、白 金ナノ粒 子の固 定 化を無傷および有傷 皮膚 に24
時間 接 触さ
せ 、その一 次 刺激 性について被験 物 質除 去48 時間 にわたり観 察した。対 照として絆創膏
の みを同 様に接 触させ、比較 検討した 。
観 察 期間( 除去48 時間) 中 、全例 の一 般状 態 や体 重に異常 は認 められなかった。
一 方 、対 照とした絆 創 膏の みにおいても、無 傷 皮膚 および有傷 皮 膚 のいずれも紅斑およ
び浮 腫形 成 は観 察期 間中 全 例に 認められなかった。
一 次刺 激性 インデックス(P.1.1. )は 、白金 ナノ粒子の 固定 化および対 照の 絆創 膏も0.0
であった。
以上 の結 果 から、Draize 法I) による刺激 性 物質 の評価区 分に基づくと、 白 金 ナノ粒子
の固 定化 は非 刺 激性 であると判 定した。
15. 資 料 の保管
当 該試 験における試験 計 画書 、生 データ、記 録 文 書および最 終 報 告 書は 試 験 終 了 後、
生 活 科 学研 究 所 管理 本 部資 料保 管 室( 大阪 府大 阪市 西区 靭 本町 2丁 目 6番 8号 オヵ
ザキ バシビル 2階126 号) に10 年 間 保管 する。
16. 参 考 文 献 1)J. H.Draize.
C, Woodard and H. O.
・
Calvery : Methods for the study of irritation and
to xicity of substances applied topically to the skin and mucous membranes.J
Pharmacol.
,
Exp. Ther. 82. 377-390 (1944 )
以 上
8
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表 1 体重変 化
体 II
(kg )
試験動物番号
投与日
(投与開始前)
試験終了日
( 除去48時間後)
M1
2.17
2.33
M2
2,29
2.52
M3
2.44
2.59
M4
2.05
2.29
M5
2.00
2.35
M6
2.03
2.23
平均
2,16
2.39
士標準偏差
土0.173
士0.140
10
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表 2 個 体 別評価
白金 ナノ粒 子の 固定化
接触面No.1
(無 傷皮 膚)
表 3 個 体別評 価
接触面No.
白 金ナノ粒子 の 固定 化
2
(有傷 皮 膚)
試験 動物
番号
紅斑・
1時 間 後
痴 皮形 成
浮 腫形 成
24 時間 後 48 時間 後
1時 間後
24時 間 後 48 時間 後
M1
0
0
0
0
0
0
M2
0
0
0
0
0
0
M3
0
0
0
0
0
0
M4
0
0
0
0
0
0
M5
0
0
0
0
0
0
M6
0
0
0
0
0
0
合計
0
0
0
0
0
0
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表 4 個 体別評 価
接触面No.
3
絆創膏のみ
(無 傷皮膚)
試験動 物
番号
紅 斑・
1時 間後
痴 皮形 成
浮腫形 成
24時 間 後 48時間 後
1時 間 後
24時 間 後 48 時間 後
Ml
0
0
0
0
0
0
M2
0
0
0
0
0
0
M3
0
0
0
0
0
0
M4
0
0
0
0
0
0
M5
0
0
0
0
0
0
M6
0
0
0
0
0
0
合計
0
0
0
0
0
0
表 5 個 体別 評 価
接 触面No.
4
絆創膏のみ
( 有傷 皮膚)
試験 動物
番号
紅斑 ・ 痴皮 形成
1時間 後
浮 腫形 成
24時 間 後 48 時間 後
1時 間 後
24時 間 後 48時 間 後
Ml
0
0
0
0
0
0
M2
0
0
0
0
0
0
M3
0
0
0
0
0
0
M4
0
0
0
0
0
0
M5
0
0
0
0
0
0
M6
0
0
0
0
0
0
合計
0
0
0
0
0
0
12
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表 6 p.
1.1.値
被験物質
対照物質
白金ナノ粒子の固定化
絆創膏のみ
M1
0.00
0.00
M2
0.00
0.00
M3
0.00
0.00
M4
0.00
0.00
M5
0.00
0.00
M6
0.00
0.00
平均
0.00
0.00
試験動物番号
13
Fly UP