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カリタスジャパンニュース最新号PDF
通算発行番号
Caritas Japan News No. 254
カリタス ジャパン ニュース
December 2006 No.
72
2006年四旬節メッセージ ∼ イエスは、群衆を見て、深く憐れまれた ∼(マタイ9.36)
『非暴力による平和への道』
巻
頭
言
国境を越えたグローバルな援助の視点
カリタスジャパン担当司教 菊地 功
カリタスの歩み カリタスジャパンの歴史 連載3回目(全3回)
2
3
福祉のページ
2006年度 第5回カトリック全国福祉セミナー
5
HIV/AIDSデスク
排除より共生を
6
援助金交付先一覧
各
地
か
ら
性同一性障害自助グループ「TTSファミリー」会員 時田直好
7
国 際 デ ス ク
8
バザーを通して成長する教会
カトリック立川教会バザー実行委員会 西垣真子
クリスマスイベント開催中! 中部近鉄百貨店四日市店
活
動
日
誌
10
献 金 者 名 簿
9
10
11
Merry Christmas
クリスマスおめでとうございます
今年も待降節に入りクリスマスを迎える準備が進んでいますが、同時に
この1年世界中で発生した様々なできごとが思い起こされます。レイテ
島地滑り、ジャワ島地震、レバノンでの武力衝突…、国内では大雨災害、
竜巻災害など。スーダンではいまだに60万人という国内避難民が食料不
足の状況のまま、クリスマスを迎えようとしています。
キリストがお生まれになったお恵みを、一人でも多くの人が幸せな気持
ちで受けることができるよう、 世 界 中の弱い立 場の人たちに援 助の手を
さしのべることこそ、 今 キ リ ス トが私たちに求めていることではないで
しょうか。
巻頭言
国境を越えたグローバルな援助の視点
カリタスジャパン担当司教 菊地 功
「暴力は人間の尊厳も生命も自由も保護するどころか、破壊する
だけだからです。平和を樹立するために文化的、政治的、経済的な
手段が重要です。
」
去る11月13日に、信任状奉呈のため教皇庁を訪れた上野景文駐
バチカン日本大使に対して、教皇ベネディクト十六世が語られた言
葉です。教皇様は同時に、日本政府に対して朝鮮半島の非核化のた
めに交渉を続けるようにとも呼びかけられ、さらに人道援助を継続するようにとも要請されました。
人道的援助は常に政治による緊張関係の直中に存在しています。国境によって確定される国家と
いう統治制度が、世界の全体的な秩序を保っている事は、必ずしも理想的な状態ではないことは、
歴史の中でしばしば繰り返された悲劇が、国家という存在抜きには発生し得なかったであろう事から
明らかです。しかしながら、人類は、例えば国連などという組織を理想としておぼろげながらイメー
ジしながらも、残念なことに国家という制度以上の統治制度を具体化することが出来てはいません。
そしてこの国家の思惑が、時として人道援助に枠をはめようとするのです。
第二バチカン公会議の現代世界憲章には、
「全ての人は理性的な霊魂を恵まれ、神の像として作ら
れ、同じ本姓と同じ根源を持ち、キリストによってあがなわれ、神から同じ召命と目的を与えられ
ている。従って全ての人が基本的に平等であることは、ますます認められなければならない
(29)
」と
記されています。さらに
「一つの人間家族に属する人々、または諸民族の間における経済的、社会的
な大きな不平等は醜聞であり、社会正義、平等、人間の尊厳、社会的および国際的平和に反する
(同)
」
とも宣言しました。
教皇ベネディクト十六世は回勅
『神は愛』
において、教会の本質は、
「神のことばを告げ知らせるこ
と、秘跡を祝うこと、そして愛の奉仕を行うこと
(25)
」
にあると述べ、教会が世界的規模で愛の奉仕
の業に携わることの必然性を強調されています。
政治の思惑に翻弄され、またそれによって形成される世論の波にもまれながら、人道援助は時と
して本来あるべき姿を失ってしまうような危険にさらされることもしばしばあります。しかし必要な
視点は、国家の枠を超えたグローバルな視点でしょう。
「北朝鮮に対する経済制裁が、これ以上一般市民たちに重い負担をかけることのないよう、同じく
聖座*1は、現にすでに非常に苦しんでいる北朝鮮の人々への人道的援助をますます強化して続行す
るよう、様々な国際機関に心からお願いいたします。
(上野大使への教皇様の言葉)
」
教皇庁開発援助促進評議会
(Cor Unum)
のもとにある国際カリタスは、教皇様の呼びかけに応えて、
政治問題に翻弄される人々への、効果的で継続した人道支援を行うように、日々心がけているので
す。
*1 聖座
(HolySee)
=ローマ教皇ならびにローマ教皇庁の総称
2
カリタスの歩み
連載 3 回目
(全3回)
カリタスジャパンの歴史(1970年∼1987年)
カリタスジャパンは1990年7月5日
「外務大臣表彰」を受賞しました。この表彰は、外務省が設置
された日を記念して1959年から毎年、海外への経済・技術交流、広報・文化事業等の分野で貢献し
た個人、団体に授与するもので、カリタスジャパンのインドシナ難民を始め国の内外への福祉援助
活動が認められたものです。
1992年には社会福祉委員会担当司教に濱尾文雄司教
(現枢機卿)
が就任しました。この年はまた、
新しい
「日本カトリック会館」
が東京・潮見に落成し、カリタス・ジャパン事務局も飯田橋から潮見に
移転しました。
1994年にはルワンダ難民の救援活動が始まりました。カリタスジャパンはルワンダ難民キャンプ
支援事業に初めて人を派遣しました。この派遣は1995年5月まで続けられました。
1995年6月の定例司教総会において、これまで
「日本カトリック社会福祉委員会」
となっていた名
称を
「社会福祉委員会・カリタスジャパン」
と改称し、社会福祉委員会とカリタスジャパンの活動内
容を明確化し、それぞれに担当司教を置くことになりました。委員長森一弘司教、新担当司教野村
純一司教が就任しました。それぞれの活動内容は、
「社会福祉委員会」は福祉教育の振興ならびに福
祉活動を推進する諸事業にあたり、福祉施設・団体および関係諸協議会との連絡・調整を担当し、
「カ
リタスジャパン」
は国内・海外の要援助者のための募金・援助活動にあたり、国際カリタスの一員と
して、国際カリタスへの参画を担当します。
同年10月26日、1975年以来、インドシナ難民の受け入れに積極的にかかわってきたカリタスジャ
パンが、インドシナ難民関係功労者として
「内閣総理大臣表彰」
を受彰しました。
カリタスジャパンは1999年から4年間の任期で、東アジア代表
(日本・韓国・台湾・香港・マカオ・
モンゴル)
の国際カリタス理事国に選出され、これが2003年の総会で再任となり、現在2期目の理
事国を務めています。
1999年12月12日 司教協議会・HIV諸問題検討特別委員会
(委員長・押川司教)主催で
「第1回
HIV/AIDS問題講演会」
が東京の聖パウロ女子修道会ホールで開催されました。日本のカトリック教
会のHIV・エイズに対する取り組みの遅れは、6年前にローマで開かれた国際カリタスの総会で指摘
され、5年前に日本カトリック司教協議会に特別委員会が発足しました。この特別委員会は2003年
からカリタスジャパンにHIV/AIDSデスクとして組入れられ、活動しています。
2000年6月30日∼7月2日 社会福祉委員会・カリタスジャパンの主催で、朝鮮民主主義人民共
3
和国
(北朝鮮)への食糧援助に関する活動を行っているNGO(非政府組織)関係者による
「北朝鮮人道
支援国際NGO会議」の第1部
「国際NGO北朝鮮支援会議」が日本カトリック会館などで開催されまし
た。参加者は北朝鮮在住の国連開発計画
(UNDP)
、世界食糧計画
(WFP)
、ユニセフ
(国連児童基金)
、
世界保健機関
(WHO)
の代表者、世界宗教者平和会議
(WCRP)韓国・日本委員会、世界教会協議会
(WCC)
の代表者ら110人に上りました。
2004年臨時司教総会にて
「カリタスジャパン」と改称することが承認されました。これまでの
「社
会福祉委員会・カリタスジャパン」では社会福祉援助活動と募金援助活動の別々の目的があるかの
ような印象を与えかねず、誤解を招く恐れがあるので、国際的にも通用する
「カリタスジャパン」と
いう名称でくくることが適切ではないか、との提案を受けたものです。
「社会福祉部門」
と
「援助部門」を2司教がそれぞれ担当し、各部門に秘書を置くことが決定されま
した。社会福祉部門は宮原良治司教が担当し、援助部門は委員長の池長潤司教が担当となりました。
組織的には、カリタスジャパン委員会、社会福祉活動推進部会、援助活動推進部会、国際デスク、
HIV/AIDSデスクならびに教区担当者会にて構成され、現在に至っています。国内各教区では、教区
長より任命されたカリタスジャパン教区担当者が、カリタスジャパンの活動の支援協力にあたって
います。
同年5月と12月にはカリタスジャパンHIV/AIDSデスクで
「カトリック教会が
『性』にどう向き合う
か」
「カトリック学校における性教育のあり方」をテーマに勉強会を開催しました。その記録は
「カリ
タスジャパンHIV/AIDSデスク資料No.1
『HIV/AIDSと性教育』
」
としてまとめられ、頒布されています。
2004年6月の司教総会において宮原良治大分教区司教がカリタスジャパンの委員長に就任し、援助
部門を菊地功新潟教区司教が担当することになりました。
同年6月社会福祉活動推進部会より
「カトリック社会福祉の共通理解のためのメッセージ
『カリタ
スを生きる∼社会福祉にキリストの心を』
」
が発行され、頒布されました。これは、それ以前に
「カト
リック社会福祉活動の共通理解を求めて」
というテーマで数回にわたって開催されたカリタスジャパ
ン主催の社会福祉セミナーを経て理解を深めていた内容がメッセージとして発行されたものです。
2005年8月には菊地功担当司教のカリタスジャパンニュースへ連載された記事をまとめた
「カリ
タスジャパンと世界|武力なき国際ネットワーク構築のために」
がサンパウロより出版されました。
これまで3回の連載でカリタスジャパンの歴史についてふれましたが、戦後の
「カリタス会」がで
きた時期からすると約60年、
「カリタスジャパン」が正式に発足した1970年から36年が経過しまし
た。私たちは、最初は海外から援助を受けていましたが、いつの間にか周りの国々へ援助の手をさ
しのべる立場に変わって来ています。これからも、カリタスジャパンは国際社会の中で与えられた
役割をしっかり果たしてゆきたいと思います。
(事務局 田所 功)
4
福祉のページ
2006年度第5回カトリック全国社会福祉セミナー
「虐待・暴力・性暴力」に被害者の視点で向き合う
−問われる教会・信仰のあり方−
2006年11月22日
(水)から24日
(金)まで、東京カテドラルのケルンホールにて、第5回カトリック全国
社会福祉セミナーを開催致しました。
カリタスジャパンでは、隔年、全国規模の社会福祉セミナーを行なっていますが、今回は、虐待・暴力・
性暴力をテーマに取り上げました。一般社会における暴力の構造、当事者のかたの体験、教会における暴力
についての討論を通して、私たちの教会と信仰のあり方について考えました。
専門家または当事者である講演者の話から、教会においてタブー視されて、声を上げられなかった問題
(暴
力、中絶、離婚等)
が初めてオープンにされた機会になりました。
以下、セミナーアンケートに寄せられたご意見を何点かご紹介させて頂きます。
「何故、このような苦しみとその後素晴らしい活動をされている方々が教会にいられなくなるのか。それを
受け入れられない雰囲気の教会とは一体何か?という思いが強くおきました。
「
」被害者
(この言い方は嫌です)
の立場に立たされているからこそ、教会の示そうとする態度に関心があり、敏感にもなります。清く正しく
美しく生きるだけの教会なら必要ありません。社会の、家庭のゆがみの中で苦しむ人と教会のゆがみの中で
苦しむ人にとって、本当に安全な場所である教会をともに目指していけたらと考えます。
「
」力を持ちやすい人
たちへの倫理教育とジェンダー観の見直しがなければ教会は暴力の温床のままではないでしょうか。
「
」私た
ち
(当事者)のことを星さんと呼んでくださって本当に嬉しく思いました。私たちは一人ひとりイエスにとっ
ての星だと確信しています。今回の講師の何人ものかたが、教会の敷居は高い、教会の人は
『かわいそうな人
を助ける』
という視線で人を見る…とおっしゃいました。イエスはそうではないということを分かち合いなが
ら、生かされていることに感謝します。
」
多くのかた
(参加者185名)
が、このテーマに関心を持っていただき、ご参加下さったことに感謝申し上げ
ます。社会福祉活動推進部会では、今後も暴力や虐待をテーマにセミナー開催を全国展開して行く予定です。
皆様からの活発なご意見とご協力をお願い申し上げます。 遠藤優子先生
(事務局 喜代永文子)
中島幸子先生
24日 シンポジウム
柏女霊峰先生
5
22日 パネルディスカッション
HIV/AIDSデスク
排除より共生を
性同一性障害自助グループ
「T T Sファミリー」
会員 時田直好
私は性同一性障害といわれる人間です。ほとんどの人は、自分が男であるとか女であるとかを改めて考
えずに生きているはずです。ところが私は肉体は男であっても、精神的には女性なのです。だから今の社
会では常に生きづらさを抱えながら生きていかざるを得ないのが現実です。
昔は、性倒錯だとか、異常性欲の結果とかいわれましたが、最近では母親の胎内で男と女に別れるときに、
ホルモンの量が足りずに、性同一性障害が生ずることが医学的に明らかにされてきました。子育ての環境
などの影響ではなく、生まれつきの問題だという受け止め方が今では一般的になっています。
私の場合は3歳ぐらいから違和感を覚えていました。遊ぶのも男の子とは遊ばず、近所の親類の女の子
といつも遊んでいて、自然に女の子のような動作をとっていました。
◎性倒錯と診断されて
一番悩んだのは中学一年ぐらいの時で、男らしさを求められても自分にはできない、それが一番苦しい
ことでした。他人は
「そういう人もいるのか」
という話ですみますが、当事者や親、家族は、そうはいかず、
苦しむわけです。私も父親から
「そんなふうに育てたつもりはない」
と怒られました。
どうやって生きていったらよいのか分からない時期が中学から高校時代にあって、私の母がプロテスタ
ントの信者で、教会の牧師の姉がカトリックのシスターだった関係から、吉祥寺カトリック教会を訪ねま
した。そこで出会った青年たちが私のありのままを受け入れてくれたことに感動しました。そして修道士
の道を歩みたいと思うようになり、神言会の多治見修道院を訪ね、神学生の勉強を始めました。高校一年
の時でした。
神学校では不思議なことに性同一性障害の問題は頭から離れ、ラテン語を学んだり、有意義な時を過ご
すことができました。当時、学園紛争が各地で起こり、私も正義感から運動に参加し、それがもとで大学
二年の時に上長から
「君は社会で暮らしなさい」
と言われ、修道士の道はあきらめざるを得ませんでした。
どうやって生きていったらよいのか、めどがつかず、だれにも相談できず、また自分自身を受け入れる
ことができず、悩みました。
私を理解してくれた神父さんに
「精神病院に行ったらよい」
とアドバイスを受け、精神科に診てもらいま
した。しかし当時の精神科医は、
「性倒錯です」
とか
「異常性欲から起こる症状だ」
と言うだけで、何も解決
にはなりませんでした。
◎性同一性障害も生まれつき
当時、アルコール依存症の神父さんがいて、
「生まれつきの体質だから、アル中はそれを受け入れるしか
ない」
と、達観していました。その言動に接して私の性同一性障害も生まれつきの問題だからと、受け入れ
ることができるようになりました。それ以来、自分のありのままを認め、受け入れ、神を信頼して、委ね
るという道を歩んでいます。
教会はどんな人でも、障害があっても受け入れてもらえるところだと思っていますが、現実はそうでは
ありません。
私はいつも女性の服装をしています。そのほうが私にとっては自然なの
です。私のような人間がいるということを理解していただきたいと思い、
お話ししました。
(注=エイズデスクの勉強会でのお話を要約したものです)
<おしらせ>先月号でご紹介したHIV/AIDSカレンダーにまだ若干の在庫があります。
ご希望の方にはお分け致します。
(送料実費)
お申し込み下さい。
申込先:[email protected] FAX:03-5632-4464
6
カリタスジャパン 援助金交付先一覧
(2006年10月16日∼11月15日)
国際カリタス特別/緊急支援要請
(SOA/ER)
(援助金は国際カリタスを通して、現地のカリタス救援本部に届けられます)
1.ガーナ:リベリア難民緊急医療支援(ER12/2006 CJ:029-06)
援助団体:カリタスガーナ
(Caritas Ghana)
¥560,167
2006年1月、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が、ガーナに避難しているリベリア難民に自
主的に母国に戻ることを奨励したことに伴い、多くの国際人道支援団体がガーナから撤退しまし
た。しかし現実は、未だ帰還後の身の安全を危ぶむ多くのリベリア難民がガーナに留まっており、
彼らへの支援が急激に縮小しつつあることが問題となっています。リベリア難民キャンプ内に設
立された聖グレゴリーカトリック診療所への支援も縮小し、同診療所を訪れていた39,000人のリ
ベリア難民と35,000人の地域住民
(ガーナ人)
は現在、医療サービスを受けることができない状態
にあります。こうした中、カリタスジャパンは4,759ドルの支援を聖グレゴリーカトリック診療
所に対して行うことを決定しました。
2.レバノン:紛争復興支援(SOA18/2006 CJ:030-06)
援助団体:カリタスレバノン
(Caritas Lebanon)
¥10,596,000
イスラエルとヒズボラの戦闘により荒廃したレバノンで、復興に向けた中・長期支援を実施する
ために、国際カリタスは同国への約800万ドルの支援を世界に呼びかけました。
支援の具体的内容は、地域住民の交流を活性化させ互いに助けあう気持ちを育むことを目的とし
たコミュニティー復興支援、地域の特質に合わせた職業支援、人種の異なる人々が協力してイベ
ント
(スポーツや公共施設改築等)
に取り組む機会を提供する紛争予防支援等から成ります。カリ
タスジャパンは、7万ユーロの援助を決定しました。
3.バングラデシュ:サイクロン緊急支援
(SOA19/2006 CJ:031-06)
援助団体:カリタスバングラデシュ(Caritas Bangladesh)
¥2,358,600
2006年9月19日、激しいサイクロンがバングラデシュの沿岸を直撃しました。被害は、数千人の
死傷者、家の損壊、エビ養殖場の壊滅、働き手
(多くは漁業従事者)
喪失に伴う収入減、ボート・ネッ
ト等道具の喪失に及んでいます。こうした中、国際カリタスは総額43万ドルの支援を全世界に呼
びかけました。支援の内訳には、緊急食料支援・職業教育支援・避難所設置が含まれます。カリ
タスジャパンは、2万ドルの援助を決定しました。
4.パキスタン:洪水緊急支援
(SOA20/2006 CJ:032-06)
援助団体:カリタスパキスタン
(Caritas Pakistan)
¥5,896,500
2006年7月にパキスタンを襲来したモンスーンに伴う豪雨と気温の急激な上昇が、パキスタン北
部の山地の雪解けを誘発し、インダス川等主要河川の洪水を引き起こしました。その結果、ラホー
7
レ、ハイデラバード、カラチ、ファイザラバードで50,000世帯が被災しました。こうした中、国
際カリタスは総額56万ドルの資金援助を全世界に呼びかけました。支援の内容は、緊急支援パッ
ケージ
(バケツ・石けん・飲料水・蚊帳)
の配布、就寝用テントの配布、医療キャンプの設置が含
まれます。カリタスジャパンは、5万ドルの援助を決定しました。
5.スリランカ:洪水緊急支援
(SOA21/2006 CJ:-06)
援助団体:カリタススリランカ
(Caritas Sri Lanka)
¥2,358,600
10月にスリランカの首都コロンボと同国南西地方を襲ったサイクロンは、洪水と土砂崩れを引き
起こし、33万人もの人々の家屋が損壊しました。水田もほとんど壊滅しました。こうした中、国
際カリタスは総額35万ドルの支援を全世界に呼びかけました。支援の内容は、緊急食料支援、食
料以外の物資配給、テントの支給、生計の立て直し支援等が含まれます。カリタスジャパンは、
2万ドルの支援を決定しました。
国際デスク
パレスチナ ガザ地区の惨状
「ガザに住んでいた3歳の少女マリアちゃんは、お母さん、おばあさん、お兄さん、おじさんと共に、
新しい車を購入して帰途の途中でした。突然、イスラエル空軍が発射したミサイルが着弾し、マリ
アちゃんとおじさんを除いた全員が死亡、マリアちゃんとおじさんは首から下全体が麻痺して全く
動けない身体になりました。ガザには二人を受入れる医療施設が無いため、現在二人はイスラエル
の病院にいます。惨事の場に居合わせなかったマリアちゃんのお父さんハムディさんは、病院で娘
に付き添うことは許されましたが、病院を出ることは許されていません。彼の身元確認証は病院の警
備担当が保管しており、もしハムディさんが病院を一歩でも出ようとすれば、ガザのErezチェック
ポイントに行き、イスラエルでの滞在許可証を新たに発行してもらわなければなりません。ハムディ
さんの現在の住居はガザではなく、イスラエルの病院なのです。ハムディさんは移動する自由を完
全に奪われ、働くことも、服を買うこともできず、病院の小部屋で他の同様な境遇にいる人々と寝
泊まりを共にしています。
(SOA9/2006パレスチナ緊急支援中間報告書より)
」
この話からわかるように、パレスチナとイスラエル間の紛争、そしてテロを封じ込めるためと称し
て課せられたガザやウエストバンクへの人・物の移動制限は、
最も社会的に弱い立場の人々を苦しめています。国際カリタス
が2006年6月に世界に呼びかけ、カリタスジャパンも支援した
パレスチナ緊急支援は、マリアちゃんとハムディさん一家のよ
うな最も弱い立場の人々の救済・支援に使われてきました。も
ちろん、どんなに支援金をつぎ込んだとしても、マリアちゃん
の身体は元通りにはならないのです。
写真:Caritas Israel マリアちゃん
8
各地から
バザーを通して成長する教会
カトリック立川教会バザー実行委員会 西垣真子
2006年10月15日晴天の秋空の中、カトリック立川教会
(以下立川教会)
のバザーが行われました。
小教区の高齢化が進む中、私たち立川教会もその一つではありますが、まだまだ各部会は活発に
活動しており、バザーを盛り上げています。また立川教会ならではの手話による合唱や演奏会、ビ
ンゴゲーム、フィリピンの方によるバンブーダンスなどのイベントも盛りだくさんです。
例年、バザーと言うと年中行事になりがちで、その目的や意義についての認識が薄れがちです。
信徒の一人一人がバザーの目的、意義についての認識が深まれば、大変なバザーもやりがいのある
もの楽しいものになるのではないでしょうか。
そこで、今年はバザーを通して信徒同士の交わりを深め、一つになって自分のできることでキリ
ストを証ししよう言う気持ちを込めて、
「一つになろうキリストと共に」をスローガンに、バザーの
目的、意義を見出しながら実行委員会を進めてまいりました。具体的には、バザーの目的をはっき
りさせるため収益金の使われかたを明確にしました。今年は支援先の一つであるカリタスジャパン
について詳しく知る機会を設けました。それは、ただお金を送るだけではなく、隣人の苦しみを共感
した心を持って行ないたいと思ったからです。故マ
ザーテレサが
「愛の反対は憎しみではなく、無関心
である」と言っていたように、常に私たちは隣人に
ついて無関心であってはいけないからです。そして、
10月1日ミサ後にカリタスジャパンの事務局長田所
氏にお越し頂き、カリタスジャパンの活動について
お話しを伺いました。この出会いがきっかけとなり、
バザー当日にカリタスジャパンよりパネルを貸して
頂くことになりました。そして、バザーに来られた
方にもその活動を知って頂く機会となったのです。
また、バザーは教会が地域の方々とも交わる機会
でもあります。私たちが無償でこのようなバザーを
開催している姿を地域の方々は見ておられます。地
域社会に力強く福音宣教する共同体
(教会)
へと成長
するよう毎年心してバザーを開催していきたいと思
います。
9
クリスマスイベント開催中!
*会場:中部近鉄百貨店四日市店店内
*期間:11月23日
(木)
から12月24日
(日)
まで
前号71号でお知らせした、三重県四日市市中部近鉄百貨店四日市店で
「ウィッシュツリー」
のイベ
ントが11月23日より始まりました。写真のように天井まで届くツリーが飾られています。
ウィッシュツリーは、オーナメントに願い事を書き込んでツリーに飾り付け、その願い事がカト
リック四日市教会のクリスマスミサで祝別されるものです。
会場では、クリスマス・チャリティー募金が行われ、収益金をカリタスジャパンに寄付くださる
との申し出を頂いております。
活動日誌
2006年10月30日
(月)
∼31日
(火)
2006年定例全国教区担当者会議(場所:長崎カトリックセンター)
議題
(1)
カリタスジャパン概況報告 (2)
その他報告①新潟援助報告
(新潟教区担当 町田 正)
②ジャワ島地震報告
(事務長 田所 功)
③HIV/AIDSデスク報告
(矢吹貞人委員)
(3)
教区担当者
会内規検討
(4)
四旬節キャンペーンについて討議 募金コーナー設置を、学校・施設・教会に
むけて呼びかけてはどうか。
(5)社会福祉活動推進部会①社会福祉ネットワークについて討議
②福祉セミナー開催について討議③セミナー全国展開に関する討議:今年のテーマを数年かけ
て掘り下げることとする。11月の東京での開催の次は、東京以外での開催を検討する。
(6)
援助
活動推進部会①国内援助 援助申請に関して討議。
・援助対象の現場で話したいので、説明する
書類が欲しい。
・事例集
(orマニュアル)
があると、判断の基準になる。②災害援助対応:災害対
応マニュアルを検討した。
10
2006年11月1日
(水)
第21回HIV/AIDSデスク会議
報告事項:
(1)医療関係者から新委員が1名任命された。小児科医で専門は国際保健。2001年
から4年間アフリカでエイズ研究。
(2)
「正義と平和」京都大会について
『JP通信』
と
『カリタスジャ
パンニュース』
に掲載。
(3)
2007年エイズカレンダーは、カトリックの小・中・高等学校・大
学等に発送済み、教区にも発送し小教区に配布。 審議事項:
(1)カリタスジャパンニュース
関連
2006年11月8日
(水)
第4回社会福祉活動推進部会
報告事項:
(1)
カリタスジャパン定例全国教区担当者会議における報告ならびに意見交換 審
議事項:
(1)
第5回カトリック全国社会福祉セミナーについて、応募状況と確認事項(2)
障がい
者自立支援法に対する声明文について(3)
来年度年次計画について
(セミナーの全国展開等)
2006年11月15日
(水)
第5回国際デスク会議
報告事項:
(1)
国際カリタス北朝鮮プログラム運営ミーティング報告(2)
ウガンダ・ルワンダ
契約更新の件 審議事項:
(1)
会議予定(2)
海外視察 パキスタン12/11∼16、パプアニュー
ギニア12/5∼10、バングラデシュ 2月等。
(3)
国際カリタス特別/緊急支援要請
(SOA/ER)
、
一般援助要請の審査
献金者名簿
カリタスジャパン献金者ご報告 (2006年10月16日∼11月15日)
●個人・団体・敬称略 ●匿名希望の方へも御礼申し上げます(氏名末尾( )内の数字は集計期間中の献金回数です)
活動団体 カトリック茨城女性の会
【札幌教区】
個人 椿曜子、小藤道子
学校 羽幌藤幼稚園
【東京教区】
教会・修道会 羽幌教会、東室蘭教会、士別教会、
個人 伊東止女子、大菅淑子、内山美樹子、鈴木英隆、
山鼻教会
伊達雅幸
(2)、岩井昭一郎、斉藤小百合、松崎中、
ヨゼフ会高木医院、横山京子、諸岡健、中川裕巳、
中嶋俊之、池田豊、石崎嘉正
【仙台教区】
個人 萩野誓也、李正吉、阿部かね子、遠藤和江、
施設 聖マリア保育園
岡田友治
学校 レジナ幼稚園父母の会、暁星小学校シャミナー
活動団体 カトリック岩手県中央ブロック交流会
ド会
教会・修道会 八木山教会
教会・修道会 田園調布教会、鴨川教会、習志野教会、
町田教会、三位一体の聖体宣教女会本部
【新潟教区】
個人 石本玲・広美、石川利喜三、西川幸子、早川さゆり
【横浜教区】
施設 亀田平和の園保育園父母の会
個人 小島和子、菊地キン、國分典子
(2)
、杉野多規子、
塚田君子
(2)
、鈴木久子、祈りの家ペトロ神父
施設 聖母の園老人ホーム
【さいたま教区】
個人 川村智子、仁茂田裕之、溝井光子(2)
教会・修道会 聖心侍女修道会城廻修道院
11
学校 長尾聖母幼稚園
【名古屋教区】
個人 上條光子、森宣子、西村チズ子、葛谷登
学校 カルメン幼稚園
【福岡教区】
教会・修道会 多治見教会、南山教会
個人 平野須美子、高橋晶子、香草舎、木村久治
【京都教区】
【長崎教区】
個人 奥村董美、小林幾代、桑本肇、田中政男(2)、
個人 烏山ケイ子、阿部良子
田口タマエ
学校 潜竜聖母幼稚園
活動団体 カトリックスカウト京都教区支部事務局、
ささゆり会
【大分教区】
教会・修道会 田辺教会
教会 大分教会
【大阪教区】
【那覇教区】
個人 玉川勝己、沼田晃治、櫻井健吾、緒方貴子(3)
個人 嘉陽田広子(2)
活動団体 大阪カトリック・スカウト指導者協議会
学校 聖母被昇天学院中学校・高等学校
匿名の方 43件
【広島教区】
〔2006年10月16日∼11月15日の献金額〕〔単位 円〕
個人 丹 邦 子、 玉 藤 務、 木 山 陸 男、 植 木 久 江、
3,600
四旬節献金
岡田進、高橋要順、大岡直矢
学校 高千帆小百合幼稚園、小野田小百合幼稚園(2)
教会・修道会 小野田・北若山教会、小野田・高千
帆教会、観音町教会
国内援助
99,364
海外援助
3,052,521
災害援助
405,880
5,000
クリスマス募金
【高松教区】
62,150
運営寄付
個人 近藤恵津子、松本美香子、小比賀ヤヘ子
3,628,515
カリタスジャパンの活動へのご支援を今後ともよろしくお願い致します。
カリタスジャパンの活動は皆様の日頃の募金と
「四旬節 愛の献金」
によって支えられています。
払込手数料のかからない郵便振替用紙をご用意しておりますので事務局までご請求下さい。
なお、領収書をすみやかにお届けするために、お名前にはフリガナをお書き下さり、グループ
名・修道会名は正式名称でご記入くださいますようお願い致します。
宗教法人カトリック中央協議会
Caritas Japan News
No.72
(2006 December)
通算発行番号 No.254
2006年12月20日発行
郵便振替番号 00170 - 5 - 95979
カリタスジャパン
発行人 宮原良治
〒135-8585 東京都江東区潮見2-10-10 日本カトリック会館
(5632)
4439 FAX 03
(5632)
4464
TEL 03
E-mail [email protected]
ホームページ
12
http://www.caritas.jp
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