Comments
Description
Transcript
『一人で楽しめる~PCからぽんぽんらんどOne へ~』
『一人で楽しめる~PCからぽんぽんらんどOne へ~』 ずっと「清也が一人でも楽しめるモノ」を探していて、7年位前にPCを考え始め、地域支援室に相 談しましたが、当時はハードもソフトも充実していませんでした。特に、清也程の重度心身障害児者が 「一人で」楽しめる良いソフトが無かったように思います。又、障害手帳が「体幹機能障害」でしたの で、給付の対象ではなく、書き換えてくれる医師が見つかりませんでした。諦めかけたこともありまし たが、障害児者のPCの勉強会等には、ずっと参加していて、昨年、手帳の書き換えをしてくださる医 師が見つかり、一気に進み始めました。 PCを選択したのは、将来入所する専門病院が統合移転して、安全の為にベッド周りの私物置き場が 狭くなり、それに加えて、病気が進行していくと大きな医療機械がいくつも入るので、先輩保護者や患 者さん達から、TV,DVD、CDなども全部PCでできる方が良いとアドバイスされ、又、将来に渡 って誰かがサポートできるからです。私自身はPCは持っていませんし、PCの理屈はわかりますが、 最近まで操作は殆どできませんでした。 ① 子どもセンターは「AAC外来」と言って、小児科医の処方箋のもと、OT,ST,PTが、チー ムを作り、関わってくださった。この OT さんは、7年前にPCの相談をした地域支援室の職員の方 で、人事異動で OT になられていて、とても助かった。 ② 広島大学病院木村整形外科医は、病院のスイッチなどを試させてくださったり、スイッチを操作す るのに補装具が要るなら意見書を書いてくださるとも言ってくださっている。スイッチは、パシフィ ックサプライやアクセスインターナショナルは、予約者が他にもいて日にちの指定は難しいが、返却 送料負担で貸してくれる。 ③ 下山担任は、向学心も豊富で、担任だからはもちろん、ご自分の勉強になるからと、関わってくだ さっている。3年続けて担任で、常に私と、思いと行動を1つでいてくださり、幸運なことに、昨年、 国研の肢体不自由・病弱の部の研修に2ヶ月参加され、スイッチは、先生に決めていただいた。 他に、香川大学坂井助教授、広島大学巖淵講師、マイクロソフト細田さん、できマウス町田さん、国 研大杉先生、昨年度全肢P大会助言者寺境先生、発表者本田先生、社協PCボランティア林さん、パシ フィックサプライ広島営業所戸室さん、アクセスインターナショナル石原さん、などにご支援いただい ています。 養護学校で毎年夏休みに勉強会があり、昨年も講師をされた巖淵先生に相談し、提案されたモノの中 に「ぽんぽんらんど」もあり、資料を集めたり代理店でデモ機を見せていただいたりしました。「1ス イッチ1クリック」で操作できる「ぽんぽんらんどOne」は正に「清也が一人でも楽しめるモノ」です。 開発をされている城南電器工業所の中園さんもPCとソフトの動作確認に来てくださいました。 現在の清也は ① 2~3才の知能と判定されているが、 「ぽんぽんらんど One」は自分の物としっかり認識できており、 私が勝手に使うと怒る。 ② 「ぽんぽんらんどOne」の音楽が鳴ったり、私が口ずさむと喜ぶ。 ③ 担任やヘルパーさんは、清也は好き嫌いがはっきりしていて、選択肢が多くても好きなものをちゃ んと選べると判断されており、「ぽんぽんらんどOne」がとても大好きで、選んでクリックをしてい ると判断されている。 ④ 約半年の取り組みで、ゲーム内容もある程度理解できており、ゲームや場面内容を自分で選択しク リックしている。発語は少ない子だが、失敗すると「あ~あ」と言ったり笑ったり、ゲームのキャラ クターが「バイバイ」と言ったりゲームが終わると「バイバイ」と言ったりする。 ⑤ 骨折で入院中も、画面が見えなくも、音楽や音声で内容がわかるようで楽しんでいたが、やはり画 面が見たいようで、横向きを要求し画面を見ながら楽しんでいた。 ⑥ 時間を決めてしているが、終わりたくないようで、介助者が強制的に終了させるととても残念がる。 又、絵本と連動していて、絵本はそれだけでも完結しており、介護などで疲れたり落ち込んだ時は、 私も読んで慰められ勇気付けられています。 多分殆どの入所施設で、重度心身障害児者は、1日中殆ど何もせずボーっと過ごしてます・・死ぬま で・・ね。TVが点いていたり音楽がかかっていても、それらは本人の意思とは殆ど関係ないです。そ んな中で、家族が頻繁に来る入所者だけが辛うじて「生きてること」を楽しめるんです。介護職員は一 人々々には関れません。在宅であっても、一人で楽しむことは必要です。でも、重度心身障害児者には、 「一人で楽しむ」手段が本当に少ないんです。殆どの、親、教員、職員は、諦めてます。 最後に、この中のすべての方々のご支援と e-AT 機器のひとつでも欠ければ、清也程の重度心身障害 児者に一人で楽しむことは体験させられなかったと思います。 (文:清也君のお母さん) 【清也君のプロフィール】 身体障害 1級 知的障害 Ⓐ 障害名 先天性筋ジストロフィー症福山型 障害の程度はかなり重度で、進行も早いと言われています。 1日の吸引回数は数えられず、胃ろう造設経管栄養です。 発語は単語のみで、数も少ないです。寝返りは、できません。 座位は、座位保持椅子のみで可能です。 定頸も、ぽんぽんらんどなど余程興味がないと長時間は保てません。 肩肘は、持ち上げられず、手首も、殆ど持ち上がりません。 指が、僅かに動きますが、スイッチは作動圧0でないと操作できません。 全関節に、拘縮があり、指にもあります。 入力方法 PPSスイッチのエアバックを畳んで、掌で握る ポイントタッチスイッチを指や舌で、触れる 【支援者(代表)のプロフィール】 株式城南電器工業所 福祉機器開発室 氏名 中園 正吾(福祉情報技術コーディネーター1級)