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15 ここで生乳は摂氏 1 ∼2度℃まで一気 に冷却。魔法瓶のような断熱
釧路港に停泊中の「ほくれん丸」に次々とミルクタンクコ ンテナが積み込まれる。船には、 9メートル長のタンクが最 大134本積載できるという。 茨城県の日立港に到着したほくれん丸。牛乳は、 ここから首都圏の乳業工場へと陸送される。 (写真/板橋雄一) 製品と違い、なにより鮮度が重視され ここで生乳は摂氏 1 ∼2度℃まで一気 る。しかも乳牛という生き物が相手だ に冷却。魔法瓶のような断熱構造をも けに、酪農家は一日たりとも搾乳の仕 つ大型の専用タンクローリー「ミルク 事を休むわけにはいかない。本州の乳 タンクコンテナ」に積み替えられ、釧路 業メーカーにとっても、北海道の生産 港へと向かう。 者にとっても、スピーディかつ安定し 午後 2 時、 「ほくれん丸」が岸壁に接 た輸送手段の確保は重要な課題なのだ。 岸すると、何台ものトラクター(トレー の酪農が衰退傾向にあることもあって、 そのために運用されるようになった ラーのヘッド部分)が船内に駆け込み、 その需要は年々増加傾向にあるという。 のが二隻の専用貨物船、「ほくれん丸」 空のミルクタンクコンテナを引っ張り 牛乳はチーズやバターといった加工 と「第二ほくれん丸」である。 出してくる。続いて 17 トンの生乳を満 朝、農家で搾られた生乳は農協の集 タンにしたミルクタンクコンテナが運 荷ローリーで道内4カ所に点在する び込まれ、今度は台車を切り離してト クーラーステーションへと運ばれる。 ラクターだけが戻ってくる。荷物の積 標茶町にあるホクレン釧路クーラー ステーションの作業の様子。農家か ら集められた牛乳は、 ここで摂氏1∼ 2度℃まで冷却される。 釧路港に入港した「ほくれん丸」の停泊時間はわずか4時間ほど。積み込 まれた牛乳は20時間後、日立港に到着する。 15 釧路港を旅立った牛乳の到着先のひとつ、千葉県富里 市の日本ミルクコミュニティ (株)富里工場。ここでパック に封入され、 スーパーなどの店頭に並ぶ。