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暮らしの中の健康シリーズ ー5

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暮らしの中の健康シリーズ ー5
最 近 、 日本 人 の 食 に関 して さま ざ まな資料 を
近年、脳 は もちろん、腸 の働 きも、私 たちの
調 べ て い た ところ、 非常 に興 味深 い 説 に 出会 い
幸福度 に も大 き く影響 して い ることが 分 か って
ま した。「腸 と脳 の トレー ドオ フ説 」が それです 。
きました。
一 般 的に草食動物 は食物 を消化す るの に時間
私 たちが「幸 せ ∼Jと 感 じる時、喜 びや快 楽
がかかるため、腸が長 く、 自分 の胴体長 の 10数
を伝 えるホルモ ン、別名 「幸 せ ホルモ ン」 とも
倍∼ 30倍 程度 といわれています。
呼 ばれる「セ ロ トニ ンJの 働 きが関係 して い る
人間に最 も近 いサ ル も、体型的にはお腹 が随
とい われて い ます。 この幸 せ ホルモ ンは うつ病
分大 きい のが特徴 的です。それに比 べ 、人間 の
や 自閉症 に も関係 し、認知症 の方 にはセ ロ トニ
腸 の長 さは平均 で 7∼ 8mと 、草食動物 に比 べ て
ンの減少がみ られるとい う報告 もあ ります。
短 くな ってい ます。 もともと莱食 中心 だった人
これほ どに大事 なホル モ ンで あれば、せ っせ
類 の祖先が 肉食 へ 適応 して い く中で、 大量 の植
と増や した い ところですが、 セロ トニ ンは体 内
物 を消化 して きた腸 の機 能が衰 えて いった結果
では合成で きず、 スプー ン 1杯 分 ほ どしか存在
なのです。
しないのだ とか。 肉、魚、乳製品、大豆製 品等
生物 は要 らない ものが退化 し、必要 な もの を
に含 まれ る トリプ トファ ン (必 須 ア ミノ酸 )が
育 てる とい う進化 の形態 をとってい るわけです
ビタミン類 の助 けに よ り腸 内で作 られるもので、
が、人で い う と、腸が縮小化す る一方で、脳 が
脳 内 にはわず か しか な く、9割 は腸 に存在す る
増大化 して きてい ます。 これが 開歯と腸 の トレー
といわれます。
ドオフ説」 と呼 ばれるものです。
したが って、 セ ロ トニ ンの働 きを活発 にす る
実際、 アフリカで生 まれた初期 の人類 アウス
には、便秘や暴飲暴食 を避 け、腸 内環境 を整 え
トラ ロ ピテ ク ス (約 400万 年前 ∼ 200万 年前 )
ることが欠かせ ませ ん。 また、昼間分泌が活発
の脳容量 は 400∼ 500CCで 、 これは現 生人類の
になるので、早起 きを して、明 るい うち に活動
約 35%程 度、ほぼチ ンパ ンジー と同 じくらい だ
す ることが望 まれ ます。
そ うです。
こ う してみ る と、脳 と腸 の 喜 ぶ 暮 ら しとは、
人は肉食 をす るよ うにな り、それ まで食物 を
つ まるところ、人が本来持 ち合 わせ て いた体 内
消化す るのに必 要 だったカ ロ リー を脳 に回せ る
時計 にそ つて、規則正 しい食や睡眠 を取 り戻す
よ うにな りま した。 これ こそが「第 二の脳 」 と
暮 らしに他 ならないのか もしれませ ん。
い われる所以 で しょう。
他 の生 物 でみて も、脳 を持 たない クラゲや イ
宮 島佳代子
参考文献
ソギ ンチ ャク、 ミミズ な どは、脳 の役割 を腸が
「神 と肉一 日本の動物供儀」平凡社新書 原田信夫著
行 っている とい うので すか ら、腸 と脳 の 関係が
「脳はバカ腸はかしこい」三五館 藤田紘一郎著
い かに深 い ものであるかが分か ります。
さらに最近では、研究が進み、腸 は脳 そ の も
のではないか と思われる よ うな発表が次 々 とさ
れてい ます。
②
記
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