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コットン育成の手引き - NPO法人いた・エコ・ネット
いたばしコットン栽培プロジェクト コットン栽培の手引き 【日本の綿栽培の歴史】 (ウィキペディアより抜粋させていただきました。 ) 日本へは平安時代始めの 799 年(延暦 18 年)三河国(愛知県西尾市天竹町(てんじく=天竺)と言われるが、 『日本後紀』には 三河国としか書いてない)に漂着した崑崙人(現在のインド。真偽・詳細は不詳。 )によってもたらされ栽培が開始されたが、1 年 で途切れたという。この崑崙人は各地を廻り、栽培法を伝えたとされている。 主にこの後、綿は明や朝鮮からの輸入に頼ることに なり、故に長い間高級品であった。その後、連続して栽培され一般的になるのは、16 世紀以降とされる。戦国時代後期からは全国 的に綿布の使用が普及し、三河などで綿花の栽培も始まり、江戸時代に入ると急速に栽培が拡大。各地に綿花の大生産地帯が形成 され、特に畿内の大阪近郊などにおいて生産が盛んになった。木綿問屋も形成され、綿花産業は大きな産業となり、綿を染める染 料の藍や綿花栽培に欠かせない肥料となる干鰯などの関連産業も盛んとなった。 明治以降、政策により綿布の生産が強化されたこともあり、1930 年代には綿布の輸出量が世界一となった。ただし、両税廃止運 動などを通じて安い原料が日本に入るようになり、日本の綿花栽培は衰退する。第二次世界大戦時は綿布の輸出は停止したが、戦 後復活し、再び世界一になった。ただしその後は安価なアジア産の綿布に押され、生産量は減少している。個人やグループ単位で の生産はあるが、統計上の国内自給率は 0%となっている。和綿生産の復活や国内でのオーガニックコットン栽培という価値を生 かし、紡績・染色・タオルなどのコットンを使う第二次産業企業自らその地場などでの栽培を団体化した「全国コットンサミット」 がある。また NPO 法人渡瀬エコビレッジなどを利用し各団体による手芸の糸紡ぎやエコ活動と連動した栽培。東日本大震災の津 波による塩害耕作地などで、東北の民間による農業復興事業として、アパレルなどが発起人となった企業複合体の「東北コットン プロジェクト」の栽培などがある。 【コットン栽培法】 (綿花/http://sodatekata.net/flowers/page/1277.html 等より抜粋させていただきました。 ) 【栽培の特徴】 本来は多年草ですが一年草扱い 木綿は本来は多年草です。なので越冬させることが出来れば、また春に新芽が出て――というサイクルを繰り返すこともできま す。ですが、日本では現実的ではありません(冬のダメージにより翌年は収穫量も減る) 。春に種子を撒いて、秋に収穫というサイ クルを繰り返す一年草と考えてください。 管理場所・日当たり 日当たりで管理します。半日陰でも収穫は可能ですが、断然量が違います。 越冬させる? 一般的な方法ではありませんが、越冬もできます。綿の場合、共生菌と直根性で植え替えは適していないので、越冬させても収 穫量が減るだけで、ほとんどメリットが無いです。ただ東北・北関東・日当たりが悪いなど、普通に育てていてもコットンボール になる前に冬が来る人は越冬株だと、早く開花→結実→収穫が来るので、その点はメリットです。 ●12 度以下になると枯れる。室内で 12 度以上を保つのは厳しい。床暖房の家ならいける。 発芽後生育が非常に鈍い 木綿は共生菌の力を借りて生育します。この菌に感染し窒素を取り込める体制になるまで、本葉がなかなか増えません(一ヶ月 ほど) 。 ●関東でも収穫は可能。プランター・鉢で十分収穫可能。 ●東北は地域によっては難しいが、できないことは無い ●気温が高いほうが夏の生育が早い ●ある程度は落果する。気にしているとストレスになる ●受粉していないから落果する――らしい ●成功率をあげるには「人工授粉」がよい ●風媒花で自家受粉。虫がいなくても結実はする 【水やりと肥料】 発芽後、共生菌が増えて感染するまではなかなか葉っぱが増えません。この時期に水をやりすぎると根腐れを起こします。この 時期は土の様子を見て水やりの頻度を調節します。 葉っぱが増えて急激に成長する 7 月 8 月は逆に乾燥しやすくなり、水が切れないようにしっかりとやってください。 水やりについて 植物が水を得るのは一般的には「土」からです。その土に水が含まれていればそれでいいか?というとそれだけではダメで、土 には空気が含まれて居なくてはいけません。 実は根も呼吸しているんです。空気が無いと窒息死するんです。空気と水という矛盾 した問題を「土」自身が解決してくれます。土はぎっしりと詰まっているのではなくて、程よく隙間があります。ここに水を蓄え つつ、余分な水を排除し空気も蓄えるのです。露地植えすると、この機能が適切な水量に保たれるのですが、プランターに植える と、水をやるコチラ側で気を使わないと、根が水に溺れたり、水が足りなくて餓死します。 夏を除いて、毎日水をやると根ぐされを起こします。大事なのは、やるときは水をドバっと与え、あげないときはあげないとい うことです。 ●水をやるときはしっかりとやる ●鉢底から水が漏れてくるくらいにやる ●土が湿っている間は水をやらない ●冬は特に控える。冬の間、水を控えることで耐寒性が増して冬越えしやすくなる性質の植物が多いです ●サボテン類は冬に水をやらない。春以降はたまにあげる。 ●場所によって乾燥スピードが違うので何日に一回という言い方は難しい ●冬は空気が乾燥し、暖房が掛かるので、土が湿っていても葉や花が乾燥します。場合によっては霧吹きを掛けて水分を補給 してあげなくてはいけません 肥料 鉢植えの場合は市販の培養土に最初から肥料が入っているので、元肥はそれで十分。本葉が生えて以降は液肥を二週間に一回や ります。 畑の場合は堆肥や鶏糞を元肥に入れればよいですが、木綿はあまり富んでいる土だと花が咲かなくなります。 培養土とは 培養土は植物を育てる上で必要な条件を満たした土を配合したものです。培養土は水はけがよく、同時に水持ちがよく、通気性 があって、中性に保たれていて、殺菌されています。腐葉土などの有機物、肥料も入っています。 土は徐々に酸性へ雨が空気中 の二酸化炭素を吸収して「炭酸水」になって降り注ぐために、庭に植えていても、雨ざらしなら鉢に植えていても徐々に酸性にな ります。石灰を撒いて中和しても石灰が雨に溶けて流されやすいです。酸性といっても弱酸性程度ですけども。 【植え付け・植えかえ・種蒔き】 酸性土壌を嫌う アルカリ性土壌を好みますので、種まき・植えつける一週間前までに石灰を撒いて中和させておいてください。 植え付け 種は2~3時間水に浸してから播く。覆土は種がかくれる程度に薄目にかける。灰をまぶして播くと発芽がよいといわれる。平 均気温が20℃位の頃が播種の適期である。 地植えの場合は、畝幅(うねはば)を 70~90cm にし、50~60cm 間隔ぐらいに2、3粒ずつ播く。発芽後間引きをして、元気 のいいものを 1 本残すようにする。畝にマルチを敷いておくと地温を上げる効果と夏場の除草が楽になります。 鉢植えの場合は、直径 25cm 以上の大きな鉢がよい。水はけをよくしておき、1 鉢に3粒播き、発芽後、間引いて 1 本にする。 ポットごと植える 木綿は共生菌の力を借りて育っています。なので、ポットからはずして植えると、この菌が減り、生育が止まってしまいます。 そこで、ポットの底に十字の切れ込みを入れてから、そのまま植え付けをします。 ●綿は直根性とって、一本太い根が生えていて、これが傷つくと枯れる。そのため大きくなると植え替えが出来ない。苗のと きも根が傷つかないように気をつける。 ●種子は撒く前に一晩水につけて、ふやかしておく ●矮性の品種…丈の低い品種もあります ●座布団の綿にするだけでも相当な量の綿が必要ですから、鉢植えでどうにかしようとは思わないで ●昨年の種子で、ふやかせて撒けば発芽率は良い ●双葉はナメクジに食べられやすいので注意。本葉が出るまでは温室か室内の日当たりで管理するのが良い ●ワタは放置していると 150cmくらいになるのですが、日本だと台風が来て倒れてしまう。なので摘芯して小さく仕立てま す。それでも倒れるかもしれないので支柱をします。 ナメクジ駆除したい! 湿気てくる5月以降、花壇を放置しておくと、やられまくります。雨が降った翌日、花壇を覗いて見ると、新芽に無数のナメク ジが群がりムシャムシャと食べている光景をよく見かけます。ナメクジ駆除剤が効きます。 一番簡単なのが駆除剤を散布するこ とです。 発生場所に適当にパラパラと撒くことで、翌日そこいら中に死骸が転がることになります。それを拾い集めないといけま せんが、とにかく効果テキメンです。石灰で忌避 ナメクジは酸性を好むため、石灰をナメクジが通るところ(近寄って欲しくな いところ)に蒔いていると、石灰を嫌い、近づかなくなります。ビールトラップお金を掛けたくない。そんなアナタにはビールと トラップがおすすめ。 ●飲みかけのビール(缶)を、庭に置きます ●数日後には缶の中におびただしい死骸が ビールにはビール酵母が含まれています。これが誘引し、缶の中に入り込んで、ビールの中で溺れて死ぬ。これが通称ビールトラ ップの仕組みです。なので、ビールが少ないと飲み逃げされますので、溺れるくらいの量が必要です。 【綿花の作業日程】 ●収穫は 9 月としましたが、生育の状況によっては 11 月以降になることも。 病害虫 アブラムシが発生します。ワタは食べるものではないので、農薬…オルトランを前もっ て撒いておきましょう。ハマキムシなども発生。 摘芯 日本で従来栽培していた綿は、もともとあまり大きくならず、しかも 30~50cm 程度 におさえるよう何度も摘芯を行い、横に枝を張らせるようにしていた。これにより1本 につくコットン・ボールは平均 20 個程度になる。 鉢植えの場合は、枝を4~5本残して、1 度だけ摘芯するとよい。