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老子王

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老子王
4曾 學濟 雁學姻 帝都京
スヒへ
叢 論 濟:羅
號一 箪 巻二十匹弟
論
叢
⋮ 経済學博士 谷
國 家 科 學 と し て の 経 済 學 ⋮ ⋮ ⋮⋮.
・
口
吉
彦
:・ 超 濟 學 士 桐畑
我 國 経 濟 獲 達 の特 質 に 就 て ⋮⋮ ⋮⋮ ・
調 査 に お け る 統 計 の 役 割 ⋮⋮・
.
⋮・
⋮ ⋮ 経済學博士 蜷
永
汁仙
川
文
清
但浄
虎
雄
行
曲颯
三
治 郎
⋮ 経済學 士 徳
公 庫制 の生 成 ⋮
機縁 ・
⋮⋮⋮⋮⋮・
⋮⋮・
⋮.
積
林 子 平 と そ の経 済 思 想 ・
.
⋮・
⋮・
⋮⋮⋮ ⋮ 経済學博士 本 庄 榮
⋮h経 済 學 士 穂
道 家 の 経 済 田心想 ⋮⋮⋮・
⋮⋮⋮・
・
⋮⋮⋮・
・
究
夫
研
秀
彦
竸
山
シ ュピ イ ト ホ フ の 景 気 理 論 の 批 判 ⋮ 鯉 濟 學 士・青
杉
恭
三
⋮ 経済 學士 島
下 請 制 工 業 の 困 民 経 済 的 意 義 ⋮・
⋮ ⋮ 経済 學士 田
英 図 経 濟 學 に於 け・東 洋 肚 會 の理 論
正
二
苑
田
健
設
貿 易 統 計 の新 し い 任 務 ⋮⋮・
⋮・
⋮;⋮ ⋮ 経 濟 學 士 有
野
録
ア ツ シ ニア 紙 幣 ⋮ ⋮⋮⋮ ⋮⋮・
⋮ ⋮ ⋮ ⋮・経 濟 學 士 河
附
彙 報 ・外 國 雑 誌 論 題
噛
'
丁一一{
一__
昭
和
十
六
年
一
君
4 、
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濃
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姦
第 五+ 二巻
八四
第 一號
文
八四
雄
著 た ・輩
積
にそ の器
重んす る窮 し て・
穂
家 の中 ・
心を 形成 す るとせら れ る 、そ の始 祖老 霊
いて仁華
・楊.
朱に
し て成り立ち、孔子 が道 義
道 家 の 維 濟 思 想
道家 の経済思想
握
於 い て う か が ふ て み る。
ク
。﹄﹃聖 人欲 不 敏 ・ 至 難 得 菟
・
﹂自
ひ・ 又日 ふ・
蹄 し、 須 ら く 人爲 を去 り て 自 然 に 遵 へと教 へ、 虚 無 を唱 へて 無 欲 を
。﹄豆 素 。抱 朴 。 少 私 。畿
楚
老誘 思想 は孔子 思 想 射 す るアンチ・
T ぎ
コ
り 、﹃無欲 麟
老子.
は﹃大 道 慶 有 仁義 ﹄と .
口ひ 、道 蕎
説 く こと 妄
上 の意藷
於け熱 望 とし て解す る限乱
維輩
に
かか
於け る欲望孟
・ その無欲と言
目。 故 去彼 奴 蛎。
五色 今 人周 盲。 五島
臼金 人耳聾 、 五 味令 人 口爽。馳 聰 故 狸令 人 心獲 狂 。 難得 之貨 令 入行 妨。 是以 聖 人鴬腹 不爲
の意蓬
ねばならぬ。蓋 し、惹
濟肇
不貴 難得 之貨 。 健民 不爲 盗。 不 見 可欲。 使 民心 不齪 。是 以 紫人 之治 。虚 共心實 其腹。 労 使 民無 知 無欲狗
・きそ の欲潅
の誇
.張に外なら ぬ喜
無欲を鱒
でなけれ越
然 七なが・、老誇
。籠
霞
を聾
の生存
禦 減退す ると奮
へども自殺論奏 ぐ ものでな 援 夫
役論 でなければなら 雪 と、例 へ饗
と・ろで、老子点
ば死あ お みであり、從 て無欲論 は留
ふは嬰
荒
らねばなら ぬことを考 へれ直 ぐ ・蟹
す る に 足 る かけ の欲 望 充 足 は これ 名認 め ざ るを得 ぬ筈 であ る かち であ る。 こ れ上 掲 の如 く 、
﹁腹 の爲 にし﹄と 言 ひ 、
同上、一章。
同 上 、六 十 四章 。
同上 、三 章。
2)
4)
6)
章。
子 、 道 徳 経 、+八
上..十 九 章 り
上 、+二
章。
1)老
3)同
5).同
.ド
4 、
の
ギ
すべ 窪
萬 の密 集
・﹃足 ・を 知 薯
軟 論 の範疇 鼠
コ
斥・・が・欲望・認め・紅
ロ
ヨ
ば宅
ぬ・き蕪
軟論 竺
.≒ 知 足 不辱 .知 止不殆 .
≒ 禍 莫大 於不 知 足 .誉
、
取小 限 の欲 望 の禿 髪
量
の無 欲
暗示
同
定するもので・⋮ ・
足⋮
と も に 、 そ紮
ろ馨
、 そ し て季
と殆 ど 選 ぶき
骨.な ・を 智
の道 警
ら
る で あら う
はす 、、
取小限 度 に於 け る欲 望 の充 足 は 。
ぬ。か-.
・重
縫 禦
鍵
八五
.・・会 .蕪
第五+二巻
・署
笙
嘗
號
八五
化.衰好瀞而民白馬
爾
,8 ,
ラ ラ ラ
簾
計㌫
充足 の・
同定は・
・小限度 に於 てである以 繋
得 に就 い ては 老子 は如 何 に輩
活 を否 定す 罷
が.思 ・筆
必 要を 認 め ・が 、然 ら ば財 墓
へな がら も 、物 篁
て 、心 的 に 物欲 に煩 は・ る る こ とな き歌 熊
む ・と を 理想 ・ す ・ ・ の では な いか .も養
ね ・ の謂 で は 聖
は富 む﹄審
・孔 孟 の寡 欲 読 、草
上 の整 正の意 ・ り は 所謂 望 蜀 の欲 に解 すべ ・ 嬰
豫怨 す ⋮
る﹄
ことの 、.﹃知 足藍
一夏 こ盗
。即 身
・云 ↑ ・欲署
と と馨
費 たす﹄と言はざ るを得 ぬ盟
れ奮
輩
・ か つ・ それ に要 す ・財 貨 の存 奮
灘
なら雪
﹃養
聾
て 知 足論 となら 農
諜
整
。
呆
嬉
は 欲望 の充 足 を 意芒
し ・.從 て無欲 論 の欲 羅
論 をか く解 す る限 芝
ぬ・ も つ・ も ⋮
場 A・そ の富 む ・ は物 的 畳
る を認 め ざ る葎
れ る が・あ
す る財 募
は虚 無 を説 き 無 欲 亀
を 指 せ る も の な る こと は 多 言 を 須 み ず し て 明 な る と こ ろ で あ ら う 。
か く て孝
れ を肯 定 し ・ 從 て それ 量
・で⋮
⋮
論は・何 子⋮
毫
か・換享
起・法蓮
を例 .ぱ次 の語 句 に於 て, 。 。 。を得 る であ ら
でなければ弩
襲
滋・・■
人多伎・奮
れ ・・ とを 不 可 と す る, 五、々は 孟
の生産・蛮 小限度 ・止 ・・せ・れ・は理 ・蕪
作⋮
貧・ 羅 意 想
財某
止・ その爲 の餐
ロ く ヘ
・ ・、種 あ
う む
天下轟
蓑
'
旭
4 、
蓑
の瀦
愚
)む
無欲論霞
・民復 孝慈・絶 藁 利・罐 磐 釧
、
取小 限 度 に止 め る 芳 、 あ
奪 。民利再 。絶仁霧
我無 事 而民 自富 。我 無欲 而 民自朴切
鏨
。 し て、 かく 生 .窪
生奪
第 辛 二審
貨
八六
笙
號
泥 す る物
八六
・ 就 い ては ・ これ 縞
く であ る。 曰 く 、
ら れた鳶
欲 を 排 撃 し て繰 り 返 へし ﹁生 じ て 有 せ﹄ざ る べ き を 言 ふ こ と 次 に 引 く 如
之。長之。育之。笠
・ の舞
張す
は塑 禽
れ主
託
蕩
て霧
奎
鱗孕
張詰
の語 に
と 目き
る と云 ふ こと
て
れ
ではな
ξ
る・ そ し
の篠
以外
ら む こと を力 説
霧 響
の所蕪
の樺 を孕
・愚
否定 ・・ 私 有墨
牧蕪
攣
捌髪
霜
・ 犯 す べ.
から ・ る筈
つ・ と
る
ると考 へ
否認 す
笠
と蓮 因する・落 人
麓
・ ・と 奈
逆
らま 等 讐
萬隔 作馬面不・.生而不有.・而・・.功・憲
。夫・・⋮
以・去鋼 生董
・藁
有・御
薄 ・最
宰・藷 玄
。毒之。養之。覆之。生而不有。爲栗 特・長栗 宰・是謂玄触 大
語 聾 可左右.
徳。蓬 之。響
拘泥⋮
す ・所 藻
を愛 芒
爲大・敵.露 寒 ・
﹄又 は・﹁蕩
篁 。 町名爲大・是以昊 葉
す≒ 長じ て宰 皐
萬物栗
﹄星 じ て窶
・ ・訟
す 。も の ・外 なら ぬ と思 鮭
に 、.
孟
・欝欝
有・他会
婆
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爾
蕩 峙之聖.果 僻。 功成町不薯 配饗
蔑
。。 。 認 る と の所藻
・物 に射 し ・所 有響
表
・と は鷲
へ⋮
は審 逆 鷲 す
・ξ ・含 とは・書
從 て・れ は・吾人旨 餐 墨
桀 蕎 軍 ・し・・.生薯
は ・ す ・ ・所 有 灌
て表 現 せら れ てみ る と こ.
・ のも の暴 す ・ ・ 生産 は す
・ が、 そ の生産 物 縛
る. そ し て・ れ は物 の所 藻 は蒸 ぼ
そ し て 、 。 こ ・星 じ ・有 芋
毒
.
を賑
へ、れ るが故に、生霧
-す るも 。と解 され る。・・すれ ば、當時生・羅
.毒
の爲。控 れた る蕩
・求 めむ ・す ・・ のであ骸
が馨
力 を或 る物 に加 ふ ・やす で 箸
。。禁 廃 より束髪 ・か・護 れ讐 入が客星 聾 ・讐 隻 暴 勢力
嘉
が。 寡
解
ア ・・ ン ・メ ・か み
樺 を主 張ず る なか ・.
・ ・妄
爲 せ るジ 。ン .。ツ ク の所論 に 暗A、し、 発
、れ る。 そし 。そ の屠
同.上 、 十 九 章 。
同 上 、+章 。
同 上 、三 十 四 章 。
II)
13)
15)
10)
同 上 、 五 十七 章 。
12)
同上、二章。
x4). 同 上 、 五 十 一 章 。
16)同
上 、 三+四
章。
' 、
篁 義萎
産轟 思想摯
、從てそ慰
譲
・一 言 へ・か・受 ・健 ・・畢
.然 ・な が・孝
・小繋
鷹
は老子
の色彩 が濃厚で。
異 肇 義は巷 を化して ・の軽輩 位
の田心
想 ・は綾 府義
的毫
の主張を喜ば。も のと.
,
.ふにと
も 零 ある ことを田
心ふき
て水霜 容れざ ・叢
暴
そ の・
養
有財 舗
損之.不足莚
.書
.塘
盤面架
想・す詮
八七
と は嚢
第 一號
八七
足。奉
の如、 であ る. 。 く 、
あ ・ざ ・や を 田心は . め、 れ ざ る
す る こL.。は
足.人之道.果 然.架
とするから であ る.
不特。成功栗 塵。楽 欲 曇 。
流通を鶉
毒
とは直 に ・れ を 唱導 す ・ 豊 一
・ふ 。と を蔑
足慧
第 五+ 二巻
ぱ・ ・ ぬ. そ ・小國 寡 民 の懸
白曾
否 定 す ・ も の でな いと一
言を
的 で・ 鈍
の思想 に腔 て紫
分業 ・謀
を知 ・ 。. が でき よう 。 曰 く 、
い .。 も これ を 如 何 と 、 す る こ と が でぎ
從 の 亦 ・ ⋮ 智 ・
・
もむ しろ・
早に所簸
とはま
考 へ・れ・・然 ・ま羅 童 舞
解荒 ・芝 農 答 霧 乃至養 護 の ︼形態たる村糞 羅 と骨.ふ、,
に存す・か恵 ・れ・.然か・、老子・小國養 。特 旨 給自足
ひ⋮
。はねばなら⋮
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肇 隻
慧 の典型とし垂
も 虚
霞
の小 國養
萎
・流通 雰 業 ・結果 であ ると と・ に分業・財募
昊 需
之・有磐
て次 の如 く 述 べ てみ る ・ ・ に・ つ て託
生・ ・於 ・必然 に入 り 込 む 分業 ・整
難
を書
を抱く も ・と言 書
と爲すも のであると言 書 ・ ば・ はや言 奮
薙
・入禦
蕎
義尋
と共塗
以 ・共奎
り ・そし て緩 府義
・・の・磐
ど篇 醗 誕
が財 墓
れ ぬ ・で ・ ・ が・ ・恐
嬰
復 ・罷 有盤 奏 下・唯有薯 。最
天芝道・其蟄 鼠 ・薯 抑之つ下叢
な い こと は疲
養
然 しな がら 老子 雰
な ら ぬ・否 ・吾 々は 章
を 得 ぬ・ そ し て自 難
.吐
近家 の紹一
濟 思想
上 、七 十七 章 。
a7)同
﹂ 、
鑒
道家 の紐 濟思 想
小 園 。毘. 。 有伴 僧之 器乗
、れ 。る嬰
用 . 使民 重 死面 不菱
簾 経
. ・有 舟・ 舞
蓬
一
..
卷
・兵 麓
第 五十
.、讐
八八
之・ ・入
籍
八八
組 耐 用之・ 甚 ハ
食 。糞
第 一號.
理の鴬然で何等怪しむを要せぬと・ろ・言 天下先・驚
。 界長.云制
繰 鱗蝋
輪蕪
下先.・螢
・媛 藤 ・露
像・是謂募 ・非難 亀
財薯
・⋮
ヘ
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、
、
のり つ
阯殿
ヘ
羅
承認す・や・馨 濟轟 想
・す・や・論 客
また繁 分配に於冥
が ・窶 せ・れ
・・と ・な ・が・﹃欲せざ るを欲 し﹄・ ﹁人使 巧多 く し
、星 じ
・有 業 ・・警
老・は・霧
の聾
於 ては 蕪
之籍 聞・塁 老死・不相葉 卵
・老子が流通経婆
服。謹 居。樂碁 。畿 相望。樂
生奪
ると否・ ・かかは・事
蔀
る﹄を。 .て。巧を・ち利を塗 、よと馨
翻
魑
義田
曲想に摯
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罫鍵
載荷。。.濡 婁 。 ・日・. ・日・.者 不筆
朝 灘 。。蕪 。倉藍 。服毒 。菊 劔 。厭驚
・
藷鰐 鎚 r
騨鞠 揚雑嫡
鞭 綴 馨
位。終 るこき
なる脱 7
、﹃聖・執左琴
・.・ ∴
覇
会合
す る無爲 にし て化する ・治 が布かれ、所謂無政府書
寮
成豊 ・・と・・る・.そし て人 々の皇 猫立を認
め、無爲 。。 薫
れ る揚△
、、財 整 崖 ・ ・要警
・妄
・穿
・財 警
の要馨 と; に鬆
入
要
の
な ぐ、財 政牧人 ・穿 就 ば親 ・存窪 ・は秩 ・か
島島
く季
に於 ける婁 mとし て は租 税 を難 敵則す る の読 舞
セ 栗 責於
・・有籍 契・無徳羅 ﹄ ﹃聖人毒
籔 爲人・.鄭 韓
に寮
文 目ぐ 、
耀 上食椀之多.是以磯.民噛難治。以其上之有爲.是以難治.砦 輕死.以其求生之厚. 己 愈 有 。 既 以 異 人 。 己 愈 乳 ﹃﹄
麟
喚
4 、
そ し て こ の﹃聖、
人 後 ま す 、 こ と ご と く 人 の爲 に し て 己 い よ い よ 有 り 、 こ と ご と く 入 に 與 へ て 己 い よ い よ 多 し ﹄と 言
、
ヲク ラ ツ ト
、
を想 起 せし か る
ふ 句 は 論 語 に見 ゆ る ﹃百 姓 足 。 君 教 典 不 足 、 百 姓 不 足 。 君 教 典 足 ﹄ (
論 語 、 顔 淵 第 十 二)乃 至 、 7 イ ジ
ジ
の﹃貧 農 則 貧 國 。 貧 國 則 黄 玉 ﹄ ℃き 誇$ 富 田墨霧 唱讐 ξ① δ 団p目白①﹁ 弓書 く器 ﹁
o着 百日 Φ 唱mβ<﹁
Φ 5=
に 足 る が 、 私.は ま た こ の 句 を {調 む 毎 に 出
退 く ナ、
ザ レ の聖 者 の 言 行 に 想 到 せ ざ る を 得 ぬ も の で あ る 。 新約 聖 書 を繙 け
ば誌 し て曰 く 、
イ エ ス出 函 て大 な 紅 群 集 を 見 、 こ れ を 潤 み て 、 そ の病 め る 者 を署 し 給 ヘリ o 夕 に な り た れ ば 、 弟 子 た ち御 許 に 來 り て 言 ふ ﹃こ こ
は寂 し き 庭 は や 時 も 脆 し 、 群 集 を 去 ら し め 、 村 々 に 往 き て、 己 が 爲 に 食 物 を 買 は せ 給 へ﹄ イ エ ス 言、
ひ.
給 ふ ﹃か れ ら 往 く 及 ば ず 、
汝 ら 之 に 食 物 を 與 へよ﹄弟 子 た ち 言 ふ﹃わ れ ら が 此 塵 に も て る は 唯 五 つ の パ ン と 二 つ の 魚 と の み﹄イ ニ ス 言 ひ給 ふ﹃そ れ を 我 に も ち
卒 た わ ﹄ 斯 く て群 集 に命 じ て 、草 の 上 に 坐 せ し め 、 五 つ の パ ン と 二 つ の魚 と を 取 り 、 天 を 仰 ぎ て 祝 t 、 パ ン を 裂 き て 、 弟 子 た ち
25
に與 へ給 へば 、 弟 子 た ち 之 を 群 集 に喚 ふ 。 凡 て の 人 、 食 ひ て 飽 く 、 裂 き た る蝕 を 集 め し に + 二 の筐 に 満 ち た り 。 食 ひ し者 は、 女
と子 供 とを除 き て凡 そ五千 人な り き。
く出
こ れ を ﹁揚 の荒 唐 無 稽 の ζ と と し て 斥 く る は 別 と し 、 ま た これ を ミ ラ ク ルと し て そ の ま ま 信 仰 す る も し ば ら く措
く 、 い ま こ れ を 合 理 的 に解 せ む と し て 、 群 集 は キ リ ス ト の教 化 に 浴 し 、 且 又 キ リ ス ト が そ の食 料 を こ と ご と
し て 彼 等 に 與 へた る に感 激 し 、 彼 等 の中 食 料 を 有 せ る も の は 皆 そ れ を 出 し て 筐 に 入 れ た る に ま る と す れ ば 、 こ れ
は ま さ に﹃こ と こ.
と く 人 に 與 へ.て 己 い よ い よ 多 し ﹂の 一解 繹 、 一實 例 と す る こ と が で き る の で は あ る ま い か 。
老子 の自 然 を説 き 無爲 を 説 く ヤ 、 それ を 政治 の要 諦 と し て説 く も の の如 く で あり 、 そ し て政 治 は Fの人爲 でみ
第 五+二巻
八九
第 一號
八九
.り ,有 爲 で ある 。然 ら ば老 子 の自然 、無爲 は 人爲 の内 に於 け る自 然 、 有爲 の内 に於 け る無 爲 、 或 は 同 じ こと であ
道家の経済思想.
﹁
約 聖 書 マ タ イ 傳 、 第 十 四 章 、 自十 四 節 至 二 十 一 節 、 同 じ こ とは 、 同 じ く新
約 聖 書 の マ ル コ 傳 、 第 八 章 、 自 一 節 至 九 節 、 ル 勿 吉 ・ 第 九 章 ・ 自一卜二 節 至 †
七 節 に も見 ゆ 。
25)新
藺
の..
道 家 の経済 思 想
第 五十二巻
九Q
第 一號
九〇
る が、自 然 を内容 と す る人爲 、 無爲 を内容 とす る有爲 と 言 ふ こ と にな る ので は あ る ま いか 。 され ば 、荘 子 が そ の
焦 鮎 を 漸 く 政 治 の 要 諦 よ り 個 人 の堤.
世 に輻 じ 、 か く て 肚 會 に 向 っ て み た 思 索 が 個 人 に 向 ぴ 、 個 人 の外 に 作 用 す ゐ.
代 り に 個 人 の内 に 沈 潜 す る こ と と な る の は 、 或 ば 逃 避 と 言 は れ 、 高 踏 と 呼 ば れ 、 ま た は 超 然 主 義 と 名 け ら れ る と
し て も 、 そ れ は 無 爲 を 有 爲 よ り 、 自 然 を 人爲 よ り 解 放 1/て 、 以 て 無 爲 、 自 然 を 純 化 す る も の で あ っ て、 自 然 、.
無
籍 の思 想 を し て そ の ま さ に 進 む べ き 當 然 の農 民 の過 程 を 踏 ま し め る も の ≠ 解 す べ き で は あ﹁
る ま いか 。
﹂い ま か く 解
均
す る な ら ば 荘 子 は ま こ と に 老 手 の 無 爲 、自 然 の思 想 を 纏 蔵 し て さ ら に これ を 磯 展 せ し む る も の で あ り 、從 て荘 子 に
町
コ
田
ヒ
﹃美 膚 欲 深 者 共 天 機 淺 。﹂ ﹃不 利 貨 財 。 不 近 貴 富 Q﹄と 言 ひ 、 又 曰 く 、
1
於 ても また 欲望 が否 定 せ ら る る は怪 しび を要 せ ぬ。帥 荘 子 は欲 望 を絶 つべぎ を唱 へて或 は ﹃虚 無恬 淡 乃 合 天 徳。﹄
7
2
ヨ
﹃無 欲 而 天 下 足 。﹄
夫夫 性 有 五。 一日五色観 目 使目 不明 。 二 日五聲 翫軍 使耳 不聰 。 三目五臭 薫鼻 困慢 巾頸 。四 日 五味 潤目 使 口鷹爽 。 五 日趣舎 清 心使
鋤
性飛 揚 。此 五音 皆生 老害 也 。
夫 夫下 之所尊 者 富貴 壽善 也。 所樂 老 身安 厚 味美 服好 色 音聾 也。 所下 着貧 賤 大 悪也 。所 苦老 身 不得 安逃 口不得 厚味 形不 得美 服目 不
得好 色耳 不得 音 聾。 若不 得 者則大 憂 以催 。 具爲 形也 亦 愚哉 。夫富 者 吉 塚疾作 。 多積 財 而不得 講 用。其 爲 形地 亦 外夷 。夫 賢 者夜 以
れ
臘日。思鳳善否。其爲形也亦疏臭。人之生也。奥憂惧生。壽者暦俗久憂不死。何之苦也。其爲形也亦撮央。
そ し て荘 子 の欲 望 否 定 論 に於 ⊂ はな まじ っか欲 望 を充 足す れ ば 、 欲望 を充 足す るを 得ざ る に至 る場 合不 満 苦 痛 の
増 大 せ.
む こと を恐 れ るが故 に、 む し ろ始 より 欲望 を絶 つに如 か す とす る に あら ざ る や を思 はし む ると こ ろ に 一の
獅 得 な る論 理が 見 出 され る よう に思 はれ るが ど ん なも ので あ らう か 。
賎 子 は 欲曲玉を絶 つ に如 かす 、 それ が 天徳 に合 致 す る 所 以 だ と説 き、.
從 て欲望 充足 の且ハ
だ る 貨財 を刺 せす と言
ふ。 だ から荘 子 に あり ては財 の 生産 の如 き は 重 んず る に足ら ぬ と言 ふより もむ しろ 煩 は し き醤 と云 ふご乏 に.
なら
同上 、巻 第 五 、 天 地 第 十 二。
同 上 、 巻 第 五 、 天 地 第 卜二 。
同 上 、`巷第 六 、 至 樂 第 十 八 。
27)
29)
31)
荘 子 、 巻 第 六 、刻 意 第十 五。
同上 、 管 第 三 、大 宗 師第 六 。
同上 、 春 第 五 、天 地 第 十 二 。
26)
28)
30)
' 、
仏 ぱ な ら ぬ で あ ら う 。 そ れ で荘 子 は 日 ふ 。
、
絶 壁棄 却。 大 盗 乃止。 繭 玉段 珠。 小盗 不起 。焚 符 破璽。 町民朴 鄙 。措斗 抗 衡 。両 氏 不婁。 揮窺 天下之 理法 。 而民 始 可奥論 議 。擢
剛 六律 。 礫絶 竿蘇。 塞 嘘 之耳 。、
而展 下 給 人含 其聰 莫。滅 文章 。散 五采 。膠雌 蜘之 目。両 天下 給人 台 其明 美。殿絶 鉤縄 。而棄 規 矩。
然 し 、 生 産 を 重 ん ぜ す 、 こ れ を 煩 は し ♂ 鶯 と し て も 、 財 貨 な く し て生 な く 、 從 て 生 産 の否 定 は 生 の 否 定 で あ
厩 工 種之指 。 而 天下姶 入荷 其 巧典 。・
く 限 り 、自 然 を 説 く限
ゆ る﹁有 生 必 発 無難 私 。﹄ ﹃養 形 必 先蘇
ア
之所 不戦 也・ 吾非 不知 ・ 薔
不爲 ㌦
ヨ
ワリ
。﹄の句 は 詫
う
お
を 裡 書 す るも のと解 す る有
そ れ で 財 貨 は簡 素 を 尊 び て 巧 技 を 重 ん ぜ す 、 從 て 工 匠 を 孕 ん で 、
道 家 の忽塀
濟 思想.
第 五十 二巻
九 一
る であら う ・
第 一號
九 一
音聞 之 吾師。 有機 械 者。 必有 機事 。侑 機 事者 。必 有機 心。 機 心存於 御 中 。則 純白 不 備。純 白 不 備。 則卵 生 不定 。神 主 不定者 。 道
夫弓璽 毒 翌 蓼 。則癖 於麦 。鉤霜 露 笙 知多・測器 於水奥・削幕 落暴 之蓼 ・則欝 於翼 嗣
即 ち荘 子 に 教 の言 あ る所以 であ.
る。 曰く 、
そ し て豊 に 生産 は自然 に從 ふべ し と す る 以上 資本 の如 き は無 益 有害 と言 ふ こと に な る のも是 非 な き 次第 で あ る。
而.物生馬。無間真名。無圃其情。物故自生。
ヒ
富国 自然而 不 往生也 。.
天鶴也 者 犬食 也。 蔵 受 食於 天。 又悪 用ん 。至険 粛粛 。 重陽赫 赫。粛 粛出 子 天。赫 赫獲 乎 地。両 者交 通 成和。
の
き
よ り て う か が ひ う る と こ ろ の如 く で あ る 。 曰 く 、
但 し 荘 子 に よ れ ば 生 産 は た だ 自 然 に從 ひ 、 あ へ て自 然 に 逆 は ざ る に あ ら ね ば な ら ぬ と せ ら れ る こ と 次 の 諸 句 に
篇覧
り 、 從 て ま た 生 を 否 定 せ ぬ限 り 、 生 産 を 否 定 す る を 得 す 、 これ を 肯 定 せ ね ば な ら ぬ こ と と な る。 そ し て荘 子 達 生
り 、 そ し て 生 の 否 定 は ︼の 有 爲 で あ り 、 八 爲 でな け れ ば な ら ぬ 以 上 、 荘 子 に し て 無 爲 を 説
、漣 生第
、穂 先符
、 田子 方
、肱 簾第
十疫。
第五〇
第二十一。
十。
第七
第二
第七
第四
同上 、 巻
同上 、 管
同 上、 巻
同 上 、巻
33)
35)
37)
39)
、巻 第 四 、朕 簾第 十 。
、巷 第七 、達 生第 十 九 。
。
、.巻第 四 、 左 寄 第 十 一 。
上
上
上
上
同
同
同
同
32)
34)
36)
38)
﹂ 、
道家 の繧.
藩一
思想.
第 五十 二春
勤
純樸 不幾 。軌 爲 蟻樽 。白 玉不致。 軌 爲珪 璋。 ・
・
⋮・
夫 痩櫻 以爲 器 。 工匠之 罪 也。
九二
笛罪﹁號
九二
と 口 ふ 。 然 し 自 然 に 僑 存 す る こ と 最 も 大 き く 、 そ し て入 の生 存 に 最 も 重 要 な 農 業 に就 い て は 、 例 へば 次 句 に 見 る
如く 、た だ自 然 に從 ふべ し と言 は ぬば かり でな く 、 さら に、 よ り 自然 的 な粗 放農 業 を 排 し }
しょ り 人 礪 的 な集 約 農
業 を 推 し てみ る のは 注意 す べき と ころ であ らう 。 曰 く 、
昔予 爲禾 。耕 而歯 葬 之。 則 其實 亦 歯 葬両報 予 。芸 而滅 裂 之。 其實 亦滅 裂 両親 予。 予來 年 愛齊 。 深 真新 而 熟 優之。 共禾繁 以 滋。 予
動
鯵年 、厭 喰。
、.
か く 荘 子 は 財 貨 を 翰 ば す 、 生産 を 重 ん ぜ ぬ が 故 に 分 業 は こ れ を 願 は ぬ も の の 如 く 吾 た は 彼 よ り 吹 の言 を 難 く こ
と とな る。 曰く 、
農夫 無草 藁 之事 則 不比。 商 賈無 市井 之 事則 不比 。庶 人有 旦暮 之 業 則勧 。 百工有 器械 之 巧 則肚。 鏡 財不積 則食 者憂 。権勢 不尤 則脊.
粉
者悲 。勢 物 之徒 樂 塑。遭 特 有所 用 。不能 無爲 也 。此 皆 順化於 歳 不物於 易 者 也。
.
旬
飢 に分業 を 願 はす 、 故 に交 易 の要 を 認 めす 、 從 て商 は 斥け ら れ る。 曰 く 、﹃聖.
人.
・
⋮・
・
不 貨 悪 用商 ﹄
然 し 、 いくら 分 業 を 願 はす 、交 易 の宴 を認 め す 、 從 て商 を 斥 け ると言 っても 、 現 に人間 が分 業 生産 關 係 に入り
込 ん で居 る以上 交 易 によら す し てそ の生産 物 の分配 は如 何 にし て可 能 であ ら う か が問 題 と な ら ね ば なら ぬわ け で
あら う が 、然 し荘 子 も 亦 一の共 産 的思 想 を 抱 き 生産 物 はそ の必 要 とす る入 に臨屡 す べく 、 それ を獲 得 す る爲 に必
煽
44)
46)
ず し も 勤債 を提 供 し てそ こ に交 易 な る現象 の成 立 を 必 要 と せ ぬ ⊂と を 理想 とせ る こと例 へば荘 子 に見 出 され る次
の 諸 章 句 に よ う て こ れ を 推 論 す る こ と が でき る 如 く で あ る。 曰 く 、 ﹃不 拘 一世 之 利 以{
鳥 己 私 分 。﹄ 又 曰 く 、
ゆ
四海 之内 典利 之。 之 謂悦 。止ハ給之 之 爲安 。 ・
⋮・
・
財 用 有飴 而不 知 其所 自乗 。飲 食 取足 而 不知 其所 從。 此謂 徳 人之容 。
角
南越 有邑 焉。 名篇 建 徳之 國。 其民 愚 而朴 。少 私 而寡 欲。 知作 而 不知藏 。 興 而 不求 其報 。 不知 義 之所 適。 不 知禮 之 所將。 云 々。
'
。
二十四。
二。
十。
第九
鬼第
第十
第二
四 、馬 蹄
八 、徐 無
五、天地
七 、 山木
第
第
第
第
、巻
、巻
、巻
、巻
上
上
上
上
同
同
同
同
41)
43)
45)
47)
。
五。
。
。
地 第 十二
陽第 二十
充符 第 五
地第 十二
五、 天
八、則
二 、徳
五、天
第
第
第
第
、巻
、巻
、巻
、巻
同上
同上
同上
同上
40)
斗2)
4 、
,.
そ し て い ま これ ら の章 句 を 讀 み て 所 有 槽 の 根 糠 を 必.
要 性 の上 に置 き 、財 貨 は眞 にそ れ を 必 要 と す る人 に蛉 属 す る.
と す る を 知 る と き 、 私 は 例 へば ゴ ド ウ ヰ ン の﹃政 治 上 の 正 義 ﹄に 見 出 さ れ る所 有 樺 の 命 題 を 想 起 し て そ の奇 し き 相
.
似 に胸 う た れ ざ る を 得 ぬ も の が あ る。
か く て 生 産 物 が こ れ を 必要 と す る 者 の 手 に騙 す る と き そ こ に 沿捌費 が成 り 立 つ筈 で あ る が 、 然 ち ぱ 蕪 子 は清 費 に
就 い て 如 何 な る 見 解 を 抱 く か 。 思 ふ に 荘 子 の清 費 論 は 吾 々 が 以 上 彼 の思 想 に 就 い て う か が っ た 塵 よ り し てと れ を
推 測 す る こ と 必 ず し も 難 く な い と 考 へら れ る が 、 い ま 改 め て こ こ に こ れ を う か が へ ば 、 吾 々 は 特 に 荘 子 が消 費 を
否 定 す る 能 は ぬ ま で も 、 徐 り これ を 重 要 覗 せす 、 む し ろ 人 ば 消 費 如 き に 煩 は さ る る こ と な く 、 これ が 拘 束 よ り 脱
却 す べ き を 理 想 と す る こ と 、 これ を 例 へ ば 次 の 句 よ り 汲 み と る こ と が で き る の で は あ る ま い か 。 曰 く 、
罰
鷦 鷯 巣於 深林 。 不遇 一枝 。便 鼠飲 河 。不 遇湖 服。
勅
大 知 槻於 遠近 。故 小 面不 寡。 大 面不 多 。卸 量 無窮。 ⋮ ・
・
.
察乎 盈虚。 故 得 而不喜 。矢 面 不憂 。知 分 之無常 也。
そ れ か ら 最 後 に財 政 論 で あ る が 、 荘 子 は 老 子 の 思 想 を 継 承 し て無 爲 、 自 然 を 説 き 、 さ ら に こ れ を 個 人 に 徹 せ し
む る の で あ るか ら 、 や は り 財 政 支 出 は 望 ま し き と こ ろ で な く 、 從 て財 政 牧 人 の要 は 認 め ら れ 難 い こ と と な る 理 で
あ り 、 租 税 の 根 採 を 見 出 す に 苦 し む こ と に な る わ け で あ る が 、 特 に彼 に 在 ゆ て は 、 所 謂 所 有 槽 の 通 念 を 超 越 し て
財 貨 は 眞 に そ れ を 必 要 と す る 者 に 齢 屡 す べ し と す る の で あ る か ら 、 租 税 の形 式 に 於 て賦 課 徴 牧 す る が 如 き は 全 く
不 必 要 と な る と も 解 され る 。 然 ら ば そ の様 な 社 倉 は ︼艦 ど ん な も の で あ ら う か と 言 ふ こ と が 問 題 と な る か と も 思
・
第 五+ 二巻.
九三
笙
號
九三
ふ が 、 い ま し ば ら く 荘 子 を 讀 み てそ れ ら し き も の を 探 ぐ れ ば既 に掲 ゆ た る 諸 例 の う ち のあ る も の の 外 さ ら に 例 へ
懸
ば次 の如 き も のを あ げ得 るで もあ ら う か。 曰く 、
道 家 の慧
上、巷第一、遣遙第一。
上 、巻 第 六 、 秋 水 第十 七 。
48)同
49)同
4 、
?
遣 家 の経 済 思想
、
第 五十 二春.
九四
第 一號
九四
鋤
迎 末。 来者 勿禁 。往 者 勿 止。 從 其彊 梁。 騎 其間 傳。因 其自窮 。故朝 夕賦 勲。 而 毫毛 不挫 。而 況有 大 塗者 乎。
其迭 桂 町
至徳 之世 。 興行 填填 。 其競顔 顛 。常 足時 也。 山 無腰 燧。 澤 無舟梁 。 萬物 翠 生。連 厨 其郷 。禽 獣成 梁 。草 木 逡長 。是 政禽 獣 可係覇
・聞
而游 。鳥鶴 之巣 。 可 攀援 而闘 。 夫 至徳 之 世。 同 異禽 獣居 。族 與萬 物 並。 悪乎 知君 子 小人 哉。
老 荘 は 無 爲 を 説 き 自 然 に進 ふ べ き を 論 じ 、 須 ら く 欲 望 を 絶 ち 去 り て 無 欲 恬 淡 な れ と 教 へ る 。.
然 し な が ら欲 望 ぱ
素 と 人 間 の 本 来 具 有 す る と こ ろ と す れ ば 、 これ を 絶 ち 去 る は ︼の 人 爲 で あ り 有 爲 に 隣 し 、 そ れ は 無 爲 に 戻 り 自 然
に 反 す る も の で な け れ ば な ら す 、 從 て 欲 望 を 縦 にす る こ そ か へ っ て よ く 無 爲 に 居 り 自 然 に 逓 ふ 所 以 で あ る と 言 ふ
こ と に な る と も 考 べ ら れ る で あ ら う 。 い ま か く 考 へ て来 る と ひ と し く 道 家 者 流 に そ の 名 を 蓮 臓 る 者 の 中 に 湯 来 の
あ るあ っ 一
、、 縦 軟 論 を 唱 へ、 快 樂 至 上 主 義 に 走 り 、 利 己 自 愛 を 論 い て爲 我 主 義 を 主 張 す る に 至 る の は ま た 論 理 の
必 然 に し て 、 無 爲 、 自 然 の思 想 の當 然 に進 む べ き 進 化 の階 梯 を 進 め る 昏 の と 言 ぴ 得 る の で は あ る ま い か 。
場 末 に よ れ ば 、 吾 人 人 類 の 眞 に 生 き 甲 斐 あ る 期 間 は 極 め て短 く 、 そ れ に 、 入 間 死 後 は 無 に 帰 す る の で あ る か
ら 、 そ れ こ そ ﹃道 を 云 は す 後 を 思 は す 名 を 問 は 重 ﹄ 生 き て居 る 中 に で き る だ け 快 樂 を 追 求 す べ し と し て 曰 く 、
楊 来 日。 百年 壽立 大齊 。 得 訂年 者。 手無 一焉 。 設有 一者 。核 抱 以遠唇 老 。幾 居 呉牛 渠。夜 眼之所 再 。叢畳 之所造 。又幾 居 共生 突。
痛 疾 哀苦 。 亡失憂 懼o 又幾 居其 牛喚。 最 十敷 年 之巾 。適 然 而自 得。 亡介 焉 之慮者 。 亦 亡 一時 之 中衝 り 則人 之生 也。 異 爲哉 。 案樂
哉 。 爲美 原 爾。 爲聲 色爾 。 而美 原復 不 可常駅 足 。聲 色不 可常 翫 聞げ乃復 爲刑 賞 之所 禁渤 。名 法之所 進 退。遑 遑爾 。競 }時之 虚 器。
規 死 後之 余榮 。偶 偶 爾。 愼 耳目 之観 聰 。惜身 意之 是非。 徒 矢當 年 之 至楽 。不 能自 隷於 一時 。 重囲県 桔.
何以己+哉。太 古 之人 。知 生
之 暫 來。 知 死之暫 往。 故 徒 心而 動。 不違 自然 。所 好 常身 之娯 。 非所 去也 。故 不爲 各所勧 。 従性 面癖 、 不逆萬 物。所好 死後 之名 。
非盈 也・菓 翁 所及・蓼 先後・年令多少・非質 ㌦
・
ユ
同 上 、 巻 第 七 、r.IJ木第 二+。
同 上 、巻 第 四、 馬 蹄 第 九 。
列 子 、巻 第 七 、 楊 朱 第七 。
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圏
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然 し な が ら 、 欲 望 を 縦 に し 、 快 樂 を 追 求 す る と は 言 っ て も 、 そ れ ば そ れ が 自 然 に 從 ふ 所 以 だ か ら.
な の であ るか
ら 、 そ の た め に は 欲 望 を 追 求 し て も 自 然 を 超 え て は な ら ぬ わ け で あ る 。.だ か ら 揚 朱 は 日 ふ 。
.
外 ・不 道命 ・何 壽
・霧
貴・ 塁
名・不 要勢 ・ 鐸
位・ 不奮
・塁
貨・此請
♪
ロ
願民 ㌦
楊 朱 同。 生民 之不 得 休息g 爲 四事 故 。 一猛 毒 。 二爲 名。 三爲 位Q 四爲 貨 。有 此 囲者。.
異 見。 異 人。畏 威 。畏 刑。 此 謂之 道 人也 。
、唱.
可殺 可活 ・制 襲
楊朱 R。 豊 麗美 服 厚味鮫 色 。有 此 四者 。何 求 於外 。 有此 面求 外者 。無 欲 之性 。 無猷 之性 。 陰陽 之蛮 也。
そ し て こ れ に よ り て こ れ を み れ ば 、 財 貨 の 如 き も こ れ に ご だ は る は 自 然 に背 く 次 第 で 、 ま た 楊 朱 の 所 謂 順 民 の こ
と に 非 す と し て 斥 け ら れ る 所 以 で あ る が 、 楊 朱 は 更 に.
進 み で富 は 却 て身 を 累 は す 所 以 で そ の 不 可 な る こ と貧 と 異
な ると ころ な し とす る。 曰く 、
楊末 日。 原意 翼於 魯 、子 貢植 松 術。 原憲 之嚢 損 生。 子貢 之殖 黒身、 然 則箕 亦 不可 。殖 亦 不可 。其 可焉 在 。白 可主 業 生。可在 逸 身。
勒
散叢一
粟生 者不 幽
婁。 善 逸身者 不一
姐。
然 し 、 そ う は 言 ふ も の の そ の 欲 望 を 追 ひ 、 快 楽 を 求 む る に當 り て は ま た 他 人 の こ と を 念 頭 に お か す 、 世 間 に 顧 慮
せ す 、 た だ ひ た す ら に 本 能 に 從 て そ の命 ず る ま ま に 行 動 す べ し と説 い て 、 徹 底 せ る 値 入 キ 義 、 放 任 主 義 に 到 達
し 、 有 名 な る 次 の句 を 残 す 。 曰 く 、
洵
楊 朱 日。 ・
:.
・
・
古之 人 。損 一毫 利 大下 。 不興也 。悉 天.
下乗 一身 。不 取也 。人 人 不損 ﹁毫 。 人人 不利 天下 。 天下 治臭 。
吾 々 は 場 末 が 寡 欲 論 、 道 軟 論 、 無 欲 論 、 と 名 は 異 な れ ど も響 く 節 欲.
論 欲.
望 制 限 論 の専 ら と せ ら れ る 支 那 上 代 の
思 想 界 に 在 り て、 猫 り 敢 然 と し て縦 軟 論 を 高 唱 し て 、 欲 望 制 限 論 を 否 定 す.
るを 聞 く と き 、 ま さ に室 谷 に逡音 を聞
九五
第 }號
九五
56)
く の忍 な き を得 ぬ も の があ る。然 しな がら 、彼 の縦 欲 を説 く や 全く 個 人 主義 に陥 り 、 衆 と 共 に樂 し む こと を 知ら
第 五十 二巻
ざ る も の の如 く で あ る が 、 人 が 各 自 の 快 樂 に の み 走 り で ま た 他 を顧 み ぬ と き は 、 そ こ に争 奪 生 じ て 世 は 齪 れ 、 快
道 家 の紹 済思 想
上。
上。
上。
上o
同
同
同
同
53)
5斗)
55)
'.
蓑
総 濟懸
箋
+二審
九六
第 一號
九山
ハ
樂 の追 求 は妨 げ ら れ 、却 一
、所 期 の回的 に反 す る の結 果 に到 達す る忍 な し とな し得 る であ ら う か 。ま た彼 は縦 軟論
を 説 き な が ら 、富 を 斥 け 、欲 望 充 足 の卿 た る財貨 に 封ず る欲求 を入 爲 と し て排 し 、 そ の故 でも あら うか 、生塵 に
就 い て考慮 す る と ころ の言 を 見 出 し難 いの であ るが 、 それ は或 はま た財 貨 の生産 は勢 働 にま ち 、勢 働 は苦 痛⋮
を律
ぴ、 苦 痛 は 人 の欲 せざ る と こ ろな るが 故 に 、そ れ を 行 ふ に は人爲 を 要し 、 從 て自 然 に背 く こと とな る とす れ ば、
そ の生 産 を論 ぜざ る と てう に 無爲 自然 の哲 學 の論 理 の 一貫 を み るこ とが でき ると言 へるか も 知 れ ぬ が、 然 し な が
ら 縦 欲 を 説 き な がら 欲望 充 足 の具 だ る 財貨 を徒 ら に八爲 的 欲望 の対 象 と し て排 し 、 これ が生産 を無 視す る が 如 き
は 凡そ 論 理 の正當 な る展 開 と し ては許 され ぬと ころ で はな い であ ら うか 。 そ し てそれ がそ う許 され ぬ限 り 、彼 の
縦 軟 論 、 快楽 至上 主 義並 にま たそ の爲 我主 義 は 究 属 す る と ころ 、 一場 の察 論 放談 以外 の何 物 で もな いと断 ぜ られ
ても あ る ひは 一言 辯 解 の僻 な か る べき では あ る ま いか コ
本 稿 に 於 て 私 は 老 子 、 荘 子 及 び 楊 朱 の思 想 を そ わ そ れ 現 行 の書 物 た る 老 子 道 徳 経 、 薙 子 及 び 列 子.
第 七巻 楊朱 篇 に就 いて うか
が つ.た の で あ る が 、 いま そ れ ら の書 物 が い つ、 だ れ の手 に な った か は 議 論 の存 す る と こ ろ で あ っ て、 そ れ ら の書 物 に見 は れ た
る 思 想 を 以 て直 に そ わ そ れ 老 子 、 荊 子 、 及 び 湯 来 り そ れ と 断 ず る わ け に は 行 か ぬ こ と 周 知 の如 く で あ る。 そ れ で 本 稿 に 於 て 老
こ と は 、 そ れ ら の書 物 が 溢 家 思 想 の 中 心 を 形 成 す る も の で あ る こ と に は別 に か か は り も な い と こ ろ で あ り 、 從 て そ れ に 於 て遁
子 、 荘 子 及 び 湯 来 の思 想 と せ る も の は 、腰 掛 に は 上掲 の そ れ ぞ れ の 書 物 に 見 は わ た る 思 想 と言 ふ べ き で あ る。 然 し な が ら そ の
、
家 の組 濟 思 想 を 兜 撮 す る こ と が そ の た め に 何 ら 妨 げ ら れ る に 至 ら ぬ こ と は 多 言 を 要 せ ぬ と こ ろ で あ ら う。
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